■最新液晶ディスプレイ ピックアップ■
AW2210 | |
液晶サイズ | 21.5型 |
パネル方式 | TN方式 |
表示解像度 | 1,920×1,080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
画素ピッチ | 0.248×0.248mm |
表面処理 | ノングレア |
バックライト方式 | 冷陰極管 |
応答速度 | 2ms(中間色) |
コントラスト比 | ダイナミックコントラスト時 80,000:1、標準時 1000:1 |
視野角 | 上下160度/左右170度 |
輝度 | 300cd/平方m |
表示色 | 1,670万色 |
走査周波数 | 水平:30kHz~83kHz 垂直:56Hz~75Hz |
チルト角度 | 下4度~上21度 |
高さ調節 | 最大100mm |
スイーベル | 左45度/右45度 |
ピボット機能 | なし |
入力端子 | DVI-D(HDCP対応)×1 HDMI×2 アナログ音声入力 ステレオミニジャック×1 USBアップストリームポート×1 USBダウンストリームポート×4 |
出力端子 | アナログ音声入力 ステレオミニジャック×1 |
スピーカー | なし |
VESAマウント | 対応 |
電源 | 内蔵 |
消費電力 | 標準45W/最大75W |
付属品 | DVIケーブル HDMIケーブル USBケーブル 電源ケーブル ケーブルカバー ドライバ・マニュアルディスク |
本体サイズ | 516.27×196.87×460.82mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 5.92kg |
日本でこそ馴染みが薄いものの、北米では以前よりハイエンド志向のゲーミングPCブランドとして確固たる地位を確立してきたAlienware。日本でも今年からAlienwareブランドのPCの販売が開始されたが、このたび液晶ディスプレイも新たに登場となった。それが、「AW2210」である。ゲーミングPCブランドの液晶ディスプレイということもあり、快適なゲームプレイを追求した仕様が特徴となっている。直販価格は29,900円。●本体デザイン
AlienwareのPC、特にデスクトップPCは、大型かつ独創的なデザインや派手なイルミネーションを施したケースを採用するとともに、正面に同ブランドのロゴともなっているエイリアンの顔を模したエンブレムを配するなど、ほかにはない圧倒的な存在感が特徴だ。
それに対しAW2210は、直線的なデザインで、かなりシャープなイメージになっているばかりか、エイリアンエンブレムも、本体背面のスタンド中央と目立たない場所に取り付けられており、従来のAlienwareの製品とはイメージがかなり異なっている。正面の液晶下に、Alienwareロゴと小さなエイリアンエンブレムが記されてはいるものの、強調されているわけではなく、それ以外にも凝った装飾は皆無で、AlienwareのデスクトップPCを知っていると、ちょっとおとなしすぎる印象だ。
もちろん、この印象はAlienwareというブランドを前提としてのもの。その点を抜きにすれば、直線的でシャープなデザインはかなり好印象。また、特に凝った装飾が施されていないという部分も、映像以外に目がいくことがなくなるため、ある意味ゲームに没頭できるデザインと言っていいかもしれない。
本体サイズは、516.27×196.87×460.82mm(幅×奥行き×高さ)。狭額ベゼル採用もあり、コンパクトにまとめられている。
液晶面のチルト角度は、下3度から上21度の範囲内で調節可能。高さは100mmの範囲内で調節可能。また、台座には左右それぞれ45度のスイベル機構を備える。このあたりの仕様は、デルのデジタルハイエンドシリーズに属する製品の仕様と同じで、デザイン面を若干変更して流用していると考えられる。
電源ボタンやOSD操作ボタンなどは、画面右側面ベゼル下部に配置されている。電源ボタンおよび操作ボタンは静電容量式のタッチセンサーとなっており、指を近づけるとボタン部のLEDが点灯するようになっている。このタッチセンサーの反応は非常に良好で、物理的なボタンと変わらない軽快な操作が可能となっている。
