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■■年末特別企画:年賀状のためのA4カラープリンタ9機種実機テスト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/pr9712/printer.htm
●熱転写方式
熱したヘッドを移動させて記録するプリンタの印字方式。一般に使われているのは、固体インクをコーティングした薄いプラスチックフィルムをヘッドで熱し、用紙にインクを転写する印刷方式だが、感熱紙(熱に反応して発色する特殊なコーティングが施された用紙)を使った感熱方式を含むこともある。
インクを転写する熱転写方式には、インクを溶かす溶融型とインクを気化させる昇華型とがある。構造が単純な溶融型(アルプス社のマイクロドライ方式もこの仲間)は、以前は家庭向プリンタの主流となっていたタイプだが、現在はインクジェット方式にすっかりその座を奪われてしまっており、これだけをサポートする製品は激減。一般向けに販売されている多くの熱転写プリンタは、昇華型もしくは、溶融型と昇華型の両用タイプとなっている。
一方の昇華型の方は、加える熱量でインク量の調整が行なえるため、ドット単位での明暗表現ができるのが特徴で、銀塩写真方式とともに真のフルカラー印刷が実現できる方式として知られている。以前は、これを採用するのは高級なフルカラープリンタに限られていたが、最近はA6サイズの家庭向フォトプリンタが次々に登場し、家庭でもクオリティの高いフルカラー印刷を楽しむことができる。
●インクジェット方式
ノズルからインクを吹き出して記録するプリンタの印字方式。液体のインクを用紙に吹き付けるという性格上、用紙を選んだりにじみやすかったりといった欠点はあるものの、近年の技術向上と低価格化には目を見張るものがあり、ホームユース向けのカラープリンタ市場では主流の印字方式となっている。
インクを噴出する方法には、圧力を加えるタイプと熱を加えるタイプとに大別できる。前者は、圧電素子(ピエゾ素子)の性質(圧力を加えると電荷を生じ電圧や電界を加えると伸縮する性質で、圧電効果またはピエゾ効果という)を利用して振動を発生させ、その圧力でインクを噴射させるもので、エプソンのMach Jetがこのタイプである。後者は、熱膨張によってインクを噴出、あるいは気泡を発生させてインクを押し出す方法で、キヤノンのBubble Jetは気泡を使うタイプである。
■■英Psion Software社、日本語FEPの開発で管理工学研究所と提携
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/psion.htm
●日本語FEP(Front End Processor)
フェップ、フロントエンドプロセッサ
日本語のひらがなを漢字に変換するプログラム。株式会社バックスが'83年にリリースしたVJE-86(ブイジェーイーはちろく)に付けたネーミングで、その後は、日本語入力用のかな漢字変換プログラム全般を指す代名詞として使われている。
VJE登場以前の日本語入力環境は、OSが提供する貧弱な機能(単漢字変換だったりする)をそのまま利用するか、主にワープロソフトなどのアプリケーションの一機能として組み込まれた、独自の変換機能を使うしかなかった。これに対し、VJEはこの日本語入力部分をMS-DOSのデバイスドライバにし、独立した商品として提供。ユーザーからのキー入力を受け取って変換処理を行い、処理後のデータをシステムやアプリケーションに渡すことによって、MS-DOS上の汎用的な日本語入力環境を実現した。フロントエンドプロセッサ本来の意味は、他のプロセスが処理するデータを作成、あるいは加工する処理装置のことを指すが、VJEはまさにこの前処理を行なうデバイスだったのである。
'80年代後半には、日本語入力環境はこのFEPスタイル一辺倒となり、FEPはかな漢字変換プログラムの代名詞としてすっかり定着。Windowsのように、FEPのスタイルをとっていない(かな漢字変換もひとつのアプリケーションとして動作している)環境でも、しばしばこの名が使われる(別の言い方はIME―Input Method Editor)。
■■日立、SGS-THOMSONと次世代RISCプロセッサの共同開発で合意
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/hitachi.htm
●RISC(Reduced Instruction Set Computer)
リスク
CPUのアーキテクチャを表すことばで、複雑で高度な処理を行う命令セットを持たせたものをCISC(シスク:Complex Instruction Set Computer)、最小限の単純な命令セットだけを備えたものをRISCと呼んでいる。
RISCは、個々の命令セットを効率よく高速に実行することを主眼とした設計である。CISCが備える複雑な命令セットに代わる部分も、プログラミングしなければならないため(CISCならアセンブラ言語レベルで記述できることを、マシン語レベルで記述しなければ高速に実行できない)、ソフトウェア側にかかる負担は大きくなるが、CPU自身も含め、高速化がたやすいとされている。ただし、RISC側も命令セットを増やしたり、CISC側も実行クロックを減らしたりと、両者の決定的な差はなくなりつつある。
■■NEC、ノート用の薄型TFT液晶パネル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971210/nec.htm
●TFT液晶(Thin Film Transistor Liquid Crystal)
ティーエフティえきしょう
アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)に使われている、代表的な液晶のひとつで、TFT(薄膜トランジスタ)を使って液晶のスイッチングを行なう。他の方式に比べると技術とコストがかかるが、応答速度に優れ、解像度に関係無くコントラストの高い高画質のカラー表示が行なえるのが特徴で、高解像度カラー液晶ディスプレイの主流となっている。
液晶は、分子の位置や配列に規則性を持つ固体と、不規則な液体の中間的な状態にある物質で、電界や磁界、温度などの変化によって分子の配列が変わり、光学特性が変化する性質を持っている。この性質を利用し、RCA社が'68年に開発したのが液晶ディスプレイである。
液晶ディスプレイは、縦横の格子状に張りめぐらした導線にタイミングに合せて信号を送り、交点の画素を点灯させて表示する仕組みになっている。この時、導線の電位差だけで駆動するタイプを単純マトリックス方式といい、一般には電位差に敏感なSTN(Super Twisted Nematic~ねじれ角の大きなという意)液晶が用いられる(DSTN―Dual-scan SuperTwisted Nematic―はSTN液晶を使ったデュアルスキャンタイプ)。TFT液晶は、この単純トリックスの構成にスイッチング用の薄膜トランジスタを加えたもので、このようなタイプをアクティブマトリックス方式と呼んでいる。画素分の半導体素子が加わる分、高価で高度な技術が必用になるが、CRTにひけをとらない美しい表示と広い視野、高速な応答速度が得られる。
なお、このアクティブマトリックス方式にはもうひとつ、スイッチング用に「金属-絶縁層-金属」という構造のダイオードを使ったMIM(Metal Insulator Metal)というタイプもある。構造が簡単なので、TFTよりも安価に製造できるが、性能面で劣るため、最近のパソコン用ディスプレイではほとんど使われていない。
□シャープ株式会社「技術ライブラリ」
http://www.sharp.co.jp/sc/library/top1.htm
[Text by 鈴木直美]