イベントレポート

Intel、モバイルデバイスの進化を支えるプロセス技術をアピール

カーク・スカウゲン氏
会期:10月1日~5日(プレス向けに9月30日に一部先行公開)

会場:幕張メッセ

 米Intel上席副社長兼PCクライアント事業本部長のカーク・スカウゲン氏は10月1日、CEATEC JAPAN 2013会場において「モバイル・コンピューティングの進化」と題した基調講演を行なった。

プロセス技術は今後も順調に2年毎に縮小

 スカウゲン氏は、今後も指数的に増えていくデータ量とネットアクセスに対し、同社がムーアの法則に従ってプロセス技術を2年毎に縮小しており、2013年末には14nmで、現行製品より消費電力を3割抑えたコードネーム「Broadwell」を出荷開始。その後も順調に、2015年には10nm、2017年には7nmへの縮小を予定しており、引き続き業界を牽引していくと説明した。

 現行製品としては、先だって行なわれたIDFでコードネーム「Bay Trail」ことAtom Z3000シリーズを発表したが、その採用製品として、シャープが先日開発表明した「Mebius Pad」や、東芝の未発表タブレット、LenovoのYoga型ノートPCを紹介した。

Bay Trailの概要
東芝のタブレット
シャープのMebius Pad
LenovoのYoga型ノート

 ハイエンドのUltrabookの分野では、2つの形態に変形する2-in-1をここのところ訴求しているが、2013年第1四半期の時点では5機種しかなかったものが、第2四半期には15機種に増え、第3四半期中には60機種が登場予定といい、Ultrabookが薄いPCから、多様な使い勝手を提供するモバイルPCになることを説明。また、特にこれらの軽量・薄型なPCについては、NEC、ソニー、パナソニック、富士通、東芝といった日本メーカーイノベーションリーダーであるとして、その開発力に敬意を表するとともに、各社の製品を壇上で紹介した。

日本はイノベーション・リーダー
NECのLaVie。ZかXと思われたが、どうもデザインがいずれとも異なるようだ
ソニーのVAIO Pro 11

 このほか、技術的なデモとして、Haswell搭載NUCによる4K表示を紹介。これは、NTTドコモが開発したHEVC/H.265ソフトウェアデコーダをHTML5ブラウザに統合したもので、4K動画の再生だけでなく、コンテンツのオーバーレイや、サムネールによる複数動画の同時再生なども行なっていた。

 最後にスカウゲン氏は、今後10年間で全世界のトランジスタ利用数は200倍に伸びる見込みで、Intelとしてはコンピューティング技術の革新を通じて、あらゆる人々の繋がりを促進し、より豊かな生活を実現するとまとめた。

 また、同社は会場にブースも構えている。PCについては、すでに発表済みのもののみだが、2-in-1の具体的製品や、前述の4Kデモも行なわれている。また、TIZENを使った車載システムのプロトタイプも展示している。

インテルブース
各社の2-in-1などが展示されているが、Bay Trail端末は残念ながらみかけなかった
Haswell NUCによる4Kの表示デモ。OSはLinuxを利用している

(若杉 紀彦)