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最新Core Ultra搭載でも、ちゃんとバッテリを交換可。頼れるモバイル「レッツノートFV5」

パナソニック 「レッツノート FV5 CF-FV5USCCP」

 パナソニックから、ビジネスモバイルノートPC「レッツノート」シリーズの2024年春モデルが登場した。今回はその中から、シリーズ初のvPro対応Core Ultraプロセッサー搭載の14型モデル「レッツノート FV5 CF-FV5USCCP」を紹介する。パナソニックによると、国内初のvPro対応のCore Ultraプロセッサ搭載PCであるという。

 なお、今回試用したのは発売前の評価機ということもあり、最終的な製品とは異なる部分が存在する可能性がある点はご了承いただきたい。直販サイト「Panasonic Store+」では5月下旬頃の出荷を予定しており、価格は33万7,400円から。

外観は従来モデルから変更なし

 レッツノート FVシリーズは、アスペクト比3:2の14型ディスプレイを搭載しつつ、1kg前後の軽さと、シリーズおなじみの優れた堅牢性を両立することで、ビジネスシーンで高い人気を誇っている。その最新モデルとなるのが、今回取り上げる「レッツノート FV5 CF-FV5USCCP」(以下、CF-FV5USCCP)だ。

 基本的には、従来モデルをベースとしつつ仕様を強化しており、外観も従来モデルから大きな変化は見られない。

 サイズは、約308.6×235.3×18.2mmと、FVシリーズ初代モデルから変わっていない。20mmを切る薄さは、FVシリーズ初代のFV1で“レッツノートシリーズ史上最薄ボディ”とアピールしていたが、そちらもそのまま受け継がれている。

 外観も基本的に変わっている部分はない。天板には、強度を高めるための凹凸のボンネット構造を採用しており、一目でレッツノートシリーズとわかるデザインとなっている。それでも、筐体の薄さもあって、レッツノートシリーズの中でもスタイリッシュな印象が強い。

ディスプレイを開いて正面から見た様子。基本的なデザインは従来モデルから変わっていない
天板。プレミアムモデルということで、カラーはジェットブラックを採用
天板には、浅めではあるが凹凸のボンネット構造を採用し、優れた堅牢性を継承
本体正面。高さは18.2mmと20mmを切る薄さで、カバンへの収納性も優れている

 重量も従来から変わっておらず、公称1,134gとなる。そして、交換式のバッテリパックが採用されている点も同様で、別売の「バッテリーパック(S)」装着時には約1,034gとなる。また、ワイヤレスWAN搭載時には重量が約5g増えることになる。

 試用機の実測の重量は1,120gと、公称よりもわずかに軽かった。そして、実際に手に持ってみると、重量バランスが良いせいか、数字ほど重いとは感じなかった。もちろん1kg切りのモバイルノートと持ち比べると重いのは事実だが、持ち運びに苦労することはないと考えて良さそうだ。

 レッツノートシリーズのカラーといえば、シルバーダイヤモンドを思い浮かべる人が多いと思うが、CF-FV5USCCPはプレミアムエディションということもあって、ジェットブラックが基本色となっており、試用機のカラーもジェットブラックだった。シルバーダイヤモンドに比べると重厚な印象を受ける。ただ、このブラックはマット調の仕上げとなっていることもあり、高級感はあまり感じられない。それでも、本体を触っても指紋の痕が付きにくい点は好印象で、特に外に持ち出す機会の多い人にとってありがたいはずだ。

 シリーズおなじみの優れた堅牢性も従来同様で、76cmの高さからの落下試験や100kgf加圧振動試験をはじめとした多くの堅牢性試験をクリア。従来同様に、安心して持ち運んで利用可能だ。

