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NEC、PC事業の新体制を発表 |
執行役員常務 富田克一氏 |
NEC(NECソリューションズ)は、7月に発表したPC市場向け機構の再編について記者説明会を開催した。
今回の再編により、マーケティングが市場別に分割され、個人市場は「NECカスタマックス」が、企業市場はNECソリューションズのパーソナル事業本部が担当する。また、開発生産も統合され、PCは「NECカスタムテクニカ」、TAなどの通信機器は「NECアクセステクニカ」に集約された。
個人市場を担う両社について、執行役員常務の富田克一氏は「NECカスタマックスはソニーマーケティングと、NECカスタムテクニカはソレクトロンと、比較される位置にある」と述べた。
富田常務は、この体制による今後の事業運営の基本を“プロダクト”から“カスタマ”へシフトするとし、“カスタマ・イン”を経営の基本とすると解説した。また、2003年度をめどとして、つぎのような数値目標を掲げた。
・顧客とのリレーションを強化し、買い換え/買い増しなどのリピート率を現在の32%から64%へ拡大する。
・121wareを中核として顧客リレーションを強化するために、登録ユーザー数を現行の50万人から200万人に拡大する。
・SCM(サプライチェーン・マネージメント)の強化により、棚卸し保有日数を現行の18日から10日に改善する。
・ワールドワイドの資材調達一元化によりコストを30%低減、機構改革による効率化により費用を20%削減する。
なお、PCの製造を担当するNECカスタムテクニカについても詳細が明らかにされた。
・ノートPC/PDAは米沢、デスクトップPC/ストレージは群馬という区分は従来通り維持される。
・府中事業所は開発本部とし新技術の開発を担当する。
・10月分より、マザーボードの内製はやめ、100%海外調達とする。
・コンタクトセンターにリソースを集中し、エージェント850名、技術支援80名の体制で、24時間365日のサポートを行なう。
質疑応答では、予定時間をすぎるほど質問が集中したが、「カスタマ中心への転換は、現在1位のシェア重視路線からの転換ではないか」という質問に対して「マーケットシェアは結果としてついてくる」と説明されるに留まるなど、はっきりとした言質が少なく消化不良な印象を与えた。現状では「ようやくスキームをつくるところまできた」という富田常務の言葉に表われているように、現場への落としこみや個別の方策の策定はこれからの課題なのだろう。
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0108/2801.html
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(2001年8月28日)
[Reported by date@impress.co.jp]
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