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■■米Quantum、Ultra160/m SCSI対応で最大36GBの3.5インチHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981027/quantum.htm
'98年にSCSI Trade Associationによって承認された、Ultra3 SCSI規格ベースのSCSI。従来のSCSIとの下位互換性を保ちつつ、最大160MB/秒の転送速度を実現するFast-80、データの信頼性を高めるためのエラー検出CRC(Cyclic Redundancy Check)、SCSIバスをチェックして転送の最適化を行なうDomain Validationなどの、Ultra3 SCSIの主要な機能がサポートされている。
ANSIで策定中のSCSI-3(Small Computer System Interface 3)規格は、これまでの単一のインターフェイス規格ではなく、IEEE-1394やFibre Channelなども含んだ多岐にわたる規格を総括したものとなっている。現行のSCSIを直接引き継ぐのは、この中のSPI(SCSI Parallel Interface)という規格で、現在策定中のSPI-3を一般にUltra3 SCSIと呼んでいる。
SCSIのハイライトとなるのがバスの転送速度だが、SCSIの転送モードは、主にコマンド転送に使われている最も基本的な転送モードとなる非同期転送モードと、一般的なデータ転送に使われている同期転送モードとに大別される。非同期転送モードは、REQ(Request)ラインとACK(Acknowledge)ラインを使って、1byte(バスは8bit)ごとに確認しあいながら転送する方法で、オーバーヘッドが大きく、転送速度も最大で約1.5MB/秒までに制限される(互換性維持のためにタイミングの短縮化は行なっていない)。
もうひとつの同期転送は、予めタイミングクロックとREQ/ACKのオフセット値(相手からの応答を待たずに先送りできるクロック数)を決め、その範囲内で連続転送を行なうモードである(*1)。同期転送時の最大転送速度は、タイミングクロックによって決まり、オーソドックスなSCSIでは200ナノ秒(1/2000,000,000秒=5MHz)――最大転送速度5MB/秒となっている。SCSI-2では、このタイミングクロックを半分にしたFast SCSI(Fast-10)をサポート。Ultra SCSIではさらに半分に短縮したFast-20がサポートされ、8bitバスの最大転送速度はそれぞれ10MB/秒、20MB/秒。16bitバス(Wide SCSI)では、20MB/秒、40MB/秒となる。
Ultra2 SCSIでは、バスにLVD(Low Voltage Differential~低電圧の平衡型)という高性能の駆動方式を採用し、タイミングクロックをさらに半分にしたFast-40をサポート。転送速度は、8bitバスで40MB/秒、16bitバスで80MB/秒となる。Ultra3 SCSIでは、新たにREQ/ACKの両エッジを使ったデータ転送(Fast-80)をサポート。1クロックで2倍の転送が行なえるので、Ultra2 SCSIと同じタイミングクロックのまま、8bitバスで80MB/秒、16bitバスでは160MB/秒の転送を実現している。
(*1)例えばディスクドライブからPCへのデータ転送では、PCはオフセット値の範囲内でREQを送信。ドライブ側はこれに応え、ACKに同期してデータを送る。転送方向がPC→ドライブの場合には、PCはオフセット値の範囲内でREQと同期してデータを送出し、データを受け取ったドライブは、ACKを返していくというスタイルになる。
□Ultra160/m SCSI(Quantum)
http://www.quantum.com/src/whitepapers/ultra160m
□SCSI Trade Association
http://www.scsita.org/
□T10(SCSI等の規格策定を行なっているANSIの委員会)ホームページ
(ドラフトの規格書あり)
http://www.symbios.com/t10/
【参考】
□IEEE-1394
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#ieee1394
□Ultra2 SCSI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980407/key25.htm#ultra2scsi
■■ヤマハ、4倍速書き換え対応のCD-RWドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981028/yamaha.htm
●ブータブルCD (Bootable CD)
システムの起動が可能なCD。PCの場合には、El Torito規格に準拠したCD-ROMのことを指す。
El Torito(*1)は、IBMとPhoenixが'94年に発表した、CDからシステムを起動するための規格で、起動用CDのフォーマットと起動メカニズム、それに関る拡張ディスクBIOS(拡張INT13)等を規定している。
ブータブルCDは、ISO 9660を使用した通常のCD-ROMで、起動可能なフロッピーディスクやハードディスクのディスクイメージを、まるごとひとつのファイル(OSBOOT.IMG)にして格納。ディスクの特定の場所に起動用であることを示す情報と、ディスクイメージを格納した位置を示す情報を記録する。CD-ROMからの起動に対応したBIOSは、起動時にCD-ROMをチェックし、格納されたディスクイメージのファイルを、AドライブやCドライブに見立てて起動するようになっている。ディスクイメージは、1枚のCD-ROMに複数格納することもでき、任意のディスクイメージを使ってシステムを起動することも可能である。
