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いまゲーミングモニターを買うなら240Hzは当たり前!渋谷ハルも推奨する理由とは?

 “ゲーミングモニター”がゲーマーの必須アイテムと言われるようになって久しい。ゲームプレイをより快適にするデバイスはマウスやキーボード、ヘッドセットなど、多種多様に存在するもの。その中でも、より滑らかな描画を実現するゲーミングモニターは、その効果が多くの人に分かりやすい。特にFPSやTPSなど敵や状況などの素早い把握が重要なゲームほど、効果は高まると言ってよい。

 そのため、これから導入を考えている、すでに使っているがより高性能な製品に乗り換えを検討中という人もいるだろう。 一昔前は“リフレッシュレート144Hz”が主流だったが、最近では“240Hz”という高リフレッシュレート製品の価格が落ち着いてきている。

 そこで、ここでは“リフレッシュレート240Hz”のゲーミングモニターから高速応答を追求、湾曲の没頭感、高音質でエンタメも快適と、プラスアルファの要素を備えた注目の3製品を紹介していく。

 真っ先に製品紹介を見たいという方は以下の目次から直接飛んでいただきたいが、高リフレッシュレートを備えたゲーミングモニターの特徴について、きちんと知りたいという方はこのまま読み進めてもらいたい。

 また、今回はApex Legendsの実況配信などで人気のVTuber「渋谷ハル」氏について、高リフレッシュレートモニターを利用することのメリットについて語っていただいた。FPSタイトルで活躍する同氏だけに、その見解は必読だ。

高リフレッシュレートのモニターとは?

 ゲーミングモニター最大の特徴として「高リフレッシュレート」がある。一般的なモニターのリフレッシュレートは60Hz。1秒間に60回画面が描き換えが可能ということだ。1秒間に60コマの描画ができると考えれば分かりやすい。

  ゲーミングモニターには、リフレッシュレートが144Hzや240Hzと高いものがあり、1秒間に描画できるコマ数が大幅に多くなる。それだけ滑らかな描画が可能になるというわけだ。

リフレッシュレートとは画面の描き換え回数
リフレッシュレートが高くなれば、より滑らかな描画が可能になる

 この対になる存在と言えるのが、ゲームのフレームレート。「fps」と表記されることも多いが、これは1秒間に何枚の映像(フレーム)を描画できるかを示すもの。このフレームレートの上限はゲームによって異なり、60fpsが上限のゲームならば、いくらモニターが高リフレッシュレートでも1秒間に描画できるのは60枚までだ。

 一番ゲーミングモニターが生きるのは、VALORANTやApex Legends、フォートナイト、オーバーウォッチ 2などに代表されるFPS(ファースト・パーソン・シューティング)やTPS(サード・パーソン・シューティング)のゲームだ。 FPS/TPSのゲームはフレームレートの上限が高い、または無制限になっているものが多く、“240Hz”といった高リフレッシュレートの性能をフルに発揮できる。

 また、 格闘ゲーム は基本的にいずれも60fps固定だが、 144Hzや240Hzのモニターを利用すると、1コマ辺りの描画時間が短くなるほか、それに伴いコントローラの入力遅延も低減される場合があり、技が当たったのを見てから次の技を出す際に有利に働くといったことが確認されている

ゲームによってフレームレートの上限は異なるが、FPS/TPSでは無制限も珍しくない

  高リフレッシュレート&高フレームレートは、“状況把握がしやすくなる”のが最大の強みだろう。1秒間に描画できるコマ数が増えれば、遠くにいる敵のわずかな動きや小さなスキマから見える敵の動きも認識しやすくなり、視点を大きく動かすような場合でも描画が滑らかなので周りで何が起きているか圧倒的に見やすくなる。

 どんなゲームでも滑らかな描画は気持ちがよいものだが、特にFPSやTPSはゲーミングモニターとの相性がよいゲームジャンルだ。実際に60Hzと240Hzでどこまで滑らかさが異なるのか実際に見てみよう。

 次の動画は480fpsのスーパースローモーションを使い、リフレッシュレート60Hzと240Hzそれぞれの設定でApex Legendsのトレーニングモードをカメラで撮影したものだ。

