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au、WiMAX 2+対応スマートフォンなど2014年夏モデルを発表
~Moorefield搭載の8型タブレットや「Xperia Z2 Tablet」のLTE版も
(2014/5/8 13:10)
KDDI株式会社と沖縄セルラー株式会社は8日、auの2014年夏モデルとしてスマートフォン6機種、タブレット2機種を発表した。5月15日より順次提供される。LTEのキャリアアグリケーションによる下り150Mbps転送や、WiMAX 2+への対応が主な特徴。
タブレット製品は、ソニーモバイルコミュニケーションズが国内発売を予告した10.1型の「Xperia Z2 Tablet SOT21」や、Atom Z3580を搭載するASUSの8型Androidタブレット「MeMO Pad 8」の2モデル。スマートフォンはLG Electronicsの「isai FL」、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia ZL2」、Samsung Electronicsの「GALAXY S5」、シャープの「AQUOS SERIE」、京セラの「URBANO」、「TORQUE」の6モデルが発売される。
新モデルは一部を除きWiMAX 2+およびLTE-Advancedの技術である「キャリアアグリゲーション」に対応。800MHz帯と2.1GHz帯のそれぞれが75Mbpsしか利用できない状況でも、同時に転送することで下り150Mbpsを実現する。現在、800MHz帯のカバー率は99%を突破。2.1GHz帯も85%を超え、2015年3月には90%を超える予定としており、キャリアアグリケーションの導入で150Mbps転送に対応できる地域は2015年3月末時点で2万局を越える見込み。オリジナルのロゴを制作してプロモーションしていくとしている。
一方のWiMAX 2+の特徴は、比較的空いている2.6GHz帯を使う点。速度面でも、現状では下り速度が最大110Mbpsだが、2015年3月までには220Mbpsのサービス開始を見込んでいる。カバー率についても、東京、名古屋、大阪の主要部はエリア整備が進んでおり、やはり2015年3月末には2万基地局規模を見込んでいる。なお、WiMAX 2+は、「LTE NET」または「LTE NET for DATA」に契約することで利用できる。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は発表会で、「キャリアアグリケーションとWiMAX 2+を1つのスマートフォンに搭載し、ダブルで実効速度ナンバーワンを目指したい」とアピールした。
また、夏モデルはKDDIの調査でニーズが高かった「大画面」と「電池」に注力したとしており、1製品を除いて全て5型以上の液晶を搭載。電池についても、1日当たり約180分の使用を想定して3日間使用できるとしている。また、Qualcommの急速充電技術「Quick Charge 2.0」に対応する「共通ACアダプタ05」も提供される。
ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia Z2 Tablet」
Xperia Z2 Tablet SOT21は、2月に行なわれたMWC(Mobile World Congress)で発表された製品。厚さ約6.4mm、重量約439gで、WWAN機能を搭載する10.1型タブレットとして世界最薄最軽量を謳う。本体サイズは約266×172×6.4mm(幅×奥行き×高さ)。Wi-Fiモデルについては別途ソニーモバイルコミュニケーションズから発表されており主な特徴は準じる。
LTE/3G対応版は重量がやや重い一方で、充電対応の卓上ホルダが標準で付属するほか、ワンセグ/フルセグチューナを内蔵する。
主な仕様は、Android 4.4、Snapdragon 801(MSM8974AB、2.3GHz、クアッドコア)、1,920×1,080ドット表示対応の10.1型トリルミナス for mobile液晶、メモリ3GB、ストレージ32GB、約810万画素背面カメラ、約220万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB(MHL 3.0出力)、ワンセグ/フルセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/8の防水、IP5Xの防塵に対応する。
