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【VAIO Zクリエイターリレーレビュー】ゲームグラフィックデザイナーがPhotoshopとIllustratorの高負荷作業でVAIO Zをフル活用!

VAIO Z| SIGNATURE EDITIONと板垣氏

 VAIOのフラグシップモバイルノート「VAIO Z」を使ったクリエイターリレーレビューの第4弾として、ゲーム開発を手がけるほか、プロゲーミングチーム「広島 TEAM iXA」を運営するヤルキマントッキーズのゲームグラフィックデザイナーにVAIO Zを使ってもらい、その感想を伺った。

 新しいVAIO Zは、1kg(最軽量構成時)を切るモビリティと、第11世代Intel Core Hシリーズ+独自の「VAIO TruePerformance」機能などによる高い性能を両立させたマシン。さまざまな場所に持ち出して、クリエイティブな作業を行なうことができる憧れのマシンだ。

 試用してもらったのは、VAIO Z|SIGNATURE EDITION(シグネチャーブラック)モデルで、試用機の主な仕様は、Core i7-11375H、メモリ32GB、SSD 512GB、ディスプレイ4K(UHD)、5G搭載となっており、VAIO Zとしてもハイエンドなカスタマイズだ。ゲームデザイナーが本製品をどのように使い、どのように感じたのかを見ていこう。

 なお、今回、実際の検証はヤルキマントッキーズの2Dグラフィックデザイナーの方に依頼したが、顔出しはされていないとのことなので、評価/感想は同社代表取締役社長の板垣護氏を通じて伺った。

 製品のレビュー/インタビュー記事はすでに掲載しているので、VAIO Zがどのような点にこだわって開発され、どのように軽量化や高い性能を実現したのかといった点については、そちらを参照してほしい。

VAIO Z
天板
本体右側面
インターフェイスはHDMIとThunderbolt 4
左側面
インターフェイスはThunderbolt 4と音声出力

検証内容について

——:今回、VAIO Zを評価するにあたり、どのような作業を行なったのか、ご説明ください。

板垣:普段使いしているグラフィック制作専門のデスクトップPCで行なっている画像処理の内、負荷のかかる作業をVAIO Zを使って行なうとどうなるかを試してみました。

 まず弊社が開発中のゲームと、運営しているゲーミングチーム「広島TEAM iXA」に関する以下の3つの作業に関して、デスクトップ作業時と同じ状態をVAIO Zで再現し、編集や加工を実際に行なってみました。使用したソフトはPhotoshopとIllustratorになります。

  • 現在開発中の新作スマホゲームに登場する「戦子(センコ)」のキャラクターデザイン作成。それをA3サイズのポスター用にトリミングと色調調整をPhotoshopにて行ない、PNG形式で出力
  • チームが主催するゲーム大会「iXA CUP」ロゴの作業時のデータの編集
  • チームに所属する選手の宣材写真の透過作業
今回VAIO ZでPhotoshopを使い「戦子(センコ)」のキャラクターデザインをしていただいた
Photoshopを使ったチームに所属する選手の宣材写真の透過作業
Illustratorを使ったチームが主催するゲーム大会「iXA CUP」ロゴの作業時のデータの編集作業

 グラフィックに強いとされる別メーカーのノートPCも常用で数台使っており、これらで試すと処理速度が著しく落ちて作業の反映に時間がかかったり、途中で使用ソフトがエラーで落ちたり、最悪マシン自体が高温になり、フル回転するファンの騒音空しくOSが落ちる結果になるなど、本来ノートには向かない作業ではないかと思います。


VAIO Zの高性能がどう活きる?

