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シリーズ最薄設計モバイルノート!見やすい14型がうれしいパナソニック「レッツノートFV5」

~インテルCore Ultraプロセッサー搭載でIntel vProプラットフォームにも準拠

パナソニック「レッツノートFV5 CF-FV5USVCP」

 ビジネスモバイルPCとして国内で確固たる地位を確立しているレッツノートシリーズ。その最新モデルである「レッツノート FV5」は、アスペクト比3:2の14型ディスプレイや着脱式バッテリなどFVシリーズの特徴そのままに、Intel vProプラットフォーム対応のインテルCore Ultraプロセッサーを採用することでAI時代に対応できるビジネスモバイルPCに進化している。

 インテルCore Ultraプロセッサーで、CPUコアとして高性能コアの「P-Core」、高効率コアの「E-Core」に加えて、新たに超省電力コアの「低電力E-Core」を搭載し、作業状態に応じてそれらCPUコアを使い分けることで非常に優れた電力効率を実現する「3Dパフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャー」を採用。これによって非常に優れた省電力性を実現し、ノートPCのバッテリ駆動時間を大きく延ばすことに成功している。

 また、NPUを搭載するのも大きな特徴。NPUは、これまでCPUやGPUが行なっていたAI処理を、より効率よく処理できるプロセッサーだ。つまり、3Dパフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャーと合わせてプロセッサーの電力効率を大きく高め、バッテリ駆動時間を延ばせられる。しかも、多くのAI処理をCPUからオフロードできるため、CPUの処理能力を他の処理に割り振れるようになり、システム全体のレスポンスも高められる。

 たとえばCF-FV5USVCPでは、人物の背後ぼかしや、人の顔を中央にトリミングする自動フレーミング、明るさ補正、常にカメラ目線になるように瞳を調整するアイコンタクトといったAI処理を、NPU対応の「Windows Studio エフェクト」で実現。以前まではCPUで処理を行なっていたカメラ関連のAI処理をNPUが行なうので、ビデオ会議が重くならない。

zoomなどでスタジオエフェクトを利用している場面: 背景ぼかしや自動フレーミングなどカメラ関係のAI処理を、Core Ultraプロセッサー内蔵のNPUで処理することで、システムパフォーマンスや電力効率を高めている※画像はイメージ

 NPUのメリットはもちろんこれだけではない。AI処理の多くは現時点でクラウド処理が必要となるものが多く、情報漏洩などの懸念からビジネスシーンではAI処理をなかなか活用できないという声も少なからず存在している。しかしPC側にNPUがあれば、PC内だけで処理可能となり、ビジネスシーンでも安心して活用できるようになる。

 今後NPUを活用するビジネスアプリも続々登場予定で、その点でもNPU内蔵のインテルCore Ultraプロセッサー搭載PCはこれからのビジネスシーンに柔軟に対応できるだろう。

 加えて、レッツノート FV5は、インテルvProプラットフォームに準拠。BIOSレベルでのマルウェア感染リスクの低減や復旧といったセキュリティ機能の用意だけでなく、遠隔地からのPCの電源投入やBIOS設定の変更、セキュリティソフトウェアやOSのアップデートを行なうといった遠隔管理も容易に行なえる。

 中でも特に注目したいのはインテルTDTの機能拡張だ。インテルCore Ultraプロセッサーに内蔵されるNPUは生成AIでも活躍するが、インテルTDTと組み合わせることで、マルウェアの検出をNPUで実行できるようになった。

 従来のインテルTDTでも、CPUに代わってGPUでマルウェア検出することで、CPU負荷を軽減できたが、NPUはGPUより消費電力が低い。マルウェア検出のようにバックグラウンドで常時動作する機能については、NPUに処理させた方がノートPCのバッテリ駆動時間が延びるのだ。CPU負荷も軽減されるので、PCの動作が重くなることも防げる。

 企業へのサイバー攻撃が日常化している現在、企業にとってPCの安全性は最優先事項であり、その点でもIntel vProプラットフォーム対応のCF-FV5USVCPは安心だ。

