■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード
■■ Game Developers Conferenceレポート
DirectX 9対応のビデオカード第一弾はMATROXから?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0322/dx9.htm
●ディスプレースメントマッピング(displacement mapping)
3DCGで、物体の表面に属性を張り付ける技法の1つ。
3DCGで描かれる3次元の物体は、それを構成するポリゴン(多角形~レンダリング時には三角形が一般的)単位で、形や色、光に対する特性などのパラメータを定義する。 このため、模様や形が複雑になればなるほど、微細で大量のポリゴンで構成しなくてはならず、手間やデータ量、計算量が膨大になってしまう。これを補うために、模様を描いた画像などを立体の表面に張り付け、ポリゴンのパラメータの変化として適用する手法がよく用いられており、これをマッピングと呼ぶ。
色に適用するタイプは、テクスチャマッピングあるいはカラーマッピングと呼ばれており、貼り付けた画像の色合いが、立体の表面にそのまま反映する効果がある。本来は1色しか反映できない1つのポリゴンを塗り分け、微細な絵柄を描くことができるわけだ。
法線ベクトル(※1)に適用するタイプはバンプマッピングと呼ばれ、立体の表面に陰影を付ける効果が得られる。テクスチャマッピング同様、1つのポリゴンに対し、微細な法線の変化を付けられるので、複雑な凹凸模様を簡単に作ることができる。
ディスプレースメントマッピングは、形に適用するタイプである。こちらは、マッピングデータのパラメータにしたがって頂点を生成しポリゴンを細分化。それを引っ張ったり押し込んだりして、立体の形状そのものを変化させる。ポリゴンの面だけを見ると、バンプマッピングと同じ効果になるが、形そのものが変化しているので、境界や影にも変化が反映される。
※1 入射する光と反射する光を二分する線を法線といい、通常は面に対し垂直方向を向いている。この法線の傾きがマッピングデータでコントロールされるため、反射光が変化し、表面に凹凸が現れる。
【参考】
□テクスチャマッピング、バンプマッピング、ミップマッピング
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990311/key68.htm#Texture_Mapping
■■ PCI-SIG、PCIバス規格の新バージョン「PCI v2.3」を策定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0326/pci.htm
●PCI Local Bus Specification Version 2.3(PCI 2.3)
PCI-SIGが2002年にリリースしたバス規格、PCI第2版の最終リビジョン。
PCI(Peripheral Component Interconnect)は、ISA(Industry Standard Architecture)バスに代わる高速な汎用バス規格として、'91年にIntelが提唱。 翌'92年に最初の規格書がまとめられ、その後は同時期に設立されたPCI-SIG(Peripheral Component Interconnect-Special Interest Group)によって標準化が行なわれている。
'93年には、第2世代の2.0をリリース。1.0では規定されていなかった(当初は内部バスとしての仕様しか規定していない)拡張スロットやカードの仕様が盛り込まれ、現在のPCIの基本仕様が完成する。以後、これをベースに逐次修正や拡張機能が追加され、それらをまとめる形で新しいリビジョンがリリースされている。
これまでの主な機能拡張は、2.1('94年)で追加された64bit/66MHz転送や、速度の異なるデバイス間でバスを効率よく使用するためのコンカレントオペレーション(PCI Concurrent)。2.2('98年12月発表、'99年1月出版)で追加されたパワーマネージメント(PCI Power Management)やホットプラグ(PCI Hot-Plug)機能などである。
2.3では、Low Profile PCIとSMBus(System Management Bus)が、規格書本編に統合されている。前者は小型マシン向けのコンパクトな拡張カードで、Mini PCIとは異なり、従来の拡張スロットにそのまま装着することができる(※1)。後者は、複数のデバイス間でシリアル通信を行なうためのインターフェイスで、そのための端子が新たにコネクタに追加されている。こちらも、SMBus自体がオプションであり、端子も未使用だったものを再定義しただけなので、従来の規格と互換性がある。
2.3での大きな変化としては、3.3Vへの移行を強く打ち出した点だろう。PCIカードには、5V用、3.3V用、5V/3.3V両用(ユニバーサル)の3種類があるが(※2)、2.3からは3.3Vオペレーションが必須となり、拡張カードは3.3V用とユニバーサルの2種類になる(Low Profile PCIは3.3V専用)。互換性上5Vの仕様自体はまだ残っているが、次期バージョン(PCI 3.0)からはこれも完全に消滅する予定だ。
※1 カードの高さが低くなっているので、従来のシステムに装着する場合には、ブラケットを変更する必要がある。逆に、Low Profile PCIのみに対応したシステムには、従来の大きなカードを収納することはできない。