——:VAIO Zはモバイルノートながら、高い性能を実現しています。今回グラフィック編集作業を行なってみて、具体的にどのような作業で性能の高さを感じたか教えてください。

板垣:結論から言うと、今回行なった作業を通じてVAIO Zで体感したのは、圧倒的な画像の処理速度と負荷の高い作業にも安定して動作する確かなポテンシャルでした。

 ゲームキャラクターのA3サイズのポスターでは、約10MBになるPNG形式の画像データを出力する際に確認用のプレビューが表示されます。常用ノートだと表示されるまで体感で約20~30秒ぐらいかかります。これだと調整による出力の度に結構ストレスになります。VAIO Zで出力を試した結果、体感で約3秒ぐらいでプレビューが表示されました。高解像度の画像編集が多い人にはこれはありがたいですね。

 イベントやゲーム等のロゴを作成する際、ラフから結構な数のパターンを試行錯誤してIllustratorの1つのファイル内に思いついたイメージを乱雑に並べてしまうんですが、同じデザインで一部違うものも並べるため、ベクターデータが増えて当然処理が重くなります。常用ノートで作業する際は、不要箇所を消すかファイルを分ける必要があり、手間が結構かかります。この点VAIO Zだと特に処理が遅延することもなく、スムーズに拡大縮小や編集が可能だったので負荷分散のための煩わしい作業が減り大変助かります。

 チームに新しい選手が入ったりユニフォームを新調する度に宣材写真を撮影しますが、宣材用なのでファイルサイズは大きく、1枚につき5~10MBぐらいのデータで、全選手2~3ポーズ分を透過処理します。何かと数も多く、処理頻度も高い作業です。常用ノートだと2~3画像ぐらいをPhotoshopで開いた状態での作業が限界ですが、VAIO Zだと15画像ぐらい開いても問題なく動作してくれたのでストレスフリーです。また負荷のかかる使い方を連続でしても熱はこもらず冷却ファンの音も大変静かだったのは感動しました。


軽さのメリット

——:VAIO Zは高性能ながら、重量は1kg切り(最軽量構成時)を実現しており、気軽に持ち運べます。グラフィックデザイナーとして、グラフィック作業が可能なノートが持ち運べると、どのように活用の幅が広がりますか?

板垣:作業内容の違いでノートPC4台ほど常用で使っていますが、実際に持ち比べてみた結果、VAIO Zの圧倒的な軽さに驚きました。コロナ禍になる前は外部に出向して作業することも珍しくなかったため、何かとノートを持ち運ぶ機会がありましたが、グラフィックの強さを謳ってるノートは何かと厚みがあり、片手で持つには少々不安なになるぐらいの重量なので持っていくのが毎度億劫でした。テレワークの今でも室内移動でさえ億劫です。

 一方、VAIO Zほどの軽さならば、片手でも容易に持ち運べて、移動に対する煩わしさからは解放されそうです。


バッテリ駆動時間について

——:VAIO Zは最長で約34時間、4Kモデルでも約17時間の駆動が可能です。グラフィックデザイナーの視点から、この駆動時間をどのように思いますか。

板垣:常用でノートPCを4台を平行して使用することもあり、作業負荷に比例してバッテリも消費が激しいため、電源アダプタに繋げて使うことが多く、コンセントの差し込み口が常に埋まってしまいます。携帯電話やタブレットも使用するため、充電する機会が少なくて済むのはそれだけでメリットだと思います。

 また一般的なノートの電源アダプタは、それ自体もそれなりの重量があるため、外出時に電源アダプタまで持ち運ぶ必要がなくなるので、持ち運びという観点でもメリットがあるなと思います。ただ、VAIO Zの電源アダプタは非常にコンパクトで軽いので、持ち運ぶのは苦ではないですね。


堅牢性について

——:軽いだけでなく米国防総省の規格に準ずるテストをパスする堅牢さも特徴です。この点について感想をお聞かせください。

板垣:VAIO Zを持った時に率直に感じたのが「軽くて硬い」でした。大体の軽いノートPCの場合、片手で持った時に指の接触部がつかむ力で少しへこんだり、液晶の外装に圧力を加えると多少なりともへこんで脆い感じがするものですが、VAIO Zは柔軟さはあるものの脆い感じがなく、閉じた状態で持つと木の板でも持ってるような安心感がありました。