左側面
背面
右側面
底面
従来モデル同様に、着脱式のバッテリを採用しており、ユーザーが簡単に交換できる
標準では容量56Whのバッテリパックが付属するが、オプションのバッテリーパック(S)を装着すると重量が100g軽くなる
試用機の実測の重量は1,120gと、公称よりわずかに軽かった
【表】レッツノート FV5 CF-FV5USCCPの主な仕様
プロセッサCore Ultra 7 165H
Pコア:6コア・12スレッド/ブースト時最大4.80GHz
Eコア:8コア/ブースト時最大3.80GHz
低消費電力Eコア:2コア/ブースト時最大2.5GHz
スレッド数:22
メモリ32GB
内蔵ストレージ512GB PCIe4.0 SSD
ディスプレイ14型液晶、2,160×1,440ドット、ノングレア
無線LANIEEE 802.11ax 2x2(Wi-Fi 6E)
BluetoothBluetooth 5.3
キーボード日本語、キーピッチ約19mm、キーストローク約2mm、キーボードバックライト
カメラ約207万画素 Webカメラ
生体認証顔認証IRカメラ、指紋認証センサー
インターフェイスThunderbolt 4×2、USB 3.0 Type-A×3、HDMI、ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、SDカードスロット、3.5mmオーディオジャック、電源コネクタ
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ/重量約308.6×235.3×18.2mm/約1,134g

【23時20分訂正】記事初出時、CPUの型番を誤っておりました。お詫びして訂正します。

アスペクト比3:2の14型ディスプレイは作業の効率を高めてくれる

 ディスプレイは、従来モデル同様の、2,160×1,440ドット表示対応の14型液晶を搭載する。パネルの種類は非公開だが、視点を大きく移動させても明るさや色合いの変化はほとんど感じられず、視野角はIPSパネル相当と考えていい。

 パネル表面も従来と変わらず非光沢処理となっている。発色の鮮やかさは光沢液晶に劣る印象ではあるが、外光の映り込みはほとんど感じられず、文字入力などの作業を快適に行える。ビジネスシーンでの利用をメインターゲットとしていることを考えると、この点は魅力だ。

 また、アスペクト比3:2の縦長ディスプレイであるという点も、非常に大きな魅力となる。近年、縦の表示解像度を増やした縦長のディスプレイを搭載するノートPCが増えているが、そういった中でもより縦の表示解像度が高い。文書作成やスプレッドシートの入力といった作業を行なう場合でも、より多くの情報を1度に表示できることで、作業効率を高められる。また、横の表示解像度もフルHDの1,920ドットより高く、複数のアプリを並べて利用する場合の利便性も優れている。

ディスプレイは、アスペクト比3:2、2,160×1,440ドット表示対応の14型液晶を搭載
表面は非光沢仕様のため外光の映り込みはほぼ感じられないが、発色の鮮やかさは光沢液晶にやや劣る印象だ

 同時に、ディスプレイサイズも14型と、一般的なモバイルノートPCよりも大きく、文字の視認性にも優れている。そのため、モバイル用途はもちろんのことメインPCとして利用するとしても、非常に快適に利用できるのは嬉しい。

 先ほども紹介したように、光沢液晶や広色域ディスプレイなどと比べると発色性能はややおとなしめの印象だ。とはいえ、ビジネス向けモバイルノートPCのディスプレイとしては必要十分の鮮やかさは確保できている。CF-FV5USCCPがターゲットとする用途を考えると全く問題はないだろう。

ディスプレイは180度には届かないものの、かなり深くまで開く

扱いやすいフルサイズキーボード

 キーボードは、キートップが木の葉状となった、シリーズおなじみのデザインを採用。一般的なアイソレーション型キーボードとはかなり印象が異なるものの、指でキーの位置を判断しやすいだけでなく、指を滑らせるようにキーの間を移動させてもキーの角の引っかかりが感じられず、心地よくタイピングできる。キーボードバックライトも引き続き搭載しており、暗い場所でのタイピングも安心だ。

 主要キーのキーピッチは、縦横ともに19mmフルピッチを確保。ストロークは2mmと、モバイルノートPCとしてはかなり深い。キータッチはシリーズ同様にやや柔らかめで、軽やかにタイピングできる。硬めの打鍵感が好みという人でも、ストロークの深さでカバーできそうだ。

