西川和久の不定期コラム
日本HP「Star Wars Special Edition Notebook」
~Star Warsの世界観満載のSkylake搭載フルHDノートPC
(2015/12/18 06:00)
日本HPは10月14日、Star Warsの世界観を取り入れた15.6型ノートPC「Star Wars Special Edition Notebook」を直販サイトで販売開始、少し遅れて11月末から量販店でも扱いを始めた。今回、編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けする。
なお、筆者は一応Star Warsを全作観ているものの、熱狂的なファンというわけでもないので、何か細かい抜けやキーワードに間違いがあるかも知れない。予めご了承いただきたい。
Lucasfilmから公式に認可を受けた「Star Wars」仕様の15.6型
もうご存知の通り、12月18日に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開される。今回の「Star Wars Special Edition Notebook」は言うまでもなく、これに先駆け発表されたモデルで、Lucasfilmから公式に認可を受けている正真正銘の本物だ。
今回ご紹介するのは、その中の1つ「Star Wars Special Edition Notebook」。15.6型2スピンドルのスタンダードノートPCに、Star Warsの世界観を満載したスペシャルモデルとなる。
このほか「Star Wars Special Edition」としては、「HP Pavilion x2 10-n100」、「HP Pavilion 550-140jp/CT」、「HP Pavilion23-q080jp」と言った、2in1、デスクトップ、All-in-Oneも用意されている。ただし、これらの製品にはStar Warsのスペシャルコンテンツは収録されていないので注意が必要だ。
「Star Wars Special Edition Notebook」の主な仕様は以下の通り。
日本HP「Star Wars Special Edition Notebook」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i5-6200U(2コア4スレッド、クロック 2.3GHz/2.8GHz、キャッシュ 3MB、TDP 15W) |
メモリ | 8GB×1(DDR3L 1600MHz)/1スロット/最大8GB |
ストレージ | 1TB HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 520、GeForce 940M(DDR3L 2GB)、HDMI出力 |
ディスプレイ | 15.6型1,920×1,080ドット(非光沢)、タッチ非対応 |
ネットワーク | Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0 |
インターフェイス | 約92万画素Webカメラ、USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードスロット、B&O Playデュアルスピーカー、内蔵デュアルマイク、音声入出力、キーボードバックライト |
サイズ/重量 | 約384×261×24~28mm(幅×奥行×高さ)/約2.29kg。 |
バッテリ駆動時間 | 約7時間 |
税別直販価格 | 119,800円(直販、量販店合わせて1,000台限定) |
プロセッサはSkylake世代のCore i5-6200U。2コア4スレッドでクロックは2.3GHzから最大2.8GHz。キャッシュは3MB、TDPは15W。メモリはDDR3L 1,600MHzの8GBが1枚。1スロットなので最大8GBとなる。ストレージは1TBのHDD、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを搭載。OSは64bit版のWindows 10 Homeとなる。プロセッサがCore i5だけに、ストレージは容量が減ってもSSDが欲しかったところ。
グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 520とGeForce 940M(DDR3L 2GB)。外部出力用にHDMIも装備している。ディスプレイは非光沢の15.6型1,920×1,080ドット。タッチには非対応となる。
ネットワークは有線LANがEthernet、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.0にも対応している。IEEE 802.11acに対応しているのはいいのだが、有線LANがGigabit Ethernetに非対応なのが惜しいところ。
そのほかのインターフェイスは、約92万画素Webカメラ、USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードスロット、B&O Playデュアルスピーカー、内蔵デュアルマイク、音声入出力、キーボードバックライト。
サイズは約384×261×24~28mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.29kg。バッテリ駆動時間は約7時間。
