日本エイサー「AspireRevo ASR3600-A36」
〜液晶ディスプレイと一体化もできるION搭載ネットトップ



日本エイサー「AspireRevo ASR3600-A36」

発売中



 日本エイサーから登場した「AspireRevo」は、いわゆるネットトップと呼ばれる製品であり、低価格で省スペース性が高いことが特徴だ。ネットトップの多くは、IntelのAtomプラットフォームを採用している。Atomプラットフォームは、低価格で消費電力が低いことが利点だが、パフォーマンスの点では決して高いとはいえない。特に、統合型チップセットのIntel 945GSE Expressの3D描画性能は、単体GPUとの比較はもちろんのこと、最新統合型チップセットに比べてもかなり見劣りしてしまう。NVIDIAのIONプラットフォームは、Atomと自社の統合型チップセット「GeForce 9400M G」を組み合わせたもので、IntelのIntel 945GSEを採用したプラットフォームに比べて、3D描画性能が高いことが魅力だ。

 AspireRevoは、搭載メモリ容量や液晶ディスプレイの有無、VESAマウントキットの有無などによって、3種類のモデルが用意されているが、ここでは4GBのメモリを搭載し、VESAマウントキットとWebカメラスタンドが付属するASR3600-A36を取り上げる。

●コンパクトでユニークなデザイン

 AspireRevoは、横から見ると平行四辺形のような形状をした、ユニークなデザインの筐体を採用している。筐体の高さと幅は約190mm、厚さは約35mmと、薄くてコンパクトであり、ネットトップの中でも省スペース性は高いといえる。縦置き用のスタンドが付属しているので、狭いスペースにも設置できる。スタンド込みの重量は実測で約934gであり、重量も軽い。筐体のカラーは、ホワイトと濃いブルーを基調にしており、質感や仕上げも満足できる。

AspireRevoの外観。前面と背面が斜めになっているのがユニークだ 付属の縦置き用スタンド。透明なので、見た目もすっきりしている 「DOS/V POWER REPORT誌」とのサイズ比較。ボディの小ささがよくわかる

●4GBメモリを搭載し、HDMI出力やeSATA端子も装備

 AspireRevoの基本スペックは、ION採用であることを除けば、ネットトップとしては標準的である。CPUとしてAtom 230(1.6GHz)を搭載。チップセットは、GeForce 9400M Gで、DirectX 10対応のグラフィックス機能を内蔵している。

 Intel 945GSEに比べて、搭載可能なメモリ容量が大きいこともION(GeForce 9400M G)の利点だ。Intel 945GSEでは、最大2GBまでのメモリしかサポートされていないが、GeForce 9400M Gは、最大4GBまでのメモリを搭載可能で、今回試用したASR3600-A36では、最初から4GBのメモリが実装されている(他の2モデルのメモリは2GB)。プリインストールされているOSは、Windows Vista Home Premium SP1であり、2GBでもとりあえず不満はないが、ユーザーによるメモリ増設はメーカー保証外の行為となるので(詳しくは後述)、4GBのメモリが必要なら、ASR3600-A36を選ぶことをお勧めする。HDD容量は3モデル共通で160GBである。なお、1スピンドルPCであり、光学ドライブは搭載していない。

 インターフェイスも充実しており、USB 2.0ポートを前面と上面に1個ずつ、背面に4個の合計6個備えているほか、ミニD-Sub15ピン出力とHDMI出力、Gigabit Ethernet、eSATA、マイク入力、ヘッドフォン出力の各端子が用意されている。ネットトップで、HDMI出力やeSATA端子を搭載した製品はまだ珍しい。HDMIケーブルも付属しているので、HDMI入力を備えた大画面TVのそばに置いて、リビングPC的に使うにも向いている。また、前面には、SDメモリーカード/MMC/xD-Picture Card/メモリースティックに対応したメモリカードリーダが用意されている。なお、本体前面のUSB 2.0ポートは、ゴム製のカバーが取り付けられている。

