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iPhoneの容量不足にお悩みのみなさん、その最適解は“貼り付く”コレです!

 いまやスマホはすべての人にとっての必需品。写真・動画撮影から、ゲーム、映像コンテンツの視聴など、さまざまな用途に大活躍だ。しかしこれらの用途にフル活用していると、microSDカードを使えないiPhoneやPixelなどのスマホでは、ストレージ残量がカツカツになりがち。データをクラウドのオンラインストレージに逃がそうとしても、無料プランでは容量が足りないし、そもそも5Gだとしてもアップロードするのに時間がかかる。

 このように慢性的なストレージ不足に悩まされている方にオススメしたいのが「ポータブルSSD」だ。現在は1~4TBの容量が主流で、USB4対応製品であれば、その最大転送速度は40Gbpsと、1世代前のUSB 3.2 Gen 2の4倍も速い。もちろんこれは理論値なので、実際はそれよりも遅くなるが、それでもUSB4対応製品なら十分高速と言える。スマホの内蔵ストレージが手狭になっても、大容量データを移動して、空き容量を確保できるのだ。

 今回は、いままさにスマホの容量不足に悩んでいる方にうってつけなCORSAIRのポータブルSSD「EX400U」を使いながら、そのメリットや使い勝手について解説していこう。

たっぷりサバゲー動画を撮るなら「ポータブルSSD」は必須アイテムだ

 筆者は3年前から、エアソフトガンで撃ち合う「サバイバルゲーム」、いわゆる「サバゲー」に復帰し、どっぷりとハマっている。最近では毎週末には妻や仲間と一緒にフィールドを訪れており、写真や動画撮影も楽しんでいる。メインのスマホはiPhone。フィールドの観戦台から妻や仲間のプレイを撮影して、夜には動画を見ながら晩酌するのが何よりの楽しみだ。

サバゲー動画の撮影にはスマホも欠かせない
観戦台の上から妻や仲間のプレイを撮影。あとでズームすることなどを考慮して、4Kで撮影している
マウンタを使えば、エアソフトガンにスマホを取り付けることも可能。ただし至近距離で画面やカメラにBB弾が当たれば当然割れてしまう。このような撮影は、休憩時間に別途行なっている

 このとき活躍してくれるのが「ポータブルSSD」。筆者は256GBモデルのiPhone 17 Proを使用している。普段は容量不足に困ることもないのだが、多くのアプリをインストールし、フィールドで長時間4K動画を撮影していると、ストレージ残量が心許なくなることがある。

 こんなときでもポータブルSSDがあれば、休憩所である「セーフティーエリア」に戻ったときに、撮影したばかりの大容量データを素早くコピーし、そのファイルをiPhoneから削除。さらなる撮影のためのストレージ容量を確保できるのだ。

薄型・軽量なポータブルSSDはサバゲー撮影にもってこい
フィールド内にポータブルSSDを持ち込むのであれば、薄型・軽量であることに越したことはない
MagSafe対応でiPhoneの背面に貼り付けられるならさらに便利だ

 画質や編集しやすさを重視して「ProRes撮影」すると、情報量が多い一方で圧縮率が低いため、通常撮影よりファイルサイズが大きくなる。さらにiPhoneのストレージを圧迫するわけだ。また、4K/120fpsでProRes撮影するためには外部ストレージが必須。日常的にProRes撮影するなら、高速&大容量のポータブルSSDは必須アイテムなのだ。

 ここでは筆者の趣味について語ったが、子どもの成長やペットとのふれあいなどをなるべく記録に残したいという人は相当多いはずだ。

高速SSDなら短時間でバックアップ可能
撮影したデータは休憩所「セーフティーエリア」でコピー。ゲームの合間の短い休憩時間にバックアップするためには、転送速度も重要な要素だ

