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大画面&高解像度化、性能も向上した手ごろなお絵かきタブレット「raytrektab DG-D10IWP」レビュー

ドスパラ「raytrektab DG-D10IWP」79,800円~

 PCショップ/通販サイトのドスパラを運営する株式会社サードウェーブは、ワコム製新型デジタイザペンを同梱したWindows 10搭載10.1型タブレットPC「raytrektab DG-D10IWP」を12月25日に発売した。

 同社は2017年4月に同じくデジタイザペンをセットにした8型タブレットPC「raytrektab DG-D08IPWP(49,800円)」をリリースしているが(ドスパラ、お絵描き向けの8型タブレット「raytrektab」を本日発売参照)、新型はディスプレイサイズを拡大、解像度を向上させつつ、CPUやストレージも高速化した後継モデルとなる。

 DG-D10IWPの実機をサードウェーブより借用したので、製品詳細、ペンタブレットとしての使い勝手、AV品質、性能などについてレビューしていこう。

ディスプレイを大型&高解像度化、CPU/ストレージも高速化

 DG-D10IWPは、OSにWindows 10 Home 64bit、CPUに「Celeron N4100(1.1~2.4GHz、4コア4スレッド)、メモリにDDR4 SDRAM 8GB、ストレージに128GB SATA SSD、ディスプレイに10.1型(1,920×1,200ドット、マルチタッチ対応)液晶を採用している。新旧モデルを比較すると、CPUとストレージは高速化、メモリは2倍に増量、ディスプレイは大型&高解像度化されたことになる。価格は3万円上がっているが、基本性能は大きく向上したと言える。

【表1】raytrektabの新旧モデルの主要スペックを比較
raytrektab DG-D10IWPraytrektab DG-D08IWP
CPUCeleron N4100(1.1~2.4GHz、4コア4スレッド)Atom x5-Z8350(1.44~1.92GHz、4コア4スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 600(200~700MHz)Intel HD Graphics 400(200~500MHz)
メモリDDR4 SDRAM 8GBDDR3L-RS 1600 4GB
ストレージ128GB SATA SSD64GB eMMC
ディスプレイ10.1型、1,920×1,200ドット(224ppi)8型、1,280×800ドット(189dpi)
OSWindows 10 Home 64bit
サイズ(幅×奥行き×高さ)約245×176×9mm約214×128×10.1mm
重量約657g約400g

 デジタイザペンは従来モデルと同じくWACOM Feel Technologyを採用した筆圧検知4,096段階のものだが、低遅延タイプの最新型に変更されている。なお保証外の使い方となるが、WACOM Feel Technologyを採用している他社製デジタイザペンも利用可能だ。筆者はSamsung製スマートフォン「Galaxy Note8」のSペンで描画できるのを確認した(保証するものではないので自己責任でご利用いただきたい)。

WACOM Feel Technologyを採用しているサムスンの「Sペン」などでも描画できる (保証するものではないので自己責任でご利用いただきたい)

 イラストやマンガ、アニメ制作に広く利用されているセルシス「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」のシリアルコードが同封されている点も従来モデルと同様だ。PRO、EXなどの上位グレードと機能は差別化されているが、限定機能が必要になったときにアップグレードすればいい。PRO版は5,000円、EX版は23,000円で購入可能で、シリアルナンバーを変更すればアップグレードが完了する。再インストールの必要はない。

【表2】raytrektab DG-D10IWPのスペック ※12月27日調べ
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCeleron N4100(1.1~2.4GHz、4コア4スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 600(200~700MHz)
メモリDDR4 SDRAM 8GB
ストレージ128GB SATA SSD
ディスプレイ10.1型液晶(1,920×1,200ドット、224ppi、マルチタッチ、光沢)
通信IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB Type-C 3.0(最大5Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 1.2)×1、ヘッドフォン・マイクコンボジャック×1、microSDメモリカードスロット(最大128GB)×1、キーボード接続端子×1
キーボードオプション
カメラ前面200万画素、背面500万画素
セキュリティ指紋認証センサー
SIMカードスロット-
バッテリ容量Design Capacity:30,400Wh、Full Charge Capacity:30,400mWh(Battery reportで計測)
バッテリ駆動時間約7時間を想定
バッテリ充電時間非公表
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約245×176×9mm
重量約657g
ペンワコム製デジタイザーペン
同梱アプリCLIP STUDIO PAINT DEBUT
販売価格79,800円

