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韓国電子展会場レポート その2
~ DVDとVHSのダブルデッキが登場など ~

会期:10月2日~6日

会場:COEX(Convention & Exhibition Center)


 

さすが本場、MP3プレーヤーが大量展示

 最近、半導体プレーヤーの分野では、ソニーや、三洋、松下など日本のメーカーが勢力を伸ばしつつあるが、MP3プレーヤーの本場といえば韓国。もちろん、KES 2000でも数多くのMP3プレーヤーが出展されている。しかし、ほとんどのプレーヤーは、基本的な仕様や機能は押さえているものの、目新しい点は少ない。

 そんな中で目に付いたのが、韓国では既に販売が開始されているSamsungの「NA-CP70」。これはCDコンポスタイルの製品で、上部にポータブルMP3プレーヤーが装着できるようになっている。つまり、PC Watchで以前レポートした「MY-MP540」の上位バージョンだ。

 CDからMP3プレーヤにダイレクトに録音可能なのはもちろんのこと、USBで接続してパソコン側からコントロールすることもできる。また、面白いのはCDプレーヤ部も取り外すことができるようになっており、ポータブルCDプレーヤーとしても使用可能なところ。しかし、CDプレーヤーはMP3に非対応で、ポータブルMP3プレーヤーもメモリが内蔵32MBと、MP3プレーヤーとしてNA-CP70を見るとあまり満足度は高くない。価格は約500ドル。

【NA-CP70】 上部のフタをあけて、ロックを外すとCDプレーヤーを取り外せる 上部最後部にはポータブルMP3プレーヤーを装着できるようになっている

 Samsungといえば、以前から各種展示会にカラー液晶付きMP3プレーヤー「Photo yepp(SVM-P32)」を参考出品しているが、今回も展示を行なっている。まだ、発売日は未定とのことだが、今回は自由に触れるようになっており実際に操作しても確実に動作していたので、発売は近いだろう。価格は320ドル程度の見込みという。

 液晶の大きさで目を引いていたのが、PenManの「MEPP(Multimedia Edutainment Pocket Player)」。商品名の通り純粋なMP3プレーヤーではなく、音声付きの電子辞書や、語学学習などが行なえるもので、MP3“も”再生できるといった位置付けになっている。

 160×105mmの液晶にはELバックライトが付いており、液晶横にはジョグを装備するなど完成度は高い。記録メディアはMMCを使用。発売は今月中で、価格は700,000ウォン(10ウォン=1円)とのこと。

【PD 360】 【PD 370】
 また、LG電子のブースでは、日本では富士通パーソナルズが販売しているMDプレーヤー風のMP3プレーヤー「PD 360」が展示されている。

 このこと自体は、供給元がLG電子なので驚くに値しないが、その横に新モデルの「PD 370」も並べて置かれていた。

 PD 370では、MP3だけでなくWMAやAACにも対応するほか、記録メディアもSDカードとなる。発売は「今年末から来年にかけて」とのことで、価格などは未定。なお、展示されていたのはモックアップだった。


【その他のMP3プレーヤー】
SamsungのMP3/ビデオCD対応3枚CDチェンジャ「Z-300M」 KIRAのプレーヤーは、ボイスレコーダやFMラジオ機能も搭載している。記録メディアはスマートメディア。液晶にコマーシャルを流すようにして150ドル程度に価格を抑えることもできるという MP3プレーヤとしてはデザインがいい「S-Force」。ボイスレコーダ機能も備え、32MBのメモリを内蔵し、スマートメディアスロットも搭載する。インターフェイスはパラレル

小型とデザインが魅力の「TiTl@」。小型ながら32/64MBのメモリを内蔵し、MMCを1スロット、パラレルポートを搭載している 既にお馴染みの感もあるテープデッキにもかかるMP3プレーヤー。MMCスロットも搭載するほか、ボイスレコーダバージョンや、WMA、AAC対応バージョンもラインナップ予定