ひと目でレッツノートと分かる、おなじみのデザイン

 レッツノートシリーズは、シルバーカラーのボディに凹凸のあるボンネット構造の天板、円形タッチパッドなど、ひと目でレッツノートと分かるデザインを長年採用し続けている。これは、軽さと優れた堅牢性、利便性のバランスを長年追求し、進化させるという一貫した思想の結果であり、だからこそ長年ビジネスシーンで根強い支持を集めている理由となっている。

 レッツノートFV5のプレミアムモデルとなる「CF-FV5USVCP」も、この伝統的デザインを踏襲。CF-FV5USVCPでは、76cmの高さからの落下試験や100kgf加圧振動試験をはじめとした多くの堅牢性試験をクリアしており、安心して持ち運べる。

 本体サイズは、約308.6×235.3×18.2mmとシリーズ最薄ボディを実現。この薄さはFVシリーズの最大の魅力で、デザイン的にもスタイリッシュな印象を高めてくれていると感じる。同時に、フットプリントも14型ディスプレイ搭載のノートPCとしては十分にコンパクトで、カバンへの収納性も優れている。今回の試用機のカラーは、高性能モデルでのみ採用しているジェットブラックで、重厚で強いイメージが伝わってくる。

 重量は、付属の「バッテリパック(L)」装着時で約1.134kg。これでもモバイルノートPCとしては申し分ない軽さだが、別売の「バッテリパック(S)」装着時には約1.034kgと100g軽くなる。より軽快に持ち歩きたいなら、そちらがお勧めだ。

ボンネット構造の天板やシルエットなど、ひと目でレッツノートと分かるおなじみのデザインを採用
ディスプレイは狭額ベゼル仕様でフットプリントを小型化。試用機はカラーがジェットブラックのため、重厚でスタイリッシュな印象だ
凹凸のあるボンネット構造の天板などの独自仕様により、76cmの高さからの落下試験や100kgf加圧振動試験などをクリアする優れた堅牢性を実現

交換式バッテリを採用

 FVシリーズでは、本体内蔵バッテリではなく着脱式バッテリを採用している点も大きな特徴だ。ビジネスPCは利用期間が比較的長いため、ノートPCでは徐々にバッテリがへたって駆動時間が短くなる場合が多い。通常、内蔵バッテリの交換は本体をサポートに送って行なう必要があるが、業務を中断させて対応することは難しく、そのまま我慢して使い続ける場合も少なくないだろう。

 しかしCF-FV5USVCPでは、ユーザーが簡単に交換できる着脱式のバッテリを採用している。一般的に、着脱式バッテリを採用することは、PCの耐久性や堅牢性、コストなどの面で不利になるため、多くのPCでは内蔵バッテリを採用している。そういった中CF-FV5USVCPでは、ビジネスシーンでの利便性を最優先に、耐久性や堅牢性を損なうことなく着脱式バッテリの採用を実現している。

 もし長期間の利用でバッテリがへたっても、バッテリパックを交換するだけでいい。ビジネスを止めることなく容易にメンテナンスが行なえるため、企業のPC管理者にとってもありがたい仕様と言える。

 また、電源を取れない場所で長時間利用したい場合でも、バッテリパックを複数用意することで問題なく対応できる。これも、着脱式バッテリを採用しているからこその魅力だ。

CF-FV5USVCPでは着脱式のバッテリを採用。ユーザーが簡単に交換できるため、業務を止めることなくメンテナンスが可能だ

アスペクト比3:2の14型ディスプレイ

 ディスプレイは、2,160×1,440ドット表示対応の14型液晶を搭載している。視野角は申し分のない広さで、視点を大きく移動させても明るさや色合いの変化はほとんど感じられない。

 パネル表面は非光沢処理で、外光の映り込みが気になることはない。光沢パネルでは天井の照明が写り込むなどして目障りなこともあるが、CF-FV5USVCPではそういったことはなく、文字入力作業も快適だ。

 アスペクト比は3:2と、一般的なワイド液晶よりも縦長だ。そのため、ExcelやWordなどを利用する場合でも、縦により多くの情報を表示でき、作業効率を高められる。また、表示解像度もフルHDを大きく凌駕しており、複数のアプリを同時に利用する場合でも双方に十分な領域を確保でき、利便性が高まる。