外付けなのに数年前のノートPCの内蔵SSDより高速な「EX400U」

 さて、今回試用しているのは、前述の通りCORSAIRのポータブルSSD「EX400U」だ。本製品の特徴の1つはMagSafeに対応していることだ。本体背面にMagSafe互換の磁気リングが内蔵されており、iPhoneや金属面に手軽かつ確実に固定できる。iPhoneでProRes撮影する際にもボディと一体化し、動画撮影時には直接本製品内のSSDに記録できる。

 iPhoneから取り外せば、そのまま編集機材に接続して、すぐに編集作業を始められるのもメリット。コンテンツ制作の効率が飛躍的に向上するわけだ。

 ちなみに本製品の磁気リングは「Pixelsnap」ともサイズが同じ。GoogleのPixelスマートフォンの背面に接続して利用することも可能だ。

CORSAIRのポータブルSSD「EX400U」
約64mm四方でコンパクトな本体。実売価格2万8,000円から
コネクタはUSB Type-Cに対応。接続は最新規格のUSB4だ

 USB4接続に対応し、最大転送速度は40Gbps(理論値)。シーケンシャルリード速度は最大4,000MB/s、シーケンシャルライト速度は3,500MB/sを実現している。これは従来のUSB 3.2 Gen 2接続SSDに比べると、約3倍以上の速度に相当する。数年前のノートPCの内蔵ストレージよりも高速アクセスできるポータブルSSDなのである。

MagSafe対応でスマホの背面に貼り付け可能
背面に磁気リングを備え、MagSafeに対応
iPhoneの背面に取り付け可能
Pixelsnap対応のPixelの背面にも取り付けられる
取り外せばすぐに編集機材と接続できる

 対応機種は、Windows、macOS、iOS、iPadOS、Androidなど。PCだけでなく、スマホやタブレットに接続して、それぞれのビューワから撮影映像をプレビューしたり、映像編集ソフトに読み込んだりできる。どのようなプラットフォームと接続してもシームレスに利用できるのも、本製品の優位点だ。

 ボディのフットプリントは約64mm四方で、厚みは実測12.26mmとコンパクト。重量も実測50gと軽量だ。さらに、耐衝撃、耐振動設計が採用されており、屋外での撮影現場でも安心して利用できる耐久性を備えている。

軽量コンパクトで持ち運びやすい
「EX400U」のサイズは64.3×64×12mm、実測重量は50g

 なお「EX400U」には兄弟モデルとして、USB 3.2 Gen 2対応で同じくType-Cコネクタの「EX300U」、USB4対応で防塵防滴モデルの「EX400U SURVIVOR」もラインナップされている。

 「EX300U」は実売価格が1TBで2万4,000円からと手頃な価格が魅力。一方の「EX400U SURVIVOR」はIP55の保護等級を取得しており、1,500Gの耐衝撃性・耐震性が確保されたタフネスモデルだ。実売価格は2万9,000円から。予算や利用シーンに合わせて、適したモデルを選択しよう。

MagSafe対応モデルは2種類
左はEX400U。右はEX300Uで、実売価格2万4,000円から
タフネスモデルのEX400U SURVIVORも
EX400U SURVIVOR。MagSafeには非対応だが、堅牢性に優れる。実売価格2万9,000円から
【表】SSD 3製品の主な仕様
製品名EX400UEX300UEX400U SURVIVOR
容量1TB、2TB、4TB
接続方式USB4USB 3.2 Gen 2USB4
NAND3D TLC
リード速度4,000MB/s1,100MB/s4,000MB/s
ライト速度3,600MB/s1,100MB/s3,600MB/s
MagSafe×
サイズ64.3×64×12mm約64×64×12mm82.1×40×17.1mm
重量50g(実測)39g(実測)80g
実売価格2万8,000円から2万4,000円から2万9,000円から
保証期間3年3年5年

気になる実際のパフォーマンスは?

 ここからはパフォーマンスを見ていただこう。今回ベンチマークを実施したのは以下の4種類だ。

  • EX400U
  • EX300U
  • M.2 NVMe SSDを内蔵する外付けSSD(USB 3.2 Gen 1)
  • SATA HDDを内蔵する外付けHDD(USB 3.2 Gen 1)

 Windows PCのベンチマークは「Zenbook SORA」(Snapdragon X X1-26-100)、Macのベンチマークは「MacBook Air」(Apple M3)、iPhoneのベンチマークは「iPhone 17 Pro」(A19 Pro)上で実行している。

各ストレージのシステム情報
EX400Uのシステム情報
EX300Uのシステム情報
外付けSSDのシステム情報
外付けHDDのシステム情報

 まず、Windows PCの「CrystalDiskMark」の結果だが、EX400UがEX300Uに対して、1M Q8T1 シーケンシャルリードで441%相当、1M Q8T1 シーケンシャルライトで328%相当、4K Q32T1 ランダムリードで191%相当、4K Q32T1 ランダムライトで162%相当という圧倒的パフォーマンスを発揮している。最大40Gbpsと最大10Gbpsという理論値の差が、ストレートに表われた結果と言えるだろう。

