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ビジネスパーソンに人気のモバイルノート、レノボ「ThinkPad X1 Nano」が第3世代でさらに進化!

~ビジネスノートの選択に迷っている人への2023年おすすめモバイルノート集 その2

レノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Nano Gen 3」

 レノボ・ジャパン(以下、レノボ)の「ThinkPad」シリーズの中で、ブランド史上最軽量を実現していることで人気のビジネスモバイルノートPC「ThinkPad X1 Nano」シリーズ。その第3世代モデルとなるのが、今回紹介する「ThinkPad X1 Nano Gen 3」だ。

 ThinkPadシリーズで定評のある優れた堅牢性や、スティック型ポインティングデバイスと扱いやすいキーボードによる優れた操作性そのままに、1kgを下回る軽さを実現。その上で第13世代インテルCoreプロセッサーを採用し、性能面も強化している。

 もちろん、従来同様に、ビジネス用途で求められる優れた管理性とセキュリティと卓越した性能と応答性を実現する「インテルvProプラットフォーム(インテルEvoデザイン)」に準拠と、全方位で隙のないビジネスモバイルノートPCに仕上がっている。

圧倒的な堅牢性と1kg切りの軽さを両立

 ThinkPad X1 Nano Gen 3の最大の特徴は、堅牢性と軽さを高いレベルで両立している点だ。ThinkPadシリーズのファンであれば、開発時に行なわれる堅牢性テストについて1度は耳にしたことがあるだろう。これは、レノボがThinkPadシリーズに課している品質試験だ。

 その試験内容は、落下、静電気、電波による誤動作、ヒンジ開閉、振動、加圧、騒音、電磁波、温度、ホコリなど、200種類以上にも及ぶ。その堅牢性テストをクリアしない限りThinkPadというブランドは名乗れない。つまりThinkPadシリーズは、その名が付いているだけで、圧倒的な堅牢性や品質を備えていると言えるのだ。

 ただ、堅牢性や品質を確保するために、ThinkPadシリーズではどうしても重量が増えてしまうという問題があった。そういった中ThinkPad X1 Nanoシリーズでは、天板にドーム状に成形したカーボンファイバー、側面との接合部にガラス繊維を採用したほか、筐体サイズや内部基板の小型化、キーボードの軽量化といった細部の軽量化を積み上げることなどで、軽さを追求しつつ、拷問テストをクリアする強度の確保に成功している。

本体正面。ディスプレイは4辺狭額ベゼル仕様で、これによりフットプリントのコンパクトさを実現
高さは約14.4mm~と、薄さも極められている
左側面
右側面
背面
天板にはドーム状に成形したカーボンファイバーを採用し、優れた堅牢性を確保しつつ軽さを追求。デザインもThinkPadシリーズおなじみのもので、その点でも安心感がある

 ThinkPad X1 Nano Gen 3では、タッチ非対応ディスプレイ搭載モデルで約966.5gから、タッチ対応ディスプレイ搭載モデルでも約991.5gからと、1kgを切る軽さを実現している。実際にThinkPad X1 Nano Gen 3を手に持つと、その軽さを強く実感できる。ボディカラーが重厚なマットブラックということで、手にした時に見た目以上に軽く感じる部分もあるが、やはり1kg切りという軽さで軽快に持ち歩けるという印象を強く受ける。

 また、強い力で本体をひねってみたり、天板を押してみても、強度が優れていることがしっかりと手に伝わってくる。この軽さと優れた強度は、毎日PCを持ち歩く必要のあるビジネスマンにとって、軽快に持ち歩けるのはもちろん、落下といった不意のトラブルでもビジネスを止めず作業が続けられるという点で心強い部分だ。

 本体サイズは、約293.2×208×14.4mm(ノンタッチモデル)。フットプリントは13型モバイルノートPCとしてトップクラスのコンパクトさであり、薄さも極められているため、ビジネスバッグなどへの収納性も申し分ない。

 本体デザインは、一目でThinkPadと分かるおなじみのものとなっている。唯一、天板のThinkPad X1ロゴがやや目立つ部分だが、それも自己主張しつつ控えめで、雰囲気を壊すこともない。

フットプリントは約293.2×208mmと、13型ディスプレイ搭載のモバイルノートPCとしてトップクラスのコンパクトさとなっている
重量は約966.5gからと1kgを大きく下回る軽さを実現。片手で軽々持て、軽快に持ち歩ける

