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ThinkPad X1 Carbon Gen 10のカスタマイズについてあまり知られていない事実
~【2022年お勧めのプレミアムビジネスノートレビュー】
- 提供:
- インテル株式会社
2022年9月5日 06:30
第12世代インテルCoreプロセッサー採用で性能が大きく向上した「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」
レノボ・ジャパンの「ThinkPad」は、性能面から利便性までとことんこだわった仕様を実現していることで、ビジネスユーザーから絶大な支持を集めるノートPCとしておなじみだ。その中でも、「ThinkPad X1 Carbon」シリーズは、優れた性能と利便性だけでなく、軽快に持ち歩ける軽さと優れた堅牢性を兼ね備えることで、毎日ノートPCを持ち歩く必要のあるビジネスユーザーに最適の製品となっている。
そのThinkPad X1 Carbonシリーズの最新モデルである「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」は、ThinkPad X1 Carbonシリーズの魅力を受け継ぎつつ、大きな進化を実現している。特に大きく変化したのが性能面だ。CPUに第12世代インテルCoreプロセッサーのPシリーズまたはUシリーズを採用することで、処理能力が大きく高められている。
高性能コアのP-Coresと、高効率コアのE-Coresを組み合わせた、ハイブリッドアーキテクチャを採用する第12世代インテルCoreプロセッサーは、特にマルチスレッド処理性能が大きく向上。さらに、低負荷時にはE-Coresを積極的に利用することによって、バッテリ駆動時間も大きく向上しており、モバイルノートPCであるThinkPad X1 Carbonにとって好都合なCPUとなっている。実際の性能については、後半で紹介する。
また、本製品は、CPUやメモリ、ストレージ容量などだけでなく、ワイヤレスWANの有無や、Webカメラの種類、そしてディスプレイの解像度はもちろん、光沢か非光沢、タッチか非タッチか、そして液晶か有機ELかなど、細かすぎるほどカスタマイズの幅が充実しているのはあまり知られていない事実だ。
この製品を買う際に、「ここのスペックがこうだったらもっとよかったのに」と思うことはまずないだろう。
筐体はThinkPad X1 Carbonシリーズおなじみのデザイン
ThinkPadシリーズでは、フラットかつ直線的、側面も直線的に切り落とされた筐体デザインと、マット調のブラックカラーの採用が特徴となっており、ThinkPad X1 Carbon Gen 10にもそのデザインがしっかり受け継がれている。
天板はフラットで、左上角に「ThinkPad X1」ロゴがあしらわれている。このThinkPad X1ロゴは「X1」が強調されているが、全体的な雰囲気を壊すことがなく、デザイン上のいいアクセントとなっている。
同時に、優れた堅牢性もしっかり維持されている。天板にカーボンファイバー素材を採用し、軽さと優れた堅牢性を両立。重量は約1.12kgからと、14型クラスのモバイルノートPCとして十分な軽さを実現しつつ、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する、落下や振動などの堅牢性テスト12種類をクリア。もちろん、レノボの社内基準として実施している過酷な堅牢性テスト「拷問テスト」もクリアしており、安心して持ち運べる製品となっている。
サイズは315.6×222.5×15.36mm(幅×奥行き×高さ)。従来モデルからわずかにサイズが変更となっているが、その違いは1mm前後となっており、従来モデルと同等サイズと考えていいだろう。14型モバイルノートPCとして十分コンパクトな筐体であり、軽さと合わせて軽快に持ち運べるはずだ。
仕様面では、「インテルvProプラットフォーム」に対応するCPUも選択できる。インテルvProプラットフォームにより、システム管理者はリモートでPC電源を制御したり、BIOS設定画面へのアクセス、OS上で発生したエラーからの復旧などが行なえるため、クライアントPCの効率的な管理が可能となる。在宅ワークが増えた昨今、こういったリモート管理機能は重宝する。
同時に、TPMチップなど基本的なセキュリティ機能の搭載はもちろんのこと、Microsoftが提唱するセキュリティ仕様「Secured-core PC」もサポート。Secured-core PC+インテルvProプラットフォームにより、ハードウェアレベルでマルウェア感染リスクも低減できるようになっており、ビジネスシーンで求められる優れた安全性を確保できる点も大きな魅力となる。
今回の試用機は、CPUにCore i7-1280Pを搭載していた。P-Coreが6コア、E-Coreが8コアの14コア構成で、最大20スレッド処理に対応と非常にパワフルな仕様となっている。メモリは標準で8GB、最大32GB搭載可能となっており、試用機では32GBを搭載。内蔵ストレージは、試用機ではハードウェア暗号化機能に対応する容量512GBのPCIe 4.0/NVMe SSDを搭載していた。
【表1】ThinkPad X1 Carbon Gen 10(試用機)の主な仕様 | |
---|---|
プロセッサ | 第12世代インテルCore i7-1280P |
メモリ | 32GB |
内蔵ストレージ | 512GB PCIe 4.0 SSD |
