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Macの日本語入力を快適にする12のワザ
2022年5月27日 06:17
Mac標準の日本語入力といえば、かつての「ことえり」のイメージが強いかもしれません。確かに、かな漢字変換の精度や機能が今ひとつという時代もありましたが、現在のMacでは「ATOK」や「Google日本語入力」など他社製の日本語入力ソフトを導入しなくても十分に実用的です。しかし、「ライブ変換」などMac初心者にはやや慣れないと使いにくく感じられる機能もあります。そこで、今回は知っておくと便利な日本語入力の設定方法やテクニックを解説します。
Macの日本語入力を便利にするテクニック
①ライブ変換のオン/オフ切り替えと変換中の確定操作
Mac標準の日本語入力を快適にする方法として、まずは2015年に発表されたOS X 10.11 El Capitanで搭載された「ライブ変換」について見ていきましょう。
ライブ変換は日本語のテキスト入力時に[スペース]キーを押して変換しなくても、各文節が自動的にかな漢字変換されていく機能です。なお、iPadOS 13.4からはiPadの外付けキーボードでも使えるようになったことで話題になりました。
日本語特有のかな漢字変換の効率を高めるライブ変換は、慣れると快適そのものです。しかし、初めて使う場合は意図せず変換されて戸惑ったり、ライブ変換に非対応のアプリで入力した文字が消えてしまったりするトラブルもあります。
Macでライブ変換の機能をオフにするには、システム環境設定の[キーボード]パネル→[入力ソース]から[ライブ変換]のチェックを外すか、入力ソースが日本語の状態でメニューバーの入力メニューから[ライブ変換]のチェックを外すだけです。
ライブ変換のオン/オフを状況で切り替えたい場合もあるかもしれませんが、この切り替えにはショートカットキーが割り当てられておらず、スピーディーな操作には適していません。
そこで、ライブ変換を有効にしたままの状態で、ひらがなやカタカナへ直接変換するショートカットについて紹介します。
方法は簡単で、日本語入力中にひらがなのまま確定したい場合は[control]+[J]キーを、カタカナのまま確定したい場合は[control]+[K]キーを押すだけです。
ほかにも半角カタカナや全角英字などで確定する方法もあるので、よく使うものは覚えておくことをおすすめします。
②変換候補を保存しないプライベートモード
日本語でテキスト入力する際に、変換候補から選択した単語は次回の変換候補の上位に表示されるようになります。
しかし、プライベートとビジネスに同じMacを使っている場合は、ビジネス文書作成中にチャットで使っていた言葉が表示されたりして困ることがあります。
この変換候補の学習を一時的に無効にできるのが、「プライベートモード」の機能です。入力メニューからオンにしておくと、その間の変換候補は学習されなくなります。
また、「連絡先」に保存されている住所などのプライバシー情報を変換候補として表示したくない場合もプライベートモードが利用できます。
たとえば、Zoomでの画面共有中に「東京」と入力したら自宅の住所が変換候補に表示されてしまうような失敗を未然に防ぐことができます。
③キーボードビューアで特殊な文字を入力する
入力メニューからはさまざまな機能を呼び出せますが、使い道がやや分かりにくいものがあります。特に[キーボードビューアを表示]はメニュー名だけでは何に役立つか分からないでしょう。
これは、特殊文字や記号、ほかの言語の文字などが、使用中のキーボードではどの位置になるかを確認するためのものです。[キーボードビューアを表示]を選ぶと、使用中のキーボードの配列がソフトウェアキーボードとして表示されるので、位置を確認したり、クリックして入力したりできます。
日本語入力の際にはあまり出番がないかもしれませんが、たとえば英字入力に切り替えた状態では、フランス語のアクサン記号やドイツ語のウムラウトなどが入力できるほか、「」のような特殊な記号も入力できます。
④絵文字と記号をショートカットで呼び出す
絵文字や記号、難しい漢字を入力するには「文字ビューア」を利用します。入力メニューの[絵文字と記号を表示]を選ぶと文字ビューアが現れるので、サイドバーから[囲み文字]や[漢字][象形文字]などのカテゴリを選択して入力したい文字や記号を探しましょう。
