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デル「Latitude 7340 Ultralight」はその名の通り"超軽量"で、はやりの16:10パネルを採用

~ビジネスノートの選択に迷っている人への2023年おすすめモバイルノート集 その1

デル「Latitude 7340 Ultralight」

 文書作成は言うに及ばず、昨今のビジネスマンはプレゼン資料に埋め込む、あるいはSNSへの投稿用にと、ちょっとした動画の編集まで行なうなど、業務の幅が広がっている。また、さまざまな企業の情シス担当者を対象に行なった僚誌INTERNET Watchの調査によると、会社からあてがわれたPCについて、情シス担当者は下記のような悩み、不満を抱えているという。

  • CPUが上位モデルなんだけど、実は4世代前の物だった
  • メモリが4GBしかなく、Web会議でOfficeを開くと不安定になる
  • HDD搭載機なので、いろいろな読み込み/書き込みが遅くて待たされる

 そういった性能面での課題を解消でき、かつ、企業が必要とする管理性やセキュリティにも優れたPCを選ぶには経験や知識が必要になってくる。そこでこの短期集中連載では、そういったニーズを高いレベルで満たすものとしてPC Watchがおすすめできる各社の最新マシンを紹介する。1回目となる今回は、デル・テクノロジーズ(以下デル)製のビジネスモバイルノートPC「Latitude 7340 Ultralight」を紹介する。

軽快に持ち歩ける、軽くて堅牢性に優れる筐体

重量は0.98kgと1kgを切る軽さ。これなら軽快に持ち歩けるだろう

 Latitude 7340 Ultralightは、デルが発売している13.3型ノートPCの中で最小、最軽量を実現したプレミアムモデルとして位置付けられている製品だ。最軽量仕様で重量は0.98kgと1kg切りを実現している。実際に手に持ってみると、「軽いっ!」と口にしてしまうほど。この軽さは、筐体素材としてマグネシウム合金を採用することによって実現している。

 同時に、筐体の剛性もモバイルノートPCとして申し分ないものとなっている。本製品は、前世代の「Latitude 7330 Ultralight」で採用された、“弓”にインスパイアされたデザインを採用し、軽さと剛性のバランスを取っている。Latitude 7330 Ultralightは、その前世代のLatitude 7000シリーズと比べ、ディスプレイのヒビ割れ耐性は80%増しつつも、天板と液晶の合計重量は84g軽くなっているという。

 本体デザインは、ビジネスモデルらしいシンプルなものとなっている。カラーは落ち着いたブルーグレーを採用。オフィスに溶け込む落ち着いたデザインは、さまざまな職場にマッチしそうだ。

 サイズは299×212.9×16.67~17.6mm。ディスプレイが4辺狭額ベゼル仕様となっていることで、サイズもかなりコンパクトにまとめられている。これなら、ビジネスバッグにも問題なく収納できるはずだ。そして、1kgを切る軽さと申し分ない堅牢性と合わせ、安心、軽快に毎日持ち出せると言っていいだろう。

本体はシンプルで落ち着いた印象のデザイン。どのような職場でも安心して利用できるだろう
4辺狭額ベゼルディスプレイによって、フットプリントは299×212.9mmと13.3型モバイルノートPCとしても申し分ないコンパクトさを実現
筐体素材にマグネシウム合金を採用することで軽さと十分な強度を両立
左側面
右側面
底面

1,920×1,200ドット表示対応の13.3型液晶

1,920×1,200ドット表示対応の13.3型液晶を搭載。IPSパネルのため広視野角で発色にも十分満足できる。非光沢仕様で外光の映り込みが少ない点もうれしい

 ディスプレイは、アスペクト比16:10、1,920×1,200ドット表示対応の13.3型液晶を搭載。一般的なフルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイより縦の情報量が多く、オフィススイート系アプリやWebブラウザなどもより快適に利用でき、生産性を高められる。

 パネルの種類は、デルが「WVA(ワイドビューイングアングル)」と呼ぶIPS相当のパネルとなる。実際に視点を大きく動かしても発色や明るさの変化はほとんど感じられない。

 また、ディスプレイは180度開閉し、水平まで開いた状態で利用できる。対面プレゼン時でも本体を回転させず相手に画面を見せられるため、ビジネスシーンで重宝する仕様だ。輝度は400cd/平方mとなかなかの明るさで、屋外でも比較的視認性が優れる点もうれしい。

 発色性能については、写真や動画を表示しても十分鮮やかな発色を確認でき、写真のレタッチや簡単な動画編集を不満なく行なえるだろう。本製品がターゲットとするビジネスモバイル用途であれば、全く不満がないと言える。

 同時に、ディスプレイ表面が非光沢処理となり、外光の映り込みがほとんど気にならない点も大きなポイントだ。オフィスで利用する場合でも天井の照明が写り込んで画面が見づらくなることがなく、快適に業務をこなせるだろう。

Office系アプリやWebブラウザを利用する場合、フルHDよりも縦の情報量が増え、生産性が高まる
ディスプレイは180度開閉し、水平の状態で利用できる点は、ビジネスシーンで重宝する