第13世代インテルCoreプロセッサー採用をはじめ基本性能も充実

 小型かつ薄型ボディということで気になるのが性能面だが、ThinkPad X1 Nano Gen 3はその点も全く心配がない。CPUとしては、第13世代インテルCoreプロセッサーを採用。それも、コンパクトで薄型のモバイルノートPCで採用されることの多い、消費電力を抑えた「U」プロセッサーではなく、上位の「P」プロセッサーを採用。Core i5-1340P/1350P、そしてCore i7-1360P/1370Pから選択できる。

一部モデルに貼られるインテルvProプラットフォームステッカー

 インテルvProプラットフォームは、ハードウェアレベルでマルウェア感染リスクを低減する機能群「ハードウェアシールド」を搭載。近年非常に脅威となっているマルウェアの攻撃からPCを守れることで、PC自体を使えなくなることによる損失はもちろん、マルウェア感染による金銭的な損失や企業の信頼を損なうといったリスクを低減できる。

 ハードウェアシールドの特筆すべきは、インテル ブート・ガード機能により、BIOSの改ざんまでも防げる点だ。インテルvProプラットフォーム対応機なら、CPU起動前にBIOS内容が検証され、確実な安全性が確保される。これにより、たとえばマルウェアが仕込まれたBIOSファームウェアでOSの起動プロセスが進んでしまう、といったことを避けられる。

 「起動を保護する」という点では、Windowsのセキュアブートと似ているが、Windowsのセキュアブートは、OSの起動プロセスを保護するものだ。役割分担としては、インテル ブート・ガードが確保した安全な起動環境を、Windowsのセキュアブートが引き継ぎ、安全な環境でOSを起動する、ということになる。

 また、インテル ランタイムBIOSレジリエンスにより、万が一マルウェアが実行されてしまった際も、CPUのシステム管理モード(SMM=システム全体を管理するための動作モードでBIOSなどで使われる)に侵入されるリスクを低減できる。

 これは、SMMページテーブルについて、セキュリティ・プロパティーを設定した後、そのページテーブルを変更できなくするという機構。万一マルウェアが実行されてしまっても、SMMページテーブルを後から変更できないため、不正なメモリ割り当てを行なったり、OSの動きを見てOSにマルウェアを注入する危険性が減少する。

 比較的大規模な企業が導入するのであれば、全機能が搭載されるインテルvPro Enterpriseまで対応のCore i5-1350PまたはCore i7-1370Pがオススメだが、今回の試用機に搭載されているCore i5-1340P、そしてCore i7-1360Pも必要機能を抑えたインテルvPro Essentialsに対応している。

 このほかの仕様もビジネスモバイルノートPCとして申し分ないものだ。メモリは標準で16GBと余裕があり、ビジネスアプリやWeb会議アプリなどを同時利用する場合でも快適に動作する。ストレージは容量256GB、512GB、1TBのSSDを選択できる。通常のビジネスシーンでは容量256GBのSSDで必要十分だが、大容量データを扱う場合でも柔軟に対応できる。

第13世代インテルCoreプロセッサーや、余裕の16GBメモリを搭載しており、Web会議を行ないつつ、他のアプリを同時利用する場合でも快適だ

2K表示対応の13型液晶を搭載

 ディスプレイには、2,160×1,350ドット表示対応の13型液晶を採用。このディスプレイは、表示解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)を凌駕しているのはもちろん、アスペクト比が16:10と縦長となっている点が大きな特徴だ。Webブラウザ利用時や、ExcelやWordなどを利用する場合でも、縦の情報量が増えるので、作業効率を高められる。

 パネルの種類はIPS。視野角は申し分ない広さがあり、視点を大きく移動させても明るさや色合いの変化はほとんど感じられない。表面は非光沢処理となっているため、外光の映り込みはほとんど気にならない。オフィスの天井照明が写り込んで文字が見づらくなることもなく、快適な作業が行なえる。

 発色性能もビジネスモバイルノートPCとして申し分ない。プレゼン資料作成時に写真や動画を扱う場合でも、本来の色味をしっかり確認できるため、この点もありがたい。

 このほか他、ディスプレイは180度開閉し、水平まで開いて利用できる。対面プレゼン時などに活用できる。

2,160×1,350ドット表示、アスペクト比16:10の13型IPS液晶を採用。フルHD超かつ縦長ディスプレイで、1度により多くの情報を表示でき作業効率を高められる。
IPSパネルなので、発色性能も申し分なく、写真や動画も鮮やかに表示可能。画面を傾けても色の変化がほとんどない
ディスプレイは180度開閉し、水平に開いて利用できるため、対面プレゼン時などに便利だ