 240Hzならば1秒間に描画可能な枚数は60Hzの4倍だ。圧倒的にスムーズな描画になっているのが分かると思う。これが状況把握のしやすさにつながるわけだ。

PC側の性能も重要だがFPS/TPSは比較的描画負荷が軽い

 今回紹介するリフレッシュレート240Hzのゲーミングモニターをフルに生かそうとした場合、基本的にゲームのフレームレートが240fps以上を維持できる必要がある。つまり、ゲームで240fps以上出せる性能がPC側に求められるということだ。

 サイバーパンク2077などレイトレーシングを使った描画負荷の高い重量級ゲームでは、ハイエンドクラスのビデオカードを使っても高fpsを出すのは難しいが、実際のところ多くのFPS/TPSはそこまで描画負荷は高くない。

  解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)であれば、VALORANTのような描画負荷がかなり軽いゲームならGeForce RTX 3050のようなエントリークラスのビデオカードでも十分高画質設定で平均240fps以上を出せる。Apex Legendsのようなそこそこ描画負荷があるゲームでも、GeForce RTX 3060 Tiなどミドルレンジクラスのビデオカードならば平均240fpsに到達が可能だ。

 とは言え、ゲームによって描画負荷は大きく異なる。240Hzのゲーミングモニター導入を考えているなら、自分がプレイしたいゲームで高fpsを出すにはどの程度のPCスペックが必要なのか、ビデオカードのレビューなどから調べておくことをおすすめする。

フレームレートを確認するには
「CapFrameX」のようなリアルタイムにフレームレートを表示したり、平均や最小値を記録できるアプリを使ってPCの性能を確かめることができる。フレームレートが低ければ、グラフィックス品質を下げて、フレームレートを上げることができる

可変リフレッシュレート(VRR)にも基本対応

 ゲームプレイの快適度が下がる現象として、画面がズレる「テアリング」やカク付く「スタッター」がある。これは、モニターとPCの描画タイミングが合わないことで発生する。ゲームのフレームレートは状況によって変化が激しいため、モニター側のリフレッシュレートと一致しないことが多く、それがテアリングやスタッターというトラブルとして画面に現れてしまう。

画面がズレるテアリングの発生
瞬間的なものではあるが、リフレッシュレートとゲームのフレームレートの不一致によりテアリングが発生する

 それを回避するのが「可変リフレッシュレート」(VRR)だ。 VRRはゲームのフレームレートとモニターのリフレッシュレートを同期させる技術で、テアリングやスタッターの発生を防ぐことができる。AMDの「FreeSync」、NVIDIAの「G-SYNC Compatible」が現在の主流だが、どちらもオープン規格として定義されているAdaptive-Syncを採用したものとなる。

 そのため、理論上はAdaptive-Syncに対応したモニターであれば、FreeSyncにもG-SYNC Compatibleにも対応できることになる。ただ、現実的にはハードウェア同士の相性もあるので、AMDやNVIDIAのWebサイトで公開されている対応モニター情報を確認するのが確実と言える。

 なお、VRRを利用するにはモニター側とPC側、両方の対応が必要だ。現在のゲーミングPCであれば、ほぼVRRに対応しているが、ゲーミングモニター導入時には手持ちのPCでVRRが使えるか確認しておいたほうがよいだろう。

 ビデオカードがAMDのRadeon系ならFreeSync、NVIDIAのGeForce系ならG-SYNC Compatible対応だ。ちなみに、モニター側に専用基板を搭載することでより高度な同期を実現するNVIDIAの「G-SYNC」および「G-SYNC ULTIMATE」という規格も存在している。

 VRRを有効化するにはモニター側とPC側のそれぞれで設定が必要で、ゲームをプレイする前に確認しておきたい。

TN/VA/IPSパネルの特性を知っておこう

 ゲーミングモニターでは、主に「TN」「VA」「IPS」のパネルが採用されている。それぞれ駆動方式が異なっており、TN方式は視野角は狭く、色の再現性がそれほど高くないものの応答速度がとても速く、製造コストが比較的安価であることから多くのゲーミングモニターで採用されてきた。

 VA方式は液晶が苦手とする黒色の表現力に優れ、高いコントラスト比を実現できることから引き締まった映像を楽しめるのが最大の強み。特性上、TNほど応答速度は速くできないが、VAはTVでの採用例が多く、ゲームに加えて、映像も楽しみたい人にマッチするパネルだ。

