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据え置きメインで、文字の読みやすさを重視するユーザー向けの上質ノートPC「HP EliteBook 650 G9」
~【2022年お勧めのプレミアムビジネスノートレビュー】
- 提供:
- インテル株式会社
2022年7月12日 06:30
日本HPのビジネスノートPCシリーズの中で、EliteBookは最上位に位置付けられるとともに、2in1など新しいワークスタイルに対応するモデルもこのEliteBookブランドがカバーしている。「EliteBook 650 G9」は6月21日に発売されたばかりの最新クラムシェル型ノート。15.6型ながらもスリム/軽量に仕上げ、CPUにはインテルの最新プロセッサーである第12世代インテルCoreプロセッサーを採用することで性能を高めつつセキュアなリモートワークなど新しいワークスタイルに対応している。
新時代のワークスタイルに対応するビジネスノート「HP EliteBook 650 G9」
HP EliteBook 650 G9の本体カラーは清潔感あるシルバー。ヒンジ近くは角を残しつつもパームレスト近くは角を落として丸め、シャープ目に仕上げたエッジ処理など、細部にこだわりつつも全体的にはシンプルな印象のデザインだ。液晶バックカバー(天板)は、フラットでシンプルながら中央にクロームのHP4本斜線ロゴを加えているのもポイントだ。
もう1つ、特徴としているのは耐久性。外装素材はCNC削り出しのアルミ合金で、米軍調達基準の「MIL-STD 810G」をクリア。満員電車など都会でのハードな通勤スタイルにもマッチする。また、本製品は日本HPのウリである東京生産(※現在出荷中のものは海外生産で、8月より東京生産となる)となることも、細かいところまで品質を気に掛ける日本人には高ポイントだ。
パネルサイズは15.6型。本体サイズは359.4×233.9×19.9mm(幅×奥行き×高さ)。14型以下のモバイルノートPCと比べると大きめだが、液晶ベゼルをギリギリまで狭めた狭額縁設計を採用しており、一昔前の15.6型ノートPCよりもコンパクトに仕上がっている。
重量は約1.79kg。2kgを切っており、必要があれば持ち運びもできる範囲。15.6型というサイズ感からすれば軽量な方だろう。快適さや生産性、そして重量とのバランスで言うと、本製品はやや前者寄りと言え、据え置きがメインの使い方となるだろう。
【表1】「HP EliteBook 650 G9」(試用機)の主な仕様 | |
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CPU | インテルCore i5-1245Uプロセッサー、P-cores:2コア4スレッド/ブースト時最大4.40GHz、E-cores:8コア/ブースト時最大3.30GHz、合計スレッド数12 |
メモリ | 16GB |
内蔵ストレージ | 256GB PCIe SSD |
ディスプレイ | 15.6型液晶、1,920×1,080ドット、非光沢 |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
キーボード | テンキー付き日本語、キーボードバックライト |
カメラ | HD(720p)画質Webカメラ、プライバシーシャッター搭載 |
生体認証 | Windows Hello対応顔認証カメラ、指紋認証センサー |
インターフェイス | Thunderbolt 4/USB4、USB 3.0×3、HDMI、Gigabit Ethernet、音声入出力 |
OS | Windows 11 Pro(Windows 10 Pro) |
サイズ/重量 | 359.4×233.9×19.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.74kg |
第12世代インテルCoreプロセッサー搭載でマルチタスクが快適
HP EliteBook 650 G9は、CPUに第12世代インテルCoreプロセッサーを採用している。高性能コアの「P-cores(Performance-core)」と、高効率コアの「E-cores(Efficient-core)」を組み合わせた、ハイブリッドアーキテクチャの採用が最大の特徴だ。
Windows 11のタスクスケジューラは、第12世代Coreプロセッサーに搭載される「インテルスレッドディレクター」に対応。CPU利用率などを常時監視し、第12世代インテルCoreプロセッサーのP-coresとE-coresそれぞれに最適な処理を割り当てることで、性能と電力効率を同時に高められる。
メインのアプリケーションではP-coresの優れたシングルスレッド性能でレスポンスを向上し、バックグラウンド処理ではE-coresが高効率に処理を遂行する。これにより、従来よりも優れた性能を発揮しつつ、バッテリ駆動時間も延ばせるのだ。