バッテリ容量は6,000mAh。待ち受け時間は3G使用時で約1,200時間、LTE/WiMAX 2+使用時で約1,100時間(いずれも暫定値)。発売は7月中旬。
ASUS「MeMO Pad 8」
MeMO Pad 8は、「Moorefield」のコードネームで開発が進められた「Atom Z3580」を搭載する国内初の製品となる8型Android 4.4タブレット。1,920×1,200ドット表示対応の8型液晶を搭載し、本体サイズは約123×213×7.45mm(同)、重量は約305g。パウダーピンク、パールホワイト、メタリックブルーの3色が用意され、田中氏は女性向きとして推した。
主な仕様は、メモリ2GB、ストレージ16GB、約500万画素背面カメラ、約120万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロットなどを搭載。150Mbps LTEには対応するが、WiMAX 2+とキャリアアグリゲーションには非対応。
バッテリ容量は4,350mAhで、駆動時間は未公表。発売は8月下旬。なお、今回の展示機はモックアップだが、インターフェイスの配置などは製品と同等とのこと。
LG Electronics「isai FL」
isai FL LGL24は、5.5型のWQHD(2,560×1,440ドット)/AH-IPS液晶を搭載するスマートフォン。画面を2分割して2つのアプリを起ち上げる「デュアルウィンドウ」機能や、ハイレゾオーディオ再生、4K動画撮影機能、端末を振ることでアプリの起動などを行なえる「isaiモーション」などを搭載する。また、ドアをノックする感覚で画面をトントンとタッチする「ノックオン」機能も強化され、ノックによりセキュリティロックを解除するセキュリティ機能を追加した。
主な仕様は、Android 4.4、MSM8974AC(2.5GHz、クアッドコア)、メモリ2GB、ストレージ32GB、約1,320万画素背面カメラ、約130万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB、ワンセグ/フルセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/X7の防水に対応する。
バッテリ容量は3,000mAhで、駆動時間は未公表。本体サイズは約76×145×10.5mm(同)、重量は約160g(暫定値)。本体色はホワイト、ブルー、ピンクの3色。発売は7月下旬。
ソニーモバイルコミュニケーション「Xperia ZL2」
Xperia ZL2 SOL25は、海外発表済みの「Xperia Z2」の基本コンセプトの下に、半透明バックパネルや曲面デザインなどを施した製品。4K動画撮影のほか、120fpsで撮影した動画の一部をスロー再生して仕上げるなどの機能を持つカメラアプリや、ノイズキャンセリングヘッドフォン、ハイレゾ音源再生に対応するサウンド機能などが特徴。液晶はXperia Z2 Tabletと同じく、トリルミナスディスプレイ for mobileを搭載。超解像技術のX-Realityも備える。
主な仕様は、Android 4.4、MSM8974AB(2.3GHz、クアッドコア)、1,920×1,080ドット対応5型液晶、メモリ3GB、ストレージ32GB、約2,070万画素背面カメラ、約31万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB(MHL 3.0出力)、ワンセグ/フルセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/X8の防水、IP5Xの防塵に対応する。
バッテリ容量は3,000mAhで、通話時間は約1,340分、待ち受け時間は3G使用時が約670時間、LTE/WiMAX 2+使用時が約640時間。本体サイズは約72×137×10.8mm(同、暫定値)、重量は約167g(暫定値)。本体色はターコイズ、ホワイト、ブラックの3色。発売は5月下旬。
Samsung Electronics「GALAXY S5」
GALAXY S5 SCL23は、約0.3秒の高速オートフォーカスが可能なカメラ機能や、裏面に心拍数センサーを備える点などを特徴とする製品。また、田中氏が「テッキー向け」の機能として紹介した、LTE回線とWi-Fiの同時使用機能を備えるほか、無線LANアンテナを2本搭載することでMIMO転送が可能となっており、11ac使用時には最大867Mbpsの転送速度に対応する。