インターフェイスはUSB-C化、指紋認証センサーも搭載

 DG-D10IWPのサイズは約245×176×9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約657g。「11インチiPad Pro」のサイズが約247.6×178.5×5.9mm(同)、重量が約468gなので、持ち比べるまでもなくDG-D10IWPはズシリとした重量を感じる。厚みもiPad Proより3.1mm多いが、そのぶん剛性感がある。多少ラフに扱っても筐体が曲がってしまうことはなさそうだ。

 ディスプレイサイズは10.1型で、解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット、224ppi)。表面処理は光沢で、未開封の貸出機には到着時点で光沢液晶保護フィルムが貼られており、パッケージ内にはもう1枚の「手書き風液晶保護フィルム」が同梱されていたが、製品版でも同様のようだ。なお、ディスプレイ用強化ガラスのメーカー名、製品名は公表されていない。

 インターフェイスは、USB Type-C 3.0(最大5Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 1.2)、ヘッドフォン/マイクコンボジャック、microSDメモリカードスロット(最大128GB)、キーボード接続専用端子を用意。標準アクセサリとして「カバータイプキーボード(4,000円)」、「USB Type-Cハブ(3,000円)」が用意されている。この標準アクセサリについては既報の記事(ドスパラ、筆圧4,096段階のワコムペンつき10型Windowsお絵かきタブレット)を参照してほしい。

 背面には500万画素、前面には200万画素のカメラが内蔵されており、ディスプレイ下部にはWindows Helloに対応した指紋認証センサーが用意されている。なお、この指紋認証センサーはロック解除専用で、Windowsキー(ホームボタン)としては機能しない。

 バッテリ駆動時間は約7時間を想定。バッテリ容量は製品公式サイトに記載されていないが、「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITY、FULL CHARGE CAPACITYともに30,400mWhと表示された

 パッケージには本体以外に、手書き風液晶保護フィルム、ACアダプタ、ワコム製デジタイザペン、説明書、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT(シリアルコード)」が同梱されている。パッケージには女性キャラクターが描かれている。永久保存したくなるほど可愛らしいパッケージだ。

ディスプレイ面。ディスプレイは10.1型で、解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット、224ppi)。左上に200万画素のカメラ、下側には指紋認証センサーが内蔵されている
本体背面。右上に500万画素のカメラを内蔵。上側の樹脂部分にはワイヤレス関連パーツが埋め込まれているはずだ
背面左下には、ブランド名、製品名、認証情報がレーザー刻印されたうえで、製造番号がシールで貼られている
本体上面にはスピーカー(右)を配置
本体下面にはキーボード接続端子とスピーカー(左)を用意
本体右側面には端子、ボタン類はない
本体左側面には、ボリュームボタン、電源ボタン、microSDメモリカードスロット、USB Type-C 3.0(最大5Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 1.2)、ヘッドフォン/マイクコンボジャックが配置されている
microSDメモリカードスロットのフタは樹脂製ではめ込み式。何度も開け閉めしていると緩みそうなので、ストレージ増設用と考えたほうがよい
WACOM Feel Technologyを採用した筆圧検知4,096段階のワコム製デジタイザペン。ペン先を普段は収納できる
うしろのノックを押すとペン先が現われる。製図用ペン並みにペン先が細いので、保護用に収納機構を採用したわけだ
付属のACアダプタ。ケーブル長は約120cm
ACアダプタはUSB Power Delivery対応。仕様は、入力100-240V/0.8A、出力5V/3A、9V/3A、15V/2A、20V/1.5A、容量は30W
製品パッケージ表面はディスプレイ内がカラー
製品パッケージ裏面はディスプレイ外がカラーで着色されている
パッケージを開くと「CLIP STUDIO PAINT DEBUT (シリアルコード)」が現われる。シリアルコードは裏面に記載
左上から、本体、手書き風液晶保護フィルム、ACアダプタ、ワコム製デジタイザペン、説明書、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT (シリアルコード)」
DG-D10IWPの実測重量は約665g
ACアダプタの実測重量は約154.6g
ワコム製デジタイザペンの実測重量は約7.6g。重量計が正しいことは分銅で確認しているので、カタログスペックの5gとの違いは個体差によると思われる
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1803適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は100.14GB
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITY、FULL CHARGE CAPACITYともに30,400mWhと表示された