韓国でもDVD-RWとDVD-RAMの覇権争い

LG電子のDVD-RWビデオレコーダ SamsungのDVD-RAMビデオレコーダ
 現在、日本では録画可能なDVDとしてDVD-RWと、DVD-RAMの勢力争いが続いている。韓国でもその状況は同じようで、LG電子はDVD-RWビデオレコーダを、SamsungはDVD-RAMビデオレコーダをそれぞれ参考出品していた。

 一方、DVD+RW陣営のPHILIPSブースにはSACDプレーヤーはあるが、DVD+RW関連の展示は一切行なわれていなかったのは残念なところだ。

 SamsungのDVD-RAMビデオレコーダは2001年3月の発売を予定しており、価格は19,000ドル。LG電子のDVD-RWビデオレコーダの発売は2001年6月の予定で、価格は未定とのことだ。

 また、SamsungのブースではPC Watchでも何度か取り上げている“ゲームのできるDVDプレーヤー”「NUON 」の実機が数台展示されていた。ゲームも稼動していたのだが、入場者の関心はあまり高くなかった。米国ではすでに販売を開始しているとのことで、価格は500ドル。

 以上のような最新のDVD関連製品がある中、今回最も注目されるDVDプレーヤーはSamsungの「SV-DVD1」だろう。これは、DVDとVHSのダブルデッキ。もちろん、それぞれの機能を単独で使えるほか、DVDビデオをVHSにダビングすることもできる。ただし、当然のことながらマクロビジョン信号が入ったDVDタイトルをダビングすることはできないので、実用性がどれくらいあるかはわからない。

 米国で販売を開始しており、価格は約700ドル。純粋な機能の組み合わせからいえば高い。

 また、DVD関連ではないが大宇(DAEWOOO)のブースでHDD、CD-RW、リムーバブルHDDのORBを使用した3種類のビデオレコーダが展示されていた。詳細を聞くことができなかったので、どういったフォーマットを使用しているかは不明。しかし、いずれもOEM価格で500ドル程度とのことで、現在のDVD-RAMやDVD-RWビデオレコーダに比べれば、かなり安い製品となるだろう。

CD-RWモデル ORBモデル HDDモデル


FF VIIIも売っているSamsung

ブースではビデオが流されていたが、FINAL FANTASY VIIIの展示はこれだけだった ソフトは英語版だが、カタログは韓国語で書かれている
 Samsungは韓国でソフトウェアのディストリビュータもしており、PC用FINAL FANTASY VIIIを韓国で販売している。

 そのため、ブース内では韓国語(ハングル)のカタログや、ポスターが配られていたのだが、実際の展示はビデオが流されているだけで、ゲームは置かれていなかった。

 なお、韓国で正規に販売されているとはいえ英語版のみで、今のところ韓国版の発売予定はないという。

 このように、ほとんど展示されていないFINAL FANTASY VIIIに対して、韓国オリジナルのオンラインファンタジーRPG「DRAGON RAJA」は数台でプレイできるようになっており、力の入った展示となっていた。

 係員によれば、DRAGON RAJAはパッケージ販売ではなく、1週間いくらといった使用料の形をとっているとのことだ。

 そのほか、デザインで目を引いたのが、Decktronのボイスレコーダ「DMR-701P」。機能的にはLPモードで70分、SPモードで40分記録できる一般的なボイスレコーダ。最大の特徴(?)は、外観がソニーの「ミュージッククリップ」にかなり似ているところ。発売は1ヵ月後で、価格は未定という。

□韓国電子展のホームページ (韓国語)
http://www.kes.org/
□DRAGON RAJAのホームページ (韓国語)
http://www.dr-online.co.kr/
□関連記事
【5月18日】E3 2000会場レポート やじうま編
 ピカチュウカー 2000年モデル公開、帰ってきた「NUON」/ほか http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000518/e3_18.htm
【4月24日】富士通パーソナルズ、液晶リモコン付MP3プレーヤーの新機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000424/fjp.htm
【'99年11月19日】COMDEX/Fall '99会場レポート
 ~ BIOSTAR、4色の「EasyNow! PC」を展示、など ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991119/comdex22.htm
【'99年8月30日】MP3付きカセットプレーヤーとCDラジカセが合体
 「SAMSUNG mymy&WINGOレポート」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990830/wingo.htm

(2000年10月3日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]

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