主な仕様はAndroid 4.4、2.5GHz/クアッドコアCPU、1,920×1,080ドット対応5.1型AMOLED(有機EL)、メモリ2GB、ストレージ32GB、約1,600万画素背面カメラ、約210万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB、ワンセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/X7の防水、IP6Xの防塵に対応する。
バッテリ容量は2,800mAhで、通話時間は約1,170分、待ち受け時間は3G使用時が約480時間、LTE/WiMAX 2+使用時が約450時間。本体サイズは約73×142×8.3~9.8mm(同)、重量は約147g。本体色はシマリーホワイト、チャコールブラック、シャンパンピンクの3色。発売は5月15日。
シャープ「AQUOS SERIE」
AQUOS SERIE SHL25は、IGZO液晶の画面占有率80%の狭額縁設計のほか、逆光に強いリアルタイムHDRや上下左右360度パノラマ写真を撮影する全天球撮影機能を持つ独自のカメラアプリなどが特徴。
主な仕様はAndroid 4.4、MSM8974AB(2.3GHz、クアッドコア)、1,920×1,080ドット対応5.2型IGZO液晶、メモリ2GB、ストレージ32GB、約1,310万画素背面カメラ、約210万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB、ワンセグ/フルセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/X7の防水に対応する。
バッテリ容量は3,150mAhで、通話時間は約1,390分、待ち受け時間は3G使用時が約980時間、LTE/WiMAX 2+使用時が約830時間。本体サイズは約71×134×9.9~10.2mm(同、暫定値)、重量は約141g(暫定値)。本体色はピンク、ホワイト、ネイビーの3色。発売は6月下旬。
京セラ「URBANO」
URBANO L03は、音と振動で通話の声を伝えるスマートソニックレシーバー機能や、ハードウェアキーの搭載が特徴。また、防水防塵に加え、耐衝撃性にも配慮した設計で、高さ1.22mから合板(ラワン材)へ26方向で落下させる試験を実施している。
主な仕様はAndroid 4.4、MSM8974AB(2.3GHz、クアッドコア)、1,920×1,080ドット対応5型液晶、メモリ2GB、ストレージ16GB、約1,300万画素背面カメラ、約97万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USB、ワンセグチューナを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションにも対応。IPX5/X8の防水、IP5Xの防塵に対応する。
バッテリ容量は3,000mAhで、通話時間は約1,480分、待ち受け時間は3G使用時が約730時間、LTE/WiMAX 2+使用時が約700時間。本体サイズは約70×140×9.9~10.4mm(同)、重量は約154g。また、無接点充電対応モデルも予定されており、そのサイズは約70×140×10.3~10.4mm(同)、重量は約159gとなる。本体色はパープルブラック、アイビーグリーン、ピンクゴールドの3色。発売は7月上旬。
京セラ「TORQUE」
TORQUE(トルク) G01は、米国防総省の調達基準であるMIL-STD-810Gに準拠し、防水、防塵、耐衝撃、温度耐久、耐振動、塩水耐久、防湿、耐日射、低圧などの基準で過酷な環境に耐えられるよう設計。タッチパネルは水に濡れていたり、手袋をした状態などで利用できるほか、100dB以上の音量を出力できるスピーカーを搭載。Qi充電やスマートソニックレシーバも備える。
主な仕様はAndroid 4.4、MSM8928(1.4GHz、クアッドコア)、1,280×720ドット対応4.5型液晶、メモリ2GB、ストレージ16GB、約800万画素背面カメラ、約200万画素前面カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC、microSDカードスロット、Micro USBを搭載。WiMAX 2+およびキャリアアグリケーションには非対応。IPX5/X8の防水、IP6Xの防塵に対応する。
バッテリ容量は3,000mAhで、駆動時間は未公表。本体サイズは約69×136×13.5mm(同)、重量は約185g(暫定値)。本体色はレッドとブラックの2色。発売は8月上旬。