低遅延で書き味良好、公式サイトに記載はないが傾き検知機能を確認

 DG-D10IWPの売りは、WACOM Feel Technologyを採用した筆圧検知4,096段階のワコム製デジタイザペンが同梱されていること。このペンは電池不要な電磁誘導方式で、軸の直径は実測8mm、重量は実測7.6g(カタログ値は5gと謳われている)。握り心地も重量感もまるで鉛筆のようだ。

 このデジタイザペンはワコムが新開発しており、低遅延が特徴。実際に使ってみると、描線の遅れは5mm程度で、Apple PencilやSurfaceペンと同等のレイテンシを確認できた。ちなみに機能アイコンの上にペン先を走らせると線が一瞬表示される。Surfaceペンと同様に、描線の追従性を高めるために、CPUを介さずに直接画面にいったん描画したのちに、計算された線を再描画しているわけだ。

 製品公式サイトでは4,096段階の筆圧検知機能と低遅延のみがアピールされているが、書道ソフト「Zen Brush 2」を試したところ、傾き検知機能も利用できた。製品公式サイトに記載がないので傾き検知機能はサポート対象ではないのかもしれないが、ほかの傾き検知対応アプリでも利用できる可能性が高い。

 なお本製品には、標準で光沢液晶保護フィルムが貼られており、パッケージ内にもう1枚「手書き風液晶保護フィルム」が同梱されている。DG-D10IWPのデジタイザペンには硬さの異なるペン先は用意されていないが、摩擦の違う液晶保護フィルムで書き味を調節できる仕様となっているわけだ。筆者自身は、摩擦の強い手書き風液晶保護フィルムのほうが書きやすく感じた。

 指紋認証センサーはスリープ時にスタンバイしていない。正確にお伝えするとスリープ直後は指紋認証センサーにふれると画面が表示されることもあったが、長い時間放置したあとは反応しなかった。そのためロック解除時には、電源ボタンを押してから、指紋認証センサーにふれる必要がある。できればワンプッシュでロック解除できるように、指紋認証センサー一体型電源ボタンを採用してほしかったところだ。

WACOM Feel Technologyを採用した筆圧検知4,096段階のワコム製デジタイザペンが同梱
ワコムが新開発したデジタイザペンは低遅延が売り。描線の遅れは5mm程度だ
製図ペンのように細いペン先のおかげで細かな描画に向いている。しかしペン先が細いために、ディスプレイ表面と液晶パネルのギャップが大きいことが目立ってしまう
書道ソフト「Zen Brush 2」で傾き検知機能を利用できた
ペンを傾けると、筆先を模したワイヤーフレームが同じように傾くので、傾き検知機能が働いていることがわかる
極細のペン先を保護するためにノック機構が採用された。ボタンがないので消しゴム機能は利用できない
CPUを介さずに直接画面に描画しているので、機能アイコンの上にペン先を走らせると、描線が一瞬表示される
DG-D10IWPのデジタイザペンを分解してみたが、ペン先だけを交換できる構造とはなっていないようだ。デジタイザペンを単独で購入する方法について、製品公式サイトに記載されていない。またワコムはこのデジタイザペンを一般向けには販売していない
指紋認証センサーはスリープ時にスタンバイしていない。電源ボタンを押してから、指紋認証センサーにふれる必要がある