ディスプレイ | 14型液晶、1,920×1,200ドット非光沢 |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
ワイヤレスWAN | 搭載可能(4G LTEまたは5G Sub6) |
キーボード | 日本語、約19mmフルピッチ、キーストローク約1.5mm、キーボードバックライト |
カメラ | 1080P Webカメラ、プライバシーシャッター搭載 |
生体認証 | Windows Hello対応顔認証カメラ、指紋認証センサー |
インターフェイス | USB4(Thunderbolt 4)×2、USB 3.0×2、HDMI、オーディオジャック |
OS | Windows 11 Pro |
駆動時間 | 約24.9時間 |
サイズ/重量 | 315.6×222.5×15.36mm(幅×奥行き×高さ)/約1.12kg~ |
アスペクト比16:10の14型ディスプレイを搭載
ディスプレイは、従来モデル同様に、アスペクト比16:10の14型ディスプレイを搭載。表示解像度は、試用機では1,920×1,200ドットだったが、直販モデルではカスタマイズで3,840×2,400ドットや2,880×1,800ドット表示対応のパネルも選択できる。パネルの種類も、試用機はIPS液晶だったが、有機ELパネルが選択可能だ。ディスプレイ表面は、試用機では非光沢処理が施されていたが、光沢処理のパネルや、マルチタッチタッチ対応パネルも用意されている。
このように、さまざまな仕様のディスプレイを選択できる点は、多種多様なビジネスシーン/ニーズに対応できるという意味で、大きな魅力となるだろう。
試用機に搭載されていたIPS液晶は、sRGBカバー率100%の広色域表示に対応。クリエイター向けディスプレイには敵わない部分もあるが、ビジネス向けモバイルノートPCとしては十分すぎる発色性能を備えており、写真や動画の編集も、色味をしっかり確認しながら行なえるはずだ。
ディスプレイは180度開くようになっている。この仕様は対面でのプレゼン時などに非常に便利で、これもビジネス利用でありがたいと感じる部分だ。
扱いやすいキーボードもThinkPad X1 Carbonの大きな魅力
ThinkPadがビジネスユーザーから根強い支持を獲得している理由の1つとして、扱いやすいキーボードやポインティングデバイスの搭載という点がある。もちろん、ThinkPad X1 Carbon Gen 10もその特徴は変わっていない。
搭載されるキーボードは、主要キーのほとんどが約19mmフルピッチのフルサイズを確保。ストロークは約1.5mmと薄型モバイルノートPCとして標準的だが、適度な硬さとクリック感で、打鍵感は非常に良好。キーボードバックライトも標準搭載されるため、暗い場所でのタイピングも快適に行なえる。
キー配列は標準的で、無理のあるキー配置も見られない。Enter付近の一部キーでややピッチが狭くなっている点は少々残念。それでも、実際にタイピングしてみると、心地よい打鍵感と標準的な配列で、非常に軽快な入力が可能だった。ピッチの狭いキーもタッチタイプに大きな影響はなく、扱いやすさは申し分ない。
また、スティックタイプのTrackPointと、タッチパッドのThinkPadクリックパッドを同時搭載する点も、シリーズで変わらず受け継がれている特徴。TrackPointはキーボードのホームポジションから手を大きく動かすことなくカーソル操作が行なえるため、非常に便利に活用できる。用途に応じてThinkPadクリックパッドと使い分けることで操作性も高められる。これも、快適な操作に寄与する大きな魅力と言える。
フルHD対応以外にも強化されたWebカメラ
ThinkPad X1 Carbon Gen 10では、昨今のテレワーク需要を受けて仕様が強化されている部分がある。それはディスプレイ上部に搭載されるカメラだ。従来モデルまでのカメラは、Webカメラとして利用する場合には720p対応となっていた。それに対しThinkPad X1 Carbon Gen 10では、新たに1080p対応のカメラを選択できるようになった。
そして、今回の試用機にも搭載されていた最上位のカメラは、顔認証用のIRカメラとWebカメラ用の1080p RGBカメラを分離することでノイズを低減し、WebカメラにはF値2.0の明るいレンズを採用。さらに、カメラを「MIPI接続」でCPUと直結することで、カメラで捉えた映像データを非圧縮でCPUに転送し処理できるようになった。これによって、従来の720p Webカメラと比べて細部までクリアで明るく、ノイズの少ない高解像度映像が撮影できるようになっている。
テレワークが一般的になったことで、多くのビジネスユーザーがWeb会議を行なうようになっている。そういった場合も1080pの高精細映像が利用できるようになったことで、より快適なWeb会議が行なえる。
また、顔認証用IRカメラとWebカメラの2つのレンズを同時に隠せる新設計のプライバシーシャッターも搭載。不要な時には双方のレンズを隠してプライバシーを保護できるよう考慮されている点もうれしい部分だ。
加えて、カメラを利用したセキュリティ機能が用意されている点も特徴。Mirametrixの「Glance」というアプリケーションがプリインストールされ、カメラを利用して正面の人の顔や動きなどを捉え、覗き見防止などの機能が提供される。
自分以外の誰かの顔を捉えると、アラートを表示するとともに、画面全体をぼかして見えないようにしたり、正面から人がいなくなるとディスプレイをロックする、といったことが可能となる。ビジネスシーンでは、機密情報を扱う作業も頻繁に行なわれるが、そういった場合でも情報漏洩を防ぐ手段として活用できるはずだ。
拡張ポートは最新鋭のUSB4など必要十分
