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NECディスプレイソリューションズ「MultiSync LCD2690WUXi2」



LCD2690WUXi2
液晶サイズ 25.5型
パネル方式 IPS方式
表示解像度 1,920×1,200ドット
アスペクト比 16:10
画素ピッチ 0.287×0.287mm
表面処理 ノングレア
バックライト方式 冷陰極管
応答速度 16ms/中間色 8ms
コントラスト比 標準 1000:1
視野角 上下/左右とも178度
輝度 320cd/平方m
表示色 約679億6,723万色中約1,677万色
走査周波数 水平:31.5kHz〜93.8kHz、118.4KHz(アナログ)
   31.5KHz〜91.1KHz、118.4KHz(デジタル)
垂直:50Hz〜85Hz(WUXGA:60Hz)
チルト角度 下5度〜上30度
高さ調節 最大150mm
スイーベル 340度
ピボット機能 あり
入力端子 ミニD-Sub15ピン×1
DVI-D(HDCP対応)×1
DVI-I(HDCP対応)×1
出力端子 スピーカー用電源コネクタ×1
スピーカー なし
VESAマウント 対応
電源 内蔵
消費電力 標準111W
付属品 DVI-Dケーブル
DVI-I-ミニD-Sub15ピンケーブル
電源ケーブル
ケーブルカバー
ユーティリティディスク
本体サイズ 589.8×306×444.2〜594.2mm(幅×奥行き×高さ)
重量 約12.8kg

 「MultiSync LCD2690WUXi2」は、NECディスプレイソリューションズが発売する液晶ディスプレイ「MultiSync」ブランドの中で、フラッグシップモデルがラインナップされているプロフェッショナルシリーズに属する。その特徴は、Adobe RGB比107%、NTSC比102%という高色域で、DTPや映像処理などプロ用途をターゲットとした製品である。価格はオープンプライスで、実売価格は13万円前後。

●本体デザイン

 本体デザインは、直線的かつ装飾がほとんどない、MultiSyncシリーズでおなじみのものとなっている。今回試用したのはカラーがブラックのモデルだったが、ホワイトのモデルも用意されている。もちろん、本体カラー以外のデザインに違いはない。

 本体サイズは589.8×306×444.2〜594.2mm(幅×奥行き×高さ)とかなり大きい。25.5型の大型ワイド液晶パネルを搭載していることもあり、このような大柄なボディもある意味当然だが、デスク上に設置すると、かなりのスペースを占有されてしまうことを覚悟しておく必要がある。また、重量も約12.8kgで、スタンドを含まないディスプレイ部のみでも約9.4kgとかなり重い。プロ用途をターゲットとする製品では、本体サイズや重量よりも、表示品質や使い勝手の方が優先されるため、こういった点は特に問題とはならないはずだが、個人ユーザーで購入しようと考えている場合には、設置スペースなどをあらかじめ考慮しておく必要があるだろう。

 液晶面のチルト角度は、下5度から上30度の範囲内で、高さは150mmの範囲内で調節可能。また、台座には340度のスイベル機構と、90度回転させて縦画面で利用できるピボット機構を備える。チルト角度や高さ調節、ピボットなどの操作は比較的軽い力で行なえるが、液晶画面のぐらつきがやや大きい点は気になった。

 電源ボタンや入力ソースの切り替え、OSD操作用のボタン類は、画面右下のベゼルコーナー付近に配置されている。OSD操作用として、下ベゼル部分に左右、右ベゼル部分に上下の操作用ボタンが配置されており、OSD内のメニュー移動など直感的な操作が行なえる点は嬉しい配慮だ。また、電源ボタンの横には室内の明るさを検知するセンサーが取り付けられており、室内の明るさに応じてバックライト輝度を調節する機能が実現されている。

●液晶パネル

 1,920×1,200ドット表示対応の、25.5型ワイド液晶を搭載。パネルの方式はIPS方式を採用。応答速度は16ms、中間色で8ms。視野角は、上下/左右とも178度で、画面を見る角度が多少変化しても、色合いの変化は全くと言っていいほど感じられない。輝度は320cd/平方m。パネル表面は非光沢処理が施されている。