書類に挿入するには、書類に挿入ポイントを置いた状態で、文字や記号をダブルクリックします。よく使う文字や記号がある場合は文字ビューア上で[お気に入りに追加]を選ぶと、その文字や記号がサイドバーの[お気に入り]に登録されます。
なお、文字ビューアをもっと素早く呼び出したい場合は、[command]+[control]+[スペース]キーというショートカットキーを使うと便利です。
⑤半角カタカナや全角英字を入力する
公的機関や一部の銀行のWebサイトでは、入力フォームで全角英字や半角カタカナでの入力が求められることがあります。Macでは、初期設定の状態ではこれらの入力モードが表示されていないので入力できないと思っている人もいるようです。
入力メニューから[キーボード環境設定を開く]を選択し、日本語のローマ字入力またはかな入力を選択すると、[半角カタカナ]や[全角英字]の項目が選択できます。
⑥変換候補の表示をゴシック体にする
気にする人はあまり多くないかもしれませんが、日本語入力の変換候補メニューに表示されるフォントが「明朝体」で、本文のゴシック体と同じではないことに違和感を覚える人もいます。
その場合は、入力ソースの設定で表示するフォントとフォントサイズを変更してみましょう。変換候補の文字が小さくて読みにくいと感じている人にも役立つ設定です。
⑦定型文や固有名詞は辞書登録する
難しい漢字や珍しい名前など予測変換になかなか出てこない単語があると、変換に時間を取られてしまいます。もしそうした単語があったら「ユーザ辞書」に登録しておきましょう。
難しい単語や珍しい名前だけではなく、時候の挨拶などの定型文や住所、メールアドレスなども登録しておくと便利です。メールのメッセージ作成や入力フォームでの文字入力の手間を削減できます。
また、ユーザ辞書に登録する際は、どのように入力したらその単語を呼び出すかを自由に決めることができます。たとえば「よ」と入力すると「よろしくお願いします」と変換候補に表示されるようにするなど工夫してみましょう。
なお、ユーザ辞書で登録した単語は、iCloud経由でiPhoneやiPadとも同期されます。
⑧誤って確定した変換を再変換する
誤った変換候補で確定してしまった際に、いったん消してから再度入力するのは手間がかかります。その場合は、入力の確定直後に入力メニューから[再変換]を選ぶか、[control]+[shift]+[R]キーのショートカットを押します。
すると、一度確定した最後の単語の変換候補が表示されるので、ここから正しい変換を選ぶだけです。この再変換のショートカットはJIS配列のキーボードでは[かな]キーの2回押しでも利用できます。
⑨読めない漢字を入力する
読み方が難しい漢字を入力するには、その漢字を構成する部首を入力してから探す方法があります。たとえば、「醴」という漢字であれば「西」と「豊」というパーツが含まれているので、「西豊」といったん入力したのち文字を範囲選択します。
続けて[control]キー+[2]キーを押すか、入力メニューから[部品の共通な漢字を検索]を選択すると、変換候補に「醴」という漢字が表示されます。ちなみに、この漢字は1文字で「あまざけ」と読みます。
また、これと似た機能に[関連文字に変換]があります。たとえば、「台湾」という文字は1文字ずつ「臺」「灣」のように繁体字(正体字)での表記に変えることができます。
⑩キー操作1回で変換を確定する
ライブ変換の登場で意識することは少なくなりましたが、Macで変換候補から確定する際には2回[return]キーを押す必要があります。これは、Windowsの標準IMEから移行してきた人にとっては煩わしく感じられるかもしれません。
その場合は、システム環境設定の[キーボード]パネル→[入力ソース]から[Windows風のキー操作]のチェックを入れておきましょう。すると、複数の変換候補から指定する際に[return]キーを1回押せば確定されるようになります。
⑪矢印の記号をキーで入力する
日本語の文章内でもよく使われる記号のひとつに矢印記号があります。これは「みぎ」と入力して変換候補から「→」を選ぶことでも入力できますが、文字の確定までに数回のキー操作があり効率的ではありません。
その場合は、日本語入力モードで[Z]キーを押してから[L]キーを押すと「→」のように変換されます。同様に左や上下の矢印記号入力もできますので、キー操作を覚えておくと便利です。