 IPS方式は視野角が広く色の再現性に優れる一方で、高価で応答速度が遅めだったのでクリエイター向けのモニターで採用例が多かった。しかし、最近では技術の進化によって高速応答のIPSパネルも登場しており、ゲーミングモニターでの採用が増えている。

 それぞれ一長一短の特性を持つので好みに応じて選ぶと良いだろう。

「渋谷ハル」が語る240Hzのメリット

 大会の企画やゲーム配信を中心に活動しているVTuberの渋谷ハルです! 10年ほど前に初めてFPSゲームに触れてのめり込んでしまい、以降はずっとFPSゲームをプレイしています。

 「Alliance of Valiant Arms」というFPSゲームをプレイしていた頃、よい良い環境を整えたいと思い、いろいろ調べた結果、モニターにリフレッシュレートの違いがあり、それによって描画のスムーズさなどが変わることを知って144Hz対応モニターの購入を決めました。

 リフレッシュレートが60Hzから144Hzの製品に乗り換えると、エイムのしやすさなどにおいて、ゲームの勝敗に差が出るほどのはっきりとした違いがあり、感動したのを覚えています。

 近年、240Hzのモニターの数もかなり増えていて、主流は240Hzになりつつあると思い、144Hzのものから買い替えました。240Hzの効果については、ゲームのフレームレートが240fpsである程度安定していないと実感するのは難しいかなと思います。

  最初はモニターを60Hzから144Hzに変えた時ほどの感動はなかったんですが、その後試しに240Hzから144Hzに戻してみると、エイムがしづらくなったりしたので、240Hzは実際にはかなり効果があるんだなと驚いたことがあります。

 ですので、環境を整える余裕がある方には240Hzのモニターをおすすめしたいです。色味に関してはモニターによって差があるので、可能なら店頭で実物を見て、好みのモニターを見つけてほしいです。

 中でも黒の発色については、メーカーごとにもかなり違うイメージがあり、かつ暗いシーンが多いFPS系ゲームではプレイに影響のあるもので、僕はそのあたりも購入前にいろいろと調べています。

 ぜひ、皆さんもモニターを選ぶ際の参考にしてみてください。

驚異の応答速度“0.4ms”を実現
アイ・オー・データ機器「EX-GC253U」

アイ・オー・データ機器のフルHD/240Hz対応の24.5型ゲーミングモニター「EX-GC253U」。実売価格は4万2,000円前後

 アイ・オー・データ機器の「EX-GC253U」だ。24.5型サイズでフル解像度、リフレッシュレートは240Hzとなっている。その最大の特徴は0.4ms(GTG)という超高速な応答速度と、約0.09フレーム(約0.37mm秒)という非常に短い内部の遅延時間だ。超高速な応答速度を実現できたのは、高速なTNパネルを採用したからだという。

 応答速度は色を変化させるのにかかる時間のことで、数値が小さいほど残像感のない映像になる。本機では、オーバードライブモードをオンにすることで0.4msまで高速化が可能だ。ゲーミングモニターでも1ms以下は少なく、応答速度に関しては液晶モニターの中ではトップクラスと言える。

 また、映像が入力されてから画面に表示されるまでの時間が、約0.09フレームはかなり高速なので、FPS/TPSや格闘ゲームなど反応速度が重要なゲームのプレイに向いていると言ってよいだろう。

TNパネルを採用し最大0.4msの超高速な応答速度を実現している

残像感を軽減する「Clear AIM」は強力

 ゲーミングモニター定番機能の暗部を明るくする「ナイトクリアビジョン」やStandard/Game/FPS/RPG/Webとジャンル別の画面モードも用意。FPSを選ぶと暗部を見やすくなるように明るめとなり、RPGはコントラストを強めて鮮やかさを重視する映像になる。

ナイトクリアビジョン
暗部を明るくする「ナイトクリアビジョン」。レベルは2段階あり、有効にすると暗い部分が明るくなるのが分かる
5つの画面モード
画面モードはジャンル別に5種類用意。FPSにすると暗い部分を見やすくする映像になる

 そして強力なのがリフレッシュレート120Hz以上の設定時に使える「Clear AIM」だ。これは目に見えない速さでバックライトのオン/オフと制御をすることで液晶特有の残像感を軽減する機能。アンチモーションブラーとも呼ばれるもので、Clear AIMではレベル1/レベル2/レベル3と分かれている。

