NTTドコモは、9月8日に都内で発表会を開催し、LTEサービス「Xi(クロッシィ)」に対応するタブレット2機種を発表するとともに、新たなXiデータ通信専用プランや、今後のXi対応端末の展開について発表を行なった。
今回発表されたタブレットは、Samsung製の「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」と、富士通初のAndroidタブレット「ARROWS Tab LTE F-01D」の2製品。Xiに対応するとともに、薄型で600gを切る軽量ボディを実現している点が特徴。プロセッサは、種類は異なるものの、双方ともデュアルコアプロセッサを搭載。液晶は1,280×800ドット(WXGA)表示対応の10.1型パネル。OSは、Android 3.2を採用する。
双方ともテザリング機能が有効とされており、Xi回線を複数のWiFi対応機器で共有可能。今回発表されたタブレット2機種は、データ端末扱いとなるため、テザリングを利用した場合でも追加料金は発生しない。その他、「spモードメール」や「ドコモマーケット」、「エリアメール」などのドコモのサービスにも対応している。発売時期は、双方とも10月中旬で、価格はオープンプライス。さらに、Xi対応スマートフォンも2011年冬にかけて4機種用意していることもあわせて発表された。
今回発表されたタブレット2機種には、Xiの低遅延かつ高速なデータ通信速度と、タブレットの大画面をいかすために、動画配信サービスやゲームなどのコンテンツがプリインストールされる。米国で3,000万ユーザーを誇る、ハリウッド映画や海外ドラマの定額動画配信サービス「hulu」、吉本興業所属芸人がニュースや話題などの情報を毎日配信する「よしもとケータイバラエティJOOKEY」、ビデオチャットやソーシャルビデオシェアリングなどのビデオサービスを一元的に利用できる「Qik ビデオ for DOCOMO」、クラウドベースのオンラインゲームサービス「G CLOUD」の4種類で、それぞれ期間限定で無料または先行利用が可能となる。
なお、Xi対応タブレット2機種の発表に合わせ、従来までスマートフォンとタブレットを同列に扱ってきたものを、タブレットを独立させ、「ドコモ タブレット」という新しい製品カテゴリを新設することも発表された。この新カテゴリの新設についてNTTドコモの山田隆持社長は、タブレットは法人関係が大きな比率を占めると予想されるため、クラウド機能やセキュリティ機能を強化し、法人向けに注力するためと説明した。
また、今回発表されたXi対応タブレットの販売開始に合わせ、Xiデータ通信専用プランとして、新たに2プランが用意されることも発表された。1つは「Xiデータプラン フラット にねん」で、データ通信量が1カ月あたり7GBまでは5,985円の定額となるフラット型のデータプラン。もう1つは「Xiデータプラン2 にねん」で、データ通信量が1カ月あたり7GBまでは2,500円から最大6,510円の2段階料金(上下の定額の間は1KBあたり0.2625円加算)となるプラン。双方とも2年間の継続利用が条件で、データ通信量が7GBを超えると、2GBごとに2,625円が加算されることになる。
さらに、既存のXiデータ通信専用プランについては、提供条件が変更になる。従来は、1カ月あたり5GBまでが定額で、5GB以上は2GBごとに2,625円が加算されていたが、定額上限が1カ月あたり7GBに拡張されるとともに、データ通信量が7GBを超えると通信速度が128kbpsに制限されるものの、料金は定額のまま利用できるようにする(1カ月経過すると速度の制限は解除される)。また、2012年10月1日以降は申し込みにより2GBごとに2,625円の追加料金を支払うことで、7GB超でも最大75Mbpsの速度が利用可能となるオプションプランも用意される。ただし、2012年9月30日まではデータ通信量が7GBを超えても速度制限は行なわれないため、それまでは7GBを超えても追加料金不要で最大75Mbpsのデータ通信が行なえることになる。
ちなみに、2012年4月30日までの期間限定で、Xiデータ通信専用プランの月額利用料上限額が1,575円割引きになる「Xiスタートキャンペーン」が実施される。このキャンペーンは、期間中に加入した全てのXiデータ通信専用プランに適用される。