色域はsRGBカバー率95.6%と標準的、サウンド、カメラは割り切りが必要

 DG-D10IWPには、10.1型のWUXGA液晶ディスプレイ(1,920×1,200ドット、224ppi、マルチタッチ対応)が搭載されている。色域について記載はないが、ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認したところ、sRGBカバー率が95.6%、sRGB比が97.3%、Adobe RGBカバー率が70.9%、Adobe RGB比が72.1%という数値が出た。タブレット端末としては標準的な色域と言える。貸出機はやや青みが強かったが、ディスプレイの設定で調整できるレベルだ。

 サウンドについては、タブレット端末の標準機能として割り切りが必要だ。音自体はそれほど悪くはないが、あまりにもボリュームが小さすぎるし、横持ちしたさいには左スピーカーが下に、右スピーカーが上に配置される。つまりステレオで聞くためには縦持ちしなければならない。映像、音楽コンテンツを楽しむさいには素直にイヤフォン、ヘッドフォンや外付けスピーカーに接続したほうが無難だ。

 カメラ画質は言葉は悪いが、正直おまけレベルだ。下絵用になら使えるかもしれないが、イラストを仕上げるさいの素材としては使えない品質だと思う。イラストに取り込む写真はスマートフォンで撮影して、オンラインストレージ経由でDG-D10IWPに移したほうがよいだろう。

DG-D10IWPは10.1型のWUXGA液晶ディスプレイ(1,920×1,200ドット、224ppi、マルチタッチ対応)を搭載。貸出機はやや青みが強かったが、ディスプレイの設定で調整できる範囲だ
ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認したsRGBカバー率は95.6%、sRGB比は97.3%
Adobe RGBカバー率は70.9%、Adobe RGB比は72.1%
YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大67.3dBA(50cmの距離で測定)
背面カメラで撮影。解像度は1,920×1,080ドット。全体的に眠たい描写で、色も暖色系に転んでいる
前面カメラで撮影。解像度は1,280×720ドット。十分な光量があると、比較的自然な発色で撮影できる

オフィスアプリも実用的な速度で利用可能な性能

 最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.6.6238」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPU/OpneCLベンチマーク「Geekbench 4.3.1」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」
  • バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測

比較対象機種としては旧モデルのDG-D08IWPのスコアを転載した。下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表3】検証機の仕様
raytrektab DG-D10IWPraytrektab DG-D08IWP
CPUCeleron N4100(1.1~2.4GHz、4コア4スレッド)Atom x5-Z8350(1.44~1.92GHz、4コア4スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 600(200~700MHz)Intel HD Graphics 400(200~500MHz)
メモリDDR4 SDRAM 8GBDDR3L-RS 1600 SDRAM 4GB
ストレージ128GB SATA SSD64GB eMMC
ディスプレイ10.1型、1,920×1,200ドット(224ppi)8型、1,280×800ドット(189dpi)
OSWindows 10 Home 64bit
サイズ(幅×奥行き×高さ)約245×176×9mm約214×128×10.1mm
重量約657g約400g
【表4】ベンチマーク結果
raytrektab DG-D10IWPraytrektab DG-D08IWP
PCMark 10 v1.1.1739
PCMark 10 Score1,613-
Essentials4,529-
App Start-up Score4,857-
Video Conferencing Score4,675-
Web Browsing Score4,093-
Productivity2,516-
Spreadsheets Score2,796-
Writing Score2,265-
Digital Content Creation1,002-
Photo Editing Score941-
Rendering and Visualization Score708-
Video Editting Score1,514-
PCMark 8 v2.10.901
Home Accelarated 3.0-1,227
Creative Accelarated 3.0-1,531
Work Accelarated 2.0-計測不可
Storage-
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score-2,384
3DMark v2.6.6238
Time Spy93実行不可
Fire Strike Ultra1070(互換性なし)
Fire Strike Extreme17589(互換性なし)
Fire Strike401195
Sky Diver1,313840
Night Raid1,288-
Cloud Gate3,2061,600
Ice Storm Extreme13,48711,649
Ice Storm21,23217,486
CINEBENCH R15.0
OpenGL14.88 fps9.16 fps
CPU218 cb94 cb
CPU(Single Core)62 cb-
Geekbench 4.3.1
32-bit Single-Core Score1,606913
32-bit Multi-Core Score4,4362,442
64-bit Single-Core Score1,723960
64-bit Multi-Core Score4,7232,532
OpenCL14,5535,411
CUDA-
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット1,1491,037
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
1,280×720ドット-1,241
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク
1,280×720ドット 高品質(ノートPC)804
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)1,349-
1,280×720ドット 高品質(ノートPC)892-
SSDをCrystalDiskMark 6.0.2で計測
Q32T1 シーケンシャルリード512.590 MB/s-
Q32T1 シーケンシャルライト460.232 MB/s-
4K Q8T8 ランダムリード252.327 MB/s-
4K Q8T8 ランダムライト221.920 MB/s-
4K Q32T1 ランダムリード88.514 MB/s-
4K Q32T1 ランダムライト80.627 MB/s-
4K Q1T1 ランダムリード23.376 MB/s-
4K Q1T1 ランダムライト48.398 MB/s-
SSDをCrystalDiskMark 5.5.0で計測
Q32T1 シーケンシャルリード-143.769 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト-79.613 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード-30.218 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト-33.633 MB/s
シーケンシャルリード-122.054 MB/s
シーケンシャルライト-53.903 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード-16.500 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト-22.230 MB/s
BBenchにより連続動作時間を計測
(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス)
バッテリ残量5%まで5時間52分1秒4時間56分45秒