 また、キーの打鍵音も比較的静かだ。個人的には、底打ち時の音がもう少し静かだとなお良いと感じたが、よほど強くキーを叩くようなタイピングを行わない限り、打鍵音が気になることはなさそうだ。静かな場所でのタイピングもこれなら安心と言える。

キーボードも従来モデルと同じで、リーフ形状キートップのキーボードを搭載
キーピッチは縦横とも19mmフルピッチで、タッチタイプも容易だ
ストロークは2mmと、薄型のモバイルノートPCとしてはなかなかの深さ。タッチが軽めな点も従来同様だ
キーボードバックライト搭載で、暗い場所でも快適なタイピングが可能

 ポインティングデバイスは、シリーズの伝統でもある円形のホイールパッドを搭載。そのサイズもほかのレッツノートシリーズよりも大型化されており、操作性は申し分ない。もちろん、タッチパッドの周囲をなぞってホイールのようにスクロール操作を行なうといった、特徴的なジェスチャー操作も問題なく行なえる。物理クリックボタンも搭載しているので、確実なクリック操作が行なえるが、その形状ゆえキーボードからやや遠い位置に配置されている点は少々気になった。

シリーズおなじみのホイールパッドは、パッドサイズが大きく、ジェスチャー操作もやりやすい

Core Ultra 7 165Hを搭載し、一部のAI機能をNPUで処理

 CF-FV5USCCPは、プロセッサにvPro対応のCore Ultra 7 165Hを採用している。Core UltraはAI処理エンジン「NPU(Neural Processing Unit)」を搭載している点が大きな特徴で、各種AI処理をローカルで効率良く処理できるようになるとして注目を集めている。

 現時点では、アプリケーションのNPUへの対応がごく一部にとどまっているため、活用できるシーンはそれほど多くないが、すでに多くのアプリケーションベンダーが対応を予告しており、近い将来にはビジネスシーンで日常的に利用するものも含めて多くのアプリケーションでNPUが活用できるようになるはずだ。

 そういった中、CF-FV5USCCPにおいては、一部AI処理でNPUを利用するようになっている。レッツノートシリーズでは、数モデル前より、マイクで拾った音声のノイズを除去したり、カメラで捉えた映像の背景をぼかしたり、顔のトリミング、明るさの自動調整といった独自のAI処理機能を搭載していた。従来まではそれらをCPUで処理を行なっていたが、CF-FV5USCCPではカメラ関連のAI処理についてCore UltraのNPUが行なうようになっている。

 具体的には、カメラ関連のAI処理をNPU対応の「Windows Studio Effects」を利用することで、人物の背後をぼかす背景ぼかしや、人の顔を中央にトリミングする自動フレーミング、明るさ補正の処理をNPUが行なうようになっている。実際に試してみると、NPUが稼働していることを確認できた。

カメラで捉えた映像の背景をぼかしたり、顔のトリミング、明るさの自動調整は「Windows Studio Effects」を利用して実現しており、Core Ultra 7 165HのNPUで処理される
zoom利用時の背景ぼかしや明るさ調整にWindows Studio Effectsを利用すると、NPUが稼働している
ノイズキャンセリング機能は従来同様にCPUでの処理となる

 これによる利点は、AI処理を行なう場合にCPU使用率が低減し、CPUの処理能力を他の処理により多く割り当てられる、という点だ。

 実際にzoomでのビデオ会議を行ないつつ、背景ぼかしや明るさ補正をZoomの機能を利用した場合とWindows Studio Effectsを利用した場合とでCPUの使用率を比較してみた。すると、Zoomの機能を利用した場合には7%前後だった使用率が、Windows Studio Effectsを利用した場合には3%前後に低減した。

映像処理をZoomの機能で行なった場合のCPU使用率は7%前後
映像処理をWindows Studio Effectsで行なうと、CPU使用率が3%前後に低下した

