Hothotレビュー

軽さと長時間駆動を両立した13.3型モバイルノート「LG gram」

~840gの軽量機で約10時間の連続動作を実現

「LG gram 13Z970-ER33J」実売価格107,000円前後

 LGエレクトロニクス・ジャパンは軽量モバイルノートPC「LG gram」の2017年モデルを3月7日に発表、3月10日に販売を開始した。

 日本市場への初参入となった2016年は、15.6型ノートPC「LG gram 15Z960-G」の1モデルのみが発売されたが、2017年は13.3型と14型をそれぞれ1機種、15.6型を2機種と、主にディスプレイサイズで切り分けた4製品を日本市場に投入した。ラインナップ数を増やしてきたところに同社の力の入れ具合がうかがえる。

【表1】LG gramの主要スペック
13Z970-ER33J(13.3型)14Z970-GA55J(14型)15Z970-GA55J(15.6型)15Z970-GA77J(15.6型)
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i3-7100U(2.4GHz)Core i5-7200U(2.5~3.1GHz)Core i7-7500U(2.7~3.5GHz)
GPUIntel HD Graphics 620(300MHz~1.00GHz)Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz)
メモリDDR4L-2133 SDRAM 4GBDDR4L-2133 SDRAM 8GB
ストレージ180GB(SerialATA 6Gbps)256GB(SerialATA 6Gbps)512GB(SerialATA 6Gbps)
ディスプレイ13.3型フルHD IPS(1,920×1,080ドット)14型フルHD IPS(1,920×1,080ドット)15.6型フルHD IPS(1,920×1,080ドット)
通信IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1
インターフェイスHDMI出力、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、microSDカードスロット、720p Webカメラ、ヘッドフォンジャックHDMI出力、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、microSDカードスロット、720p Webカメラ、ヘッドフォンジャック
バッテリ容量34,610mWh60,060mWh
バッテリ駆動時間約10時間約17時間約15時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)305.9×211.8×15.5mm323.4×211.8×16.5mm357.6×228.4×16.8mm
重量840g970g1090g
本体色ホワイト
Microsoft Officeなし
価格(※3月31日調べ)107,000円前後150,000円前後160,000円前後197,000円

 2017年モデル最大の特徴は長時間駆動性能を強化したこと。大容量バッテリを搭載することで、15.6型モデルで980gから1,090gへと増量しているが、バッテリ駆動時間は約7.5時間から約15時間へと約2倍に延長されている。世界最軽量という売り文句にこだわらず、使い勝手に直結する連続動作時間を重視したのは良心的な設計だ。

 今回LGエレクトロニクス・ジャパンから、13.3型の「13Z970-ER33J」、14型の「14Z970-GA55J」を借用できた。本レビューでは13.3型を中心に紹介するが、要所要所で14型についても合わせてレビューしていきたい。

13.3型のみ小容量の34,610mWhバッテリを搭載

 LG gramの2017年モデルには、Core i3-7100U/メモリ4GB/128GB SSD/13.3型フルHD液晶を搭載した「13Z970-ER33J」(107,000円前後)、Core i5-7200U/メモリ8GB/256GB SSD/14型フルHD液晶を搭載した「14Z970-GA55J」(150,000円前後)、Core i5-7200U/メモリ8GB/256GB SSD/15.6型フルHD液晶を搭載した「15Z970-GA55J」(160,000円前後)、Core i7-7500U/メモリ8GB/512GB SSD/15.6型フルHD液晶を搭載した「15Z970-GA77J」(160,000円前後)の4モデルが用意されている。

 本体サイズ/重量は、13.3型が305.9×211.8×15.5mm(幅×奥行き×高さ)/約840g、14型が323.4×211.8×16.5mm(同)/約970g、15.6型が357.6×228.4×16.8mm(同)/約1,090g。

 それほどサイズが変わらない13.3型と14型でに130gの差がついている理由はバッテリ容量。13.3型が34,610mWh、14型が60,060mWhとバッテリ容量に差別化が図られているのだ。当然、連続動作時間にも大きな開きがあるので、この点を踏まえて購入するモデルを選びたい。

 筐体の素材には従来通り軽量さと頑丈さを兼ね備えたマグネシウム合金を採用し、1点加圧試験で50kgf、落下試験で74cmをクリアしている。上枠8.9mm、横枠5.99mmとベゼルがスリムに仕上げられており、ディスプレイサイズよりコンパクトな印象を受ける。筐体色は、米国ではホワイト、ダークシルバー、ゴールドの3色が用意されているが、日本では広い層にターゲットに絞ったホワイト1色だけだ。