ブータブルCDは、PC98の仕様にも含まれており、現在はたいていのマザーボードと、Adaptecをはじめとする主要なSCSIカード(当然のことながらBIOSを搭載したタイプに限られる)がこれに対応。システムでは、Windows NT 4.0やWindows 98のOEM版が、ブータブルCDで提供されている。
(*1)ISO9660のベースとなったHigh Sierra Formatが、会合を開いたハイシェラホテルにちなんだ名前であるのと同様、こちらは、打ち合わせに使ったメキシコ料理店エルトリートに由来するそうである。
□Phoenix - PC Industry Specifications (El Torito CD-ROM Boot v1.0)
http://www.ptltd.com/products/specs.html
□Phoenix - White Paper (How to Make a Bootable CD)
http://www.ptltd.com/products/wp.html
■■元麻布春男の週刊PCホットライン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981028/hot012.htm
●FSB (FrontSide Bus)
フロントサイドバス
CPUとメインメモリ、チップセット間を結んでいるデータバス。
Pentium以前のCPUが、全てのモジュールを1本のバスで接続していたのに対し、2次キャッシュを内蔵したPentium ProやPentium IIでは、より高速なメモリアクセスを実現するために、2次キャッシュ用の専用バスを追加。新しく追加された2次キャッシュ専用のバスをバックサイドバス、従来からのバスをフロントサイドバスと呼んでいる。
現在のCPUは、CPUコアをバスクロックの数倍という高いクロックで高速に動作させているが、2次キャッシュをメインメモリと同じバス上に置いた従来の設計では、2次キャッシュへのアクセスを、バスクロックのタイミングでしか行なうことができない。2次キャッシュ用のバスを独立させることによって、この制約がなくなり、Pentium IIではコアクロックの半分のスピードで、Pentium ProやXeon、2次キャッシュ付きのCeleronでは、CPUコアと同クロックで高速にアクセスできるようになっている。
CPU | バスクロック | コア倍率 | 内蔵2次キャッシュ | L2 IF スピード |
---|---|---|---|---|
Intel 386 | CPUのスピード | - | 0 | なし |
Intel 486 | 25,33,50MHz | x1~x3 | 0 | バスクロック |
Pentium | 50,60,66MHz | x1~x3 | 0 | バスクロック |
MMX Pentium | 66MHz | x2.5~x3.5 | 0 | バスクロック |
Pentium Pro | 60,66MHz | x2.5~x3 | 256KB/512KB/1MB | コアクロック |
Pentium II | 66,100MHz | x3.5~x5 | 512KB | 1/2コアクロック |
Celeron | 66MHz | x4~x4.5 | 0 | なし |
Celeron(L2キャッシュ搭載) | 66MHz | x4.5~x5 | 128KB | コアクロック |
Xeon | 100MHz | x4~x5 | 512KB/1MB/2MB | コアクロック |
【参考】
□チップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#chipset
□2次キャッシュ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/key10.htm#L2cache
□DIBアーキテクチャ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980407/key25.htm#DIB
■■NEC、アナログ4ポートを持つISDNルータ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981030/nec.htm
●ブランチ (branch)
分岐。分岐接続。分岐点。
「分岐」の意味合いは、使われる場所によって若干異なるが、PC環境ではデバイスやネットワークの接続形態でよく使われており、ひとつのデバイスから複数のデバイスに分岐して接続するスタイルを指す。例えばIEEE-1394では、各デバイスを順に数珠つなぎにして行くスタイルとツリー状に接続して行くスタイルとがあり、前者をデイジーチェーン、後者をブランチと呼んでいる。
TAの説明書などにはよく「ブランチ接続禁止」というような記述があるが、この場合には、ひとつのポートに対してひとつの機器しか接続できないことを意味している(通常の電話回線では3台程度の並列接続が可能)。また、1系統に対して2つのポートを設けているような場合には、「1系統2ブランチ」というような表記をすることもある(要は外部で並列に接続するのと同じ)。
広域ネットワークでは、遠隔地にある端末を接続する場所のことを特にブランチといい、ISP(Internet Service Provider)の中には、アクセスポイントをこう呼んでいるところもある。
[Text by 鈴木直美]