 今後、NPUを活用するアプリが増えていけば、より多くの処理をNPUが担当するようになり、CPUの使用率をより低減できる可能性が高い。同時に、NPUはAI処理に特化した仕様で、CPUよりも高効率、高速にAI処理が行えるため、パフォーマンスも高められるだろう。

 生成AIを中心として、PCでのAI活用は今後ますます進んでいくだろう。同時にビジネスシーンでのAI利用は、セキュリティの観点からクラウド処理ではなくエッジ処理が強く求められる。そういった意味でも、NPU内蔵プロセッサであるCore Ultra 7 165Hを搭載するCF-FV5USCCPは、今後のビジネスシーンにも柔軟に対応できるはずだ。

 ところで、Core Ultra 7 165HのNPUの性能はどの程度なのか。UL ProcyonのAI Computer Vision Benchmarkを利用してパフォーマンスをチェックしてみた。

 以下がその結果だが、CPUで処理した場合のスコアが55だったのに対し、NPUで処理を行った場合には269を記録した。このあたりはさすがNPUといったところで、今後NPUを活用するアプリが増えてくれば、大いに活躍してくれることだろう。

CPUで処理を行なった結果、スコアは51だった
NPUで処理を行なった場合には、スコアが269と5倍近く向上した

豊富な外部ポートや交換式バッテリの採用も従来同様

 CF-FV5USCCPでは、プロセッサにCore Ultra 7 165Hを搭載する点は上で紹介したとおりだが、それ以外の仕様を確認しておこう。

 メモリは標準で32GBと申し分ない容量を搭載している。メモリは増量できないものの、この容量であれば全く不満がない。内蔵ストレージは、試用機では容量512GBのSSDを搭載していたが、1TBまたは2TBのSSDも搭載可能。こちらはPCIe 4.0準拠の高速SSDとなっており、アプリケーションの起動やファイル転送など高速に行なえる。さらに、試用機では非搭載だったが、セカンドSSDとしてPCIe 3.0準拠のSSDも追加で搭載可能。セカンドSSDの容量は1TBまたは2TBから選択できる。OSはWindows 11 Pro 64bit

 無線機能は、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)準拠の無線LANとBluetooth 5.3を標準搭載。また、オプションとして4G対応ワイヤレスWAN(nanoSIM/eSIM対応)も搭載可能。

 生体認証機能は、パームレストに指紋認証センサー、ディスプレイ上部に顔認証カメラを同時搭載。状況に応じて双方を使い分けることで、利便性を高められる。カメラは有効画素数約207万画素で、フルHDでの撮影に対応する。

左パームレストに指紋認証センサーを搭載
ディスプレイ上部には顔認証カメラを搭載。約207万画素のWebカメラとしても利用できる
左側面には電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt 4×2、オーディオジャック、USB 3.0×1を配置
右側面にはGigabit Ethernet、USB 3.0×2、SDカードカードスロット、ミニD-Sub15ピンを配置

 外部ポートを豊富に搭載する点も、シリーズ同様の特徴。左側面に電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt 4×2、オーディオジャック、USB 3.0×1を、右側面にGigabit Ethernet、USB 3.0×2、SDカードカードスロット、ミニD-Sub15ピンの各ポートを搭載している。ミニD-Sub15ピンはそろそろ不要とも思えるが、ビジネスシーンではまだ活用例が存在していることから、引き続き搭載しているのだろう。こういった点も、レッツノートシリーズが法人ユーザーから根強い人気を誇る理由と言える。

 付属のACアダプタも、従来モデルと同じバレルコネクタを採用するものだ。とはいえ、2ポートあるThunderbolt 4はUSB PD対応で、オプションのUSB PD対応ACアダプタや汎用のUSB PD対応ACアダプタなどを利用した給電も可能だ。