 ディスプレイサイズが14型と大きいことで、高解像度ながら文字の視認性も良好だ。もちろん、ビジネスシーンで必要となる発色性能もしっかり備えており、写真を使った資料作成や簡単な動画編集なども問題なく行なえるはずだ。

2,160×1,440ドット表示対応、アスペクト比3:2の14型液晶を搭載
視野角はかなり広い
ディスプレイはほぼ180度開く

扱いやすいキーボードとホイールパッド

 キーボードもシリーズ伝統のものを搭載している。キートップ周囲を木の葉状にくり抜いた、独特のリーフトップ形状を採用するキーは、タイピング時に滑らすように指を移動させてもキーに引っかかりづらく、なめらかで心地よくタイピングできる印象。また、主要キーは縦横とも19mmフルピッチで、ストロークも2mmと深い。比較的柔らかめの打鍵感もシリーズ同等で、軽快なタイピングが可能だ。

 個人的に気に入っているのがキー配列で、カーソルキーが1段下がった位置に配置している点と合わせて、タッチタイプも軽快だ。近年はデザイン性重視のキーボードも増えているが、キーボードはPC自体の使い勝手を大きく左右するデバイスであり、その点でもCF-FV5USVCPのキーボードは大きな魅力と感じる。

 打鍵音の静かさも特徴で、よほど強くタイピングしない限り、打鍵音が気になることはないだろう。静かな場所での利用も安心だ。

キーボード
シリーズおなじみのリーフトップ形状のキーボードは縦横フルピッチでタッチタイプも余裕

 これもレッツノートシリーズの特徴でもある、円形タッチパッドのホイールパッドは、FVシリーズでは他のシリーズに比べて大型となっていることもあって、利便性は良好だ。物理クリックボタンの搭載や、円形パッドの周囲を指でなぞることでスクロール操作できる点など、利便性を高める特徴もあり、見た目以上に使いやすいと考えていい。

独特の形状をしたホイールパッドは、見た目以上に扱いやすく、一般的なタッチパッドと変わらず軽快に利用できる

64GBのメモリ搭載など贅沢なスペックを凝縮

 今回試用したCF-FV5USVCPは、プレミアムエディションの最上位モデルということもあって、非常にぜいたくな仕様となっている。CPUは先にも紹介したようにインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーを採用。メモリは標準でLPDDR5Xを64GBと最大容量搭載。内蔵ストレージは、試用機では512GBのPCIe 4.0準拠SSDを搭載していたが、最大で2TBのSSDまで搭載可能。さらにセカンドSSDとして最大2TBのPCIe 3.0 SSDも追加で搭載できる。

 無線機能は6GHz帯対応のWi-Fi 6E準拠無線LANとBluetooth 5.3を搭載。また4G LTE対応のワイヤレスWANも標準で搭載しており、SIMを挿せば外出時も常にネットワークに接続した状態で利用可能だ。

4G LTE対応ワイヤレスWANを搭載しており、外出時にもネットワーク接続を維持できる

 生体認証機能は、Windows Hello対応の顔認証カメラと、左パームレストに指紋センサーを同時搭載。通常は顔認証、マスク装着時には指紋認証と使い分けられるため、セキュリティ性と利便性を高いレベルで両立できる。生体認証機能は、企業が求める高いセキュリティ性を実現するためにも不可欠で、その点でも安心できる。

ディスプレイ上部にはWindows Hello対応の顔認証カメラを搭載。約207万画素Webカメラとしても利用可能だ
パームレスト左には指紋認証センサーも搭載。顔認証と使い分けることで、高いセキュリティ性と利便性を両立できる

 外部ポートは、左側面に電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt 4×2、オーディオジャック、USB 3.2 Gen1×1を、右側面にGigabit Ethernet、USB 3.2 Gen1×2、SDメモリーカードスロット、ミニD-Sub15ピンの各ポートをそれぞれ用意。

 Thunderbolt 4はUSB PD対応で、USB PD準拠のACアダプタを利用した給電が可能。ミニD-Sub15ピンも含め、豊富なポート類を搭載している点も、多くの法人ユーザーがレッツノートシリーズを支持する理由の1つで、この点もCF-FV5USVCPにしっかり受け継がれている。

