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山田久美夫が選ぶ
デジタルカメラ・ランキング

'97/3/21版

【ランキング】

【デジタルカメラ・ランキング】

メーカー 機種 画質 機能 操作性 デザイン 携帯性 ソフトの
使いやすさ
コスト
パフォーマンス
選評
1
()
富士フイルム DS-7 ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★★1/2 fuji ds-7
2
(-)
キヤノン
松下
コニカ
Powershot 350
CardShot
Q-mini
★★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★1/2 ★★★ ★★★★ Powershot350
3
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富士フイルム DS-8 ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★1/2 DS-8
4
(-)
三洋電機 DSC-V1 ★★★★ ★★★1/2 ★★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★ ★★★ SANYO DSC-V1
5
(-)
オリンパス C-800L ★★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★ OLYMPUS C800L
6
(-)
ミノルタ DimageV ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ MINOLTA Dimage V
7
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NEC Picona ★★★1/2 ★★★ ★★1/2 ★★★1/2 ★★★★ ★★★ ★★★ NEC Picona
8
(-)
オリンパス C-410L ★★★★ ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★★ C-410L
9
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リコー DC-2L ★★★ ★★★1/2 ★★★1/2 ★★★ ★★★ ★★1/2 ★★★ Richo DC-2L
10
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ソニー DSC-F1 ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★1/2 ★★ ★★1/2 dscf1
11
(-)
シャープ MDビューハンター ★★★ ★★★★ ★★ ★★1/2 ★★1/2 ★★1/2 ★★1/2 MDデジタルビューハンター MD-PS1
次点
(-)
アップル QT150 ★★★1/2 ★★ ★★1/2 ★★1/2 ★★1/2 ★★★ ★★★1/2 Apple Quick Take 150

※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。
【総評】

 いよいよ待望のニューモデルが続々発売され始め、本ランキング始まって以来の超激動のランキング更新だ。なにしろ、この春の話題機種が一斉に発売になったため、ベスト10のなかの半数がニューフェースという大波乱の展開となった。しかも、完成度が高いものや、個性的なモデルがここに来て目白押しとなっており、どれを選べばいいのか、以前以上に難しくなった感がある。さらに、いよいよ「富士フイルム DS-300」や「コダック DC120」といったメガピクセルカメラが登場しはじめ、こちらの動向も目が離せない。

 しかも、水面下では、来るべき次世代のデジタルカメラをターゲットにした撮像素子や周辺回路が続々登場。すでにパーツのサンプル出荷が始まっているものもあり、今後、さらに激しい動きを見せる気配すらある。また、3月28日から30日まで東京 新宿西口ヨドバシカメラで開催される「ヨドバシデジタルカメラフェアー」を目指して発表や発売を予定しているメーカーもあり、猛烈な速度で進んでいる。この分では、来月始めにも、再びランキングを更新することになりそうだ。

【ランク理由】

 まず1位は、“今回が最後”と思いながらも、バランスの良さと実販価格の猛烈な変動(低価格化)もあって、またまた今回も「富士フイルム DS-7」となった。やはり2万円代後半で、VGAで液晶付きでメモリーカード式であり、画質も輪郭が甘いとはいえ、なかなか味があり、テレビで見たり、画像処理ソフトで処理すれば実用十分という魅力にかなう機種は他にない。なんとも不思議な気分だ。

 2位以下は、もう大波乱! No.2には、3兄弟である「Powershot 350 & CardShot &Q-mini」を選んだ。正確に言うと、写りやデザイン、付属ソフトに若干の違いがあるものの、今回は事実上、同一機種として選定対象とした。本機はやや厚手で胸ポケットに入らないなど、携帯性に若干難があるが、補色系CCDの採用で解像度は35万画素クラストップレベル。しかも、MIM型とはいえ液晶つきで、メモリーもCF(コンパクトフラッシュ)カードと使い勝手も上々。機能も多彩だし、接写に強い点も大きな魅力。しかも、すでに5万円前後で容易に入手できる点も大きな魅力といえる。

 3位は、すでにお馴染みの「DS-8」。本来はDS-7の上級モデルであり、画質的にも一歩上の完成度の高いモデル。だが、実販価格がDS-7と2万円近く違うので、ここは3位止まりというところだろう。

 4位は、多くの人が意外だと思われるかもしれない。まだPC Watchでも使用レポートをお届けしていないモデルである「サンヨー DSC-V1」。本機はメモリーこそ内蔵専用だが、かなりバランスがよく、完成度の高さは現行モデルのなかでも明らかにトップレベル。とにかく、液晶がきれいだし、写りも明るく明快できれい。さらに、操作性もよく考えられている上、画像の一覧表示などの動きが機敏で、実に気持ちいいモデル。しかも、光学ファインダーと液晶ファインダーの両方があり、どちらも見やすいうえ、本当にコンパクトカメラ感覚で使えるモデルに仕上がっている。また、メモリーは内蔵のみだが、4MBあり、VGAで60枚、1/4VGAで120枚の撮影ができる点も好感が持てる。サンヨーというと、新規参入というイメージがあるが、実際にはオリンパスやエプソンとの共同開発モデルが多数あり、実績十分。実際に毎日のように使ってみても、画像転送以外で不満に思う部分がほとんどないモデルだ。まあ、このクラスで8万円はやや高く実販が6万円代前半なのは気になるし、“マルチーズ”という愛称も、やや気恥ずかしい。けれど、本機は十分4位に値する価値のあるモデルであり、デジタルカメラをすでに持っているユーザーなら、本機の気持ちよさは容易に理解できるものだと思う。

