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デスクトップも敵じゃない!? テレワーク最強ノートPC環境を作るカギは「USBドック」&「マルチハブ」だった!
- 提供:
- デル・テクノロジーズ株式会社
2021年3月5日 09:50
リモートワークを効率化するためには1台のノートPCを職場でも出先でも自宅でも使い回せるのが理想的。さらに、出先ではノートPC単体で、オフィスや自宅の書斎では大型ディスプレイやデスクトップPC用のキーボード、マウス、外付けストレージ、ヘッドセットなどを接続して、デスクトップPCのように使い勝手のよい作業環境を作りたい。
しかしながら、出先から戻るたびに多数のデバイスのケーブルを接続し直すのは現実的ではない。そこで注目したいのが「USBドック」や「USBマルチハブ」。ACアダプタまで含めた周辺デバイスをこれにつないでおけば、ノートPCにUSBケーブルを1本挿すだけで、すべてのデバイスの接続と給電を実現できる。
筆者は6コアのモバイルノートを常用しており、処理速度に不満はないのだが、13型の画面は目が疲れるし、モバイル仕様のキーボードでは入力速度が上がらないし、1日作業するとかなり肩がこる。しかし、ドック経由で外付けの大型4Kディスプレイとゲーミングキーボード、マウスをつないでからは作業領域が一気に広がり、書類作成も低ストレスで行なえるようになった。
出先でPCを使いたいさいには同じデータを持ち出せるので、「データをデスクトップPCからノートPCにコピーし忘れた!」、「ネットワークにつながらないからクラウドからダウンロードできない……」といったミスとも無縁になり、まさによいことずくめ。仕事の効率が明らかによくなったと感じる。
この企画では、デル製のUSBドック/マルチハブを使った実際のPC環境を見ながら、導入のポイントをチェックしてみたい。あれもこれもできるよくばりなリッチプランと、投資やスペースを押さえながらも作業効率を大きく改善するシンプルパターンの2つの例を考えてみた。テレワークにおける自宅のPCデスク、フリーアドレスを含めたオフィスのPC環境療法に応用できると思うので、参考にしていただきたい。
なお、各プランでデル製のドックやマルチハブを使っているが、これらはデル製以外のPCと組み合わせても使うことができる。ただし、周辺機器メーカー製のドックやマルチハブと同じく、相性問題で動作しないことがあっても保証の対象外だ。
ノートPCの実用度を最大限まで高めるリッチプラン
それでは、さまざまな周辺機器を接続するリッチなプランから解説していこう。まずは写真を見てほしい。
27型の4Kディスプレイ2台、ワイヤレスキーボードとマウス、スピーカー、ディスプレイ、有線LANをデルの13型モバイルノート「Latitude 7320」にUSB Type-Cケーブル1本で接続している。Latitude 7320への電源供給も同じケーブル経由だ。このシステムでは、職場から持ち帰ったPC、リビングで使っていたPCが、1本のUSBケーブルを接続するだけでここまでリッチな環境にさま変わりしてしまう。
ポイントであるUSBドックはデルの「Universal Dock D6000」という多機能モデル。HDMI出力を1基、DisplayPortを2基持ち、最大3台の4Kディスプレイを接続可能。USBはType-Cが1基、Type-Aが4基(いずれもUSB 3.0)、さらにGigabit Ethernet対応の有線LANポートとスピーカー出力、オーディオ入出力のコンボジャックを搭載している。130W出力のACアダプタが付属し、このドック経由でノートPCに給電するので、ノートPCのACアダプタをいちいちつなぎ直す必要はない。
ディスプレイは4K(3,840×2,160ドット)/60Hzに対応しており、1台だけでもLatitude 7320のフルHD(1,920×1,080ドット)の4倍の表示領域を持つ。それが2台接続されて、さらにノートPC側のディスプレイもそのまま使えてしまうのだから、作業スペースはとにかく広大だ。
正面のディスプレイに入力中のExcelやパワポを表示しながら、右のディスプレイには資料のPDFやWebサイトを多数表示、ノートのディスプレイにはビジネスチャットやWeb会議、カレンダーなどを表示しておく。こういった王道の組み合わせはもちろん、在宅ワークであるならば、左右どちらかのディスプレイにYouTubeや株価情報などを表示させておくのもよいかもしれない。ノート単体より作業領域が大幅に広くなるので、それだけで作業効率が高まるのだが、サイズも大きくなっているので目の負担も少ない。
また、各アプリのウィンドウを閉じたり開いたり、移動させたりせず、開きっぱなしにできることで、一層作業効率が高まる。
キーボードも大型、マウスもデスクトップ用の通常サイズのものなので、入力時の操作感はデスクトップPCと変わりない。長時間の文字入力から、ちょっとした動画、写真編集と言ったクリエイティブ作業まで、モバイルのノートの狭いキーボードとタッチパッドに比べると雲泥の差だ。肩凝りも軽減される。
また、ノートPCの弱点の1つであるストレージ容量の少なさも、USB接続の外付けHDDを用いることで対処している。終了した案件の資料など、すぐに使うことがないデータはこちらに入れておけば貴重なノートのSSDを消費しなくてすむ。SSD側のデータをHDDに定期的にバックアップするのもよいだろう。
