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macOS Sonomaで強化された「画像を調べる」機能を使いこなそう

「画像を調べる」を使えば、写真などに写っているオブジェクトを素早く調べたり、抜き出したりできます

マシンラーニングによってオブジェクトを自動判別

 写真を見ていて、「あれ、これ何だっけ?」と思うことがあるでしょう。しかし、それを調べようと思っても、肝心の対象物の名前が分からないと、インターネットで検索することもままなりません。

 人によってはGoogleの画像検索を使うかもしれませんが、そのためにはWebブラウザを起動しなければならないのがやや面倒です。そこで便利なのが、Macに標準搭載されている「画像を調べる」です。

 これは2021年にリリースされたmacOS Montereyから搭載されている機能で、画像内にあるオブジェクトをマシンラーニングによって自動判別し、詳しい情報を表示してくれるもの。

 「写真」アプリや「プレビュー」で画像を開いたとき、Safariでネットサーフィンをしているときなどに数クリックするだけで、画像内のオブジェクトの情報を素早く調べることができます。

 自動判別の対象となるオブジェクトは、動物や植物、花、有名なランドマーク、芸術作品など。機能が実装されたばかりの頃は対象オブジェクトが限られていましたが、現在は実にさまざまなものを自動判別してくれます。

 写真を見ていて知りたいものが写っていたときは、まず「画像を調べる」で認識されていないか確認する習慣を身につけましょう。

「写真」アプリや「プレビュー」で画像内のオブジェクトが自動判別された場合は、ツールバーの[情報]ボタンに星マークが付きます。クリックしてみましょう
「情報」ウィンドウが開き、オブジェクトに「画像を調べる」アイコンが現れますのでクリックします
吹き出しが表示され、オブジェクトについての詳しい情報が表示されます。テキストを選択すれば、コピー&ペーストできます
吹き出し内の[Wikipediaで詳しい情報を表示]をダブルクリックすると、Wikipediaのサイトが開いてさらに詳しい情報が分かります
吹き出しの下段には別の判別結果が表示されます。クリックすると詳しい情報が表示されます
[同じタイプのWebイメージ]には似た画像が表示されます。クリックすると、その画像が掲載されているWebサイトにアクセスできます
Safariでは画像を副ボタンクリック([Control]キー+クリック、または右クリック)して表示されるコンテキストメニューから[調べる]を選びます
「写真」アプリや「プレビュー」でもコンテキストメニューから[〜を調べる]をクリックすると、より素早く実行できます
花や銅像など実にさまざまなものを自動判別します。どんなものが対象となるのか、いろいろな写真を試してみましょう

写真に写っているオブジェクトを抜き出す

 「画像を調べる」機能で認識されたオブジェクトは、背景から切り離してほかの書類やアプリにコピーしたり共有したりできます。

 「写真」アプリや「プレビュー」などでオブジェクトを副ボタンクリックして[被写体をコピー]というメニューを選択しましょう。これでオブジェクトがコピーされるので、あとはさまざまなアプリにペーストすることができます。

 また、[被写体を共有]というメニューを選べば[共有]ウィンドウが開き、メールやメッセージ、AirDropを使って共有することができます。

 写真によってはオブジェクトがうまく切り抜かれない場合もありますが、画像編集ソフトなどを使うことなく自動で行なってくれるのはとても便利です。

オブジェクトを副ボタンクリックして、コンテキストメニューから[被写体をコピー]を選びます。「メッセージ」アプリなどにペーストして利用できます
オブジェクトをコピーして書類に貼り込むなど、いろいろな使い方が可能です
コンテキストメニューから[被写体を共有]を選ぶと、メールやメッセージ、AirDropなどで共有できます

macOS Sonomaでさらに便利に!

 昨年2023年9月にリリースされた最新のmacOS Sonomaでは、この「画像を調べる」機能がさらに強化されています。

 まず特筆すべきなのが、よりさまざまな情報を調べられるようになったこと。たとえば、料理の写真から似たようなレシピを探したり、ランドマークやお店までの経路を地図で表示したり、洗濯タグなどに記載された記号やマークの意味を調べたりすることが可能です。

 また、ビデオへの対応が図られたことも大きなトピックです。「写真」アプリなどでビデオを再生しているときに一時停止をすると、画像と同じようにそのフレームに表示されているオブジェクトの情報を調べたり、抜き出したりすることができます。

 さらに、複数のオブジェクトの抜き出しにも新たに対応しました。写真やビデオの中に複数のオブジェクトがある場合は別々に認識され、オブジェクトごとにコピーしたり共有したりできます。

 オブジェクト同士が接近していたり重なり合っていると1つのオブジェクトとして識別されてしまいますが、これも嬉しい進化と言えるでしょう。

料理や食材が写っている写真で、星マーク付きの情報ボタンをクリック。吹き出しの下段から[レシピ]を選択するとレシピが表示されます
ランドマークやお店の場合は、吹き出しの下段から[マップ]を選ぶことで大まかな場所を確認できます。さらに[経路]をクリックすれば「マップ」アプリが開いてその場所までの経路を検索できます
ビデオを一時停止状態にすると、画像同様にオブジェクトの詳しい情報を表示したり、オブジェクトを抜き出したりできます
写真やビデオに複数のオブジェクトが写っている場合は、それぞれにアイコンが表示されるので個別にコピーしたり共有したりできます
一見しただけでは意味が分からない洗濯タグの記号やマークも「画像で調べる」を使えば一発で分かります
記号やマークが複数写っている場合は吹き出しの下段にそれぞれの項目を並べてくれるので選択してみましょう。詳しい意味が分かります