富士通、デュアルCPU搭載可能なブレードサーバー
~iDC/xSPにフォーカス

5月28日 発表

連絡先:パーソナルビジネス本部
     PRIMERGY販売促進部
     Tel.03-3216-3386



 富士通株式会社は28日、IA(Intel Architecture)サーバー「PRIMERGYシリーズ」のラインナップに同社初となるブレードサーバーなどを加えることを発表した。

 ブレードサーバーは、データセンターなどの限られたスペースに多数のサーバーを高密度に配置するために考えられた形式で、HDDまで搭載したボード型システム。

 今回発表されたブレードサーバー「PRIMERGY BX300」は、CPUに低電圧モバイルPentium III-M 866MHzを1基(今後の製品でデュアルCPUに対応可能)、メモリはECC対応SDRAM を最大2GB、HDDは2.5インチ40GBを2台(ミラーリング対応)まで搭載可能で、標準で1000Base-T対応Ethernetを2ポート装備する。

ディスプレイやキーボードなども含めラックに収容した構成例

 ビデオチップはATI RAGE XL(4MB)を搭載。OSはWindows 2000 Server/Advanced ServerおよびRed Hat Linux 7.2 Professionalに対応。価格は1ブレード27万円~、マネジメントブレードを含むシャーシは65万円。出荷開始は8月上旬。

 サーバーブレードは専用の3Uのシャーシに20枚まで搭載が可能で、1ラックで最大260ブレード/520CPU/20TB HDDを収納できる(デュアルCPU搭載機の場合)。また、シャーシ内には、内部10ポート/外部3ポートを持つGigabitスイッチブレードを4枚と、サーバー監視のためのマネジメントブレードを2枚収容できる。

 各ブレードから電源ユニット、システムファンに至るまでコンポーネントは全てホットプラグに対応しており、故障の際システム全体を停止することなく取り替えることが可能。また、2スロットあるメモリスロットは片方に障害が発生した場合、もう片方のみで縮退運転が可能になっているなど、システム内部は冗長化されている。

ラック内に収められたサーバーブレード(写真右)と、スイッチブレード、マネジメントブレード(写真左)の様子。サーバーとスイッチはミドルプレーンコネクタ経由で接続され、ケーブルは使用されない ラック背面。実際には電源ユニットは2基搭載される。電源や、スイッチブレード、ファンなどは背面から挿抜可能

 システムの運用に当たっては、「SystemcastWizard Professional V2.2(別売)」により、リモートからのOS/アプリケーション一括インストール、システム監視、障害時のOS復旧/システム再構築が可能となっている。

 発表会では、実際にリモートからシステム内にサーバーブレードを新規導入するデモが実演され、10分足らずでサーバーブレードにOSをインストールし、システム全体の負荷を低減する模様を見せた。

 ブレードサーバーは、その運用性や高密度性、高拡張性から、Webシステムなどのフロントエンドサーバーや、Gridコンピューティング(高度な科学技術計算向け大規模ネットワークシステム)などでの運用が期待されている。海外ではIBM、Dell、Compaq、HP、国内ではNECなどがすでに開発を表明し、取り組みを始めている。

富士通常務取締役 前山 淳次氏

 発表会の質疑応答では、同社の今回の発表のタイミングや販売戦略などについて質問が及んだ。

 常務取締役の前山 淳次氏は「システムの性格上、24時間/365日の運用性を確保するための技術開発に十分な時間を割いてきたため、この時点での発表となったが、他社に後れを取ったことによる障壁はないと考える」と回答。

 また、「PRIMERGY BX300はすでに@niftyのWebサーバーとして試験導入されており、高い評価をもらっている。その点も踏まえ当社では、iDC(インターネットデータセンター)やxSP(サービスプロバイダ)に特にフォーカスした販売戦略をとっていく」との考えを明らかにした。

 販売目標としては、今回同時発表されたXeon MP搭載4Wayサーバーなどを含めたIAサーバー全体で今年度7万5千台(同社前年度比25%増)、ブレードサーバー単体では100システム/1,000ブレードの販売を目指す。

 今後のロードマップとしては、Pentium 4やWindows .NET Serverなどへの対応が予定されている。発表会ではインテル代表取締役社長のジョン・アントン氏やマイクロソフト取締役の鈴木 和典氏が招かれ、同社製品/取り組みへの賛同のスピーチを寄せた。

インテル代表取締役社長 ジョン・アントン氏 マイクロソフト取締役 鈴木 和典氏

リアルタイムで、ブレードサーバーにリモートからOSを新規インストールし、ロードバランスを行うデモ。左の写真の緑色がユーザーの応答待ち状態およびその時間を示しており、右上の赤色がブレード1の負荷を示す。ブレード追加前はブレードの負荷は100%で、ユーザーごとの平均レスポンス時間は18秒だが、ブレード2の追加により(写真右)、負荷はそれぞれのブレードに二分され、レスポンスは1,000倍程度にまで短縮されているのが分かる

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2002/05/28.html
□PRIMERGYのホームページ
http://primeserver.fujitsu.com/primergy/
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(2002年5月28日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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