 5位にランクしたのは、いまやかなりの人気モデルとなって、売れ行きも好調の「C-800L」。基本的にこのモデルは現在唯一の高画素モデルであり、操作性のよさもあって、これほどの人気を獲得しているわけだ。この魅力は今も衰えることはないが、3月末には超強力なライバル機となる「コダック・DC120」の発売が控えている。DC120は他機種の保証書を送ることで2万円のキャッシュバックがあることから、実販価格はC-800Lと同等か、それを下回る可能性があり、しかも、実効120万画素で、CCDの画素数でも約90万画素とC-800Lを上回るし、3倍AFズームで、メモリーもコンパクトフラッシュだし、液晶モニターもあるうえ、長時間露出なども楽しめるなど機能満載。サイズはC-800Lより大きいしスタイリッシュではないが、それでもこれから買うなら、DC120の現物を見てからにしたほうがいいだろう。そのため今回はあえて“待ち”の5位としたわけだ。

 6位の「ミノルタ DimageV」は、もう技術発表以来半年以上経ったモデルであり、ようやく発売されたという感じだが、それだけに十分な熟成期間を経たモデルらしい完成度の高さを感じさせる仕上がりだ。また、胸ポケットに入る2.7倍ズームつきであり、将来はレンズユニット交換による撮像素子やレンズの交換ができる可能性がある点も大きな魅力といえそうだ。絵作りはやや大人しいが、いかにもカメラメーカーらしい造りの良さを感じさせるモデルといえる。

 7位にランクインしたのは、超小型サイズで話題となった「NEC Picona」。ちょっと小ささにこだわりすぎて、操作性や細部の質感などがおざなりになっているといった印象もあるが、写りはなかなか素直で好感が持てる。また、このサイズで液晶とCFカードを採用している点も立派だ。これでもう少し質感が高くてモノとしての魅力があれば、さらに高い順位が狙えたのに……と残念に思う。しかし、コンパクトな実用機として割り切れば、なかなか魅力的なモデルといえそうだ。

 8位はオートフォーカス化されて内蔵メモリーが3MBに増えたC-400Lの後継機「C-410L」。次機種は交換式メモリーを採用するか、よりコンパクト化されると見ていただけに、ちょっと肩すかしを食った感じだが、写りはさすがに良好で、使い勝手も上々だ。しかし、ほぼ同じ機能を備えた「サンヨー DSC-V1」と比較すると大きく、しかも液晶の美しさや操作の軽快さ、撮影枚数の点で劣る部分がある。そろそろ、フルモデルチェンジした次世代機に期待したいところだ。

 9位は返り咲きの「リコー DC-2L」。前回は低価格版の「DC-2E」がランクインしたが、いまや両機の価格差は数千円程度までせばまっており、それならやはり上級機の「DC-2L」をオススメしたい。しかし、そろそろ他機種に比べ劣る部分が見え始め、とくに画質面で設計の古さを感じさせる部分もあるが、それでも、5万円強の価格でこれほど多機能なモデルは他に見あたらず、一台でいろいろな撮影を楽しみたい人にお勧めのモデルといえる。

 10位の「ソニー DSC-F1 Cybershot」は、最近になってパソコンなしでMDデータに記録できるドライブなどが登場した半面、冬場の低温下ではバッテリーが急激に消耗するというトラブルを抱えるなど、話題に事欠かない。まあ、デジタルカメラのなかで唯一、素直にカッコイイ!と思えるモデルであり、画質、とくに中遠景のピントはイマイチだが、テレビ画面で見たり、スタイル最優先なら十分魅力的なモデルといえる。しかし、そろそろ新機種の声が聞こえてきても良さそうな頃だが、まだ全く聞こえてこないところが、ちょっと不思議であり、心配ではあるが……。

 以下、11位は、MDデータを記録媒体に使った異色モデル「シャープ MD-PS1 MDビューハンター」。このモデルは発想は賛成できるが、カメラとしての完成度は今一つであり、携帯性も感心しない。このあたりはいずれきちんとレポートしたいと思っている。

 12位は、Macintoshユーザー専用になるが、いまや9,800円で入手できる「QuickTake150」をセレクトした。このモデルはなかなか画質も良く、ケーブル転送がきわめて高速な上に、デスクトップにドライブとしてマウントできる点も便利。Macintoshユーザーなら、買っておいても損のないモデルといえる。

■過去のランキング

■参考記事

■注意■

[Reported by 山田 久美夫 / PC Watch編集部]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp