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キヤノン、桐谷美玲さんを招いた「PIXUS」新製品発表会

桐谷美玲さん
8月27日 発表

川崎正己氏

 キヤノンは27日、個人向けインクジェット複合機「PIXUS」シリーズの新モデルを発表。これに合わせて都内・品川にある本社ビルで発表会を開催した。

 冒頭では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社 代表取締役社長の川崎正己氏が挨拶。新製品を投入した背景と狙いについて解説を行なった。

 国内のインクジェットプリンタ市場はこの数年間頭打ち状態となっており、2012年が550万台だったのに対し、2013年は517万台と微減が見込まれる。このプリンタが“出力デバイス”である一方で、スマートフォン、タブレットなどの“入力デバイス”市場は拡大しており、2012年度の国内タブレット市場は489万台、スマートフォン市場は2,972万台に上った。

 川崎氏は、「従来からあるデジタルカメラに加えて、スマートフォンやタブレットなどの入力デバイスの多様化により、ユーザーの撮影機会が増加している。これはプリンタを手がけるキヤノンとしてはむしろチャンスだと捉えることもできる」と語った。

 キヤノンのユーザーアンケートによると、撮影機材の多くはやはりデジタルカメラが73.6%で筆頭だが、スマートフォンは65.1%、そして携帯電話も32%に上る。これらのユーザーが撮った写真は、印刷されることも多い(60.1%)が、携帯電話やスマートフォンで人に見せる、SNSやブログに掲載する、メールで送信するといった、ネットを介した共有機会も増加しているという。

 また、ユーザーの63.5%は「お気に入りの写真を印刷することに価値を感じている」が、その一方で写真をあまり印刷しない理由として「選ぶのに手間がかかる」、「PC経由で印刷するのが面倒」、「いくつもある保存先から選ぶのが面倒」、「クラウドやスマートフォンに対応していない」といった、クラウドやSNSサービス利用の増加による原因と見られる理由が挙がってきている。

 この問題を打開すべく、新モデルは「PIXUSクラウドリンク」サービスを展開。キヤノン側のサーバー上でPIXUS専用のWebアプリケーションを走らせ、各種サービスへの接続を1つに統合することで、ユーザーは複数のサービスにアップロードした写真を1つの画面上から選んで印刷できるようにした。新サービス登場の際も、キヤノンの対応次第となるが、本体のファームウェアのアップデートなどを一切行なわずに対応できるのが特徴。

 また、スマートフォンやタブレットからの印刷アプリ「PIXUS Print」も刷新し、写真共有サイトにアップロードした写真の印刷、スマートフォン/タブレット内のコンテンツの印刷などを行なえるようにした。さらにインク残量管理なども行なえ、PCレスでよりPIXUSの機能を活用できるようになったとした。

 これらの取り組みと強化により、新製品でシェアNo.1を維持していく考えだと、川崎氏はくくった。

国内インクジェットプリンタ市場の推移
スマートフォン/タブレット市場の拡大
デジカメに続いて、スマートフォンでの撮影機会も多い
撮った写真を印刷する人は多い
写真を印刷することに価値を感じている人も多い
印刷をしない理由
2013年のラインナップ
PIXUSクラウドリンクの提供
さまざまなサービスへの接続やコンテンツを提供する
PIXUS Printの機能も強化
入力から出力までを手がけるキヤノン
PIXUS以外の分野でもキヤノンは多くを手がける
大塚尚次氏

 続いて、新製品の技術と特徴について、キヤノン株式会社 取締役 インクジェット事業本部長の大塚尚次氏が解説した。

 キヤノンが初のフルカラーインクジェットプリンタ「BJC-600」を1993年にリリースして以来、今年で同社のフルカラーインクジェットは20周年目を迎える。これまでのDNAである最高の写真画質は新モデルでも踏襲し、上位モデルでは独自の「FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)」による世界最小の1plのインク滴と世界最高解像度となる9,600dpiを搭載。また、6色インクによるなめらかな階調表現や顔料インクによるシャープなテキストなどをアピールした。

