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第4回MINDSTORMSフェスティバル開催
創意工夫溢れる実験機を多数展示

8月20日 開催

直径48mmの水道用パイプ2m強をロボットに渡らせる「自律型 丸木橋タイムトライアルレース」。ゼロコンマの争いに会場はヒートアップ
 米LEGOのロボット制作キット「MINDSTORMS」のユーザーグループ、LEGO MINDSTORMS User Group JAPAN (LEGO-MUG) は、8月20日に東京のビッグサイトで開催されたおもちゃ関連の展示即売会「東京トイフェスティバル」の会場に出展し、創意工夫に溢れた最新のデモを数多く出展した。

 技術デモではMINDSTORMSの周辺機器を自作するなど難度の高い内容だったが、それぞれアイディア満載の面白いデモを披露。
 まず最初に行なわれた技術デモは、ななしの氏のエモーションユニットとWonderCommand-II。エモーションユニットは5×7の赤色LEDによってロボットの感情を表現するシステムで、バンダイのロボット「BN-1」と似たシステムだ。頭にセットされた触角をなでると機嫌のいい目になるなど、センサーによってキチンと判定を行なっている。
 WonderCommand-IIは、携帯ゲーム機WonderSwanとプレイステーションとの通信を行なう周辺機器「ワンダーウェーブ」を改造、MINDSTORMS RCX用リモコンとして使用する試みだ。当初、WonderSwan用プログラミングツール「WonderWitch」でソフトを開発するだけでハードウェアは転用できるのではと考えたそうだが、MINDSTORMSのRCXとは違うことが判明し、思い切ってワンダーウェーブを改造することにしたという。ロボットとコントローラとの信号のやり取りが赤外線のため受光部が影になると通信が途絶してしまうのが欠点だが、デモでは特に問題もなく動作していた。現在は前進後退、左右旋回の動作しかコントロールできないが、作者のななしの氏によれば今後改良を加え複雑な動作も実現させたいという。

ななしの氏の「エモーションユニット」。5×7の赤色LEDでロボットの感情を表現。頭(触角)をなでると機嫌が良くなる 同じくななしの氏制作のWonderWaveを改造したWonderCommand-II。WanderSwanでMINDSTORMSを操作できる 実際にWonderCommand-IIでロボットを操作しているところ。前後、左右旋回などの操作が可能


 このほかでは、現在世界的な広がりを見せているというLEGOによる相撲を実現する技術デモが行なわれた。ここでベースとなっている技術は、2月に開催されたMINDSTORMSフェスティバルでも公開された、1つの赤外線装置から各ロボットに時分割でコントロールデータを送るという「メッセージルータ」を一歩進めたシステム。前回はPCによって操作を行なっていたが、今回はプレイステーションの「ネットやろうぜ」を利用しシステムを構築。デュアルショックによりロボットをコントロールできるよう進化していた。赤外線装置はより広い場所に信号を送らなければならない関係上、IR Towerより強力なものが要求される。このため今回も自作の赤外線装置が用意され、三脚を使い土俵の上の高い位置にセットされていた。デモは傍目から見た限りは成功といえる出来で、ロボットはスムーズに動き回っていた。今回は技術デモであったため勝敗などに関しては特に競われなかったが、今後、競技ルールの策定が進めば、より一般的な競技に発展していくのではないだろうか。

今回、技術デモとして行なわれた「相撲競技エキシビジョン」。丸い土俵の中で敵を押し出した者が勝ち。タイヤタイプと脚を持つロボットタイプがある。ロボットの後ろの操縦者の手には“ネットやろうぜ”用のPSコントローラが握られているのがわかる デモ全景。三脚にセットされているのが特製の赤外線装置。これで2台のロボットを同時に (時分割でコントロールデータを送信しているため、正確には交互に) 操る MINDSTORMSはIR Towerと呼ばれる赤外線装置によってコントロールデータを送信することになるが、広範囲にデータを送信することが難しいので、専用の装置が自主制作された


 これ以外にも、MINDSTORMSで制作されたアイボに似た犬型ロボット「マイボ」のデモや、伊藤栄一郎氏の他のマシンに接続されたMINDSTORMS用赤外線装置“IR Tower”をLANを通じて操作を行なう「Netword RCX Commander」、mac氏の赤外線メッセージを発信するボールを追いかけるロボットなど、数多くの実験が披露された。

 また、毎回行なわれているロボット競技だが、今回は直径48mmの水道用パイプ2m強をロボットに渡らせる「自律型 丸木橋タイムトライアルレース」と、リモコン型ロボットによる橋の上で戦いながらどちらがより長い距離進めるかを競うゲームが行なわれた。タイムトライアルではコンマ何秒を競うハイレベルな戦いとなり大きく観衆をわかせていた。

IR TowerをLANで共有させるデモ。デモではLANで接続したWindows CE機からノートPCを経由し、ロボットにプログラムを転送してみせた ボールの位置を認識し、追いかけ続けるシステム「Message Ball」。ボールから赤外線が発せられており、認識する仕組みとなっている MINDSTORMSで作り上げられたロボット犬「マイボ」。タイヤで走るのではなくキチンと歩く。ゆっくりではあるが、お座りなどの動作も行なう


□LEGO-MUG(LEGO MindStorms User Group JAPAN)のホームページ
http://www.legomug.gr.jp/index.html
□LEGOのホームページ
http://www.lego.com/
□MINDSTORMSのホームページ
http://www.legomindstorms.com/
□第4回MINDSTORMSフェスティバルのページ
http://www.legomug.gr.jp/festival4/main.html
□関連記事
【'99年8月9日】MindStormsフェスティバル'99、自作のロボットで缶落しゲーム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990809/minds.htm
【2月7日】MINDSTORMSフェスティバル、ロボットによるサッカー大会も開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000207/minds.htm

(2000年8月21日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]

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