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■■法林岳之のTelecom Watch 「V.90へのアップグレードアナウンス開始」ほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980330/telw13.htm
●マスクROM (Mask ROM)
マスクロム
ROMのひとつで、記憶する内容を製造時に書き込むタイプ。
ROM(Read Only Memory)は、そのまま訳すと「読み出し専用メモリ」となるため、書き込みや消去が行なえないメモリと誤解されることがある。がこれは、当初のROMの基本的な動作や用途を指した呼び名であり、ROMを消去や書き込みが行なえないメモリと性格付けているわけではない(PCのパーツにおいてはむしろ、消去や書き込みができるROMの方が多く使われている)。一般には、電気の供給を受けずに記憶内容を保持し続けられるものをROM、記憶保持のために電気を供給しなければならないものをRAM(Random Access Memory)と分類している。
ROMには、ユーザーサイドで書き込みが行なえるタイプと行なえないタイプの2種類があり、後者をマスクROMと呼んでいる。マスクというのは、チップ上に回路を引くために使用するマスクパターンのことで、マスクROMは、チップの製造時に記憶内容をパターンとして組み込んでしまう。直訳したROMのイメージにもっとも近い、まさに読み出ししかできないメモリである。前者の書き込み可能なROMには、次のような3つのタイプがある。
・PROM (Programmable ROM)
ピーロム
一度だけ書き込みできるが、書き換えはできないROM。マスクROMが、0と1の状態を表わすスイッチのようなものをチップの中に取り付けてしまうのに対し、PROMは、あとから焼き切ることのできるスイッチが取り付けられている。ユーザーは、バーナーあるいはライターと呼ばれる装置を使い、記憶する内容に応じたスイッチを切断して書き込む。
・EPROM (Erasable Programmable ROM)
イーピーロム
消去、書き込みともに可能なROM。EPROMは、紫外線によって初期化される半導体を用いており、チップの上面に設けられた窓(通常は遮光用のラベルが貼られている)に紫外線を照射することによって、書き込んだ内容を消去。繰り返し書き込むことができる。
・EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)
ダブルイーピーロムまたはイーイーピーロム
EPROMが消去に紫外線を使うのに対し、こちらは、通常よりも高い電圧をかけて電気的に消去できるタイプである。ただし、RAMのように特定のビットを任意に変更することはできず、いったん全て消去(初期化)してから書き込むというプロセスをとらなければならない。また寿命の関係から、繰り返し書き込める回数にも制限がある。このEEPROMを、ROMラーター無しで使えるように通常の電圧で消去、書き込みが行なえるように改良したものをフラッシュメモリと呼んでいる。
●PLCCソケット (Plastic LCC(Leaderless Chip Carrier))
ピーエルシーシ、プラスチックエルシーシー
入出力の多いICに使われている、ICのパッケージング方法のひとつ。2~3センチ角のプラスチックを用いたパッケージで、四辺に、内側に向かってJ字型に曲がった端子(パッケージの縁から下にもぐる形のJ)を備えたタイプ。いわゆるQFJ(Quad Flat J-leaded)のことで、端子が外側に曲がっているタイプをQFP(Quad Flat Package)という(プラスチックボディならPQFJ、PQFP)。
■■日本クアンタム、Ultra2 SCSI対応HDDの出荷を開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/quantum.htm
●Ultra2 SCSI
ウルトラツースカジー(スクゥーズィ)
SCSI(Small Computer System Interface)の拡張規格のひとつ。LVDタイプのバスを用い、8bitバスで最大40MB/秒の転送能力を持つ(16bitバスのWide Ultra2 SCSIでは80MB/秒)。
SCSIは、ANSI(American National Standards Institute:米国規格協会~アンシ(ー)あるいはアンジと読む)で標準化された、さまざまなデバイスが接続できる汎用インターフェイスである。ANSIの標準化は、1982年から始まり、86年には正式規格として承認。その後も新たな拡張が行なわれ、SCSI-2、SCSI-3へと発展を続けている。ベースとなるもっともオーソドックスな最初の規格(SCSI-1と呼んでいる)は、最大8台(ホストを含む)のデバイスを接続し、5Mバイト/秒の転送速度をサポートする。一般には、シングルエンディッド(アースに対する電位差で信号を検出するいわゆる不平衡型)のバスが用いられ、この時のバス長は最大6mまでと規定されている。