 レベルを上げるほど輝度は落ちるが、残像感はハッキリ分かるほど軽減されていく。ゲームをプレイしていて、ブレや残像が気になるという人にはうってつけの機能だ。ただし、可変リフレッシュレートと同時使用はできない。

Clear AIM
残像感を軽減する「Clear AIM」。レベルは3段階あり、レベル3にするとかなり暗くなるが残像感は強力に減る

角度調節しやすい高機能なスタンド

 スタンドは、高さを15cmの間で調節でき、チルト(下方向-5度、上方向+20度)、スイベル(左右45度)に対応と機能充実。ピボットも備わっており、左右90度回転が可能だ。

 ケーブルをまとめて通すための穴も用意されている。背面上部のロゴにはLEDが内蔵されており、OSDメニューで発光パターンを選べるとゲーミングモニターらしい機能も。電源ケーブルとDisplayPortケーブルが付属しているが、どちらも青色と個性的なのも見どころだ。

高さは15cmの間で調節できる
チルトは-5度から+20度まで動かせる
背面のロゴにはLEDを内蔵。OSDメニューで発光色や発光パターンの変更が可能だ

 映像の入力はHDMI×2、DisplayPort×1を備えているため、PCと家庭用ゲーム機の同時接続もしやすい。そしてすべてポートがリフレッシュレートは240Hz対応だ。ちなみに2基のHDMIは「HDMI 2.1 VRR」に、DisplayPortは「NVIDIA G-SYNC Compatible」に対応している。

 このほか、2W+2Wのステレオスピーカーを備え、左側面にはヘッドフォン端子も用意されている。

 便利なのはリモコンだ。OSDメニューを呼び出して操作できるほか、入力切り替え、音量や輝度の調整、ナイトクリアビジョンの有効化、画面モードの変更などがワンタッチで行なえる。

 また、電源はACアダプタ不要の内蔵型なので、ケーブル配線がしやすいのもうれしい。サイズは幅557mm×奥行き227mm×高さ455~549mm、重量は約6.1kg(スタンド込み)だ。

 24.5型というモニターサイズは設置がしやすいだけでなく、eスポーツの大会で標準的に使用されている大きさということもあり、ゲームに本気で取り組む人には打ってつけのサイズと言える。

背面にはHDMI×2とDisplayPort×1の映像入力を搭載(USBポートはメンテナンス用で通常は利用できない)
左側面にはライン出力とヘッドフォン出力が容易されている
OSDメニューの操作や音量、輝度の調整、ナイトクリアビジョンの有効化などが行なえるリモコンを付属

高速応答や内部遅延の短さなど“速さ”にこだわった1台

 240Hzの高リフレッシュレートによる滑らかな描画だけではなく、0.4msの超高速な応答速度、約0.09フレームという内部遅延の短さによって、画面ブレの少なさ、操作をしてからのレスポンスのよさにこだわった1台。まさにプロ向けという仕様なので、FPS/TPSでガチの勝負をしたい人にピッタリだ。

湾曲の没入感がクセになる! コスパのよさにも注目
MSI「G27C4X」

MSIのフルHD/250Hz対応の27型ゲーミングモニター「G27C4X」。実売価格は3万3,000円前後

 MSIの「G27C4X」は、27型サイズでフル解像度、リフレッシュレート250Hzのゲーミングモニター。最大の特徴は“湾曲”仕様であることだ。

 湾曲率は1,500Rと高めで、実際に使ってみると視野全体が画面になるため、没入感のあるゲーム体験ができる。27型というちょっと大きめサイズでも湾曲によって視線をあまり動かさずにゲームをプレイできるため、画面全体の状況把握が重要になるFPS/TPSも快適に楽しめるのもナイスだ。

1,500Rと大きめの湾曲率なので没入感のあるゲーム体験ができる

 リフレッシュレートは標準では240Hzだが、DisplayPort接続時に「DPオーバークロック」を有効にすることで250Hzまで向上できる。少しでも滑らかな描画を求めるなら積極的に利用したい機能だ。なお、HDMI接続時は最大240Hzまでとなる。応答速度も1ms(MPRT)と十分高速だ。