ACアダプタは従来モデルと同じバレルコネクタ採用のものが付属
ACアダプタの実測の重量は、付属電源ケーブル込みで275gだった

最新のビジネスモバイルPCとして必要十分な性能を発揮

 では、ベンチマークテストの結果を簡単に紹介しよう。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.1.2662」、「3DMark Professional Edition v2.18.8217」、Maxonの「Cinebench R23.200」の3種類だ。

 なお、今回はファンの回転モードを「冷却優先」として計測したが、機材返却後にこの冷却優先モードはPL1の値が「静音性優先」と同じ17Wに制限されていたことが判明した。「標準」モードでは28Wとなるため、取得したスコア以上の値となる。このためスコアはあくまでも参考とされたい。

PCMark 10 v2.1.2662
3DMark Professional Edition v2.18.8217
Cinebench R23.200

 今回は従来モデルが手元になかったため比較用のスコアは掲載していないが、17Wに制限した状態であってもPCMark 10でスコア6,000の大台に乗っており、一般利用ではなんら不自由ではないことが分かる。唯一、Cinebenchのマルチコアのスコアはやや低い印象。これはPL1が17Wに制限されていたためだろう。

 CF-FV5USCCPは、従来モデルと同じく、デュアルファン仕様の冷却システムと、Intel製CPUに用意されている電力制御技術「インテル ダイナミック・チューニング・テクノロジー(DTT)」を活用し、レッツノートの放熱・省電力設計に合わせてパナソニックが独自にチューニングを行なうことでCPUの性能を最大限に引き出す独自技術「Maxperformer」を搭載している。いずれの電源プランでもCPUの性能を十分に引き出せると考えていいだろう。

 続いてバッテリ駆動時間だ。CF-FV5USCCPの公称のバッテリ駆動時間は、動画再生時で約9時間、アイドル時で約18.1時間(いずれもJEITAバッテリ動作時間測定法 Ver3.0での数字)となっている。それに対し、それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「バランス」、バックライト輝度を50%、キーボードバックライトをオフに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、7時間13分で検証がストップした。

 ただ、この時点ではまだバッテリ残量が47%となっていたことから、その後何度かテストを繰り返したのだが、何度試してもバッテリ残量が50%前後のところでテストが終了してしまった。

 何の影響でテストが正常に行なえなかったのかは分からないものの、少なくともテストを7時間ほど続けても50%ほどのバッテリが残っていることを考えると、通常利用でも7~8時間は間違いなく利用可能で、それほど負荷をかけない使い方なら10時間程度も十分狙えると考えて良さそうだ。

 その上でCF-FV5USCCPは、ユーザーが簡単にバッテリを交換できるようになっている。電源を取れない場所で長時間利用する場合でも、複数のバッテリがあれば安心して作業を継続できるため、この点も法人ユーザーにとって大きな魅力となるはずだ。

AI新時代に向けて新たなスタートを切ったレッツノートシリーズ

 近年、ビジネスシーンでもAIの活用が拡がっているが、今年以降Windowsはもちろん各種ビジネスアプリにも標準的にAI機能が搭載され、PC内でのAI処理、いわゆるエッジ処理も一般的になってくると考えられる。そして、ビジネスモバイルPCでもAI処理能力が無視できなくなってくるだろう。

 そういった中登場したCF-FV5USCCP。多くの仕様は従来モデルから大きな変化はなく、プロセッサーにCore Ultra 7 165Hを採用することでAI処理への対応を実現してはいるものの、NPUを利用する場面はまだそれほど多くなく、まだ手探りの状態という印象を受けたのも事実だ。それでも、レッツノートシリーズ初のCore Ultra搭載モデルであるCF-FV5USCCPによって、AI新時代に対応するレッツノートシリーズの新たな一歩が踏み出されことは間違いないだろう。

 もちろん、ビジネスモバイルPCとしての魅力は従来モデルから全く変わっておらず、正当な進化を実現したモデルとして十分な魅力を備えている。そのため、今後のAI新時代に備えられるビジネスモバイルPCを探しているなら、十分検討に値するモデルだ。