三菱、業界初の倍速補間駆動対応液晶ディスプレイ
〜より高度な超解像機能も搭載

RDT232WM-Z(BK)

6月11日 発売
価格:オープンプライス



 三菱電機株式会社は、業界で初めて倍速補間駆動に対応する23型ワイド液晶ディスプレイ「Diamondcrysta WIDE RDT232WM-Z(BK)」を6月11日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は54,800円前後。

三菱電機の山内浩氏

 18日に行なわれた製品発表会では、同社デジタルメディア事業部モニター事業センター営業部業務課担当課長の山内浩氏が製品の機能を説明した。同社がこれまで販売した製品の購入者調査によると、用途としてBD/DVDやTVの視聴、ゲームのプレイなどが多いという。しかし、リビングに置かれる大型液晶TVと違い、個人向けの液晶ディスプレイでは、映像面の機能や性能に劣る点がある。今回の新製品はそういった点に焦点を当てて開発された。

 新製品には多数の新機能や改善点があるが、山内氏は大きく3つの特徴を挙げる。まず1つが、国内で販売されるPC用液晶ディスプレイとして初めて「倍速クリアピクチャー」と呼ばれる倍速補間機能を搭載した点。

 通常、PCやTVへの入力信号は60fpsとなる。電子ビームが画面に当たる瞬間だけ画素が光るインパルス型のブラウン管では、この表示速度で各フレームが明瞭に分離して表示されていた。しかし、フレームの長さだけ表示を続けるホールド型の液晶では、次のフレームへ表示が遷移した直後も、目の網膜に前のフレームが残り、残像感やぼやけを生じさせてしまう。

 そこで、数年前から液晶TVの上位モデルでは、フレームレートを2倍の120fps(以上)に向上させ、かつ元の前後するフレームの間に、中間映像を生成、挿入することで、この問題に対応してきた。

 RDT232WM-Z(BK)に搭載されるのもこれと同じ機能。また、従来機種にもある超解像機能「ギガクリアエンジン」も搭載し、全てのフレームに対してリアルタイムで解像感を向上させる高画質化を図る(オフも可能)。

 画素の反応性能を示す、応答速度は3ms(中間色)と、これも従来機種より高速だが、山内氏は「MPRT」(Moving Picture Response Time)という指標の方が本製品の性能を寄り的確に表わすとしている。MPRTはVESAが策定した規格で、動画表示におけるエッジのぼやけ幅をCCDカメラで測定し、時間に換算したもので、人間が視覚的に感じるぼやけを数値化する。このMPRTを使うと、従来機種は22msとなるが、新製品は8msと半分以下に短縮されることになる。

 もう1つ山内氏が指摘するのは、最近登場し始めた120Hz入出力が可能な製品。これらは基本的にNVIDIAの3D Vision用で、左右両方の目に対して60fps、計120fpsの3D映像を入出力できる。しかし、これらの製品に通常の60fpsの映像を入力させても、映像の補間はなされないため、2フレームずつ同じ映像を表示することになり、結果、60fpsのディスプレイと残像感はほとんど変わらなくなる。

ブラウン管、従来の液晶、倍速補間液晶の違い 同じ120fpsでも補間がないと、60Hz入力では出力に差が出る 倍速補間によりMPRTも大きく向上


 実際、発表会場では、従来の60Hz品、他社の120Hz入出力対応品、RDT232WM-Z(BK)での倍速補間なし/ありといった、多数の設定で同じ映像を表示させていたが、倍速補間の効果は一目瞭然で、映像がなめらかかつ精細になる。

 さらに、この機能を利用した「シネマモード」も追加された。これは24fpsで撮影された映画などに好適なモード。2種類あり、シネマモードでは各コマを5フレームずつ繰り返し表示させることで、120fpsでも24fpsとほぼ同じフレームレートで観ることができる。一方、なめらかモードでは各フレームの間に4枚の中間画像を補間させることで、文字通りなめらかに表示させる。

左側が倍速補間あり。右側はテロップに残像が生じている シネマモードの内容


 2つめの特徴が、デジタル入力同士のPinP対応。これまでの製品は、PinPはアナログ入力とデジタル入力の組み合わせのみだったが、本製品はDVIとHDMIというデジタル同士のPinPが可能になった(ただし、HDMI同士とD端子とD-Sub15ピンの組み合わせのみ不可)。

 入力インターフェイスは、HDMI×2、D5、DVI-D、ミニD-Sub15ピン。D5単子用の音声入力は新たにRCAピンジャックになった(DVI-DとミニD-Sub15ピン用は3.5mmステレオピンジャック)。

PinPの可能な組み合わせ 実際に子画面表示させたところ(右上)。位置は四隅、大きさは3段階に変更可能


 3つめの特徴が、ギガクリアエンジンを発展させた「ギガクリア・ウインドウ」。これは、PC(Windows Vista/7)上で動作するソフトで、画面上の任意の範囲にだけ超解像をかけることができる。

 例えば、YouTubeなどを視聴している時、超解像をオンにすると、従来は全画面に適用されたため、映像以外の文字などが見にくくなる場合があった。このソフトを使うと、映像の範囲だけに超解像をかけられるので、そういったことが起こらない。

 従来通り、全画面だけあるいはPinPの子画面だけに超解像をかけることもできるが、新たに解像感の段階が5段階+オフから10段階+オフになり、ダイナミックコントラストの設定幅も10段階+オフになった。

ギガクリア・ウインドウを起動すると、通知領域の一番左にあるアイコンが常駐 これを使って、画面の任意の矩形範囲を指定すると、そこだけ超解像が適用 超解像を適用した範囲(Media Player)の上に、通常のウィンドウを重ねると、「デスクトップ」の文字の左側だけ超解像がかかっているのが分かる


 このほかの改善点としては、3次元IP変換回路を内蔵し、480iなどの映像のギザギザ感を低減、明るさセンサーを内蔵し、輝度を自動調整可能になった。また、一部従来機種にある、倍速補間を含む各種高画質化機能を切り、ゲームプレイ時の表示遅延を抑える「スルーモード」、寝転がって下から仰ぎ見たりする際に、表示を切り替えて色反転を抑える「ルックアップモード」、豊富な画面サイズ/アスペクト比設定、オーバースキャン設定、10bitのガンマ機能、消費電力を抑制するエコ機能などを継承する。

 デザイン面では、排気ダクトにゴミが入りにくく、ベゼルは光沢をつけ高級感を持たせた。スタンドは、高さ30mmのブロックネック3個で調節が可能なほか、後部を取り外すことで、壁面にぴったりつけることができる。

 そのほかの主な仕様は、最大表示解像度が1,920×1,080ドット、表示色数が約1,677万色(10億6,433万色中)、輝度が300cd/平方m、コントラスト比が1,000:1(最大5,000:1)。パネルはTN方式の光沢タイプ。

 本体サイズは546×230×363〜453mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約6.1kg。3W+3Wのステレオスピーカーを内蔵。リモコンが付属する。

AV系入力は本体左側面 PC系入力は本体背面
クビはブロック式、スタンドは後部を取り外し可能 リモコンが付属


(2010年 5月 18日)

[Reported by 若杉 紀彦]