 また、ASR3600-A36とASR3600-A35の2モデルには、WebカメラとWebカメラスタンドが付属しており、ビデオチャットなどに利用できる。さらに、IEEE 802.11b/g/ドラフトn対応の無線LAN機能も搭載している。

AspireRevoの前面。USB 2.0ポート(ゴム製のカバーがはめられている)やメモリカードリーダ、ヘッドフォン出力、マイク入力、eSATA端子が用意されている AspireRevoの右側面。製品ロゴが書かれている。同心円状のデザインもなかなかオシャレだ AspireRevoの左側面。実際は下側のシールは剥がして利用することになる
AspireRevoの上面。USB 2.0ポートが1つ用意されている AspireRevoの背面。USB 2.0ポート×4、LAN、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン出力が用意されている 本体前面のUSB 2.0ポートのアップ。左側が電源スイッチだ
本体前面のUSB 2.0ポートのゴム製カバーを外したところ 比較的高価なHDMIケーブルが付属していることも嬉しい 付属のWebカメラ。USBポートに接続して利用する
Webカメラを付属のWebカメラスタンドに装着したところ。カメラの上下方向の角度は自由に変更できる

●ワイヤレスキーボードとマウスが付属

 キーボードとマウスはワイヤレス仕様(電波式)であり、キーボードケーブルやマウスケーブルに煩わされず、自由な場所から操作できる。なお、ワイヤレスレシーバは超小型のUSBドングルタイプで、出荷時の状態ではマウス内部に収納されている。キーボードとマウスを利用する際には、マウス内部からレシーバーを取り出して、AspireRevo本体のUSBポートに装着する必要がある。

 キーボードのピッチは約19mmで、Enterキーの右側にもPageUpキーやPageDownキーが配置されていることを除けば、配列は一般的だ。ただし、「ろ」キーのみ極端に横幅が狭い(他のキーの半分くらい)ことが気になった。「ろ」キーは、カナ入力の人はもちろん多用するのが、ローマ字入力でもアンダーバーの入力などに使うので、比較的利用頻度が高い。また、ストロークは十分あるが、キータッチはややふわふわした印象を受ける。マウスはスクロールホイール付きの光学マウスで、操作性は良好だ。本体の電源はACアダプタから供給される。

AspireRevoに付属するワイヤレスキーボード。配列は一般的だが、「ろ」キーのみ横幅が極端に狭くなっている 付属のワイヤレスマウス。スクロールホイール付きの光学式だ ワイヤレスマウスの裏面。電源スイッチが用意されている
ワイヤレスマウスは、単4電池2本で動作する。電池の右側に収納されているのがレシーバだ マウスから取り出したレシーバ。非常に小さい レシーバを本体のUSBポートに装着したところ
電源はACアダプタから供給される。ACアダプタのサイズはネットブックのものと同程度で、比較的小さい

●VESAマウンタを利用して液晶ディスプレイ背面に装着できる

 今回試用したASR3600-A36には、VESAマウンタが付属しており、VESAマウント対応の液晶ディスプレイの背面にAspireRevoを装着することが可能だ。VESAマウント規格には、75mmと100mmの2種類があるが、AspireRevoではどちらにも対応している。VESAマウンタを利用して、AspireRevoを液晶ディスプレイの背面に装着すると、液晶一体型PCとして使えるので省スペース性がさらに向上し、外観もすっきりする。マウンタへの本体の着脱も簡単に行なえる。

ASR3600-A36に付属するVESAマウンタ。左は固定用のネジ 液晶ディスプレイの背面に、VESAマウント対応のネジ穴があればOK VESAマウンタを液晶ディスプレイに取り付ける際には、細長い部分を下に少しスライドさせて、穴が見えるようにする
反対側からみたところ。100mm規格の場合は上の2つと下の外側の2つをネジで固定する 液晶ディスプレイの背面にVESAマウンタを取り付けたところ。AspireRevoをVESAマウンタに押しつけるだけで、本体が固定される VESAマウンタを利用して、AspireRevoを液晶ディスプレイの背面に装着したところ
こんな感じで、後ろから見ても、あまり違和感がない スタンドを利用して、AspireRevo一式を設置したところ VESAマウンタを利用して、液晶ディスプレイの背面にAspireRevoを取り付けたところ。液晶が置けるスペースがあれば、PCを利用できる