※2 PCIのコネクタには、誤挿入防止用のキー(切り欠き)があり、3.3V用と5V用とで位置が異なる。ブラケットに近い側(12-13番)が開いていれば3.3V専用、遠い側(50-51番)なら5V専用、両方開いていていればユニバーサルだ。
□PCI SIG(Peripheral Component Interconnect Special Interest Group)
http://www.pcisig.com/
【参考】
□Low Profile PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000511/key118.htm#LPPCI
□Mini PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000310/key111.htm#Mini_PCI
□PCI(Peripheral Component Interconnect)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI
●System Management Bus(SMBus)
システム管理やパワーマネージメントなどに利用されている、デバイス(チップ)間のコミュニケーションインターフェイス。
システム管理やパワーマネージメントのように、デバイス間の連携が必要な作業を行なうためには、どのデバイスに対しても同じ手順でコミュニケーションできる、汎用的なインターフェイスが有効である。
SMBusは、Intelが同社のSmart Battery用に開発した、バッテリとコミュニケーションを行なうためのインターフェイスとしてスタート。その後、ノートPC向けのバッテリー管理規格SBS(Smart Battery System)や、デスクトップPCなどにも広く採用されている電源管理機構ACPI(Advanced Configuration And Power Interface)の物理インターフェイスに応用されている。
物理的には、クロック信号とデータ信号から成る2線式のシリアルバスで、バスに接続された個々のデバイスが固有のアドレスを持ち、このアドレスを使ってピアツーピアのコミュニケーションが行なえるようになっている。チップレベルのインターフェイスで、転送速度も最大100kbpsと低速ではあるが、LANに使われているEthernetなどと同様に、デバイス間の汎用的なネットワークとして利用できるようになっているのが大きな特徴。先のSBSやACPIは、このネットワークを使って、実際に管理や制御に必要なやりとりを規定した、アプリケーションプロトコルということになる。
□SMBus
http://www.smbus.org/
□SBS-IF(Smart Battery System Implementers Forum)
http://www.sbs-forum.org/
□ACPI
http://www.acpi.info/
【参考】
□ACPI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980310/key21.htm#ACPI
□APM(Advanced Power Management)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000921/key136.htm#APM
■■ 「ROBODEX2002」プレスプレビューレポート Part2
~ソニーの球体ロボ「Q.taro」やジンジャー風ロボ「ロボビーIII」など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0328/robodex4.htm
電気的な接点を使わずに、非接触で充電するシステム。
充電器と本体(バッテリー側)を電磁誘導を使って結合し、非接触で電力を伝送する方式で、従来からある接触結合タイプをコンダクティブ充電方式(conductive batterycharging)、電磁的結合タイプをインダクティブ充電方式(inductive battery charging)という。
コイルに電流を流すと磁束が生じ、コイルの中を通過する磁束が変化すると起電力が生ずる。電源などに使われているトランス(transformer)は、この電磁誘導作用を利用したもので、鉄心(実際には薄い鋼板を重ねたもの)に2つのコイルを巻き、一方(一次コイル)に交流電圧をかける。すると、もう一方のコイル(二次コイル)から、コイルの巻き数比に応じた電圧が取り出せる仕組みである。 非接触充電は、このトランスを2つに分割し、一次コイル側を充電器に、二次コイル側を本体に持たせた構造になっており(※1)、両者を近づけて一次コイル側から電力を供給すると、電気的な接触無しで二次コイル側に電力が伝送される。充電用の端子が必要無いため信頼性や安全性が高く、各種携帯機器や完全防水型の機器、電気自動車(EV~Electric Vehicle)のような大電流を扱う機器などの充電に、積極的に採用されている。ただし、電気的に伝送する接触結合と違って伝送効率が悪く、充電器は一般に大きく発熱しやすい。また、効率を高めるために高周波を用いるため(※2)、EMI(ElectroMagnetic Interference~電磁妨害)も発生しやすい。※1 実際の製品では、本体を検出させたり充電の制御を行なう必要があるので、本体側から充電器側に信号を送るための、もう一組のトランスが入っている。 ※2 電磁誘導によって生ずる起電力の大きさは、磁束の時間的な変化に比例する。
[Text by 鈴木直美]
(2002年4月5日)