DPオーバークロック
DPオーバークロック機能を有効にすることで、リフレッシュレートを最大250Hzまで設定可能になる

 パネルには、黒の表現力に優れるVAパネルを採用し、3,000:1の高コントラスト比を実現。視野角も上下左右とも178度と広く、PCの標準的な色域であるsRGBはカバー率96.67%、より広い色域を求めるデジタルシネマ向けのDCI-P3はカバー率89.72%と色の表現力もなかなか高く、メリハリのある映像が楽しめるのも強みだ。

引き締まった黒が表現できるVAパネルを採用することで、3,000:1の高コントラスト比を実現

 また、明暗の表現がより向上するHDRにも対応。サイバーパンク2077など最近の大作ゲームはHDR対応が増えているのに加え、YouTubeなど動画配信サービスでもHDRコンテンツは充実してきている。VAパネルと湾曲も相まって、映像に没頭できるのもよいところ。

 そして、これだけのスペックを備えながら、3万円台前半という低価格を実現しているのも大きなポイント。とりあえず、高リフレッシュレートのゲーミングモニターを体験したいという人におすすめと言える。

ナイトビジョンや残像感軽減も用意

 暗部を明るくして視認性を向上させる「ナイトビジョン」や赤色を挿入して残像感を軽減する「MPRT」など、ゲーミングモニターとしての定番機能もしっかり備えている。ナイトビジョンは、通常/強い/最も強い/A.I.と4種類の設定を用意。好みやゲームに合わせて使い分けられるようになっている。

 また、ゲームモードとしてFPS/レーシング/RTS/RPGの4種類を用意。ジャンルに適した画面設定のプリセットと言えるもので、FPSを選べばエッジを際立たせて物体の見やすさを重視した設定に切り替わるといった具合だ。

ナイトビジョン
暗部を見やすくする「ナイトビジョン」。4種類の設定があり、A.I.を選ぶと画面に合わせて自動調整してくれる
MPRT
フレーム間に赤色を挿入して残像感を軽減するMPRT。色を挿入するため画面の輝度は落ちる。また、可変リフレッシュレートとは排他仕様だ
ゲームモード
ゲームジャンルに合った画面設定に切り替えられる「ゲームモード」。レーシングを選ぶとコントラスト強めのハデで迫力ある色合いになる

湾曲パネルを支える安定感のあるスタンド

 スタンドは、機能的にはチルト(下方向-5度、上方向+20度)だけとシンプルだが、27型で湾曲という大きめのパネルを安定して支えるしっかりした作りなので、安心して設置できる。

チルトは-5度から+20度まで動かせる
スタンドは27型の湾曲パネルを3点でしっかりと支える

 映像の入力はHDMI 2.0b×2、DisplayPort 1.2a×1を備えているため、複数のデバイスも接続しやすい。PS5の120Hz表示にも対応ので家庭用ゲーム機との相性も良好だ。スピーカーは非搭載だが、ヘッドフォン出力は備えている。

 電源は45W出力のACアダプタが採用されている。サイズは幅611.5mm×奥行き225.4mm×高さ457.9mm、重量は約4.53kgと27型としては軽めと言ってよいだろう。

背面にはHDMI 2.0b×2、DisplayPort 1.2a×1の映像入力とヘッドフォン出力を備える

ゲームや映像に没入感を求める人へ

 250Hzの高リフレッシュレートなので、FPSやTPSに向いているのはもちろん、湾曲ならではの没入感に加えて、メリハリのある映像を実現するVAパネルということもあって、オープンワールド系RPGなどじっくりと楽しむゲームのプレイにもおすすめ。価格も安いのでゲーミングモニターの入門機としても優秀だ。

映像美と高音質でエンタメ全般をカバー
BenQ「EX270QM」

BenQのWQHD/240Hz対応の27型ゲーミングモニター「EX270QM」。実売価格は11万円前後

 BenQのMOBIUZシリーズに属するエンタメ向けゲーミングモニター「EX270QM」は、27型サイズでWQHD解像度、リフレッシュレートは240Hzとなっている。

 最大の見どころは高画質へのこだわりだ。色の再現性に優れるIPSパネルを採用し、広い色域を求めるデジタルシネマ向けのDCI-P3のカバー率98%を達成。非常に高い色の表現力を持っているのに加えて、明るさに加えてハイレベルな黒の表現力も求められるDisplayHDR 600も認証を取得しており、HDRコンテンツを明暗が強烈に効いた美しい映像で楽しめる。