ビジネスシーンで活躍する高度なセキュリティ機能を豊富に用意

 Latitude 7340 Ultralightは、ビジネス向けの製品だけあって、高度なセキュリティ機能を豊富に搭載している点も大きな特徴となっている。セキュリティチップであるTPMチップの搭載は当然として、攻撃によるBIOSの改ざんを防止する「Dell SafeBIOS」、生体認証情報を保存および処理する専用のセキュリティチップを備えた「Dell Safe ID」といったセキュリティ機能を標準で搭載する。

 生体認証機能としては、ディスプレイ上部に顔認証IRカメラを標準搭載。Webカメラには、カメラ自体を物理的に覆うシャッターを搭載し、不要な時にカメラ自体の利用を抑制可能だ。

 また、Webカメラで背後からの覗き見を検出したら、画面にアラートを表示するとともに、画面をモザイク状にすることで覗き見を防止する機能も搭載する。利用者の離席を検出すると自動的に画面をオフにしてロック状態へ移行させ、利用者が席に戻ると自動的にスリープを解除しIRカメラによる顔認証で自動的にログオン、という運用も可能。意識することなくセキュリティを高められる機能として重宝しそうだ。

 利用者がディスプレイ周辺から視線を外すと、画面を暗くして画面情報を保護するとともに消費電力を低減できる機能もある。電力料金の高騰もあり、企業の省エネ対策は重要となっている中、細かいところで省電力を追求できる機能として、こちらも大きな魅力となるはずだ。

 なお、試用機では非搭載だったが、オプションでパームレストに指紋認証センサーの搭載にも対応する。

ディスプレイ上部には、標準でWindows Hello準拠の顔認証IRカメラを搭載
カメラにはレンズを物理的に覆うシャッターが備わり、不要な場面でのカメラ利用を抑制できる
カメラを利用して第三者の覗き見を検出したら、アラートを表示するとともに画面をモザイク状にする盗み見検出機能を搭載
利用者の離席で自動的にロック、戻ると自動復帰と顔認証によるログオンできるため、セキュリティ性と利便性を両立。利用者が画面から目を離すと画面を暗くしたりオフにして消費電力を低減する機能も用意

 そして、忘れてならないのが、インテルvProプラットフォームに対応(BTOで選択可能)しているという点だ。インテルvProプラットフォームは、プラットフォームレベルで高度なセキュリティ機能を提供するだけでなく、オフィス内での利用はもちろんテレワークでの遠隔利用時であっても遠隔管理が行なえるため、IT管理者の業務効率も大きく高めてくれる。

 たとえば、企業の情報システム部門内は、企業で利用されるPCにWindows Updateが適切に適用されているかを管理したいと考えるだろう。一方で、従業員はPCが重くなったり再起動が必要だったりするWindows Updateは業務時間中には実施したくないと考える場合もある。

 そこで、夜間など業務時間外に更新するようスケジュールしたとしよう。そのPCがインテルvProプラットフォーム非対応で、終業時に電源を切られていたら、予定していたWindows Updateは実行されないことになる。電源を切らないという対応もあるが、その場合は、電気代が無駄になる。

 一方、インテルvProプラットフォーム準拠のPCであれば、遠隔から電源オンができるため、そういった悩みが解消される。対象のPCが、在宅ワークを行なう社員の自宅、つまり企業のファイヤーウォール外にあったとしても、「Intel Endpoint Management Assistant(Intel EMA)」を組み合わせることで、社外のPCも社内にあるのと同様に遠隔管理、制御できるのだ。

 インテルvProプラットフォームについては、これ以外にも、ハードウェアシールド(セキュリティ)、インテルAMT(運用管理性)、インテルSIPP(安定性)さまざまな機能が搭載されており、「PC匠道場」では、インテルvProプラットフォームの利点や、活用事例、導入事例などを多数掲載している。より詳しく知りたい方は、ぜひそちらも参照いただきたい。

一目で高管理性、高セキュリティ、高性能が分かるインテルvProプラットフォームのバッジ

バックライト内蔵のアイソレーション型日本語キーボードを搭載

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーション型の日本語キーボードを採用。主要キーのキーピッチは約18mmとフルサイズに近い。Enterキー付近の一部キーはピッチがやや狭くなっており、フルサイズのキーボードに慣れていると、少々違和感があるかもしれないが、実際に使ってみると軽快にタイピング可能だったので、慣れれば気にならないだろう。

 ストロークは1.5mmほどと薄型モバイルノートPCのキーボードとして標準的。しっかりとしたクリック感と適度な硬さの打鍵感も、軽快なタイピングにつながっていると感じる。また、標準でキーボードバックライトを搭載するため、たとえば飛行機の中など、やや暗い場所でも快適にタイピングできる点もうれしい部分だ。

 ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドを搭載。パッドの面積は十分な広さがあり、ジェスチャー操作も可能なので、利便性は申し分ない。