●接続端子

 映像入力端子は、ミニD-Sub15ピン×1系統、DVI-I(HDCP対応)×1系統、DVI-D(HDCP対応)×1系統の3系統が用意される。本体にスピーカーは搭載されず、音声の入出力端子も用意されていないが、オプションで用意されているスピーカー「サウンドバー90」が取り付け可能となっているとともに、このオプションスピーカー用の電源出力端子が用意されている。

 映像入力端子は、液晶背面に下向きに取り付けられているが、ピボット機構を利用することで、設置後でもケーブルの着脱は容易に行なえる。また、スタンドのアーム後方にはケーブルを束ねる機構が用意されており、ケーブル類は正面から見ても目立たないようにすっきりとまとめられる。

●OSD

 OSDに用意されている設定項目は、さすがにプロ用途をターゲットとしているだけあって、非常に豊富だ。特にカラー調節機能は、色温度の設定、RGB 3色の割合調節はもちろんのこと、RGBCMY 6色の色合い、サイド、オフセットをそれぞれ127段階に調節可能となっており、用途に応じて最適の発色に調節できるとともに、最大4個まで設定値が記憶できる。もちろん、sRGBやAdobe RGBに準拠したモードも用意されている。

 また、明るさセンサーを利用した輝度調節機能「オートデミング機能」では、輝度の調節範囲を自由に設定できるようになっていたり、映像入力の自動切り替え機能も、他の映像信号が入力されても現在の映像を保持したままにしたり、常に後から入力された映像信号に切り替えたりというように、切り替え動作を自由に変更できるようになっているなど、細かな部分まで設定項目が用意されている点はプロ用途の製品らしい特徴だ。

●画質

 プロ用途として位置付けられている製品ということもあり、表示される映像のクオリティはさすがの一言。内部でRGB各色を12bitでガンマ補正を施すことにより、約679億6,723万色中約1,677万色表示が可能となっており、低価格液晶ではほぼ単色で表示される部分でも、微妙な色合いの変化がしっかり認識できる。また、前述の通りIPSパネルを採用していることもあり、多少見る角度を変えても色合いの変化はほとんど感じられない。

 もちろん、カラーマネージメントツールを利用したカラーキャリブレーションにも対応している。オプションで用意されているカラーマネージメントソフト「SpectraNavi-J」と、対応のカラーセンサーを利用することで、高度なカラーマッチングも手軽に行なえる。

 さらに、これだけのサイズにも関わらず、LCD2690WUXi2では輝度ムラや色ムラが全く感じられない。これは、「UNIFORMITY」と呼ばれる輝度ムラ/色ムラ改善機能が搭載されていることによるもので、これだけのサイズの液晶で画面全体が均一の品質で表示される点は、特筆すべき部分だ。

 応答速度は黒白黒が16ms、中間色が8msと、特に高速というわけではなく、動画や高速な画面描写のゲーム画像などを表示させると、わずかではあるが残像を感じる。とはいえ、それもほぼ気にならないレベルのもので、特に問題になることはないだろう。

 約679億6,723万色中約1,677万色の表示に対応し、Adobe RGB比107%、NTSC比102%を実現するLCD2690WUXi2は、映像の表示品質に関して不満を感じる部分がほとんどないと言っていい。また、細かな部分まで調節が可能なカラーマネージメント機能、ピボット機構を備えた台座など、周辺仕様も充実しており、プロ用途の液晶ディスプレイとして圧倒的な魅力を備える製品と言える。

 個人用途で利用する製品としては、大柄なボディやHDMI端子を備えない点などが不利となるかもしれないが、表示品質を最優先とするなら、選択肢として考慮すべき製品となる。発売から1年近く経過していることもあって、実売価格が13万円前後とかなり安価になってきている点も合わせ、プロ用途だけでなく、デジタル一眼レフカメラを利用した写真撮影や、デジタルグラフィックスなどを趣味としている個人にも広くおすすめしたい。

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(2009年 11月 16日)

[Text by 平澤 寿康]

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