Windows PC「CrystalDiskMark」

 次にMacで「AmorphousDiskMark」と「Blackmagic Disk Speed Test」を実施してみたが、Windows環境と同じようにEX400UはEX300Uに対して、シーケンシャルリードで365%相当、シーケンシャルライトで314%相当のスコアを記録した。計測方法が異なるので「AmorphousDiskMark」と「Blackmagic Disk Speed Test」で違いはあるが、やはりUSB4とUSB 3.2 Gen 2の差は大きい。

 ましてやEX400Uを外付けHDDと比較すると、シーケンシャルリードで約23倍、シーケンシャルライトで約25倍の速度を叩き出している。写真・動画のクオリティ向上につれて、それらのファイルサイズは肥大化している。少なくとも携帯用ストレージにおいて、HDDは基本的に避けるべきだろう。

Mac「AmorphousDiskMark」
Mac「Blackmagic Disk Speed Test」

 一方、実際のアプリケーションでは、ベンチマークほどの差は開かない。これはストレージへのリード/ライトだけでなく、データの処理にかかる時間が多くを占めるためだ。

 しかし昨今の大容量データはファイルサイズが大きいため、ストレージの読み書き速度は体感的な快適さを大きく左右する。特にプロフェッショナルクオリティの写真・動画編集を行なうのであれば、ポータブルSSDはEX400UのようなUSB4対応製品を選ぶべきだ。

Mac「Lightroom Classic」

 iPhone環境においては、まずはストレージベンチマーク「Jazz Disk」を実施し、実作業としてはiPhoneからストレージにファイルをコピーする時間を計測してみた。結果は、EX400UはEX300Uに対してSequential Readで107%相当、Sequential Writeで102%相当のスコアを記録。ファイルコピーでは誤差程度の結果となった。これは「iPhone 17 Pro」の有線インターフェイスが最大10GbpsのUSB 3.2 Gen 2 Type-Cなので、そこがボトルネックとなったわけだ。

 とはいえ、iPhoneからEX400Uへのコピー時間がほかのストレージとほぼ同じでも、EX400UからWindows PCやMacにコピーする際にはUSB4の高速転送の恩恵を受けられる。また今後登場するであろう次世代iPhoneがUSB4に対応すれば、EX400UがiPhoneでも真価を発揮できるはずだ。

iPhone「Jazz Disk」
iPhone「ファイルコピー」

 なお外付けSSD、外付けHDDを接続した状態で4K/120fpsにてProRes撮影してみたところ、撮影終了後に「録画書き込みスピード不足」というメッセージが表示され、記録できなかった。今回のベンチマークではEX300Uと外付けSSDにはライト性能で大きな差があったので、それが影響した可能性が高い。

高速ストレージでないと撮影で直接記録できない場合も
今回試用した外付けSSD、外付けHDDでは、4K/120fpsでProRes撮影はできなかった

スマホに貼るだけで使い勝手が向上できるスグレモノ

 スマホやPCで扱う写真・動画ファイルが大容量化する中、ポータブルSSDは使い勝手を大きく左右する。USB4対応で最高クラスの転送速度とMagSafe対応を実現したEX400Uは、クオリティ重視のProRes撮影や、Windows PC/Macでの動画編集などで「速度と扱いやすさ」を求めるユーザーに最適だ。

 一方、価格と性能のバランスに優れたEX300Uは、日常的なデータバックアップやスマホ利用が中心のユーザーに向いている。また、IP55対応で耐衝撃性を高めた「EX400U SURVIVOR」は、アウトドアでの撮影や過酷な現場で頼れる選択肢である。

 いずれのモデルでも、大容量データを手軽に移動でき、スマホの空き容量確保、編集ワークフローの効率化に役立つ。ポータブルSSDは、スマホの容量不足に悩むすべてのユーザーにとって、「貼るだけで着実に使い勝手が向上」する注目アイテムと言えるだろう。

【撮影協力】サバイバルゲームフィールド『ヒルズ』(店長のX)