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キヤノン、新機能「PIXUSタッチ」搭載機など「PIXUS」シリーズ新モデル
~モバイルプリンタやフラットベッドスキャナの後継も
(2014/8/28 13:00)
キヤノンは、NFCを利用したタッチ印刷機能などを新たに搭載する個人向けインクジェット複合機「PIXUS」シリーズの新ラインナップを、9月上旬より順次発売する。価格はオープンプライス。
リニューアルされるのは、現行機「MG7130」の後継となる最上位モデル「MG7530」、「MG6530」の後継となる「MG6730」、「MG5530」の後継となる「MG5630」の3モデル。Wi-Fi対応のベーシックモデル「MG3530」や、FAX/ADF搭載の「MX923」は継続。
さらに無線LANに対応したモバイルプリンタ「iP110」、CISセンサー採用のフラットベッドスキャナ「CanoScan LiDE 220」も発売する。
個人向けインクジェット複合機
新モデルは、スマートフォンやタブレットなどでの利用を考慮した機能を中心に強化。最上位モデル「MG7530」にのみ搭載される「PIXUSタッチ」は、NFCを利用した無線LAN(Wi-Fi)連携機能。モバイルデバイス向けに提供している「PIXUS Print」を用い、印刷したい写真などを選択して“NFC”マークをタッチすると、モバイルデバイスと複合機を無線LAN接続した上で印刷を自動的に実行する。また、スキャンもタッチで自動実行が可能。NFCおよびAndroid 4.0以上を搭載するスマートフォン、タブレットで利用できる。
さらに、7型以上のタブレットを想定したブラウザベースの新アプリ「Easy-PhotoPrint+」(EPP+)も提供する。従来提供してきたPIXUS Printよりも高機能化され、タブレット上でカレンダーなどのレイアウト印刷や写真補正を行なえるのが特徴。これにより、シンプルに印刷するだけならPIXUS Print、編集して印刷するならEPP+といったように、モバイルデバイスからでも複数のワークフローが提供されることを訴求する。
EPP+の対応OS/ブラウザは、AndroidのChrome、iOSのSafari 5.1以降、Windows搭載PCのInternet Explorer 10以降(Modern UI版)、Internet Explorer 9以降(デスクトップ版)、Firefox、Chrome、MacのSafari 5.1以降。7型未満のデバイスについては、動作は可能だがサポート外となる。プリンタは本日発表のPIXUS各製品に加え、2013年秋発売のPIXUSクラウド対応モデル「MG7130」、「MG6530」、「MG5530」に対応する。
スキャン機能のクラウド対応も強化。スキャンしたデータをストレージサービスへ直接アップロードする“Scan to ストレージサービス”機能は、EvernoteとDropboxに加えOneDriveとGoogle Driveをサポートする。このほか、Webメールサービスへスキャンデータを添付した下書きデータを作成する“Attach to Webmail”機能や、宛先を指定してスキャンデータを直接メール送信する“Scan to Email”機能も利用できる。
「PIXUSタッチ」機能や新アプリ「EPP+」に対応する最上位モデルの「MG7530」は、9月上旬発売で、キヤノンオンラインショップでの直販価格は30,000円前後の見込み。
前モデルとなる「MG7130」は“シャア専用”のレッドモデルがラインナップされていたが、これに替わって日本の住環境に合うオレンジを追加。ブラック、ホワイト、ブラウンと合計で4色をラインナップする。本体サイズもコンパクト化し、角に丸みを持たせたデザインへ変更。操作パネルのLED輝度も向上している。
主な仕様はMG7130と同等で、インクがC/M/Y/GY/BK(染料+顔料)の6色独立、解像度が9,600×2,400dpi、最小インク滴が1pl。対応用紙はA4~A5、レター、リーガル、はがき、封筒、L判/2L判、六切、KGサイズなど。CD/DVDメディアのレーベル印刷や自動両面印刷にも対応する。用紙トレイは上下段に分かれており、上段は写真用紙やはがき、シール紙に対応して最大40枚給紙可能。下段は普通紙や封筒などに対応し、最大125枚を給紙できる。A4印刷速度はカラー約10ipm、モノクロ約15ipm。