パッケージや筐体のデザインはもちろん、スライドショー壁紙、映画中の効果音、テーマ機能、撮影の舞台裏写真、イラストアート、ラルフ・マッカリーの秘蔵コンセプトアートなどが収録されたアプリケーション「Star Wars Command Center」、銀河標準文字「Aurabesh」のフォントなどが収録され、Star Wars満載で税別直販価格119,800円。ただし直販、量販店合わせて1,000台の限定販売製品なので、この原稿掲載時、残り何台かは不明だ。
また、「Star Wars Special Editionスリーブケース」、「Star Wars Special Editionワイヤレスマウス」も税別直販価格4,900円で用意されているというこだわりようだ。
天板は写真の通り、右にはベイダー卿。左側や右下にある模様はバトルイメージがプリントされている。手触り的にはマット調でヌメっとした感じだ。15.6型2スピンドルで重量約2.29kgは一般的だが、最近の軽量級15.6型と比較するとずいぶん重い。
前面はパネル中央上に約92万画素Webカメラを搭載。キーボード上部に「B&O Playデュアルスピーカー」を備えている。バッテリは着脱式。メモリなどにアクセスできる小さいパネルはない。
左側面に、電源入力、Ethernet、USB 2.0、USB 3.0、その下にSDカードスロット、DVDスーパーマルチドライブ。右側面にロックポート、HDMI、USB 3.0、音声入出力を配置。付属のACアダプタのサイズは105×43×30mm(同)、重量219g。バッテリは着脱式だ。
ディスプレイは非光沢の15.6型フルHD。仕様にはIPS式と書かれておらず、と言って視野角が狭いわけでもない。非光沢なので、コントラストはやや浅めで原色系の発色はギラつかず、パッと見は地味だが、長時間観ても疲れない雰囲気となっている。
パームレストを含めキーボード周辺は何とも言えないプリント(デス・スター?)が施され、質感はツルツルしているものの、見た目はマット調だ。
キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。バックライトが赤い。キーピッチは主要キーで約19mm。15.6型でフットプリントも広く、いびつなキーは無く、カッチリした打鍵感で好印象。ただバックライトはオンとオフの2段階で、個人的にはオンだと明る過ぎ、オフだとキートップの刻印が見づらかった。ファンクションキーはそのまま押すと、輝度±など機能キーとなる。キーボードの上の部分にAurabeshの英訳で「Galactic Empire」の文字がカッコいい。
タッチパッドはボタンが無い1枚プレートタイプだ。「デス・スターの赤道トレンチが表示されたX-Wingの誘導システムを再現したパターン」が何ともStar Warsらしい。ストロークは少し深めでゴトゴト音がする。操作性的にはタップも含め全く問題ない。
振動やノイズ、発熱に関しては、試用上は特に気にならなかった。熱についてはHP CoolSenseが効いているのだろう。これは同社がかなり前から導入している技術の1つだ。
サウンドは、キーボード上のスリット部分にステレオスピーカーと、先に書いたように、リアにも1つスピーカー(サブウーハーではない)がある。音量は十分あり、クオリティも高く、さすがB&Oといったところ。サウンドも映像も十分楽しめる。ただ少し辛口で書くと抜けが今1つ。全域で若干こもった感じがする。
Core i5としては標準的だがHDDが惜しいところ
OSは64bit版のWindows 10 Home。ただし、TH2(Build 10586)にはなっていない。起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。TripAdvisor以降がプリインストールとなる。この部分に関してはStar Warsっぽい部分は無く普通の画面だ。また余談になるが、TripAdvisorのUWPアプリ版が先日リリースされた。
デスクトップはご覧の通りまるごとStar Wars。効果音もライトセーバーの音が使われるなど、一気にそれらしくなる。ごみ箱がデス・スターなのも面白い。
左側のショートカットは「HP Welcome」と「Wi-Fiオファーの取得」(iPass)のみ普通のHP仕様。「Star Wars Comic」、「Star Wars Command Center」、「Star Wars Library」、「Star Wars Trailers」が、スペシャルコンテンツとなる。詳細はアプリの部分を参考にして欲しいが、テーマや各種データは複数の画面キャプチャを掲載したいところだが、ネタバレするので標準の状態のみに抑えてある。
ストレージは1TB/5,400rpm/8MBのHGST「HTS541010A9E680」。サイズが大きい割にC:ドライブのみの1パーティションで約911GBが割り当てられ空き867GB。メインのストレージがHDDなのでCore i5-6200U/8GBを搭載しているにも関わらず、パワーがスポイルされている感じだ。コストとの兼ね合いもあるだろうが、せめてSSHDが欲しかったところか。
DVDスーパーマルチドライブは同社の「DVDRW GUB0N」、Wi-Fiは「Intel Dual Band Wireless-AC 3165」、BluetoothもIntel製だ。EthernetはRealtek製が使われている。
