レビュー
久しぶりにPC自作を思う存分に楽しめた「Ryzen Threadripper」の開封から装着までを写真と動画でご紹介
2017年8月3日 22:00
AMDから、エンスージアストハイエンドデスクトップ向けCPU「Ryzen Threadripper」が発表となった。8月10日の発売に先駆けて製品が編集部に届いたので、“開封の儀”の模様をお伝えしよう。なお、レビューは製品発売後に改めて掲載する予定だ。
今回AMDからお借りしたRyzen Threadirpperはプレス向けに特別用意されたレビュワーズキットだ。CPUは専用のキャリアケースに入れられており、そのなかに1950Xと1920X、そしてクリスタルケースに入った記念品が入っている。
マザーボードとメモリ、CPUクーラー、電源も別箱で送られてきた。これらを含めたレビューは後日お伝えするとして、まずはCPUパッケージの開封からマザーボードへの装着の模様をお届けしよう。
今回のRyzen Threadripperのレビュワーズキットは相当手が込んでいる。専用のキャリーケースのフタを開けると、パッケージ後部に設けられたリング状のLEDライトが点灯し、前面から光が少し透けて見えるギミックとなっている。一般向けには出回らない点が残念だが、ここまで手が込んだレビュワーズキットは初めてだ。
製品のパッケージもかなり手が込んだ作りだ。緩衝材の周りの包装紙を破り、上下2ピースとなっている緩衝材を外す。中にあるプラスチックのパッケージは、後部にあるダイアルを30度ほどひねって開く。すると、ひねったパーツにCPUがくっついているので、その上の金属製ストッパー、そしてカバーを外して、ようやくCPUを手にすることができる。
取り出したCPUも、これまでの自作PC用CPUとは一線を画したもので、オレンジ色のパーツに取り付けられている。実は、今回はこのオレンジのパーツをつけたままマザーボードに装着するのだが、これは後述する。とにかく、このオレンジのパーツを外さないでおきたい。
ちなみに緩衝材側には、CPUの保証書、トルクスレンチ、そして簡易水冷を留めるための専用リテンションが収められている。
マザーボードのCPUソケットは、自作PCでは常識的なレバー式ではなく、CPUに付属するトルクスレンチを用いて、トルクスネジを外して着脱を行なう。なお、トルクスネジはリテンションメカニズムから外れることのないよう、ストッパーがついているので、なくすといった心配は無用だ。
また、外すときのネジを回す順番と、付けるときにネジを回す順番は逆となっているが、ソケットにネジの数字と手順がしっかり書かれているので、迷うことはない。外す時は1番目のネジを「カチッ」とポップアップするまで外して大丈夫だ。
さて、今回一番注目したいのはCPUの装着方法だ。IntelのLGAパッケージは、カバー開けてから、CPUをLGAの上に静かに載せ、カバーを閉めてレバーを戻す。一方Ryzen Threadripperに採用されたTR4は、カバーを開けてから、CPUを装着するガイドレールを外す。CPUのオレンジのパーツを、このガイドレールに沿ってスライドしてCPUを装着、その後ガイドレールをカチッと留めてから、カバーをトルクスネジで締めるという変わった方式だ。
このオレンジのパーツ、AMDの公式では「キャリアフレーム」と呼ばれるものだ。フレームには方向を示す三角形、CPUにも方向を示す三角形があり、一致させる必要がある。さらに、CPUの印字面とフレームの印字面も一致する必要がある。ただ、これはパッケージから取り出した直後の状態でもあり、つまりパッケージから取り出してそのままにしておけば、誤挿入することはまず考えられないというわけだ。
トルクスネジの締め付けに関しても、CPUに付属するもののみを使用するよう呼びかけている。このトルクスレンチは唯一正しい力で締め付けができるもので、CPUとピンのコンタクトを完璧にさせられる。規定の力を超えると「カチッ」と1段空回りする音が鳴り、これがしっかり締め付けができたという合図だ。当然、付属品以外のものだと、正しく締め付けができなかったり、CPUソケットを破損させてしまう可能性がある。
なお、今回送られたレビュワーズキットのマザーボードはASUSの「Zenith Extreme」であったが、この製品はガイドレールに沿って装着される透明の保護カバーと、CPUソケットに直付けされたグレーのカバーの2つがあった。製品によってはどちらか一方しかない可能性もある。
Ryzen Threadripperは、AMDにとってAthlon 64 FX-74以来の、久しぶりの999ドルのコンシューマ向けCPUだ。つまりハイエンドデスクトップへの回帰を標す重要な製品なのだ。それだけに、マーケティング的にも、製品的にも、その力の入れようがひしひし伝わってくる。いちコンシューマとしても、久々にPCを自作することの楽しさを味わえる製品に仕上がっているのではないだろうか。