マイクロソフト、Windows XP Tablet PC Editionを日米同時発売
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富士通製Tablet PC |
8月28日発表
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マイクロソフト株式会社は28日、Windows XP Tablet PC Edition日本語版の発売日を11月7日と発表した。また、新たなハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーの参入を発表し、富士通製のTablet PC試作機を公開した。
6月に米国で開催された「TECHXNY/PC EXPO」においてMicrosoftのJeff Raikes副社長が、米国でのWindows XP Tablet PC Editionの発売日を11月7日と発表しており、日米同時発売となる。
■TECHXNYに出品された富士通製Tablet PCを展示
発表会では、6月のTECHXNY/PC EXPOに出品された富士通のTablet PC「Stylictic」の試作品が展示された。10.4型のTFT液晶と無線LANを備えていること以外はスペックは明らかにされなかったが、ドッキングステーションに装着すると、ディスプレイを縦横に回転させられる省スペースデスクトップPCになる様子が公開された。
■新たに3社がハードに参入、ソフトは16社。ソフトも公開
Tablet PCを発売するハードウェアベンダーとしては、これまでソーテック、東芝、NEC、日本HP、富士通の5社とされていたが、今回はこれにペースブレードジャパン、ビューソニック ジャパン、日本エイサーの3社が加わった。
また、アドビ システムズをはじめ16のソフトウェアベンダーがTablet PC対応アプリケーションのリリースを表明したと発表、そのうち6つのアプリケーションについて概要を公開した。
Tablet PC発売を表明しているハードウェアベンダー計8社 | 6月のCOMPTEXにViewSonicが参考出品したTablet PC「ViewPad 1000」 | Tablet PC対応ソフトの提供を表明したソフトウェアベンダー16社 |
紹介されたソフトはヴァル研究所「駅すぱあと」、エー・アイ・ソフト「デジカメde!! 同時プリント」、クレオ「筆まめ for タブレットPC」(仮称)、セルシス「ComicStudioDebut」などで、どれもTablet PCの手書き機能を生かしている。
このほか漢字の書き順ムービーにより、書取りを練習できる学研「書いて覚える! 国語・漢字ドリル辞典」(仮題)や、手書きのサイン(署名)でTablet PCにログオンできるようにする日本サイバーサイン「C-SIGN LOCK for Tablet PC」が紹介された。
検索結果に手書きメモを書き込める「駅すぱあと」 | PCがこれだけ普及しても漢字は手で書いて覚える? 学研の「書いて覚える! 国語・漢字ドリル辞典」(仮題) | 手書きのサインがバイオメトリクス認証になる「C-SIGN LOCK for Tablet PC」 |
ソフトは新たなパッケージとして販売されるほか、既存のアプリケーションへのアドオンなどの提供形態も予定されている。
■Tablet PC Editionで「夏休みの自由研究」をデモ
Tablet PC Editionで「夏休みの自由研究」のレポートと、自動車事故の調査レポートを作成するデモも行なわれた。
「夏休みの自由研究」ではホウセンカの育成と気温の関係についてのレポートを、Tablet PC付属のアプリケーション「Windows Journal」で作成。Excelのグラフやデジタルカメラで撮影した画像、Webブラウザからコピー&ペーストしたデータを、Windows Journal上で組み合わせ、手書きのメモを付けた。Webブラウザからのコピー&ペーストは、コピーしたい部分をWebブラウザ上で手書きで範囲指定するだけで可能になっていた。
自動車事故の調査レポートは、損保の調査員が自動車事故のレポートを作成するという想定。フォームや手書き文字認識、手書きの図形などにより、Tablet PCがこうした業務でも使えることをデモした。
自由研究のレポート。下部の赤い手書き線で囲まれた部分がWebブラウザからコピー&ペーストされてきたデータ。Power Toysに含まれる「Snip Pet」を使用したもの。Webブラウザ上で手書きで指定されたとおりの形にコピー&ペーストされる | 事故調査レポート。ほとんどの項目をフォームなどで効率よく入力可能 | 事故調査レポートにも写真を貼り込み、手書きメモを記入できる |
■Tablet PC Editionは同時発売、各種キャンペーンを実施
ニューメディア&デジタルデバイス本部の宗像淳 執行役員 本部長 |
マイクロソフトはTablet PCをデスクトップPC、ノートPCに続く新世代PCと位置付ける。ニューメディア&デジタルデバイス本部マーケティング部の御代茂樹部長は「昨年度のシングルスピンドルのウルトラポータブルPCは全世界で400万台、そのうち日本だけで100万台を占める。この数字に、Tablet PCが初年度プラス25%(100万台)、2年目で200万台と上積みしたい。」と述べた。
とくに個人向けでは発売にともない、各メーカーのハードウェアが出揃う11月下旬から、販売店店頭にデモコーナーを設置、販促キャンペーンを行なう。またすでに発表されているとおり、10月16日~19日に東京ビッグサイトで開催される「WPC EXPO 2002」を「エンドユーザーへの初お披露目の場」とし、会場に150台にのぼるTablet PCマシンを展示、来場者が触れて操作できるようにするとした。
また、Tablet PC対応アプリケーションのコンテスト「タブレットPCソフトウェアコンテスト」を9月26日から2003年2月28日まで開催する。ソフト開発者には、Windows XP Tablet PC Edition SDKのダウンロード提供や、開発用ハードウェアの優待販売が行なわれる。
さらに、Tablet PCを体験できる場所として、8月に新宿に「eXperience Room」を開設するとしていたが、こちらは開設時期が9月中旬に延期されている。これは、マンションの一室を模した空間で、Tablet PCやWindows CE for Smart Displays(Mira)などを体験できるもの。
なお、Tablet PCを担当するニューメディア&デジタルデバイス本部は、7月1日付けで設立された日本独自の組織。Tablet PCのほか、Smart Displays、Pocket PC、Smartphone、Windows CE for Automotive、組み込みシステム向けOS、Windows Mediaテクノロジーなどを扱う。
■将来はTablet PC Editionの機能がWindows標準に
発表会の質疑応答では、Tablet PC Editionのアップグレードパスについて「現在のTablet PC Editionから次期Tablet PC Editionへのアップグレードは可能にする。デスクトップ用のWindows XPからTablet PC Editionへのアップグレードについては未定」とした。
また、Tablet PC Edition固有の「Windows Journal」などの機能については、将来はデスクトップ用Windowsにも装備される方向で進んでいるとし、現在のTablet PC Editionの機能も、「Windows XPにファームされており、切り分けるのは難しい」(御代部長)とした。
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/082802tabletpc.asp
□TabletPC.jp
http://www.tabletpc.jp/
□ニューメディア&デジタルデバイス本部設立のニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/070102nmdd.asp
□関連記事
【7月3日】【本田】色眼鏡を外して眺めてみたTablet PC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0703/mobile160.htm
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【6月12日】マイクロソフト、Windows XP Tablet PC Editionを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0612/ms.htm
【6月5日】【COMPUTEX】Tablet PCとMiraに注目が集まる
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0605/comp07.htm
(2002年8月28日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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