IPSパネルを採用し、高い色の再現力と高品質なHDR機能を実現している

 HDRを有効にすると画質関連の設定ができなくなるモニターが多い中、BenQ独自の「HDRi」技術によって、独自のプリセットを用意する。

ゲームHDRi/シネマHDRi
独自のHDRプリセットとしてゲームHDRiとシネマHDRiが用意されており、コンテンツに最適なHDR体験ができる

 シネマHDRiでは、より明暗が強調された映像を楽しむことができ、ゲームHDRiではHDRならではの明暗を効かせつつ明るすぎてゲーム画面の見やすさが損なわれないような調整が行なわれている。BenQの映像表現に対する作り込みぶりが、非常によく分かる部分だ。

 さらに、ヘッドセットでゲームをプレイすることが多いゲーミングモニターでは、スピーカーはオマケ程度、またはそもそも搭載していないことが多いが、EX270QMでは5Wサブウーファを搭載した2.1chスピーカーで構成される「treVoloサウンドシステム」を採用。ジャンル別に分かれた5種類のプリセットも用意されており、FPS設定では弾丸や足音が際立つなどコンテンツに最適なサウンド体験ができる。

正面のステレオスピーカーと背面のサブウーファによって迫力あるサウンドを実現

 高リフレッシュレートに1ms(GTG/MPRT)の高速応答、可変リフレッシュレートとしてFreeSync Premium Proに対応とゲーミングモニターとしての基本スペックも充実している。

暗部補正だけではく明るさ調整も可能

 ゲームのプレイをより快適にする機能として、暗い部分の視認性を上げる「Black eQualizer」に加えて、明るさ自体を調整する「Light Tuner」を備えているのが特徴だ。

 Light Tunerでは明るすぎる部分を暗くすることが可能なので、まぶしいシーンを見やすくするのに便利。このほか、リフレッシュレートが100Hz以上のときは黒色を挿入して残像感を軽減する「ブレ削減」も利用できる。

 また、カラーモードとしてジャンル別にFPS/RPG/レーシングゲームなどが用意されている。FPSはBlack eQualizerが自動的にオンになって輝度が高めになるなど、ジャンルにマッチした映像設定になる。

Black eQualizer
暗部の視認性をよくする「Black eQualizer」。10段階で調整が可能だ
Light Tuner
明るさを変えられる「Light Tuner」。20段階も用意されており、全体をかなり暗くすることもできる

多機能で安定感バツグンのスタンド

 スタンドは、ピボットこそないが、高さを10cmの間で調節でき、チルト(下方向-5度、上方向+15度)、スイベル(左右15度)に対応と機能充実。ややゴツめではあるが、その分どっしりとして安定感はバツグンだ。このほか、背面にはLEDが内蔵されており、OSDメニューで発光色や発光パターンが選択できる。

チルトは-5度から+15度まで動かせる
背面にはLEDを内蔵。OSDメニューで発光色や発光パターンの変更が可能だ

 映像の入力はHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1を備えており、すべてリフレッシュレート240Hzに対応している。PS5の120Hz表示にも可能なので家庭用ゲーム機用のモニターとしても活躍可能だ。

背面にはHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1の映像入力とヘッドフォン出力、USB 3.0ハブが用意されている

 また、USBハブ機能もあるので、マウスやキーボードを接続できるのも便利なところ。また、リモコンも付属しており、OSDメニューを手元で手軽に操作できるのもうれしい。

リモコンが付属しているので輝度や音量の調整、入力切り替え、OSDメニューの操作を手元で簡単に行なえるのが便利

 電源はACアダプタが採用されている。サイズは幅609mm×奥行き194mm×高さ422.1~522.1mm、重量は約7.6kgだ。

画質や音質にもこだわりたいなら

 色の再現力が非常に高く、HDRコンテンツの明暗表現にも優れ、高音質スピーカーも搭載とゲームだけではなく、映像や音楽も楽しみたい人にピッタリだ。WQHDと解像度も高いので、仕事やクリエイティブな作業にも使いやすい。価格は高めだが、それだけハイレベルな万能型モニターに仕上がってる。