また、HP EliteBook 650 G9では、インテルvProプラットフォームに対応するCPUも選択できる。評価機が搭載していた「Core i5-1245U」はインテルvProテクノロジー対応だ。
インテルvProテクノロジーを利用にすることにより、遠隔地からでもシステム管理や、PC電源のオン/オフ、BIOS設定画面へのアクセス、OS上で発生したエラーからの復旧などが行なえるとともに、ハードウェアレベルでマルウェアの感染リスクも低減できる。場所を問わず働くハイブリッドワークの時代において、インテルvProプラットフォーム準拠PCなら、システム管理者およびエンドユーザーとも安心して利用できるわけだ。
インテルvProテクノロジーはセキュリティを最大限に高める機能を搭載している点で定評があるが、インテルvProプラットフォーム準拠PCは各社のプレミアムなフラグシップビジネスPCで採用されている点も見逃せない。つまり、インテルvProプラットフォームのラベルは安全なだけでなく、高性能や高い使い勝手の表われであることも覚えておこう。
評価機が搭載していたCore i5-1245Uは、P-coresが2基、E-coresが8基。合計で10コア、12スレッドに対応している。末尾の「U」はスリムノートPC向けの低電力モデルであることを意味している。消費電力の目安であるProcessor Base Powerは15Wという仕様で、一般ノートPC向けの25W製品と比べて低消費電力。一昔前なら低消費電力モデルは動作クロックを抑えるだけでなくコア数も抑えられていたが第12世代Coreは違う。
10コア12スレッド対応のCore i5-1245Uにより、マルチタスク時の快適さは1つ上のステージへと押し上げられる。また、クロックについては普段は控えめながらも、性能が求められ電力やCPU温度に余裕があると判断すればブーストが効く。Core i5-1245UではP-coresが最大4.40GHz、E-coresが最大3.30GHzで駆動する。負荷が低いときには自動でクロックを下げ、バッテリ消費を抑えてくれる。
インテルvProテクノロジーに加え、HP EliteBook 650 G9はHP独自のセキュリティ機能「HP Wolf Security」も備えている。ビジネスPCには多角的なセキュリティ機能が求められる。HP Wolf Securityではマルウェア対策を始めとし、OSの上、OSの中、UEFIなどOSの外の階層でもビジネスデータを保護する。
CPU以外の点でも評価機のハードウェアは、これまでのビジネスモバイルと比べてハイスペックだ。そして、これからの時代のビジネスノートのスペック選定の基準としても参考にしていただきたい。
と言うのも、昨今、モバイルノートPCでリモートワークをする機会も増えているが、オンライン会議のためのアプリケーションは映像処理や音声処理といった重い処理を行なっている。古いスペックではオンライン会議を開いただけで重くなることすらある。新しい時代にあったCPUやスペックが求められるのだ。
メモリについても従来よりも多く搭載することをお勧めする。評価機は16GB搭載していた。オンライン会議では、そのアプリケーションのほかにも資料のためのプレゼンテーションソフトやメモのためのソフト、記録のための録画/録音ソフトなど、同時に複数のアプリケーションを起動していることが一般的だ。それぞれがメモリを消費するため、従来なら十分と考えていた容量よりもワンランク多めに搭載することで、マルチタスクでも重くならず、円滑に作業をこなせるようになる。
テンキーや大面積のタッチパッドでワンサイズアップならではの快適さ
HP EliteBook 650 G9のディスプレイは15.6型で解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)。視野角が広く発色が良いIPS駆動方式のパネルを採用している。モバイル製品の13.3型や14型と比べ、本製品は一回り大きな画面サイズによって、文字サイズが大きく、窮屈と感じることも抑えられる。快適さや、そこから生まれる生産性を重視したい方に最適だ。
上部ベゼル内には2つのカメラが搭載されている。1つはHD画質に対応したWebカメラ。オンライン会議などで利用できるもので、オートホワイトバランスなど必要な機能を備えている。手動で確実に無効にできるプライバシーシャッター機能を備えているので活用したい。
もう1つはWindows Hello対応顔認証カメラ(IRカメラ)だ。ログインパスワードは、安全上の理由から長くてランダムな文字列が求められる。こういったパスワードは覚えにくいが、生体認証があれば、パスワードを覚えたり、毎回入力せずとも安全にログインできるので、これもビジネスシーンでは必須と言っていい。