この日は発表されなかったものの、HTC製の端末で、日本特化モデルの「J」シリーズの新モデルについても発表する予定があることを明らかにしている。
さらに、端末ごとに異なるメニューになじめないというユーザーのために、1階層ですっきりとした画面構成の「auベーシックホーム」を用意し、機種変更を行なっても操作感の変化に戸惑うユーザーに応える。提供の開始は5月下旬を予定。
アクセサリはXperia Z2 Tablet Wi-Fi版の記事でも紹介した同製品のオプションなどを新規に用意。ユニークなところでは、釣り糸に取り付けて水中で超音波を発するアクティブソナータイプのBluetooth魚群探知機や、ゴルフグローブに取り付けてスイングデータを記録するガジェットが提供される予定。
「価格競争ではない価値訴求で進む」
8日に行なわれた発表会で代表取締役社長の田中氏は、「ドコモがiPhoneを出して、LTEも揃って、どこの会社も同じじゃないかという同質性の中で、期待を超える価値を提供し、磨き上げていく方針で進む」とし、価格競争ではなく、価値を訴求していく姿勢を見せた。実際、今回の発表においては、料金体系についてのアナウンスは行なわれず、端末のほかには新サービス、サポートなどの紹介のみが行なわれた。
サービスは「auスマートパス」のコンテンツを拡充。新たに「ディズニーパス」、「アニメパス」を提供。
ディズニーパスは、「これまでauには“ディズニースマホ”がなかったが、これがauのやり方というもの」と田中氏が紹介したもので、機種を選ばずにディズニーコンテンツを使えることが売り。月額372円(税別)。提供開始は7月下旬を予定。auオリジナルのディズニーカバーも発売し、購入者にはコンテンツを180日間無料で利用できる特典も用意する。
「アニメパス」は、月額400円(税別)で、約500作品7,000話のアニメ動画を見放題のサービス。コンテンツは順次拡大するとしている。提供の開始は6月下旬を予定。
サポートサービスの「auスマートサポート」もメニューを拡充。対面サポートのニーズに対して、これまで自宅への訪問サポートサービスを提供してきたが、「自宅に来て欲しくないという人も多い」(田中氏)との声から、ユーザーが出かけて対面サポートを受けられるサービスを開始。また、スマートフォンのレンタルサービスについては、ウェアラブルデバイスやプリンタなどのアクセサリへも対象製品を拡大する。
クレジットカードと電子マネーのいいとこ取りを狙う「au WALLET」
田中氏が「本日一番のWOW」と紹介したのが、電子マネーサービスの「au WALLET」だ。これはクレジットカード風の電子マネーカードの1種。
クレジットカードは利用できる場所が多いメリットがある一方で、審査や年齢制限など使用できる人が限られる課題がある。電子マネーについては誰でも利用できる一方で、使える場所が限られるという課題がある。au WALLETは、MasterCardと提携し、世界約3,810万のMasterCard加盟店で使える電子マネーとすることで、双方の課題を克服したものとして訴求する。
カードへのチャージは、auの通信料などの請求と一括で行なえる「auかんたん決済」のほか、auショップ、じぶん銀行、クレジットカードによるチャージも可能。auかんたん決済は、スマートフォンのアプリからチャージを行なえる。
また、クレジットカードや電子マネーを使うメリットとして、ポイントを貯められることを挙げ、au WALLETでも同様に利用金額に応じて一定のポイントを付与。さらにauの利用料に応じても一定のポイントが付与される仕組みとした。
また、「au WALLET ポイントアップ店」として、ポイントを上乗せするパートナーも紹介。例えば、セブン-イレブンでは、通常加盟店が200円につき1ポイントのところ倍の2ポイント、さらに期間限定で200円につき10ポイントを付与する。
サービス開始は5月21日を予定しているが、申し込みでもれなく1,000円をプレゼントするキャンペーンや、4万円を1万名にプレゼントする「デビューキャンペーン」など、多数のキャンペーンを展開。「グッバイ、おサイフ!」のキャッチコピーで訴求する。
さらに5月9日から、au WALLETのTV CMも展開。発表会には、CMに出演するタレントの所ジョージさんが登場。所さんは自由人というイメージでCMに起用されたが、実際に普段から財布を持ち歩かないスタイルだそう。au WALLETについても「まだまだ面白さが付け加えられていく。CMでアピールするのでよろしくお願いします」と宣言を忘れなかった。