ラトックシステム株式会社は16日、都内でプレス向け製品内覧会を開催した。内覧会では、国内初となるUSB 3.0のインターフェイスカード「REX-PEU3」、「REX-EXU3」を展示し、2009年内に発売することを明らかにした。
REX-PEU3は、PCI Express x1(Generation 2.0対応)用のUSB 3.0インターフェイスカード。チップはNECエレクトロニクスの「μPD720200」。基板はオリジナル設計で、NECのリファレンスカードとは異なる。ポートは2ポート。対応OSはWindows XP/Vistaで、64bit版も対応。さらに、Windows 7にも対応予定としている。
リファレンスカードと同様に、ペリフェラル4ピンによる電源入力を搭載している。PCI Expressの供給電圧/電流は3.3V/1Aで、回路による電力消費などもあるので、バスパワーは200mA~300mA程度になってしまう。USB 3.0では1ポート900mAの出力が策定されているため、外部電源端子をつけた。一方、USBメモリなど、消費電力が小さいものに関しては外部電源入力なしでも動作するとしている。
USB 3.0の主な特徴 | REX-PEU3。リファレンスボードとパーツや配置が異なることがわかる | こちらはNECのリファレンスボード(USB Developers Conferenceで撮影) |
REX-EXU3は、ExpressCard/34型のUSB 3.0インターフェイスカード。こちらもオリジナル設計で、USBポートを縦に配置した。ACアダプタを繋げるAC入力端子もポートの横に用意されている。
チップはREX-PEU3と同じくNECエレのμPD720200を採用。ただし、デスクトップPC向けとは違い、ExpressCard/34スロットは、Generation 1.1か2.0か、PCメーカー各社が公表していないことが多い。同社測定によると、Generation 1.1接続時の速度は2.0接続時の約半分となる。
REX-EXU3 | PCI Express→ExpressCard変換コネクタを用いて前面に出したところ | 上がREX-PEU3でPCI Express x1(2.0)接続時、下がREX-EXU3でExpressCard/34(1.0)接続時のベンチマーク結果。倍ぐらいの違いがある |
内覧会では、ホスト側に今回発表した実カードと、富士通が現在開発中のSATA→USB 3.0変換ロジックボードを利用して、Intel製SSDに接続するデモを行なった。CrystalDiskMarkの結果で、PCI Express x1(2.0)接続時で最大約200MB/secのスコアを確認できた。
発売時期のほうだが、カードとしては完成品レベルではあるものの、USB Implementers Forumによるロゴ認証が2009年第4四半期を予定しているため、発売はそれ以降になるとした。また、同社はホストだけでなく、今後USB 3.0対応の周辺機器の開発も予定している。
なお、ストレージについては、従来のUSBマスストレージクラスだけではなく、今後新たに「USB Attached SCSI」というクラスが策定される予定だという。OSなどに搭載されれば、従来のマスストレージクラスと比較してより高速なデータ転送が可能だという。
会場に展示された実機デモ。富士通が開発したSATA→USB 3.0変換基板を用いてIntel製SSDに接続 | ドライバのプロパティ。デモはWindows Vista上で動いていた | 今後の製品ロードマップ |
(2009年 7月 16日)
[Reported by 劉 尭]