扱いやすさトップクラスのキーボード

 快適にPCを利用する上で欠かせない要素として、性能やディスプレイと同じぐらい重要となるのが、キーボードとポインティングデバイスだ。PCの操作を行なうキーボードとポインティングデバイスが扱いづらいと、いくらPCの性能が優れていても快適な利用はできない。

 その点、ThinkPad X1 Nano Gen 3は全く不安がない。ThinkPadシリーズのキーボードとポインティングデバイスは以前から扱いやすいと定評があり、ビジネスマンなどから根強い人気を集める根拠となっている。

 まずキーボードは、配列が標準的なのはもちろんのこと、カーソルキーが1段下がって配置されるなど、扱いやすさを最大限重視した設計となっている。ThinkPad X1 Nano Gen 3では、本体の横幅が極限まで狭められている関係で、Enterキー付近の一部キーでピッチが狭められている部分もあるが、主要キーは18.5mmピッチを確保。キートップをわずかに凹ませることでキーの指馴染みが良く、適度な硬さとクリック感で打鍵感も非常に優れている。実際に長時間キー入力を行なっても、疲れを感じづらく、快適なタイピングが可能だ。

 打鍵音も比較的静かだ。よほど強くキーを叩かなければ、静かな場所でも打鍵音が気になることはない。キーボードバックライトを標準で搭載することと合わせ、場所を問わず快適に作業できるのも見逃せないポイントだ。

ThinkPadシリーズおなじみの、非常に扱いやすいキーボードを搭載。主要キーは18.5mmピッチを確保し、余裕でタッチタイプが可能。打鍵感も良好で、長時間の操作でも疲れにくく、快適に作業をこなせる
バックライトも搭載し、暗い場所でもタイピングしやすい

 そして、ThinkPadシリーズのポインティングデバイスで好評なのが、スティック型ポインティングデバイスのトラックポイントだ。G、H、Bキーの中心にスティックを配置することで、ホームポジションから手を離さずカーソル操作が行なえるため、これも大きく作業効率を高めてくれる。

 また、3つの物理クリックボタンにより、確実なクリック操作が行なえる。さらにクリックボタン一体型タッチパッドも搭載。作業内容によってはタッチパッドの方が操作性に優れる場合もあり、そういった場合でもタッチパッドで軽快操作が行なえるのも大きな魅力だ。

スティック型ポインティングデバイスのトラックポイントとクリックボタン一体型タッチパッドを同時搭載。トラックポイントではホームポジションから手を動かさずにカーソル操作が可能。物理クリックボタンの存在も操作性を大きく高めている

カメラを利用した覗き見検知などのセキュリティ機能、ウェルネス機能を搭載

 ThinkPad X1 Nano Gen 3には、ディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証カメラを標準搭載。指紋認証センサーも搭載しており、顔認証と指紋認証による優れたセキュリティ性と利便性を備えている。そして、カメラを利用したさまざまな機能を搭載している点も大きな特徴となっている。

ディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証カメラを標準搭載。カメラを利用したセキュリティ機能も用意している

 たとえば、PC利用時に他人が背後から画面をのぞき込もうとした場合、第三者の存在をカメラで検出し、画面に警告を出したり、画面を瞬時にぼやけさせて表示内容を見えなくするといった機能を用意。これは、外出時にカフェなど公共のスペースで作業を行なう場合にありがたい機能だ。

 ThinkPad X1 Nano Gen 3では、カメラを利用した利用者の健康を保つ機能も提供。利用者の姿勢をカメラでチェックし、姿勢が悪いと警告を表示したり、長時間画面を見つめて作業をしている場合に目を休めるよう案内を表示できる。ビジネスマンは長時間PCを利用する機会が多く、それだけ身体への負荷も高まる。このような身体への負荷を気遣う機能によって、利用者が多少なりとも健康に注意するようになれば、従業員の健康管理という部分で企業にとってもメリットになるだろう。

 WebカメラはフルHD撮影に対応。また、カメラのレンズを物理的に覆って撮影を抑制するプライバシーシャッターも標準搭載しているので、プライバシーを守るのはもちろん、不要な情報が映って情報が漏洩する危険性も低減できる。

 そして、Web会議に役立つ機能として、カメラで捉えた映像の高画質化機能や、マイクで拾った音声のAIノイズキャンセリング機能なども搭載。これらはテレワークを快適にこなす上で大いに活躍する機能と言える。

