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NEBA、10月販売実績を発表、PC低迷に強い危機感
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NEBAの岡嶋昇一会長 |
12月9日発表
日本電気大型店協会(NEBA)は9日、2002年10月までの販売実績を発表、家電、AV製品は比較的堅調としたが、PCは21カ月連続の前年割れを記録、PC販売の全体的な縮小について強い危機感を表明した。
●家電堅調、PC低迷
発表によれば、NEBAにおける10月の販売実績では、PC本体の売上げは194億4,830万円で、対前年同期比はマイナス8.66%。周辺機器は199億8,426万円で、対前年同期比はマイナス4.45%。2001年2月以来、21カ月連続で前年割れとなった。
一方、家電は第2四半期に家電リサイクル法の影響が一巡、FIFAワールドカップなどの影響もあり、BSデジタルTV、PDP、LCD、DVDレコーダーを始めとするDVD関連製品などが好調だったとした。また、ノンフロン冷蔵庫や乾燥機能一体型洗濯機、省エネやマイナスイオン技術を組み込んだエアコンなどの登場により、白物家電も堅調に推移した。そのほか、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話なども好調とした。
●PC低迷の要因は、ユーザー軽視と業界構造と主張
会見において、NEBAにおける販売構成比が本体と周辺機器合計で20%超と、調査品目中でも大きなウェイトを占めるPCの低迷について、NEBAの岡嶋昇一会長(株式会社エイデン代表取締役社長)は強い危機感を表明した。
PC低迷について「PC低迷の底が見えない。本体が売れなければ周辺機器も売れず、利益が出ない」とし、さらに「このままではPCに関しては夢のない業界になる。PCの売場面積が減り、PCはマイナーな商品となる」と述べた。こうした状況への対策として「PCメーカーが業界をどのようにしていこうとしているのかにかかっている」とし、よりユーザーが使いやすい製品やサポート体制をメーカーに要望した。
岡嶋会長はNEBA会報2002年12月号に掲載されたインタビューにおいても「ウィンテルだけという構図が問題です。いくら頑張って売っても、製造業も販売店も誰も儲からない。これでは、商材としての魅力がありません」と述べており、かねてからPC業界の構造にも異議を唱えている。
●ポイント制による不当廉売にも、メーカーへ対策を要望
家電量販店・カメラ量販店の過当競争については「上位寡占が進み、来年もきびしい状況が続く」とした。
また、大手量販店が採用している「ポイント還元制」を批判した。
12月5日に公正取引委員会がガイドライン「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」の一部改定を実施、この中でポイント還元を「原則として正常な商慣習に照らして値引きと認められる経済上の利益に当たり、景品類には該当しない」と表記し、ポイントを「景品」でなく「値引き」と規定した。ただし、ポイント還元制度そのものは不当表示にはあたらないとしている。
これを受けて「5%程度の還元なら消費者つなぎとめの施策として認められるが、20%還元では不当廉売の可能性もあり、メーカーによる対策が必要」と主張した。
□NEBAのホームページ
(12月9日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.neba.gr.jp/
□公正取引委員会「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」の一部改定について(PDF形式)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/02.december/02120502.pdf
□関連記事
【10月25日】「パソコンの需要回復は来年以降」NEBA会長が見通し
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1025/neba.htm
【2001年12月3日】日本電気大型店協会、PCリサイクル費用の徴収に反対
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011203/neba.htm
(2002年12月10日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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