●液晶パネル1,920×1,080ドット表示対応の、21.5型ワイド液晶を搭載。パネルの方式はTN方式を採用。応答速度は中間色で2msと非常に高速だ。視野角は上下160度/左右170度だが、TN方式パネルということもあり、見る角度が変わった時、色合いの変化が若干大きい。バックライト輝度は300cd/平方m。パネル表面は非光沢処理が施されている。
●接続端子映像入力端子は、DVI-D(HDCP対応)×1系統と、HDMI×2系統の系3系統を用意。アナログの映像入力端子が用意されていない点は大きな特徴だ。端子類は、液晶裏面下部に下向きに配置されている。
音声入力端子は、ステレオミニジャックで1系統用意。これは、DVI-D入力用として利用される。音声出力端子もステレオミニジャックで1系統用意。この音声出力端子からは、ステレオミニジャックで入力された音声やHDMI経由で入力された音声が出力される。ただし、スピーカーは搭載しないため、音声の再生は音声出力に接続したスピーカーを利用することになる。また、一般的な液晶ディスプレイに用意されることの多い、ヘッドフォン出力は用意されない。
映像/音声の入出力端子以外に、USB 2.0アップストリームポート×1と、USB 2.0ダウンストリームポート×4が用意されている。これは、快適なゲームプレイのために、キーボードやマウスだけでなく、各種コントローラを手元で簡単に着脱できるように配慮したものだ。ただ、ポートは液晶背面下部に配置されているために、ケーブルの着脱がやりづらい。できれば、ダウンストリームポートは本体側面に用意してもらいたかった。
●OSDOSDの操作は、画面右側面ベゼルのタッチセンサーを利用する。こちらの動作も、デジタルハイエンドシリーズとほぼ同じで、ボタンを押すと、その横の画面上にメニューが表示されるとともに、ボタンに割り当てられる操作機能ナビも表示され、戸惑わずに操作できるように工夫されている。
OSDの用意されている機能は、輝度や色合いなど、基本的な設定項目以外には、表示するワイドモードの変更やオーバードライブの設定、音声、OSDの設定などが用意されているだけで、項目はそれほど豊富ではない。これは、AW2210では、入力された映像信号を、遅延を最小限にとどめて液晶画面に表示させるということを重要視しているためで、遅延を発生させる高画質機能などは極力省かれているというわけだ。こういった部分は、ゲーマー向けとしての潔い割り切りと言っていいだろう。
●画質AW2210の表示品質は、TNパネルを採用する一般的な液晶ディスプレイとほぼ同等と考えていい。視野角がやや狭いため、見る角度が少し変わっただけで色合いの変化が感じられるものの、発色の鮮やかさやコントラストなどは十分満足できるレベルだ。もちろん、発色性能に優れるデルのデジタルハイエンドシリーズなどと比較すると、表示品質は見劣りするものの、用途が全く異なるため、大きな問題ではないだろう。
AW2210の場合は、それよりも、遅延や残像といった部分の性能の方が重要視される。そこで、実際に動きの高速なゲームやシビアなコントローラ操作が要求されるゲームをプレイしつつ遅延や残像を確認してみたところ、コントローラの入力と映像表示とのタイムラグを感じることはほとんどなく、遅延は最小限に抑えられていた。また、動きの速いシーンでも残像はほとんど気にならないレベルで、ゲームプレイに支障を来すということもない。プロレベルのゲーマーでも十分満足できる、遅延/残像の少なさと言っていいだろう。
AW2210は、快適なゲームプレイを実現する表示環境をとことんまで追求した仕様となっており、一般的な液晶ディスプレイとはかなり趣向の異なる製品だ。そのため、表示品質を重視する人にはお勧めしづらいが、快適なゲームプレイを実現する液晶ディスプレイを探している人には、かなり魅力的な製品となる。加えて、販売価格が29,900円と安価なうえに、デルの液晶でおなじみの、ドット抜けが1カ所でも存在した場合に良品と交換してもらえる「プレミアムパネル保証」が標準で添付される点も嬉しい。ゲームメインのユーザーであれば、間違いなく満足できる製品だ。
(2009年 11月 2日)