 端子・ランプ・ボタン類は、電源端子、HDMI出力、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、microSDカードスロット、720p Webカメラ、ヘッドフォンジャック、電源ランプ、アクセスランプ、ケンジントンロックを搭載。これに15Z970-GA55J、15Z970-GA77JにはUSB 2.0 Type-A×1が追加されている。

 薄型軽量筐体にこれでもかと豊富な端子類を搭載しているのはLG gramシリーズの売りだ。一般的な使い方であればUSB Hubを必要とする状況はまずない。また、USB 3.0 Type-Cでは、データ転送(5Gbps)、映像+音声信号(4K@60Hz)、充電に利用可能で、USB Type- C対応ディスプレイに接続すれば、データ転送、映像表示、充電をケーブル1本でまかなえる。

 残念なのがSDカードスロットではなくmicroSDカードスロットが採用されていること。自宅やオフィスではSDカードリーダをUSB Type- C対応ディスプレイに接続しておけばいいが、外出先でSDカードを読み書きする際にSDカードリーダを装着したり、デジカメ本体をLG gramに接続するのはスマートではない。レンズ交換式カメラや高級コンデジではSDカードの採用が続くだろうから、次期モデルではSDカードスロットが採用されることを強く望みたい。

 さて、同梱品は本体、ACアダプタ、電源ケーブル、有線LANアダプタ、小冊子(インストールガイド、アフターサービスのご案内、保証書)。同梱されているACアダプタはDCプラグ方式だが、LG gramはUSB PD対応ACアダプタで充電可能だ。

本体天面。LGエレクトロニクスのロゴが左上で光っている
本体底面。ねじはゴム足、樹脂パーツで隠されている
本体前面。中央には指先を差し込む隙間が設けられている。ディスプレイは指1本の軽い力で開くことが可能だ
本体背面。ヒンジ部に吸排気口が配置されている。左が排気口で、右が吸気口。発熱対策と静音化を目的に、ヒートシンクは約2.4倍、冷却ファンは約1.4倍に大型化されている
本体右側面。左からmicroSDカードスロット、ヘッドフォンジャック、USB 3.0 Type-A×1、ケンジントンロックが配されている。スペース的にはSDカードスロットも十分搭載できそうだ
本体左側面。左から電源端子、USB 3.0 Type-A×1、HDMI端子、USB 3.0 Type-C×1、電源ランプ、アクセスランプが配されている。ランプの色は白
ディスプレイ面。ベゼルは上枠8.9mm、横枠5.99mmのスリム仕様。Webカメラはヒンジ部に設けられている
キーボード面。用意されるのは英語キーボード(79キー)のみ
720p Webカメラはヒンジ部に内蔵されているので、ディスプレイの角度によってWebカメラの角度も変わってしまう。Webカメラの左にはマイク、右側にはステータスランプが内蔵されている。ランプの色はブルー
720p Webカメラで写真を撮影してみた。ディスプレイを垂直に立てなければバストアップの映像とならない。また、このアングルだとホームポジションに置いた指が大きく映り込んでしまう
同梱品一覧。左上から本体、ACアダプタ、電源ケーブル、有線LANアダプタ、小冊子(インストールガイド、アフターサービスのご案内、保証書)
USB Type-C経由での充電に対応しているが、同梱されているのはDCプラグ方式のACアダプタだ。1時間の充電で約7時間分、20分の充電で約2時間分チャージできる。実測重量は216g
LG gramはUSB PD対応ACアダプタで充電が可能。今回はMacBook Pro(15インチ、Late 2016)に付属するACアダプタで充電できることを確認した
付属のACアダプタは入力100-240V、出力19V、2.1A、容量40W
LANアダプタは10Base-T/100Base-TX仕様。USB Type-Cに接続する。1000BASE-Tに対応していないのが残念。実測重量は15.6g
13Z970-ER33Jの本体実測重量は826.5g
本体、ACアダプタ、電源ケーブル、有線LANアダプタの合計重量は実測1,056.5g

キーボードは英語配列のみ、テンキーを除くサイズは13.3型/14型/15.6型で共通

 LG gramシリーズに用意されているキーボードは英語配列のみ。13.3/14型が79キーの英語キーボード、15.6型がテンキー付き(97キー)となっている。テンキーを除くキーボードのサイズは13.3型/14型/15.6型で共通で、キーピッチはすべて約19mm。14型は13.3型よりもキーボードの両枠が広くとられており、15.6型では空いたスペースにテンキーが追加されている。