プリインストールのソフトウェアは、ストアアプリが、「The Weather Channnel」、「TripAdvisor。デスクトップアプリは」、「Booking.com」、「HP Documentation」、「HP Welcome」、「HPヘルプとサポート」フォルダに、「HP Power Control」、「HP Recovery Manager」、「HP Recovery Media Creation」、「HP Support Assist」。HP関連に関しては前回の「Stream 11-r1000」と同じなので興味のある方は参考にして欲しい。
そのほか、「マカフィーリブセーフ・インターネットセキュリティ」、「CyberLink PhotoDirector」、「CyberLink PowerDirector」、「CyberLink Power Media Player」、「CyberLink YouCam」、「Evernote」などが入っている。これ以外に、「HP CoolSense」、「HP 3D DriveGuard」、「B&O Play」などがタスクバーに常駐している。
Start Wars関連は、「R2D2」、「Star Wars Command Center」、「Star Wars Comic(URL)」、「Star Wars Library(PDF×5:Del Rey Star Wars Sampler」、「Star Wars A New Dawn Excerpt」、「Star Wars Original Trilogy Retellings Sampler」、「Star Wars Tarkin Excerpt」、「The Making of Star Wars Return of the Jedi Excerpt)」、「Star Wars Trailers(MP4×9:A New Hope Trailer」、「Attack of the Clones Trailer」、「Return of the Jedi Trailer」、「Revenge of the Sith Trailer」、「Star Wars Saga Trailer」、「The Empire Strikes Back Trailer」、「The Force Awakens Teaser Trailer #1」、「The Force Awakens Teaser Trailer #2」、「The Phantom Menace Trailer)」などが入っている。
R2D2は固有の発声(?)や、画面キャプチャのようにレイア姫を表示したりと、特に機能的な意味はないものの、遊び心があるウィジェットが収録されている。
Star Wars Command Centerは、テーマの選択と、4つのカテゴリ(Behind Se The Scenes、Collections、Concept Art、illustrated Art)に分類されるギャラリーが大量に納められている。またテーマはサウンドやスクリーンセーバーなども調整可能。
Star Wars ComicはサイトへのURL、Star Wars Trailers、Star Wars Libraryにはそれぞれ、MP4とPDFが入っているフォルダへのショートカット。さらにAurabeshフォントもTrueType形式でインストール済。量が多すぎて短期間では追いきれないほど、Star Wars関連コンテンツ満載であった。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2のHome(accelerated)、BBenchの結果を見たい。CrystalMark(2コア4スレッドで条件的には問題ない)のスコアも掲載した。
winsat formalの結果は、総合 4.6。プロセッサ 7.4、メモリ 7.5、グラフィックス 4.6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 8 バージョン2のHome(accelerated)2544。3DMarkはIce Storm 46784、Cloud Gate 6071、Fire Strike 1390。CrystalMarkは、ALU 43160、FPU 45900、MEM 32565、HDD 11236、GDI 12562、D2D n/a、OGL 30934。グラフィックスは960Mなのでそれほど速くない。また残念ながらHDDが結構足を引っ張っている感じとなる。
BBenchは、キーボードも含むバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果は、バッテリの残7%で26,203秒/7.3時間。最大約7時間なので、ほぼ仕様通り。バックライト最小でも暗めの部屋なら十分見ることができる明るさだ。
以上のように「Star Wars Special Edition Notebook」は、その名の通り、Star Wars満載の15.6型ノートPCだ。Skylake世代のCore i5、メモリ8GBということでパワーもあり、パネルやスピーカーもオリティが高い。映像などを存分に楽しむことができる。ただストレージがHDDだったり、Gigabit Ethernet非対応など、このクラスの割に今一歩の部分があるのが残念なところか。
「Star Wars Special Editionスリーブケース」、「Star Wars Special Editionワイヤレスマウス」なども含め、Star Warsが大好きなユーザーにお勧めの逸品と言えよう。
【11時50分訂正】記事初出時、底面にスピーカーを搭載し、microSDカードスロットとしておりましたが、正しくは底面非搭載/キーボード上部搭載、およびSDカードスロットとなります。お詫びして訂正します。