アイソレーション型日本語キーボードを搭載
主要キーのキーピッチは約18mm。フルピッチには届いていないが、慣れれば違和感なくタイピング可能だ
Enterキー付近の一部キーでピッチが狭くなっている点と、Back Spaceキーの上に電源ボタンが配置されているが、こちらも慣れで対処できそうだ
クリックボタン一体型のタッチパッドは面積が十分に広く、軽快に利用できる

薄型ながら、必要十分なインターフェイスを装備

 CPUには、第13世代インテルCoreプロセッサーを採用。試用機ではCore i5-1345U vProを搭載していたが、オプションで上位のCore i7-1365U vProの搭載も可能。Core i5-1345U vProでも基本的なビジネスシーンでの用途に十分な性能を持つが、より高い性能を求めるユーザーには上位の選択肢がある。

 メモリは標準8GBで、試用機では16GBを搭載していた。ストレージは、容量256GBから最大2TBのPCIe SSDを搭載可能。試用機では容量512GBのSSDが搭載されていた。メモリやストレージ容量は用途に合わせて自由に選択できる。

 OSは、標準ではWindows 11 Proだが、Windows 11 HomeやWindows 10 Proも選択可能。無線機能は、Wi-Fi 6E準拠の無線LANとBluetooth 5.3を標準搭載。また、オプションで4G LTEまたは5G対応のワイヤレスWANも搭載可能なので、Wi-Fiが届かない屋外などでも、いつでもメールの確認などができる。

 生体認証機能は、先に紹介しているようにWindows Hello対応の顔認証IRカメラを標準搭載し、指紋認証センサーをオプションで搭載可能。顔認証カメラは5MPの高精細Webカメラとしても利用可能で、リモート会議にも高画質で対応可能だ。

 拡張ポートは、左側面にHDMIとThunderbolt 4×2、右側面に3.5mmオーディオジャックとUSB 3.0をそれぞれ装備。このほか、オプションでスマートカードリーダも搭載可能だ。電力供給はThunderbolt 4経由となり、付属のACアダプタもThunderbolt 4に接続して利用する。

 ポート類は、ビジネスモバイルノートPCとしては必要最小限という印象。ユーザーによっては有線LANなども欲しいかもしれないが、Thunderbolt 4があるので、ポートリプリケータを用意すればケーブル1本で外部ディスプレイやLAN、USB周辺機器を接続できるだけでなく電力も供給できる。

左側面のインターフェイスはHDMI 2.0、Thunderbolt 4×2
右側面のインターフェイスは音声入出力、USB 3.0、セキュリティポート

ビジネスモバイルノートPCとして申し分ない性能を確認

 簡単にベンチマークテストの結果を紹介する。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10」、「3DMark Professional Edition」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。なお、PCMark 10については、2016年頃発売されたCore i5-6300U搭載機のスコアも比較用に掲載している。

PCMark 10のスコア
3DMark Professional Editionのスコア
CINEBENCH R23.200のスコア

 結果を見ると、搭載CPUの性能を十分に引き出したスコアとなっている。これらベンチマークテストでこれだけのスコアが得られるなら、ターゲットとするビジネスモバイル用途であれば、性能面で全く不安はないと言える。写真や動画を処理するといったやや重い作業も快適にこなせるだろう。

 高負荷時のCPUファンの動作音は、少々大きめという印象。オフィスで利用する場合にはほとんど気にならないとは思うが、静かな場所で利用する場合には、高負荷時の動作音がやや気になりそうだ。ただ、通常の負荷が低い状態ではほとんど動作音は気にならない。よほど高負荷な作業を長時間続けない限り、静かな場所での利用も不安はないだろう。

 続いてバッテリ駆動時間も検証してみた。Latitude 7340 Ultralightは、公称の駆動時間が非公表で、指標となる数字はない。ただ、Windowsの省電力設定を「バランス」、ディスプレイのバックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効、キーボードバックライトをオフにした状態で、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測したところ、9時間45分を記録した。これだけの駆動時間があれば、1日の外出利用でもACアダプタ不要で乗りきれるはずで、モバイルノートPCとして大きな魅力となりそうだ。

軽快に持ち出し、安心して利用できるモバイルノートPCとしてお勧め

 ここまで見てきたようにLatitude 7340 Ultralightは、1kgを切る軽さとコンパクト筐体、申し分ないパフォーマンス、長時間駆動と、ビジネスモバイルノートPCとしての基本的な魅力をしっかり備えている。その上で、生体認証機能や、カメラを活用したセキュリティ機能、BIOS改ざん防止を始めとする高度なハードウェアセキュリティ機能などを搭載することで、ビジネスシーンで安心して利用できる点も大きな特徴となっている。

 また、第13世代インテルvProプラットフォームの採用によるセキュリティ機能やリモート管理機能も利用できるため、管理者にとっても非常に扱いやすい製品となっている。

 外回りの多い社員が軽快かつ安心して携帯、利用できるモバイルノートPCを探している企業にお勧めしたい。