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実は最強!Macの「辞書」アプリをとことん活用しよう

 Macに標準搭載されている「辞書」は、国語辞典、英和/和英辞典をはじめ、50言語を超える外国語辞典なども収録したパワフルなアプリです。ここでは基本的な使い方に加え、Safariなどほかのアプリを使っているときに素早く辞書を引く方法など、Macの「辞書」アプリを120%使いこなすテクニックを解説します。

1つのアプリで膨大な辞書ソースを利用できる「辞書」アプリ。macOSに標準で搭載されています

本格的な辞書が満載

 Macの「辞書」アプリに収録されている辞書は、実に本格的なものです。たとえば、国語辞典は三省堂の「スーパー大辞林」、英和/和英辞典は同じく三省堂の「ウィズダム英和辞典」と「ウィズダム和英辞典」。いずれも長い歴史のある辞書であり、信頼性も抜群です。

 また、「辞書」アプリでは、WikipediaやApple用語辞典も利用できます。国語辞典に載っていないような固有の商品や人物、あるいはMacならではのテクノロジー用語も調べられるというわけです。

 つまり、日本語も外国語も、さらには専門用語や固有名詞も、すべて1つのアプリで調べられるのです。知りたいことのほとんどは「辞書」アプリを開けばすぐに解決するでしょう。

「辞書」アプリを起動したら、ツールバー上部の検索窓に調べたい言葉を入力します。複数の辞書ソースの検索結果がまとめて表示されます
ツールバーの下にある辞書ソースをクリックすると、それぞれの辞書に絞って検索結果が表示されます
ウィンドウの左側には、検索窓に入力した文字から始まる単語が並びます。そこから選んで言葉を調べることも可能です

3本指タップで素早く辞書を引く

 調べたい言葉が出てきたとき、わざわざ「辞書」アプリを起動するのが面倒……と思う人もいるでしょう。しかし、心配は無用です。Macには、素早く辞書を引く方法がいくつも用意されています。

 最初に紹介したいのは、3本指タップという方法です。MacBookシリーズの内蔵トラックパッドや、Apple純正キーボードの「Magic Trackpad」で使用できます。

 調べたい文字列の上にマウスポインタを置いて、3本指でタップしましょう。「カチッ」と鳴るまでクリックしなくても、「ポン」と軽く叩くだけで反応します。

 また、文字列を選択する必要もありません。ポインタを文字列の上に置くだけで、単語の区切りを自動的に認識して調べてくれます。

 この方法は非常に手軽ですが、注意点が2つあります。1つは、利用できないアプリもあるということ。Apple製のアプリならほとんど利用できますが、サードパーティ製のアプリで利用できるものはわずかです。

 もう1つは、たまに単語の区切りがうまく認識されないことです。たとえば、「スワイプ」を調べようと思って3本指でタップすると、「ワイプ」の結果が表示されたりします。

 意図しない区切りになってしまったときは、次に紹介するキーボードショートカットを試すのがいいでしょう。

3本指タップを使うと、言葉の意味を一瞬で調べられます。日本語のときは国語辞典が、英単語のときは英和辞典が表示されるなど、言葉によって最適な辞書が表示されます
3本指タップが機能しない場合は、「システム設定」の[トラックパッド]項目を確認しましょう。[ポイントとクリック]タブの中にある[調べる&データ検出]で[3本指でタップ]を選択します

キーボードショートカットで辞書を呼び出す

 Macをマウスで使っている人や、サードパーティ製アプリで「調べる」を使いたい人は、キーボードショートカットを覚えておきましょう。

 キーボードショートカットは3本指でのタップと違って、あらかじめ文字列を選択します。そして[command]キー+[control]キー+[D]キーを押すと、辞書の内容がポップアップで表示されます。

 この方法なら、マウスを使っている人も利用できますし、文字を選択できればどのアプリでも使用可能です。また、3本指タップのように文節区切りが思い通りにならないこともありません。ぜひ覚えておきましょう。

キーボードショートカットなら、Google Chromeなどサードパーティ製のWebブラウザを使っていてもすぐに辞書が引けます

画像内の文字列も調べられる

 テキストデータではなく、画像データの中に含まれている文字を調べたいときはどうしたらいいでしょうか?

 心配はいりません。今のMacには、画像内のテキストを認識する機能が搭載されています。

 まずは、画像をクイックルック(Finder上で選択して[スペース]キー)するか、または「プレビュー」アプリで開きましょう。そのあと、調べたい部分をマウスでドラッグすれば、画像内のテキストでもそのまま選択できます。

 文字列が選択できたら、2本指クリックまたは[control]キー+クリックでコンテキストメニューを開き、[◯◯を調べる]を選びます。これまでと同じくポップアップが開き、辞書の内容が表示されます。

 このように、Macには素早く辞書を引く方法がいくつも用意されています。ぜひ活用してみましょう。

画像内の言葉を調べたいときは、コンテキストメニューから[◯◯を調べる]を選んで辞書を呼び出します

辞書ソースを自由にカスタマイズ

 「辞書」アプリでは豊富な辞書を利用できますが、最初からすべてが有効になっているわけではありません。そのため「辞書」アプリの[設定]メニューを開いて、自分の使いたい辞書ソースを選択する必要があります。

 また、「辞書」アプリのメインウィンドウのツールバーに表示される辞書ソースの並び順もカスタマイズできます。「設定」メニューから辞書ソースをドラッグ&ドロップして使いたい順に上から並び替えると、「辞書」アプリのメインウィンドウのツールバーでは左から順に表示されるようになります。

「辞書」アプリをカスタマイズするには、[辞書]メニューの中にある[設定]をクリックします
「辞書」アプリの設定画面が開きます。自分の使いたい辞書ソースがあったら、チェックボックスをオンにして有効化しましょう
辞書ソースはドラッグ&ドロップで並べ替えができます。メインウィンドウのツールバーに表示される並び順が変わります
設定画面では、ほかにもカスタマイズ可能な項目があります。1つは「スーパー大辞林(日本語)」の縦書き表示です。設定方法は[縦書き]のチェックボックスをオンにするだけです
縦書きをオンにすると、このように紙の国語辞典のような表示になります。なお、縦書きになるのは辞書アプリ上だけで、ポップアップは変更になりません
Wikipediaもカスタマイズが可能です。標準だと英語と日本語だけ有効になっていますが、もし他の言語の結果を表示したい場合は、その言語にチェックを入れましょう

サードパーティ製の辞書も利用できる

 「辞書」アプリにはサードパーティ製の辞書ソースを追加することも可能ですが、その数はあまり多くありません。代表的なところでは「英辞郎 for macOS Dictionary.app」があります。

英辞郎 for macOS Dictionary.app」は、英和、和英辞書のほか、略語辞書や類語辞書も収録されています。価格は2,300円で、サンプルを無料ダウンロードすることもできます

辞書を活用する習慣を身につけよう

 Safariやミュージックといったほかの標準アプリと比べると、「辞書」アプリはあまり注目されません。しかし、今回紹介したように実に強力なアプリですので、積極的に活用すればユーザーの大きな武器になってくれるでしょう。

 言葉というのは、誤解や思い込みで間違った理解をしてしまうことも多いものです。しかし、知らない言葉を辞書で確認する習慣が身につくと、正確な知識を身につけられます。年齢や職種に関わらず、すべての人におすすめしたいアプリです。