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■■ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
DirectX 9対応GPUがまだ登場できない理由
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0520/kaigai01.htm
●Pixel Shader
ピクセルシェーダー
●Vertex Shader
バーテックスシェーダー
3Dグラフィックスにおいて、定義された3Dモデルや光源の情報をもとに、その見え方を計算するプログラム。
3Dグラフィックスでは、形や色などを定義したモデルと光源を3次元のステージ上に配置し、視点から見たそれらの形状や位置関係、光源が及ぼす明暗や陰影などの効果などを計算し、立体的な画像を描画して行く。この中の、主に照明効果を計算して立体感を持たせて行く処理をシェーディング、シェーディングを行なうプログラム(ソフトウェアやハードウェア)をシェーダーといい、シェーダーの処理内容がプログラム可能なものをプログラマブルシェーダーと呼んでいる。
ピクセルシェーダー(あるいはサーフェースシェーダー)は、モデルの表面を処理するシェーダーで、色や明暗、質感の表現はもちろん、テクスチャマッピングやバンプマッピングなども担当する。バーテックスシェーダー(頂点シェーダー)は、モデルの頂点を処理するシェーダで、通常は、頂点を動かしてモデルの形状を変化させる処理も含まれている。これらがプログラマブルであれば、シェーダの処理方法そのものが自由に定義でき、表現の幅が広がることはいうまでもない。が、特に有効なのは、ゲームをはじめとするリアルタイムの描画処理で、様々なエフェクトをかけたり、髪の毛や波紋の動きをリアルに表現したりといったことが、シェーダー側のプログラム処理で実現できる。
【参考】
□テクスチャマッピング、バンプマッピング、ミップマッピング
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990311/key68.htm#Texture_Mapping
□ディスプレースメントマッピング
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0405/key202.htm#DISP
■■ エレコム、802.11b対応USB無線LANアダプタ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0524/elecom.htm
●ダイバシティ(アンテナ)(diversity antenna)
複数のアンテナを使って受信し、コンディションのよいアンテナに切り替えることによって、安定した受信を実現する技術、およびそのためのアンテナ。
ビルの反射などによって、異なる経路を通って来た電波が混ざり合うと、経路によって生ずる若干の遅延から、受信する場所によって強弱が生じてしまう。このような現象をマルチパスフェーディングといい、直進性や反射性が強まる高周波ほど、マルチパスフェーディングが起こりやすくなる。
例えば、直接波と反射波の2つの電波が混ざるケースでは、反射波の遅延がちょうど1周期分なら2つの電波は強め合うが、半周期ずれて逆相になると、互いに打ち消し合ってしまう。すなわち、2つの電波の伝搬経路の距離差が、ちょうど1/2波長の偶数倍になる位置で受信すると、電波は急激に弱まってしまうのである(移動体なら電波の強弱がひんぱんに繰り返される)。アンテナの位置を動かして(1/2波長程度の僅かな範囲内でOK)伝搬距離を変えてやれば、位相差が調整されるので、デッドポイントを抜け出すことができる。無線LANなどに使われているダイバシティーアンテナは、このマルチパスフェーディングを回避するためのもので、あらかじめ少し離れた位置に、もう1本別のアンテナを用意。両方を使って受信し、随時感度のよい方に切り換えて行く。
携帯電話などでは、偏波面の異なるアンテナを使って感度のよい方を選択して行く、偏波ダイバーシティもよく使われる。電波は、直交する電界と磁界の相互作用(※1)によって、空間を伝搬して行く。この時、電界が発生する面を偏波面といい、大地に対して水平なものを水平偏波、垂直のものを垂直偏波という。この偏波面がずれると、受信感度が弱まり、90度でほとんど受信できなくなってしまう。偏波面のずれ方で受信レベルが変動する、フェーディング現象が発生するわけだ。偏波ダイバーシティは、この偏波面のずれに起因するフェーディングを軽減するタイプで、偏波面の異なるアンテナを使って、受信を最適化している。
※1 電波を飛ばす源は電気である。アンテナに方向が高速に変化する電流を流すと、電界面と直交する方向に変化する磁界が発生する。その変化する磁界が、今度は変化する電界を発生して…… ということが繰り返され、電波として伝搬して行く。テレビ(地上波)やラジオで使用するオーソドックスなアンテナなら、エレメントと並行な方向が偏波面であり、直接波が何事も無く伝搬する限りは、偏波面は変化しない。したがって、送信側がエレメントを立てたなら受信側も立てて受信するのが基本である。
■■ エプソン、「USB On-The-Go」対応コントローラLSI
~PCを介さずUSB機器同士を接続可能
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0529/epson.htm
●USB On-The-Go(OTG)
ユーエスビーオンザゴー
USB-IF(USB Implementers Forum)が、USB 2.0のサプリメント(追加規格)として2001年にリリースした、USBデバイス同士を直接接続するための規格。
SCSI(Small Computer System Interface)やIEEE 1394は、接続した全てのデバイスが対等の立場をとる、デバイスネットワークとして設計されたのに対し、USB(Universal Serial Bus)は、PCに周辺機器を接続するためのインターフェイスとして設計された。1台のホストとそれにつながる周辺機器というように、役割分担が明確に決まっており、バスの制御やデータ転送などは、全てホストとなるPCが取り仕切っている。周辺機器にとっては、最小限のコストでUSBを実装できるものの、周辺機器どうしが直接コミュニケーションを行なう仕組みが用意されていないため、例えば、ホスト機能を持たないデジタルカメラにUSBプリンタをつないで直接印刷したり、MP3プレーヤにUSBスピーカーをつないで鳴らすといったことは行なえない。
USB OTGは、PCを介さずに、周辺機器間でデータをやり取りできるようにするためのもので、周辺機器向けの限定的なホスト機能と、周辺機器間でホストを決めるためのプロトコル、新しいコネクタなどが規定されている。
USBホストには、あらゆるデバイスを制御する能力が求められ、バスには常時電力(5V/100mAまたは500mA)を供給し続けなければならない。このようなフルスペックのUSBホスト機能を、制約の厳しい周辺機器に求めるのは大きな負担である。OTGホストの場合には、特定の機器をサポートするだけでよく、転送速度も必須なのは12Mbpsのフルスピードモードのみ。電力供給も8mAに低減され、非通信時には供給を止めることができる。
OTG対応デバイスの中で、ホストと周辺機器の両方の機能を持つものをデュアルロールデバイス(Dual-role Device)という。デュアルロールデバイスが対向する場合には、どちらがホストになるのかを決める必要があり、OTGではそのための手順「HNP(Host Negotiation Protocol)」が新たに追加されている。
コネクタは、一般的なAコネクタ(ホストやハブ側)とBコネクタ(周辺機器側)に加え、携帯機器では、小型のMini-Bコネクタも既に広く使われている。OTGでは、ホスト用の小型コネクタとしてMini-Aコネクタを追加。さらに、デュアルロールデバイスが1つのコネクタを実装するだけで済むように、Mini-AとMini-Bの両方のプラグに対応する、Mini-ABレセプタクルが追加されている。
□USB-IF(USB Implementers Forum)[Text by 鈴木直美]
(2002年6月7日)