SCSI-2では、従来の転送周期を半分に短縮し高速化を図った規格が規定され、転送速度は最大10MB/秒となる。これを一般に「Fast SCSI(ファーストスカジー)」と呼んでいる。タイミングをさらに縮めて高速化したのが「Ultra SCSI(ウルトラスカジー)」で、転送速度は20MB/秒にアップする。転送速度は次々に高速化して来たものの、この間、バスそのものは特に改良されたわけではなく、従来のものがそのまま用いられて来た。高速化に伴い、バスにはよりシビアな特性が要求されるのだが、これまではそれを満たすために、Fast SCSIでは「3m以内で8台まで」、Ultra SCSIでは「1.5m以内で8台まで」もしくは「3m以内で4台まで」というように、ケーブル長や接続台数に制限を課した。
Ultra2 SCSIでは、従来のシングルエンディッドを排し、LVD(Low Voltage Differential~低電圧の平衡型)という新しい駆動方式を採用。40MB/秒を実現する とともに、バス長は最大12mに、デバイスも最大数まで接続できるようになっている。このLVDは、3.3V駆動の+と-の信号を使う差動方式であり、これ自体は従来のものと全く互換性が無い。がこれまで同様、拡張規格は下位のモードもサポートしており、下位のデバイスが混在する環境では、下位のモードで動作する。ただしこの場合、40MB/秒、12m、全台接続といった、LVDだからこそ実現できた、Ultra2 SCSIならでは機能は一切利用できず、あくまで下位の仕様の範囲内で利用することになる。
□STA(SCSI Trade Association)
http://www.scsita.org/
□米Adaptec社Ultra2 SCSI情報ページ
http://www.adaptec.com/adaptec/news/1997jun10.html
■■インテル、モバイルPentium II & 440BX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980402/intel.htm
●DIBアーキテクチャ (Dual Independent Bus Architecture)
ディーアイビーアーキテクチャ
メインメモリ用と2次キャッシュ(L2 Cache)用に、それぞれ独立したバスを用意した、IntelのCPUデザイン。
従来のCPUでは、1本のバスでメインメモリと2次キャッシュの両方にアクセスしていた。これに対し、Pentium Pro Processorでは、より高速なメモリアクセスを実現するために、2次キャッシュ専用のバスを追加。IntelではこれをDIBアーキテクチャと呼んでいる。PowerPCでいうところのバックサイドキャッシュと同じ機能で、Pentium IIにも採用されている。
■■三菱、ニューダイヤモンドトロン管採用の21インチディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980402/rd21.htm
●AGピッチ (Aperture Grill Pitch)
エージーピッチ、アパチャーグリルピッチ
アパチャーグリル方式のブラウン管で使われる、ブラウン管の解像度。シャドウマスク管でいうドットピッチ。
ディスプレイに使われているブラウン管(CRT:Cathode-Ray Tube~ブラウンさんが発明したのでブラウン管)は、電子ビームを走査して前面に塗られた蛍光体を発光させることによって画面を表示している。カラーディスプレイの場合には、赤、緑、青3色分の電子ビームを用意し、蛍光面の手前に小さな丸い穴の空いたスクリーンを配置して、照射したそれぞれのビームが特定の蛍光体を発光できるようにしている。このスクリーンをシャドウマスクという。シャドウマスクの穴は、ブラウン管そのものが表示することのできるもっとも小さな点であり、この穴と穴の間隔をドットピッチと呼んでいる(RGB3色でひとつの画素を表すので、隣り合う同色の穴の間隔がドットピッチになる)。
ソニーが開発したトリニトロン管(三菱のダイヤモンドトロン管も同方式を採用)では、穴の開いたシャドウマスクの代わりに、ワイヤをスダレ状に並べたアパーチャグリルを使用(丸い穴よりも開口率が高くなるため、輝度やコントラストが高くなる)。シャドウマスクの穴の代わりにグリルの隙間を利用した方式で、このグリルの間隔(同色の間隔)をAGピッチと呼んでいる。
ドットピッチ、AGピッチ、ともに意味するところは、ブラウン管そのものが持つ分解能である。
[Text by 鈴木直美]