●本体内部を覗いてみた

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害は筆者および、PC Watch編集部、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。


 AspireRevoは、基本的にユーザーが中を開けるように設計されておらず、ネジをカバーしているシールを破いてしまうと、メーカー保証の対象外となるので注意が必要だ。固定に使っているネジはその1本だけで、あとは爪でとまっているので、細いマイナスドライバーなどを押し込んで少しずつ爪を外していけば、側面部分を外すことができる。外してさえしまえば、HDDやメモリスロットにアクセスできるので、HDDを大容量のものに交換することも可能だ。

底面のネジはシールで保護されており、このシールを破いてしまうとメーカー保証が効かなくなる AspireRevoの中身。マザーボードは長方形である SO-DIMMスロットを2基搭載している
ASR3600-A36では、標準で2GB SO-DIMMが2枚装着されており、合計4GBとなっている CPUとチップセットは、ファン付きのヒートシンクで冷却されている ファンを外すと、ヒートシンクが現れる
CPUのAtomとチップセットのGeForce 9400M G。左の小さいチップがAtomで、右の大きなチップがGeForce 9400M Gだ 試用機には、日立GST製の160GB HDDが搭載されていた ミニPCI Expressスロットには無線LANカードが装着されている

●Atom N270+Intel 945GSE搭載のネットブックに比べて描画性能が大きく向上

 参考のためにベンチマークを計測してみた。利用したベンチマークプログラムは「PCMark05」、「3DMark03」、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、「ストリーム出力テスト for 地デジ」、「CrystalDiskMark」で、比較対照用に日本HP「HP Pavilion Notebook dv2店頭モデル」、日本HP「HP Pavilion Notebook dv2直販モデル」、NEC「LaVie Light BL350/TA6」、NEC「VersaPro UltraLite タイプVS」、日本HP「HP Mini 2140 Notebook PC」、MSI「X-Slim X340 Super」の値も掲載した。

 まず、PCMark05の総合スコアは、Atom N270+Intel 945GSEのHP Mini 2140 Notebook PCよりも2割近く向上しているが、CPUスコアはHP Mini 2140 Notebook PCとほぼ変わっておらず、Intel 945GSEに比べて高いGeForece 9400M Gの描画性能が功を奏したのであろう。その証拠に、Graphicsスコアの値は1964であり、HP Mini 2140 Notebookに比べて約3.6倍に向上している。また、3D系ベンチマークの3DMark03やFINAL FANTASY XI Official Benchmarkのスコアも、Atom N270+Intel 945GSEの組み合わせに比べて、大きく向上している。

 また、Windows VistaのWindowsエクスペリエンスインデックスを計測したところ、プロセッサが3.0、メモリが4.5、グラフィックスが5.9、ゲーム用グラフィックスが4.8、プライマリハードディスクが5.2という結果になり、プロセッサがやや足を引っ張っているものの、他の項目はなかなか優秀であった。