スキャナ部の主な仕様は、センサーがCIS、解像度が2,400×4,800dpi、出力階調が24bit、対応用紙がA4/レター。
操作部には3.5型のカラータッチ液晶を搭載。インターフェイスはUSB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、SDカード/メモリースティックスロット。本体サイズは約435×370×148mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約7.9kg。
「MG6730」は、MG7530と主な仕様は共通だが、PIUXSタッチに対応しないほか、デザインは従来機を踏襲。操作部の液晶は3型となり、Ethernetも省略される。発売は9月上旬。直販価格は25,000円前後の見込み。
本体色は従来機のMG6530で採用していたブラックと、新たに加わったホワイトの2色展開。本体サイズは466×369×148mm(同)、重量は約8kg。
スタンダードモデルとなる「MG5630」は、9月上旬発売で、直販価格は20,000円前後の見込み。前モデル同様、ブラックとホワイトの2色展開。
プリンタ部の仕様は、インクがC/M/Y/BK(染料+顔料)の5色独立、解像度が4,800×1,200ドット、最小インク滴が2pl。対応用紙はA4~A5、レター、リーガル、はがき、封筒、L判/2L判、六切、KGサイズなど。A4/レターの普通紙は両面印刷にも対応する。給紙枚数は普通紙100枚またははがき40枚。A4印刷速度はカラー約8.7ipm、モノクロ約12.2ipm。
スキャナ部の仕様は、センサーがCIS、解像度が1,200×2,400dpi、出力階調が24bit、対応用紙がA4/レター。
操作部の液晶は2.5型。インターフェイスはUSB 2.0、IEEE 802.11b/g/n無線LAN。本体サイズは約455×369×148mm(同)、重量は約6.3kg。
モバイルプリンタ「iP110」
「iP110」は、2008年5月に発売されたモバイルインクジェットプリンタ「PIXUS iP100」のバリエーションモデル。11月上旬発売で、直販価格は30,000円前後の見込み。
前モデルは、主にビジネスシーンで使われたが、未使用時に片付けられるという価値が好まれ、リビングや書斎での利用も多かったという。そのため、ビジネス文書だけでなく、年賀状や写真などの利用も一定の水準あったことから、あらゆるモバイルプリンタのニーズに応えるような製品を目指して開発された。
プリンタ部の主な仕様は前モデルを踏襲し、インクがC/M/Y/BK(染料+顔料)の5色、解像度が9,600×2,400ドット、最小インク滴が1pl、対応用紙がA4~A5、レター、リーガル、はがき、封筒、L判/2L判、六切、KGサイズなど。給紙枚数は普通紙50枚またははがき20枚。A4印刷速度はカラー約5.8ipm、モノクロ約9ipm。
インターフェイスは見直され、USB 2.0とIEEE 802.11b/g/n無線LANの構成となった。PIXUS PrintやPIXUSクラウドリンク、Googleクラウドプリント/AirPrintからの無線LAN印刷に対応する。
オプションでバッテリ駆動にも対応し、カラー290枚を印刷可能。本体サイズは約322×185×62mm(同)、重量は約2kg。
フラットベッドスキャナ「CanoScan LiDE 220」
CISセンサー採用の個人向けスキャナ「CanoScan LiDE 220」は、9月4日発売で、直販価格は9,800円(税別)。
従来機の「LiDE 210」に搭載していた5個のEZボタンを継承し、ワンクリックでスキャンからクラウドへの転送を行なえる機能も搭載した。縦置きしたままのスキャンや、厚みのある原稿をスキャンする際に原稿台カバーを持ち上げられる「Advanced Z-Lid」、文字や画像などを判定して補正を行なう「自動文書補正」機能などのLiDE 210の特徴を継承する。
光源に3色LEDを用いたCISセンサーである点など、主な仕様もLiDE 210とほぼ同じ。解像度は4,800×4,800dpi、読み取り階調は最大48bit、対応用紙はA4およびレター、A4カラー文書/300dpiのスキャン速度は約10秒。
電源はUSBバスパワー。本体サイズは約250×365×39mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.6kg。