[寸評] 嵐の前の静けさといえる、この一ヶ月。年末ギリギリまで猛烈な動きを見せたデジタルカメラの世界だが、これで一段落したわけではなく、次なるうねりが押し寄せる前の、いっときの静けさといった感じだ。 もっとも、ここにきて、今春発売の第一弾として、17日には松下、キヤノン、コニカから相次いで新製品が発表されたし(といっても、外観の基本デザインからスペックまですべて同一だけど・・・)、注目のMDカメラやMPEGカメラも近々発表されそう。また、昨年発表された「ニコン COOLPIX100」の発売日も決定し、「ミノルタ Dimage V」も春の商戦には間にあいそう。 2月19日から開催される「MACWORLD Expo/Tokyo '97」と、同日にアメリカ ニューオリンズで開催されるアメリカ最大のカメラショー「PMA」を目標に発表される新製品も多く、この先一ヶ月は再び発表ラッシュになるかも。とうぶん、デジタルカメラから目を離せそうにないし、いまは“待ち”の時期ともいえる。この春の新製品で、ランキングはガラリと変わりそうな気配だ。 【山田 久美夫】 |
順 位 |
メーカー | 機種 | 画質 | 機能 | 操作性 | デザイン | 携帯性 |
ソフトの 使いやすさ |
コスト パフォーマンス |
選評 |
1 (-) |
富士フイルム | DS-7 | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | |
2 (-) |
オリンパス | C-400L | ★★★★ | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★1/2 | ★★1/2 | ★★★1/2 | ★★★ | |
3 (-) |
リコー | DC-2E | ★★★ | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★ | ★★1/2 | ★★★★ | |
4 (-) |
富士フイルム | DS-8 | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | |
5 (-) |
オリンパス | C-800L | ★★★★1/2 | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★1/2 | ★★★1/2 | ★★★1/2 | ★★★ | |
6 (↑) |
エプソン | CP-200 | ★★★1/2 | ★★★ | ★★1/2 | ★★1/2 | ★★ | ★★★1/2 | ★★★1/2 | |
7 (↓) |
リコー | DC-2L | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★ | ★★1/2 | ★★1/2 | ★★★1/2 | |
8 (↓) |
ソニー | DSC-F1 | ★★★ | ★★★★ | ★★1/2 | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★1/2 | |
9 (-) |
カシオ | QV-100 | ★★1/2 | ★★★ | ★★★★ | ★★★1/2 | ★★★★ | ★★1/2 | ★★★1/2 | |
10 (-) |
コダック | DC25 | ★★★ | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★ | |
次点 (-) |
シャープ | 液晶ビューハンター | ★★★1/2 | ★★★ | ★★★1/2 | ★★1/2 | ★★1/2 | ★★★ | ★★1/2 |
※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。
[総評] 新年最初のランキングになるわけだが、いうまでもなく、本ランキングは基本的に、ごく一般的なユーザーが購入する場合を想定し、実販価格、操作性、機能、画質などを含めたバランスのよさを基準に選定している。もちろん、筆者自身が実際に、ランキングの対象と想定している15万円以下のパーソナル機のほとんどすべてを、実際に使用し、実写したものを基準に判定している。 正直にいって、この一ヶ月は、本ランキングが始まって以来、もっとも平穏無事で変化のないものとなった。新製品も発表のみで発売まで間があり、実勢価格も大きな動きはない。そのため、無意味なランク更新をする必要がないため、今回は基本的に前回の12月末の更新時とほぼ同じ順位となっている。 今回ランキングが上がったのは、実勢価格が下がった「エプソン CP-200」のみ。スタイルや携帯性はイマイチだが、写りは「C-400L」に匹敵するほどのレベル。超横長にはなるが液晶モニターも一体化できるので、使い勝手はまずまず。しかも、接続キットや各種ソフトまで込みで実販価格が5万円を割っているのは、かなりお買い得。実用本位に考えれば、結構いい選択だが、上位に食い込めるほど完成度が高くないのが残念だ。 それに伴って、「DC-2L」と「CyberShot」の順位が下がっている。「DC-2L」はかなり機能が充実しているおり、楽しめる機種だが、そろそろ画質を改良して欲しい次期にさしかかっており、コストパフォーマンスの点ではこのくらいの順位が妥当な線かもしれない。 また、売り上げ台数ではトップクラスの「CyberShot」も、遠景の画質や充電池であり、消耗が激しいこともあって、スタイルは抜群にいいが、実用機として考えると、誰にでも安心してお勧めしにくいという状況は変わらない。実際に量販店の店頭で聞いてみると、電池の持ちのように、容易に分かる欠点に対してのクレームはあるが、画質に関するクレームはないという。もちろん、アクセサリー感覚で気軽に使うならいいかもしれないが、このモデルを初めて購入した人が、画質に対して、”デジタルカメラなんて、この程度のもの”という、あらぬ誤解を招く可能性がある点が、もっとも心配だ。まあ、他のデジタルカメラをいろいろ使ってみて、それでも「CyberShot」を選ぶという人は、その魅力も欠点も両方分かっているだろうから心配はないけれど・・・。もちろん、デジタルカメラの世界でかなりのシェアを握ろうとしているソニーが、このまま黙っているわけはないので、この春あたりにはこれらを大幅に改良した新機種が出てもおかしくないだろう。まだ、噂すらないけれど・・・。 一方、未発売でランキング対象となっていない「これからの期待モデル」では、新たに「キヤノン Powershot350」が加わっている。基本的には松下からのOEMモデルのようで、同型のものがコニカからも発表されているが、筆者が実写したモデルはキヤノンのみなので、今回の期待モデルは同社バージョンのみとなっている。また、製品版で実写可能という「ニコン COOLPIX100」は、実写の結果、以前より格段に向上している一方、暗さに弱いという予想外の欠点があり、今回はより詳細な記述となっているので参照されたい。
(編集部注)各機種の選評は来月分で大幅な新機種の追加が見込まれるため、現在は最新のテストレポートまたは、11月11日現在の選評へリンクしています、ご了承ください。
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メーカー | 機種 | 選評 |
ニコン | COOLPIX 100 | |
ミノルタ | Dimage V | |
キヤノン | Powershot350 |
■過去のランキング
■注意■
[Reported by 山田 久美夫 / PC Watch編集部]