インテル、BaniasのCPUコアを初公開 |
会場で公開されたBanias搭載機 |
インテル株式会社代表取締役社長 ジョン・アントン氏 |
説明会は、2003年より出荷が予定されている次期モバイル向けプロセッサ「Banias」(バニアス)を中心に解説がなされた。
同社の代表取締役社長 ジョン・アントン氏は、「技術革新がモバイル市場の成長を牽引する」と前置きした上で、「消費者が理想とするモバイルPCのビジョンに、現状の技術ではまだ追いついていない」と解説した。
インテルは、“消費者がモバイルPCに求めるニーズ”として、「妥協しないフル装備のPC、重さ1kg以下、充電なしで丸1日使えるバッテリライフ、休止状態から瞬時に利用可能、シームレスな(ネットワークへの)接続性」などを挙げており、3年前から想定していたという。
ハードウェアに関しては、「これらのニーズに対し、2002年の現状では、サイズ、バッテリの接続時間、処理性能、機能などで妥協している」とし、またネットワークへの接続性に関しては、「PHSは広域で利用可能だが低バンド幅、(次世代携帯などの)3G帯は高い通信コストが必要、802.11はまだトライアルの段階だ」(アントン氏)と、さらなる技術革新を唱え、モバイルPCに適した次世代プロセッサ「Banias」の必要性を訴えた。
BaniasのTDP(赤)と平均消費電力(黄)の設計思想を表わすスライド |
モバイルPentium 4-Mなど従来のモバイルプロセッサでは、平均消費電力を上げずに、性能の向上を図ったことで、TDP(熱設計電力)の上昇を招いていた。Baniasでは、TDPを減らしつつ平均消費電力を抑えることにフォーカスしたことで、平均消費電力は2W以下となり、さらなる長時間駆動を目指すという。
消費電力が下がり、TDPを抑えたことで熱設計が容易になることから、省スペース化も図れ、ノートPCのさらなる小型化/軽量化が見込まれる。
処理能力も、モバイルPentium 4-M 2GHz以上の性能を発揮すると、パフォーマンスの面でもアピールしていた。
説明会終了後は、Banisasに取り付けられていたCPUファンが取り外され、CPUコアが剥き出しになった状態のBaniasが公開された。
(2002年8月29日)
[Reported by yosida-s@impress.co.jp]
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