プライバシー・アラート機能を有効にすれば、背後から他人が画面をのぞき込む様子をカメラで検出し、アラートを表示する
プライバシー・ガードを有効にしておけば、背後に他人の顔を検出すると画面をぼかして内容を見えなくする
姿勢警告では、利用者の姿勢を検出し、良くない姿勢を知らせてくれる
アイ・ウェルネス機能では、20分間画面を見続けると、20フィート先のものを20秒見て目を休めるようにアドバイスを表示する
Webカメラにはレンズを物理的に覆うプライバシーシャッターを備え、撮影を抑制できる
「ビデオ・エンハンサー」機能により、カメラで捉えた映像の明るさや色合いを調整し、より見やすい映像に最適化
マイクで人の声だけ絞り込んで取り込んだり、バックグラウンドノイズを除去するAIノイズキャンセリング機能によって、より聞きやすい音声を相手に届けられる

 インターフェイスは、左側面にオーディオジャックとThunderbolt 4×2を用意。これはシリーズ一貫した仕様だ。Thunderbolt 4端子はUSB PDにも対応。付属ACアダプタもUSB Type-C接続の仕様で、電力供給やバッテリの充電もThunderbolt 4経由で行なう。

 これだけだと一見拡張性が低いように見えるが、Thunderbolt 4であれば、対応のポートリプリケータなどを利用することで、USB Type-Cケーブル1本で外部ディスプレイや有線LAN、キーボードやマウスなどを接続して利用できるのはもちろん、同時に電力も供給できる。外出時などUSBケーブルを外すだけで本体を持ち出せる。

指紋認証センサー装備。マスクをしていて顔認証が利用できない場面でも指紋認証でログオン可能
インターフェイスは、左側面にThunderbolt 4×2とオーディオジャックのみを用意。ポートは少ないがThunderbolt 4なので拡張性は問題ない
付属ACアダプタはUSB PD準拠。本体のThunderbolt 4に接続して利用する

第13世代インテルCoreプロセッサーの優れた性能を確認

 簡単にベンチマークテストの結果を紹介する。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.1.2636」、「3DMark Professional Edition v2.27.8160」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。

PCMark 10 v2.1.2636のスコア
3DMark Professional Edition v2.27.8160のスコア
CINEBENCH R23.200のスコア

 いずれの結果も、搭載CPUが高性能なPプロセッサーだけあって、なかなかの好スコアとなっている。Core i5-1350Pでは、高性能コアのP-coresが4コア/8スレッド、省電力コアのE-coresが8コア/8スレッドで、計16スレッド処理が可能となっていることもあり、特にマルチスレッド処理に余裕がある。そのため、テレワークなどでWeb会議を行ないながら他のアプリを同時に利用する場面でも、性能を落とすことなく快適に作業が進められる。これは、現代のビジネスマンにとって大きな魅力となるはずだ。

 そして、性能が高いにもかかわらず、空冷ファンの動作音が比較的静かな点もうれしい。通常利用時にはほぼ無音で、高負荷時でもそれほど大きくない風切り音が耳に届く程度。静かな場所でも周囲を気にせず利用できるはずだ。

 バッテリ駆動時間も検証してみた。ThinkPad X1 Nano Gen 3では、公称の駆動時間が最大約19.7時間(JEITA測定法2.0)となっている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、ディスプレイのバックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効、キーボードバックライトをオフにした状態で、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測したところ、10時間39分を記録した。

 これなら、比較的高負荷な使い方をしても8時間程度は余裕で利用できると考えていい。ACアダプタを同時に携帯しなくとも、1日外出して問題なく作業を行なえるはずだ。バッテリ残量を気にせず外出先で作業をこなせるだけでなく、携帯する荷物を軽くできるという意味でもうれしい特徴だ。

携帯性、堅牢性、性能、どれにも妥協しないビジネスモバイルノートPC

 このようにThinkPad X1 Nano Gen 3は、最新の第13世代インテルCoreプロセッサー採用による性能の高さに加え、シリーズ一貫した優れた堅牢性を備えつつ、1kg未満の軽さを実現した高い携帯性、長時間のバッテリ駆動、扱いやすく快適に作業をこなせるキーボードやポインティングデバイス、ビジネスシーンで活躍する豊富なセキュリティ機能など、どこを取っても欠点が見あたらないほどに完成度が高い。

 そして、こういった特徴によって、利用者は作業効率を高められ、企業はインテルvProプラットフォームの高度なセキュリティ機能や管理機能により、管理者の負担を減らしつつ安全性も高められる。外出時にPCを常に持ち歩く従業員用のモバイルノートPCとして圧倒的な魅力を備えていると言っていいだろう。