 2016年モデルとの大きな違いはバックライトが搭載されたこと。バックライトはLow、High、オフの3段階に切り替え可能で、暗所でも十分な視認性が確保される。

 また今回は13.3型と14型しか試せていないが、2016年モデルと比較すると、キーボード、タッチパッドが改善されているようだ。キーボードの打鍵感はほとんど変わらないが打鍵音が低く抑えられており、またタッチパッドのクリック感は明らかに軽くなっている。

 なおタッチパッドは従来と同じく「Elanスマートパッド」が採用されているが、ソフトウェアのデフォルト設定がWindows 10標準の「高精度タッチパッド」に近づけられている。たとえば、2016年モデルでは「3本指スワイプ」が無効になっていたが、2017年モデルではデフォルトで有効になっている。異なるPCを併用する機会が多いユーザーにとっては、同じジェスチャーで利用できるので歓迎できる仕様変更だ。

左が13Z970-ER33J、中央が14Z970-GA55J、右が15Z960-G(2016年モデル)のキーボード。テンキーを除くキーボードのサイズはまったく同じだ
英語配列になじみのないユーザーのために2017年モデルには「日本語変換早見表」が貼られるようになった
13.3型でホームポジションに指を置いてみた。変形キーになっているのは「’(アポストロフィー)」と「\(バックスラッシュ)」のみ。ほかのキーは等幅なのですべてのキーに違和感なく指が届く
キーピッチは実測約19mm
タッチパットは実測103×69mm(幅×奥行き)。狭さを感じずに3本指ジェスチャーなども利用できる
2017年モデルはバックライトキーボードを採用。左がオフ、中央がLow、右がHighの設定だ。Lowでも十分な視認性が確保されている
「設定→デバイス→マウスとタッチパッド→その他のマウスオプション→ELAN→オプション」からタッチパッド関連の設定を行なえる。2017年モデルではWindows 10の高精度タッチパッドの標準設定に倣い、3本指スワイプのジェスチャーが標準で有効になっている
LG gram 13Z970-ER33J(13.3型)のキーボードを3段階の強さでタイピングしてみた。音量は環境によって異なるので、音質の参考にしてほしい

グラデーション豊かだがキツめの発色、やや迫力に欠けるサウンド機能

 LG gramは全モデルでIPS方式のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶ディスプレイが採用されている。色域や輝度は公表されていないが、上下178度、左右178度の広い視野角が確保されている。外部ディスプレイ接続時は、HDMIで4,096×2,160@24Hz、USB Type-C DisplayPort Alternate Mode で3,840×2,160@60Hz表示が可能だ。

 2016年モデルではブルーライトを35%カットするリーダーモードが売りになっていたが、2017年モデルでは周囲が明るくて画面が見づらいときに使用するデイライトモードが追加された。それぞれ「Fn+F9」キーで素早く切り替えられる。光沢(グレア)タイプのディスプレイのため映り込みが少々気になるが、明るさ自体は十分。デイライトモードに切り替えれば屋外でも一定の視認性が確保される。

 試用していて気になったのが発色。13.3型と14型ともに2016年モデルより赤がキツく発色されているように感じた。グラデーションは滑らかに出ているが、赤色がピンクがかった不自然な発色に見える。パネルのロットによっても個体差はあるが、写真を現像するなら事前に色調整したほうがいい。

 サウンド面については音量、音域、解像感のいずれも物足りないというのが率直な感想だ。最大ボリュームでもビビり音などは発生しないが、音に迫力がない。ただし2017年モデルから「DTS Audio」というソフトウェアが搭載されており、「サラウンド音」または「3D Fx」を有効にすると低域はかなり改善された。LG gramの2017年モデルでサウンド面に物足りなさを感じているのであればぜひお試しいただきたい。

13.3型でフルHD表示しているときの画面解像度は166dpi。画面に目を近づければドットは視認できるが、実用上困ることは少ないはずだ
左がSurface Pro 4、中央が13.3型(13Z970-ER33J)、右がMacBook Pro(15インチ、Late 2016)。13.3型はグラデーションが滑らかに出ているが、赤色がピンクがかった不自然な発色に見える
筐体底面の左右に1W+1Wステレオスピーカーが内蔵されている
低域の迫力が物足りない場合は、サウンド設定ユーティリティ「DTS Audio」で「サラウンド音」または「3D Fx」を有効に設定しよう

充実したLGエレクトロニクス謹製ユーティリティ

 LG gramの2017年モデルには、システム設定を変更する「LG Control Center」、基本的な使い方を解説する「LG Easy Guide」、電源設定を変更する「LG Power Manager」、トラブル時のFAQなどを確認できる「LG TroubleShooting」、LG gram固有のドライバとアプリを更新する「LG Update Center」などのユーティリティが搭載されている。LG Power Managerは2017年モデルで初めて搭載されたユーティリティだ。