有線LANをつないでいるのは高速な回線を安定して使うことを考えて。自宅であれば、無線LANの電波が届きにくいときに役に立つが、オフィスであればそれに加えて、無線LAN機器同士の干渉対策にもなる。筆者はこうした干渉が起きているオフィスで作業をしたことがあるが、無線LANの速度が出なかったり、突然接続が遮断されたりして、作業の効率がかなり落ちてしまった。
昨今では、LAN上のファイルサーバーでデータをやり取りしたり、Webで情報を調べたりするだけではなく、OffceオンラインなどのクラウドサービスやZoomのようなWeb会議も活用するので、ネットワークが高速かつ安定していることはビジネスの死活問題と言える。
さて、テレワークでの自宅PC環境であれば、このリッチな装備をオフの時間でも活用したい。たとえばAmazon Prime VideoやNetflixなどの動画配信サービスを楽しむデスクトップシアター的な楽しみ方。昨今のモバイルノートPCは2Dタイプのライトなゲームであれば問題なく動作するので、そういったゲームを楽しむのもよい。ゲームも動画も、ちょっと大きな画面と外付けスピーカーがあればかなり楽しめる。
コンパクトにまとめたい&外出先でも活用したいシンプルプラン
次に紹介するのは、もっと省スペース、低コストで大きな効果が得られるシンプルプランだ。このプランでは、作業効率アップのコアとなる、27型4Kディスプレイと大型キーボード、マウスのみを接続する。これだけで、デスクトップPCと遜色のない作業環境を得ることができる。
このプランのポイントになるのは、デルのUSBマルチハブ「USB-C モバイル アダプター DA310」だ。ドックもマルチハブも1基のUSBポートなどに多数のデバイスを接続するための機器だが、ドックは据え置きを意識したタイプ、マルチハブは可搬性がある程度考慮されたものいったところだろうか。
DA310のインターフェイスはD6000ほど多くはないものの、ツボを押さえている。4K/60Hzに対応したHDMIとDisplayPort、USB Type-A 3.1×2基、USB Type-C 3.1×1基(4K/30Hzのディスプレイ出力としても機能)に加えてGigabit Ethernetと、ミニD-Sub15ピンを備えている。
DA310にACアダプタは付属しないものの、Type-C経由での給電が可能。DA310のType-CポートにLatitude 7320付属のType-C ACアダプタを接続しておけば、周辺機器の接続とPCへの給電をまとめて行なうことができる。これで十分という方も多いのではないだろうか。また、DA310はUSB PD仕様で定められている「Fast Role Swap」(FRS)という機能をサポートしている。これにより、USB Type-C電源がDA310から取り外されてもディスプレイ出力や有線LANの接続が中断されることがない。
DA310はその名のとおりモバイル用途も意識されているので、出先でも使いやすい。出先に4Kディスプレイやキーボードマウスを持っていって使おうというわけではなく、出先のさまざまな機器に手持ちのノートPCをつなげられる点がメリットだ。
出張先のプロジェクタが旧式でミニD-Sub15ピン入力しかない、ホテルに無線LANが用意されておらず、部屋にあるのは有線LANポート、というシチュエーションはいまだによくある話。そんなとき、DA310をカバンに忍ばせておけばさまざまな環境に対応できる。拡張インターフェイスはType-CポートのみというPCも増えているので、現場で手詰まりになってしまう前に本機のようなマルチハブを用意しておいて損はない。
これは便利!スピーカーフォン一体型のマルチハブ
もう1つ、おもしろいアイテムを紹介しよう。DA310のようなUSBマルチハブとWeb会議用のスピーカーフォンが一体化した「Dell モバイル アダプター スピーカーフォン MH3021P」だ。スピーカーフォンはWeb会議の際にマイク兼スピーカーとして機能するもので、ノートPCのマイクより指向性が広く、多人数の音声でも集音しやすい。スピーカーもノートPC内蔵のものより広い範囲、かつ大音量で聞き取ることができる。
つまり、複数人がいる議室でも、ノートPCとスピーカーフォンが1台ずつあれば快適なWeb会議が実現できてしまう。1人で使う場合でも、ノートPC内蔵マイク、スピーカーの音質に不満があるのものの、毎回ヘッドセットを使うのはめんどうという方は多いはず。その場合は大いに検討に値する。
MH3021はこのようなスピーカーフォンと、USBマルチハブが統合された製品。拡張インターフェイスはDA310よりもシンプルで、4K/60Hz対応のHDMI出力が1基、USB 3.1対応のType-AポートとType-Cポートが1基ずつ。ACアダプタは付属しないが、Type-C給電には対応する。そのため、上記のシンプルプランの外部ディスプレイとキーボード、マウスの接続と給電は実現できる。直径11.9cmと持ち運びも可能なサイズなので、出先で大型ディスプレイやプロジェクタとつないで即席のWeb会議環境を構築するのにも向く。
PCの作業効率の改善だけでなく、Web会議の環境まで一気に整えたいなら、このMH3021はとても魅力的な存在だ。
USBドック、マルチハブ環境をもっと活用するテクニック
USBドックを活かした環境を構築する上でのちょっとしたノウハウも紹介しておこう。まず、PCデスクを広く使うことを意識したい。PCデスクは仕事机。キーボード、マウスだけでなく、書類や手帳などもさっと展開したい。そのためのスペースを常に開けておく。