 液晶パネルのヒンジ部分も緩くなく、意図した角度でしっかり固定してくれるのも心強いです。


液晶パネルについて

HDR対応で、DCI-P3カバー率99.8%の4Kパネル

——:4KモデルはHDR対応で、DCI-P3カバー率99.8%となっています。グラフィックデザイナの視点から、こういった仕様にどのようなメリットがあると思われますか? また、実際に今回使ってみて、液晶の見栄え/品質はいかがだったでしょうか?

板垣:ディスプレイの規格違いによる色域の差はデザイン上で良し悪しありますが、表現できる色域が広いというだけでグラフィックとしてはメリットがあると思います。VAIO Zの液晶画面は非常に綺麗で深く繊細な印象を受けました。非光沢のためか、白の発色が落ち着いて見えて目に優しいので目を良く使う立場にはありがたいです。


洗練されたデザイン

——:ノートPCについては、デザインを気にするユーザーも多くいます。本製品のデザインについて感想をお聞かせください。

板垣:全体的にスタイリッシュでシックな仕上がりが好みです。うっすらと見えるカーボンの層が木目調みたいで、そこがまた良い感じですね。個人的にとても良かったのはヒンジ部分の角を削ってそこに金属の補強パーツを付けてる部分です。

 ノートの角って、持ち運び用カバンから取り出す時に何かと引っかかって地味にストレスなんですが、VAIO Zは角が引っかからずスムーズに取り出せました。両側面の外装から覗くヒートシンクも冷却性能の高さが伺えてかつ格好良いですね。全体的に結構ベタベタ触ったんですが指紋がほとんど付いてないのには驚きました。総じて「洗練」というのが納得の一言です。


5G対応の使いどころ

オプションで5Gにも対応

——:VAIO Zは5G対応モデルもあり、4Gよりも最大10倍高速に屋外でも通信ができます。これにより、どんな使い方ができそうでしょうか。

板垣:最近はZoomなどのWeb会議も時世的に増えていて自宅外から参加する人も多いですが、通信状況が悪いと会話が全くかみ合わないので5Gの需要はありますね。また、データの保存先にクラウドを指定し共同編集で作業することも多くなってきているため、出先でも編集が必要な際に安定して作業できのは助かるなと思います。


あなたならBTOでどんな構成にする?

——:グラフィックデザイナーの観点から、VAIO Z|SIGNATURE EDITIONを買うとしたら、BTOでどのような構成にするか教えてください。また、それぞれの選択肢を選んだ理由も教えてください。

板垣:標準から変更するとしたらディスプレイは「4K HDR対応」を選択します。やはり綺麗な画面で作業したいですね。ここまで高性能なのにフルHDを選択するのは、もったいなさを感じます。

 メモリは「32GB」一択です。画像処理にはメモリが必須なイメージです。ストレージは「512GB」を選択します。本当は「1TB」ぐらいあれば安心なんですがメモリを増やす分こちらを抑えたいと思います。

 あとは複数ディスプレイを使いたいので「4Kマルチモニター ドッキングステーション」があると良いなと思いますが、これは予算と相談ですね。

グラフィックデザインもストレスなくこなせるVAIO Zの性能

 以上のように、今回はゲーム開発会社のグラフィックデザイナーにVAIO Zを使ってみてもらった。「本来ノートには向かない」と思うほど一般的なノートPCにとっては重い作業だが、VAIO Zでは圧倒的な速度で画像処理をこなせたという。

 また、そういった負荷の高い作業でも、安定して動作していたというのも見逃せない点だ。ブーストなどで一時的に性能が上がっても、それが維持できなかったり、熱暴走でマシンが落ちたのでは意味がない。VAIO Zは、性能に加え、安心をも提供するマシンだということを覚えておきたい。