 このうち日本語化されているのはLG Easy GuideとLG TroubleShootingのみ。PC Watch読者の皆様であれば項目名を見ればどのような設定か判断つくだろうが、LG gramのメインターゲットである一般層が利用することを考えると、ほかのユーティリティも日本語化しておいてほしかった。

 OS標準の設定とコントルールパネル、そしてLG製ユーティリティ群と、1つの設定変更に対して複数の方法が用意されているのは混乱を招く可能性がある。しかし、1項目を変更するだけで複数の設定をまとめて変更できるLG製ユーティリティは、日本語化されていないとはいえ初心者向けの有用な機能だ。

システム設定を変更する「LG Control Center」
基本的な使い方を解説する「LG Easy Guide」
電源設定を変更する「LG Power Manager」
トラブル時のFAQなどを確認できる「LG TroubleShooting」
LG gram固有のドライバとアプリを更新する「LG Update Center」

Core i3ながらベンチマークスコアは健闘、実アプリではメモリ不足の影響あり

 最後にベンチマークを見てみよう。今回は13.3型の13Z970-ER33J、14型の14Z970-GA55Jの2機種でベンチマークを計測し、2016年モデルの15.6型(15Z960-G)のスコアを流用した。ただし、以前15Z960-Gで実施していないベンチマークについては新規に計測している。

 使用したベンチマークプログラムは下記のとおり。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」
  • 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.3.3663.0」
  • CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.0.3」
  • CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
  • CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 5.2.1」
  • 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
  • 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
  • 「BBench」連続動作時間を計測

 なお、2016年モデルの15Z960-Gは一部バージョンの古いベンチマークソフトを利用している。今回の比較はあくまでも参考に留めてほしい。

 下記が検証機の仕様とベンチマークの結果だ。

【表2】LG gram検証機の仕様
13.3型(13Z970-ER33J)14型(14Z970-GA55J)15.6型(15Z960-G ※2016年モデル)
CPUCore i3-7100U(2.4GHz)Core i5-7200U(2.5~3.1GHz)Core i5-6200U(2.3~2.8GHz)
GPUIntel HD Graphics 620(300MHz~1GHz)Intel HD Graphics 520(300MHz~1GHz)
メモリDDR4L-2133 SDRAM 4GBDDR4L-2133 SDRAM 8GBDDR3L-1600 SDRAM 8GB
ストレージ180GB(SerialATA 6Gbps)256GB(SerialATA 6Gbps)256GB(SerialATA 6Gbps)
OSWindows 10 Home
【表3】LG gramベンチマーク結果
13.3型(13Z970-ER33J)14型(14Z970-GA55J)15.6型(15Z960-G ※2016年モデル)
PCMark 8 v2.7.613
Home Accelarated 3.02,8203,2232,963
Creative Accelarated 3.03,6224,0203,572
Work 2.03,7072,421(※フリーズ発生)4,018
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score461052334754
3DMark v2.3.3663.0
Time Spy118(※互換性なしと表示)340298
Fire Strike Ultra149(※互換性なしと表示)185148
Fire Strike Extreme292(※互換性なしと表示)341291
Fire Strike617743601
Sky Diver3,1013,5992,911
Cloud Gate4,7005,7704,586
Ice Storm Extreme30,66238,04129,138
Ice Storm41,38750,77437,354
CINEBENCH R15
OpenGL33.30 fps38.26 fps32.66 fps
CPU256 cb330 cb287 cb
Geekbench 4.0.3
32-bit Single-Core Score2,6233,2322,839
32-bit Multi-Core Score5,1096,3935,569
64-bit Single-Core Score2,9363,6063,157
64-bit Multi-Core Score5,4526,7675,805
OpenCL15,79916,65114,865
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit)
Single-Core Score2,3332,9232,610
Single-Core Score Integer2,4433,1292,805
Single-Core Score Floating Point2,3973,0952,775
Single-Core Score Memory1,9882,1681,891
Multi-Core Score5,0786,4535,618
Multi-Core Score Integer5,6607,2546,345
Multi-Core Score Floating Point6,0297,7706,760
Multi-Core Score Memory2,0142,2181,882
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit)
Single-Core Score2,4463,0592,734
Single-Core Score Integer2,6043,3272,990
Single-Core Score Floating Point2,5063,2412,900
Single-Core Score Memory2,0132,1621,890
Multi-Core Score5,2596,6765,814
Multi-Core Score Integer5,9767,6176,664
Multi-Core Score Floating Point6,1657,9626,935
Multi-Core Score Memory2,0132,2231,873
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット2,5262,9062,534
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
1,280×720ドット5,1446,4655,097
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク
1,280×720ドット2,1492,6142,034
SSDをCrystalDiskMark 5.2.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード561.222 MB/s548.567 MB/s535.992 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト474.799 MB/s400.212 MB/s408.687 MB/s
4K Q32TI ランダムリード236.004 MB/s274.105 MB/s270.888 MB/s
4K Q32TI ランダムライト199.422 MB/s262.797 MB/s261.290 MB/s
シーケンシャルリード474.420 MB/s482.157 MB/s471.523 MB/s
シーケンシャルライト408.988 MB/s395.571 MB/s392.227 MB/s
4K ランダムリード27.526 MB/s28.120 MB/s23.189 MB/s
4K ランダムライト75.949 MB/s72.886 MB/s87.959 MB/s
Adobe Photoshop Lightroom CCで50枚のRAW画像を現像
4,912☓3,264ドット、自動階調4分1秒603分5秒183分45秒21
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し
1,920×1,080ドット、30fps10分16秒636分44秒607分58秒98
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリ残量5%まで9時間44分24秒17時間8分21秒6時間59分8秒