キーボードはテンキー付き日本語配列。Excelなど数値入力の多い作業ではテンキーが便利だ。15.6型筐体なのでテンキー付きでもキーに窮屈感はない。バックライトも備えており、飛行機などの移動時や、節電時のオフィス内でも快適にタイピングできる。
パームレスト部も左右にゆとりがあり、中央からやや左寄りにタッチパッド、右端に指紋認証センサーを備えている。タッチパッドは大面積で、細かな操作も行ないやすい。
インターフェイスでは、有線LAN(Gigabit Ethernet)やHDMI出力などビジネスで使用頻度の高いものをしっかり装備している。USBもType-A端子を3つ(左側面1、右側面2)備えている。そして最大40Gbpsと高速なデータ転送を可能にするThunderbolt 4も備えている。USB4との互換もある次世代を見据えたインターフェイスだ。
本製品には専用ACアダプタが付属し、電源ジャックも備えているが、これとは別にThunderbolt 4のUSB Power Delivery(USB-PD)充電にも対応している。オフィスや自宅ではACアダプタを、出先には小型の汎用のUSB PD充電器(65W対応が望ましい)を持ち運ぶといった具合で使い分けが可能だ。
第12世代インテルCoreプロセッサーの優れた性能をベンチマークテストでも確認
第12世代インテルCoreプロセッサー搭載によって向上した性能をベンチマークテストで確認しよう。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.1.2556」、「3DMark Professional Editionv2.22.7359」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。結果は下にまとめたとおりだ。
PCMark 10 | |
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PCMark 10 Score | 5142 |
Essentials | 10036 |
App Start-up Score | 13129 |
Video Conferencing Score | 8405 |
Web Browsing Score | 9161 |
Productivity | 7029 |
Spreadsheets Score | 6640 |
Writing Score | 7441 |
Digital Content Creation | 5230 |
Photo Editing Score | 9241 |
Rendering and Visualization Score | 2764 |
Video Editing Score | 5602 |
CINEBENCH R23.200 | |
CPU(Multi Core) | 6465 |
CPU(Single Core) | 1682 |
3DMark Professional Edition | |
Night Raid | 10537 |
Graphics Score | 11285 |
CPU Score | 7663 |
Wild Life | 6780 |
Time Spy | 1137 |
Graphics Score | 1004 |
CPU Score | 4631 |
続いてバッテリ駆動時間だ。Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%、Wi-Fiをオンに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、7時間を記録した。
メーカーの公表スペックでよく用いられるJEITA測定法Ver.20と比べると、アプリケーションを用いて計測するPCMark 10のBatteryテストは実際の使用感に近い。本製品のバッテリ駆動時間はモバイルノートとして格別長時間というほどではないが、1日の出張程度なら充電なしでカバーできる。
快適さとモバイルを両立。そこに性能と安全をプラスしたよくばりなビジネスモバイルPC
15.6型のHP EliteBook 650 G9は、デスクトップ代替ノートPCの快適さと、モバイルノートPCのスリムさ軽さを両立させた製品だ。どちらかと言えば快適さをより重視しているように感じられるが、古めの小型軽量モバイルノートPCを使っていて、より快適な性能が欲しいたユーザーに最適なデザインと言えるのではないだろうか。
第12世代インテルCoreプロセッサーで大きく飛躍した性能が、現代のマルチスレッド、マルチタスクなコンピューティングを快適にしてくれる。HP独自のセキュリティ機能に加え、インテルvProプラットフォーム準拠モデルを選べばセキュリティを最大限にまで高められる。オンラインの時代に対応した堅牢、セキュアなビジネスPCをお探しの方にお勧めしたい製品だ。