このとき役に立つのがノートPC台だ。台の上にノートPCを設置することで、ノートの底面分の面積が一部空く。そこにスマホや小物、あるいはドックなどの配置してやれば卓上スペースを有効利用できる。ノートPC台は高さ調整ができるものなら、外付けディスプレイとノートのディスプレイの高さを合わせることができるのでなお良い。
また、外付けHDDやプリンタを、卓上ではなく卓の下や棚に設置することも考えたい。
キーボード、マウスのワイヤレス化も意外と卓上をスッキリとしてくれる。これらのケーブルの上には書類を置けないことはもちろん、広い作業スペースが必要なときにワイヤレスならさっと片付けられる。
これに加えて、ごちゃつくケーブル類をうまく隠せばインテリア的にもちょっと映えてくる。ここまで来れば"できるビジネスパーソン”のワークスペースのできあがりだ。さあ、写真をSNSに投稿してライバル達のマウントを取ろう……と冗談めかしてしまったが、今の時代、自分への積極投資を社内外にアピールすることも、あながちムダではないだろう。
オフィス利用で注目したいMACアドレスパススルー
有線LANポートを持つドックやマルチハブはPC本体とは別に固有のMACアドレスを持っている。これによってネットワークに接続されたドック/マルチハブの個体認識が可能になる一方で、PC側のMACアドレスを認識できなくなってしまい、ネットワークに接続されたPCをMACアドレスで識別している環境では問題となることがある。たとえばフリーアドレスのオフィスで各席にドックを設置すると、現在どのPCが社内ネットワークに接続されているのかが分からなくなってしまう。
筆者もそうした管理を行なっている現場で作業したことがあり、業務の必要上から有線LANポート付きドックの導入を申請したものの、なかなか認めてもらえなかった経験がある。これはセキュリティのルールに沿わないので当然の対応と言えるのだが、管理者や経営者だってドックやマルチハブの導入で生産性が上がるのならば、その可能性をつぶしてしまいたくはないはず。
そんな場合、とくに管理者に注目してほしいのが、D6000やDA310などに搭載されている「MACアドレスパススルー」機能である。
この機能を使うと、ドックやハブにPCを接続すると、そのMACアドレスがPC側のMACアドレスで上書きされる。管理者側は、PCを直接ネットワークに接続した場合と同じように、接続されたPCをMACアドレスで識別できるようになる。
また、この機能は対応するデル製のPCと組み合わせたさいに利用することができ、PC側はUEFI(いわゆるBIOS)設定で同機能を有効にする必要がある。
ドック、マルチハブは拡張ポート不足を補うだけの存在じゃない! ノートPCの使い方を変えて、仕事環境を進化させよう
USBドック、マルチハブによるノートPC環境の強化策、いかがだっただろうか。すでにデスクトップPC環境を併用している方なら、デスクトップのよさもノートのよさも実感しているはず。そのいいとこ取りができるのが今回のプランだ。デスクトップ側の周辺機器を流用すれば、ドックやハブへの投資だけで環境を実現できる。
ノートPCだけ使っている方も、作業効率は改善し、疲労は軽減するので部分的にでも導入を試してみることをオススメする。筆者として強く主張しておきたいのは、電源まで含めてケーブル1本で接続できる点だ。この簡便さがなければ、ノートの持ち運びと多数の周辺機器の接続の両立はなかなか難しい。そして、その解決の答えがUSBドックとマルチハブなのである。
製品名 | Thunderbolt Dock WD19TBS | Universal Dock D6000 | USB-C モバイルアダプターDA310 | モバイル アダプター スピーカーフォンMH3021P |
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直販価格(税別) | 3万4,700円 | 2万6,800円 | 1万1,900円 | 2万1,600円 |
PC接続インターフェイス | USB Type-C/Thunderbolt 3 | USB Type-C/USB 3.0 | USB Type-C | USB Type-C |
拡張インターフェイス | DisplayPort ×2、USB(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0b×1、Thunderbolt 3×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.1(Type-A)×3、1000BASE-T×1 | DisplayPort ×2、HDMI×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0(Type-A)×4、1000BASE-T×1、オーディオコンボ、オーディオラインアウト | DisplayPort ×1、USB(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0×1、Dsub 15ピン×1、USB 3.1(Type-A)×2、1000BASE-T×1 | USB 3.1(Type-C、DisplayPort対応)×1、HDMI 2.0×1、USB 3.1(Type-A)×2 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 205×90×29mm | 78×168×30mm | 69.8×69.8×24.5mm | 119×119×32mm |
重量 | 585g(ACアダプタ除く) | 380g(ACアダプタ除く) | 80g | 214g |