 13.3型と14型がスペックどおりの順当な結果を記録している一方で、注目に値するのは13.3型と、2016年モデルの15.6型が接戦となっていること。少なくともベンチマークスコアでは、Kaby Lake世代のCore i3-7100Uを搭載する13.3型は、Skylake世代のCore i5-6200Uを搭載する15.6型と同等のスコアを記録している。

 ただし、ご注意いただきたいのが13.3型のメモリ不足がベンチマーク結果に表われていること。Adobe Photoshop Lightroom CCとAdobe Premiere Pro CCなどの実アプリで15Z960-Gに大幅な差がつけられている。

 また、3DMarkのTime Spy、Fire Strike Ultra、Fire Strike ExtremeではメモリとVRAMが足りないと警告が表示され、実際にFire Strike Extremeでは一度異常終了が発生した。処理時間が余計にかかる点については待てば解決するが、クリエイティブ系アプリや3Dゲームなどで動作が不安定になる可能性があることは留意しておくべきだ。

 さて、高負荷時の発熱をサーモグラフィーカメラ「FLIR ONE」で見てみよう。

 今回は室温22.8℃の部屋で「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行してみたが、13.3型のキーボード面の最大温度は44.3℃、底面の最大温度は37.6℃、14型のキーボード面の最大温度は44.3℃、底面の最大温度は42.7℃だった。

 冷却ファンの音も13.3型のほうが明らかに低かった。高負荷時のクロック周波数が低い分、13.3型の放熱処理の点で有利なのは間違いなさそうだ。

13.3型のキーボード面の最大温度は44.3℃
13.3型の底面の最大温度は37.6℃
14型のキーボード面の最大温度は44.3℃
14型の底面の最大温度は42.7℃
13.3型に接続されたACアダプタの最大温度は40.8℃
LG gram 13.3型(13Z970-ER33J)と14型(14Z970-GA55J)の高負荷時における冷却ファンの音を比較してみた。14型のほうが明らかに大きな音が発生している。しかし喫茶店などで周囲に迷惑がかかるほどの音量ではないので安心してほしい

バランスのよさが光る14型の14Z970-GA55Jがオススメ!

 今回は13.3型の13Z970-ER33Jを中心のレビュー記事としてお届けしてきたが、試用すればするほど強く魅力を感じたのが14型モデルである14Z970-GA55Jのバランスのよさ。実売価格が13Z970-ER33Jより43,000円前後上昇するが、プロセッサ、メモリ、SSD、バッテリがアップグレードされるのだから個人的には納得だ。

 ディスプレイサイズで0.7インチの差しかない両機種は、本体サイズ的には大きな違いはない。cm単位で差があるのは横幅だけなので、横に並べて使っていて間違えそうになることも何度もあった。重量差は130gあるが、連続動作時間が7時間違うのであれば、モバイル性という点でも14Z970-GA55Jに軍配が上がるだろう。

 もちろん実売価格10万円台で購入できる13Z970-ER33Jはエントリー機として価値がある。約10時間の連続動作時間もオフィスアプリやWebサービスを利用するだけなら十二分だ。しかしスペックにこだわる方が多いと思われるPC Watch読者の皆様には、バランスのよさが光る14Z970-GA55Jを強く推したい。

上が13.3型の13Z970-ER33J、下が14型の14Z970-GA55J。両者の幅には約17.5mmの差があるが、奥行きはまったく同じで、高さも約1mmの差しかない