 先述のPIXUSクラウドリンクでは、クラウド上にある写真データの印刷までの手順を大幅に簡略化できることをアピール。これまでユーザーは「(SNSや写真共有サービスなどの)アプリを起動→画像を選択→デバイスに保存→印刷アプリを起動→再度画像を選択→印刷」といった複雑な手順を踏んでいた。一方PIXUSクラウドリンクを利用すれば、複数のサービスに一括して接続されるため、印刷したい画像を直接選択して印刷できることをアピール。TwitterやFacebookなどではコメント付きで印刷できるなど、印刷の利用の幅が広がるだろうとした。

 スマートフォン/タブレット向けアプリの「PIXUS Print」は、このPIXUSクラウドリンクはもちろんのこと、端末内に保存されている文書やホームページの印刷、そして電子マニュアル、インク残量表示機能などを備え、利便性が向上したことをアピールした。

PIXUS/PIXMAの世界販売台数推移
フルカラーインクジェットプリンタから誕生20年目となる
さまざまな分野で使われているインクジェットプリンタ
同社独自のFINE技術
6色ハイブリッドインクによる写真と文書の印刷クオリティの向上
普通紙における赤の色域を拡大
グレーインクによる階調表現
一般社会におけるSNSの定着
PIXUSクラウドリンク
これまでのクラウドサービス上にある写真の印刷の手順
これまでのクラウドサービス上にある写真の印刷の課題
PIXUSクラウドリンクによってこれらの問題を解決
PIXUS Printアプリの強化
佐々木統氏

 最後に、キヤノンマーケティングジャパン株式会社 取締役 専務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデントの佐々木統氏が、国内マーケティング戦略について説明した。

 新製品は特に上位モデルを前面に推し、6色ハイブリッドインク、4色のカラバリ、自動に開くスマートトレイなどの機能をアピール。CMキャラクタ/コミュニケーションパートナーとして桐谷美玲さんを引き続き起用し、「どんな写真も、かんたんキレイでいいねー!」をキャッチコピーとした。

 また、ガンダムとのコラボレーションによる知名度の向上、プリントコンテンツの充実、さまざまなサービスを通した情報の提供、Web動画Q&Aや引き取り修理サービスの提供など、購入ユーザーへの満足度向上を目指すとした。

6色インクモデルの拡充でメリットを謳う
最上位モデルの多彩な機能をアピール
桐谷美玲さんをコミュニケーションパートナーとして迎え入れる。2013年で2年目となる
新製品のキャッチコピー
桐谷美玲さんによる新CM
CMではSNSサービスの代表としてFacebookが登場する。キャッチコピーの「いいねー!」もそこから来ているのだろう
プリントコンテンツの拡充
ガンダムとのコラボモデル
各種サービスを通じた情報提供
アフターサポートも充実させた

 発表会の最後には、桐谷美玲さんをゲストとして招き、トークセッションとフォトセッションが行なわれた。トークセッションの中で、桐谷さんは自らPIXUSクラウドリンクを介して愛犬の写真を印刷し、新製品の使いやすさをアピールした。

桐谷美玲さん
トークセッションで、自ら愛犬の写真をタブレットから印刷してみせた
発表会場に展示された、今回発売される新製品
MG7130(ブラック)
MG7130(ホワイト)
MG7130(レッド)
MG7130(ブラウン)
インク交換は前面から行なう
MG6530
MG5530(ブラック)
MG5530(ホワイト)
MG3530(ブラック)
MG3530(ホワイト)
MG7130のシャア専用モデル(シャア専用ザクは別売)
特集サイトでも公開されているプロモーションビデオでは、PIXUSで印刷したシャア専用ザク1/1のイラストが登場する。使用したA4用紙は実に3,834枚に上る

(劉 尭)