本体側面に用意される拡張ポートは、左側面にUSB4(Thunderbolt 4)が2ポートとUSB 3.0、HDMIを、右側面にオーディオジャック、USB 3.0をそれぞれ配置している。ポート類は必要十分で、拡張性は不安がない。ビジネス利用を考えると、標準HDMIを搭載する点もポイントが高い。
無線機能は、Wi-Fi 6準拠の無線LANとBluetooth 5.2を標準搭載。また、試用機では非搭載だったが、オプションとして4G LTE対応または5G Sub6対応のワイヤレスWANも搭載可能となっている。外出してPCを利用する機会の多い人にとって、ワイヤレスWANが搭載可能という点は心強いだろう。
生体認証機能は、電源ボタン一体型の指紋認証センサーを標準搭載。またディスプレイ上部には、顔認証用IRカメラも搭載可能。指紋認証センサーと顔認証用IRカメラを同時搭載すれば、状況に応じて生体認証機能を使い分けられるため、セキュリティ性と利便性を両立できる。
マイクは、ディスプレイ上部に4基搭載。いずれも360度の集音が可能で、複数人数のWeb会議を行なう場合でも、全員の声をしっかり集音できる。合わせて、ノイズキャンセリング機能によって不要な雑音をカットしたり、人の声など音量を自動的に調整するDolby Voiceにも対応しており、クリアな音声でWeb会議が行なえる。
第12世代インテルCoreプロセッサーらしい優れた性能を確認
では、ベンチマークテストの結果を紹介しよう。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.1.2563」、「3DMark Professional Edition v2.22.7359」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。結果は下にまとめた通りだ。
【表2】ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 | |
PCMark 10 Score | 5188 |
Essentials | 9780 |
App Start-up Score | 12287 |
Video Conferencing Score | 7908 |
Web Browsing Score | 9629 |
Productivity | 6481 |
Spreadsheets Score | 6530 |
Writing Score | 6434 |
Digital Content Creation | 5980 |
Photo Editing Score | 10737 |
Rendering and Visualization Score | 3210 |
Video Editting Score | 6207 |
CINEBENCH R23.200 | |
CPU | 7171 |
CPU (Single Core) | 1647 |
3DMark Professional Edition | |
Night Raid | 15604 |
Graphics Score | 20087 |
CPU Score | 6891 |
Wild Life | 12306 |
Time Spy | 1723 |
Graphics Score | 1538 |
CPU Score | 5468 |
ThinkPad X1 Carbon Gen 10では、CPUの性能を最大限引き出せるように、デュアルファン仕様の高性能空冷システムを内蔵。加えて、キーボード下部の吸気口デザインが改良され、より効率良く外気を取り込めるようになった。これにより、CPUを効率良く冷却できるため、高負荷が続くような場面でも安定して高い性能が発揮されるようになっている。
その効果はベンチマークテストの結果にも表われており、いずれのテストでも申し分ないスコアが得られている。これなら、多少高負荷な作業も快適にこなせるはずだ。
続いてバッテリ駆動時間だ。公称の駆動時間は約24.9時間(JEITA測定法 Ver.2.0での数字)となっている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%、無線LANをオン、キーボードバックライトをオフに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、9時間31分を記録した。
公称に比べ半分以下の駆動時間だったのは少々気になるが、これは公称と計測条件が大きく異なるためだ。テスト結果は実際に利用する場合に近い条件でのもので、これだけの駆動時間があれば、1日程度外出先で利用する場合でもバッテリ残量をほぼ気にせず利用できるはずだ。
安心して持ち運べる本格ビジネスモバイル
ThinkPad X1 Carbonは、薄型軽量かつ優れた堅牢性を備え、性能面も優れるということで、従来よりビジネスユーザーから根強い人気がある。今回は、その最新モデルとなるThinkPad X1 Carbon Gen 10を試用したが、従来までの魅力はそのままに、CPUに第12世代インテルCoreプロセッサーを採用したことで性能面が強化され、テレワーク需要の増大を受けてカメラの強化なども実現するなど、ユーザーのニーズに応えた強化が行なわれており、さらに魅力が高まっていると実感できた。
ビジネスシーンで求められる優れたセキュリティ性も搭載。インテルvProプラットフォーム対応CPUを選択することで、管理者にとっても効率良く管理でき、企業にとっても魅力がある。ThinkPad X1 Carbon Gen 10は、モバイルビジネスユーザーに自信を持ってお勧めしたい。