【ベンチマーク結果】

AspireRevo HP Pavilion Notebook dv2店頭モデル HP Pavilion Notebook dv2直販モデル LaVie Light BL350/TA6 VersaPro UltraLite タイプVS HP Mini 2140 Notebook PC
(1366×768ドット液晶)
X-Slim X340 Super
CPU Atom 230(1.6GHz) Athlon Neo MV-40(1.6GHz) Athlon Neo MV-40(1.6GHz) Atom N280(1.66GHz) Atom Z540(1.86GHz) Atom N270(1.6GHz) Core 2 Solo SU3500(1.4GHz)
ビデオチップ GeForce 9400M G内蔵コア AMD M690G内蔵コア Mobility Radeon HD 3410 Intel 945GSE内蔵コア US15W内蔵コア Intel 945GSE内蔵コア Intel GS45内蔵コア
PCMark05
PCMarks 1867 1678 2175 N/A 1850 1566 2101
CPU Score 1404 1845 2129 1521 1739 1482 2435
Memory Score 2339 2578 2713 2453 2456 2350 3338
Graphics Score 1964 820 2018 N/A 319 546 1108
HDD Score 4416 3642 3926 8939 18226 5713 5086
3DMark03
1024×768ドット32ビットカラー(3Dmarks) 3962 1508 3453 N/A(1024×600ドットでは638) 445 718 1552
CPU Score 365 564 714 N/A(1024×600ドットでは240) 200 242 492
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
HIGH 1638 1504 2914 N/A 347 1010 1427
LOW 2421 2174 4474 1459 550 1386 2094
ストリーム出力テスト for 地デジ
DP 37.1 48.57 61.33 31.97 8.2 36.9 68.1
HP 81.8 99.67 99.83 88.2 31.2 75.97 99.97
SP/LP 99.57 99.83 99.87 99.37 99.93 99.97 100
LLP 99.83 100 99.9 99.93 99.97 99.97 100
DP(CPU負荷) 72 100 100 81 50 68 100
HP(CPU負荷) 87 87 77 80 53 68 61
SP/LP(CPU負荷) 63 53 43 64 42 42 35
LLP(CPU負荷) 31 36 35 38 34 32 28
CrystalDiskMark 2.2
シーケンシャルリード 43.36MB/s 48.22MB/s 53.35MB/s 83.31MB/s(Cドライブ)、56.50MB/s(Dドライブ) 107.4MB/s 未計測 未計測
シーケンシャルライト 26.84MB/s 50.64MB/s 41.73MB.s 40.39MB/s(Cドライブ)、54.63MB/s(Dドライブ) 112.4MB/s 未計測 未計測
512Kランダムリード 23.87MB/s 27.59MB/s 24.97MB/s 79.24MB/s(Cドライブ)、31.25MB/s(Dドライブ) 103.6MB/s 未計測 未計測
512Kランダムライト 22.04MB/s 37.19MB/s 32.76MB/s 29.44MB/s(Cドライブ)、31.23MB/s(Dドライブ) 102.8MB/s 未計測 未計測
4Kランダムリード 0.315MB/s 0.499MB/s 0.323MB/s 12.43MB/s(Cドライブ)、0.560MB/s(Dドライブ) 11.03MB/s 未計測 未計測
4Kランダムライト 0.870MB/s 1.220MB/s 1.058MB/s 1.928MB/s(Cドライブ)、1.551MB/s(Dドライブ) 10.36MB/s 未計測 未計測

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果

●ネットトップとしては十分な性能であり、コストパフォーマンスは高い

 AspireRevoは、ION採用により、ネットトップとしては高い描画性能を実現していることや、コンパクトなボディが魅力の製品である。もちろん、ネットトップの中では高性能だといっても、Atom搭載機なので、Core 2搭載機などに比べればパフォーマンスは劣る(価格帯も異なるわけだが)。

 OSがWindows Vista Home Premiumなので、反応が重いと感じる場面もあるが、今回試用したASR3600-A36は、メモリを4GB実装していることもあり、Webブラウズやメール送受信、文書作成といった比較的軽めの処理なら、我慢できないほど遅いということはなかった。もちろん、CPUとしてデュアルコアのAtom 330を採用していれば、より快適になっただろうが、ASR3600-A36の実売価格は5万円を切っており、HDMI端子やeSATA端子を搭載しており、ワイヤレスキーボード/マウスが付属していることを考えると、コストパフォーマンスも優秀だ。また、液晶ディスプレイの背面にAspireRevoを装着できるVESAマウンタも便利だ。新しくフルHDクラスの液晶ディスプレイを導入したので、16〜17型クラスの液晶ディスプレイが余ったという人もいるだろうが、AspireRevoはそうした液晶ディスプレイを有効活用する手段としてもお勧めだ。

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(2009年 7月 28日)

[Text by 石井 英男]

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