山田社長によると、現在のスマートフォンユーザーのデータ通信量は、98%が1カ月あたり7GB未満に収まっているそうだ。また、今回発表された動画配信サービスのhuluなどはデータ通信量を押し上げる可能性もあるが、huluでは7GBで約30時間分の視聴が可能なため、動画配信サービスなどデータ通信量の増えるサービスが増えたとしても、ほとんどのユーザーが7GBの範囲に収まるのではないか、という見通しを示した。
では、今回発表されたタブレット2機種を写真で詳しく紹介しよう。
●GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01DGALAXYシリーズタブレットの最新モデル。10.1型液晶を搭載しながら、高さ約8.6mmと、7型液晶搭載の「GALAXY Tab」より3mm近く薄い。また、重量も約565gと軽量で、片手でも楽々持って操作が可能。本体サイズは、257×175×8.6mm(幅×奥行き×高さ)。
プロセッサは、Qualcommのデュアルコアプロセッサ「APQ8060」で、動作クロックは1.5GHz。メインメモリは1GB、内蔵ストレージは16GB。無線機能はQualcomm「MDM9200」のLTEおよび3G(FOMAハイスピード HSDPA/HSUPA)に加え、IEEE 802.11a/b/g/nおよびBluetooth 3.0+EDRを標準搭載。カメラ機能は、約320万画素の外側カメラと、約220万画素の内側カメラを搭載する。
内蔵バッテリは容量が7,000mAhと大容量で、長時間の駆動を実現するとしている(駆動時間は未定)。本体に外部メモリスロットは用意されないが、付属のmicroSDアダプタを利用することで、microSDカードの利用が可能。また、オプションのUSBホストアダプタを利用することで、対応するUSB機器の利用も可能。
本体にUSBやHDMIなどのポートは用意されず、下部側面の専用コネクタにアダプタを取り付けることで利用可能となる。また、オプションで用意されるクレードルには音声出力とHDMI出力端子が用意される。上部側面には、電源ボタンとボリュームボタン、ヘッドフォン端子とSIMカードスロットを配置。左右側面にはステレオスピーカーが搭載されている。
●ARROWS Tab LTE F-01D
富士通初のAndroidタブレット。こちらも10.1型液晶搭載で、高さ約11.3mm、重量約597gと薄型軽量を実現。本体サイズは、約262×181×11.3mm(幅×奥行き×高さ)IPX5/IPX7対応の防水機能を備えており、お風呂の中やキッチンなどで安心して利用できる。ワンセグ機能を搭載しており、さまざまな場所でTVが楽しめる。また、液晶面のカメラを利用し、画面に触れずに操作できる「ハンドジェスチャーコントロール機能」もサポートしており、ワンセグのチャンネル切り替えやボリューム調節、Webブラウザの画面スクロールなどの操作を画面に触れずに行なえる。
さらに、DTCP-IP対応のネットワークメディアプレーヤー「DIXIM PLAYER」が標準搭載されており、ブルーレイレコーダなどのDTCP-IP対応DLNAサーバー機器で録画した番組をネットワーク経由で再生できる。デモでは、DR(TS)モードで録画した番組がスムーズに再生できているのが確認できた。
プロセッサはTIのデュアルコアプロセッサ「OMAP4」で、動作クロックは1GHz。メインメモリは1GB、内蔵ストレージは16GB。microSDカードスロットも用意され、ストレージの増量も可能。SIMカードはmicroSIM(ドコモminiUIMカード)に対応。無線機能は、LTEおよび3G(FOMAハイスピード HSDPA/HSUPA)、GSMに加え、IEEE 802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載。
側面は、左側面にヘッドフォン出力とmicroUSB、microSDカードスロット、microSIMスロットを配置。それ以外の側面にはポートやボタンはなく、電源ボタンとボリュームボタンは背面上部に配置されている。また、背面下部には充電用の端子が用意され、クレードル利用時にはコネクタ接続の必要なく充電が可能。カメラ機能は、約510万画素の外側カメラと、約130万画素の内側カメラを備える。HDMI出力は用意されない。
(2011年 9月 8日)
[Reported by 平澤 寿康]