COMPUTEX TAIPEI 2002会場レポート:Tablet PC & Mira編 3

Tablet PCとMiraに注目が集まる

会期:6月3日~7日

会場:Taipei International Convention Center(TICC)
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2



 Microsoftが一昨年に発表したモバイルPCコンセプト「Tablet PC」と、今年発表した家庭用端末コンセプト「Mira」に対応した機器が、今年のCOMPUTEXには多数展示されている。

 Tablet PCもMiraもOSの正式版がまだリリースされていないので、すべて参考出品となっている。が、Tablet PCは発表から2年が経過しており、Miraは特定用途向けのペンPCをすぐに転用できるため、いずれもハードウェアの完成度は高い。したがって、どのメーカーも「正式版のOSがリリースされればすぐに発売できる」としている。どちらも今年の第3四半期にリリースが予定されている。

 ここでは会場で見かけたTablet PCとMira端末を紹介する。なお、前述の「特定用途向けペンPC」をTablet PCと称する例もあるが、ここではOSにMicrosoftの「Windows XP Tablet PC Edition」を搭載するもの、に限定する。

■Tablet PC

 Tablet PCは「ペンPCにWindows XP Tablet PC Editionを搭載したもの」のように扱われているようだ(中にはAcerのように折りたたみ式キーボード付きのものもあるが)。CPUにはCrusoeまたは超低電圧版Pentium III-MとXGA(1,024×768ドット)またはSVGA(800×600ドット)のタッチパネル付き10.4型TFT液晶を搭載し、IEEE 802.11b無線LANアダプタを内蔵するものが多い。

FICのTablet PC。CPUはCrusoe TM5800で1GHzまで搭載可能。ビデオチップはSMI Cougar3DR(16MB)。ディスプレイは10.4型TFT液晶で、重量は1.2kg。CPUがPentium III-M 866MHzで、Intel 830MGのビデオ機能を利用するバージョンもある Windows XP Tablet PC Editionには手書き文字認識ソフトとソフトウェアキーボードが付属する。FICは自社ブランド販売せず、OEM供給する予定
Acer「TravelMate 100」。日本でも何度か展示されている。またMicrosoftの.NETのTV CMで、カーディーラーの営業マンが持っているTablet PCとしてもおなじみ。キーボード付きで、ノートPCとしてもTablet PCとしても使えるのが特徴。CPUはPentium III-M 750~860MHz。持ってみると意外に軽く、キーボード無しのTablet PCと同等に感じられた
VIAによるTablet PCのリファレンスデザイン。CPUはEden ESP 5000、チップセットはApollo Pro 266T Tablet PCに不可欠なペンを本体横に収納できる OSのバージョンは「Windows XP Tablet PC Edition Version 2002 SP1」と表示される
Tablet PCとは確認されていないが、Windows XPが動作していることからTablet PCとしての運用も可能と思われるVIAの「Web Pad」。タッチパネル付き8.4型液晶ディスプレイの右側にある丸いコントローラはポインティングデバイス(旧リブレットのポインティングデバイスのように扱う)。左側に右/左クリックボタンがある。CPUはEden ESP 5000、チップセットはPRO SAVAGE PN133T TATUNG「Tandy830」。Pentium III-M 800MHzとIntel 830MGの組み合わせ。こちらはTATUNGオリジナルの手書き文字認識ソフトが搭載されており、どんなアプリケーションにでも、いきなり文字を書き込んで認識させることができる。 ディスプレイメーカーのViewSonicによるTablet PC「ViewPad 1000」。液晶がSVGAだが、CCDカメラを搭載している

■Mira

 端末にはストレージを持たず、サーバーの環境にリモートアクセスして利用する、いわば“家庭向けシンクライアント”であるMiraは、従来のPCユーザーにはややわかりにくいシステムのようだ。だから、Mira端末の説明を求めると、どのブースでもまず“Miraとはなんぞや”という説明からはじめる。

 すでにWindows CEを搭載したペンPCを特定用途向けにリリースしているベンダーのほとんどは、ペンPCをMira端末に転用する予定だ。外観が同じペンPCとMira端末が同じブースに並んでいるので、これも混乱に拍車をかけている。

 ペンPCとMira端末を並べているブースで「あれ(ペンPC)とこれ(Mira端末)はどう違うのか?」と聞くと、「ハードウェアはまったく一緒。あれはスタンドアロンで動くが、これはサーバーが無ければ動かない」と説明されることが多い。また、Mira端末のことを「ワイヤレスのディスプレイだ」と説明する例もある。

 Mira端末はSVGAのタッチパネル付き8.4~10.4型TFT液晶を搭載し、IEEE 802.11b無線LANアダプタを内蔵するものが多い。

FICのMira端末。CPUにStrongARM系でなく、ナショナルセミコンダクターのSC 3200 266MHzを搭載する。が、XScale搭載モデルも用意するという。内蔵ワイヤレスLANは最高速度22Mbpsを出せるという「IEEE 802.11b+」。同じ筐体にCrusoe 5600を搭載するペンPC「AquaPAD」をMira端末にアレンジしたもの FICブースでコーヒーを傍らに、Mira端末になにやら書き込む女性。左手の携帯電話で話をしながら操作している。来年にはこんな光景が一般的に? TATUNGのMira端末。WEBPADというペンPCを転用。Hall 3にあるTATUNGの展示室では、Miraホストにワイヤレス接続したMira端末を実際に操作できる。ホストもクライアントもまだベータのせいか、操作してから反応が返ってくるまでのタイムラグは、やはりPCのローカルにあるソフトを操作するときよりも大きく感じられる
AboComの「X-Pilot」。やはりペンPCを転用。SVGAの10.4型液晶を搭載する ViewSonicの「airpanel 100」。ペンPCだが、Miraに転用する予定という

□COMPUTEX TAIPEI 2002のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/computex2002/2002default.asp
□COMPUTEX TAIPEI 2002のホームページ(和文、TCA対日輸出促進センター)
http://www.ippc.com.tw/computex2002/2002default.asp

(2002年6月5日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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