 「Atom x5-Z8350」から「Celeron N4100」にアップグレードした効果はてきめんだ。DG-D10IWPはDG-D08IWPに対して、CINEBENCH R15.0のCPUスコアは94 cbから218 cbへと約2.32倍に、Geekbench 4.3.1の64-bit Multi-Core Scoreは2,532から4,723へと約1.87倍に向上している。グラフィックス性能も3DMarkのFire StrikeとCloud Gateで約2倍のスコアを記録している。

 そして体感的に大きな効果を期待できるのがストレージ速度。eMMCからSSD(SATA)に変更されたことで、Q32T1 シーケンシャルリードは143.769 MB/sから512.590 MB/sへと約3.57倍に、Q32T1 シーケンシャルライトは79.613 MB/sから460.232 MB/sへと約5.78倍に性能向上をはたした。従来のDG-D08IWPはお絵かき専用機として使っている方が多かっただろうが、今回のDG-D10IWPであればオフィスアプリも実用的な速度で利用できるはずだ。

 バッテリ駆動時間は残量5%までという条件で5時間52分1秒とやや短いが、BBenchでは継続的にネットワーク接続を発生させていた。イラストを描くだけなら、Wi-Fiをオフにできるのでバッテリ駆動時間は当然長くなるはずだ。

 本体の発熱は、室温18.2℃の部屋でCINEBENCH R15.0のCPUを連続で5回実行したときに表面は最大41.7℃、裏面は最大40.1℃とどちらも低めにとどまった。これはあくまでも高負荷ベンチマーク実行時の最大温度。CLIP STUDIO PAINT DEBUTなどを使っているさいに、端末の温度を不快に感じることはないだろう。

CINEBENCH R15.0のCPUを連続で5回実行したときの表面の最大温度は41.7℃
裏面の最大温度は40.1℃
ACアダプタの最大温度は35.7℃

イラストワークをフィニッシュまで持っていけるタブレット端末

 発表と同時に予約を開始したDG-D10IWPは、一時期直販サイトで在庫切れとなり、受注が再開した記事執筆時点でも出荷まで2週間程度がかかるほどの人気を集めている。

 旧モデルのDG-D08IWPをレビューしたときには「イラストを描くというクリエイティブワークを完成までやり遂げる端末でもない」とお伝えしたが、今回のDG-D10IWPは画面サイズ・解像度的にも、パフォーマンス的にもイラストワークをフィニッシュまで持っていけるだけのスペックを備えていると思う。

 カメラ性能、サウンド品質も重視するならほかのタブレット端末を選ぶべきだ。しかし、イラストを描く道具としてのタブレット端末を求めているのであれば、使い勝手のいい新型ワコム製デジタイザペンをセットにして実売74,000円を切る価格で販売されているDG-D10IWPは非常に魅力的な選択肢だ。