左側面に電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt 4×2、オーディオジャック、USB 3.2 Gen1を装備
右側面にGigabit Ethernet、USB 3.2 Gen1×2、SDメモリーカードスロット、ミニD-Sub15ピンを装備
【表】レッツノートFV5 CF-FV5USVCP(試用機)の主な仕様
CPUインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサー。Pコア: 6コア・12スレッド/ブースト時最大5.00GHz、Eコア: 8コア/ブースト時最大3.80GHz、低消費電力Eコア: 2コア/ブースト時最大2.5GHz
メモリLPDDR5X 64GB
内蔵ストレージ512GB PCIe4.0 SSD
ディスプレイ14型液晶、2,160×1,440ドット、非光沢
無線LANWi-Fi 6E
BluetoothBluetooth 5.3
キーボード日本語、キーピッチ約19mm、キーストローク約2mm、キーボードバックライト
カメラ約207万画素 Webカメラ
生体認証顔認証IRカメラ、指紋認証センサー
インターフェイスThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、HDMI、ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、SDメモリーカードスロット、3.5mmオーディオジャック、電源コネクタ
OSWindows 11 Pro
サイズ/重量約308.6×235.3×18.2mm/約1,134g

パフォーマンスは良好で、高負荷作業も快適

 では、簡単にベンチマークテストの結果を紹介する。利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.2.2701」、「3DMark Professional Edition v2.29.8282」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。

PCMark 10の結果
3DMarkの結果
CINEBENCHの結果

 結果を見ると、いずれのテストでも良好なスコアが得られている。

 CF-FV5USVCPでは、デュアルファン仕様のCPUクーラーと、インテル製CPUの電力制御技術「インテル ダイナミック・チューニング・テクノロジー」を活用し、レッツノートの放熱・省電力設計に合わせてパナソニックが独自にチューニングを行なうことでCPUの性能を最大限に引き出す独自技術「Maxperformer」を搭載しており、そちらが有効に働いているためと考えられる。

 そちらも含め、各ベンチマークテストでこれだけのスコアが得られていれば、ビジネスシーンで利用するアプリはどれも快適に利用できるのはもちろん、少々重めの作業も難なくこなせるはずだ。

 続いてバッテリ駆動時間だ。CF-FV5USVCPの公称のバッテリ駆動時間は、動画再生時で約9時間、アイドル時で約18.1時間(いずれもJEITAバッテリ動作時間測定法 Ver3.0での数字)となっている。

 それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%、キーボードバックライトをオフに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、12時間13分を記録した。

PCMark 10のBatteryテストの結果

 JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver3.0よりPCMark10の方が負荷が高いことを考えると、納得できる駆動時間と言える。そして、先にも紹介しているように、CF-FV5USVCPでは着脱式のバッテリパックを採用しているため、バッテリを交換することでより長時間の駆動も簡単に実現できる。そのため、駆動時間に関しては非常に心強いと言っていいだろう。

AI処理にも対応できる、ビジネスモバイルPCの決定版

 ここまで見てきたようにCF-FV5USVCPは、レッツノート FV5シリーズの最上位モデルということもあり、非常に贅沢な仕様と優れたパフォーマンスが確認できた。

 もちろん、こういったハイエンドモデルも魅力的だが、法人ユーザーが求める仕様は多岐に渡るのが通常。そしてレッツノートシリーズは、そういったユーザーが求める仕様に柔軟に対応できるという点を忘れることはできない。法人ユーザーから根強い支持を集めるのは、なにもスペック面だけではなく、こういった柔軟性もあるからこそだ。

 そしてCF-FV5USVCPでは、プロセッサーにIntel vProプラットフォーム対応のインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーを搭載しているため、法人が求める高度なセキュリティ性や管理機能も用意される。つまりCF-FV5USVCPは、企業の管理者から実際に利用するユーザーまで、全方位が満足できるビジネスモバイルPCと言っていいだろう。業務で利用する、安全で快適なモバイルPCとして、広くお勧めしたい。