トピック
ディスプレイを買い換え? なら知っておきたい"WQHD"解像度のちょうど良さ
~フレームレスデザインなら、2台構成でさらに快適に
- 提供:
- アイ・オー・データ機器
2018年9月10日 06:00
27型WQHDは、24型フルHDに近い視認性で、約1.8倍の情報量を確保
現在、外付け液晶ディスプレイに求められる表示解像度として、フルHD(1,920×1,080ドット)がほぼ標準となっている。その背景は、フルHD解像度が事実上の標準フォーマットとなっている動画はもとより、会社での文書や資料の作成作業、自宅でのWeb閲覧、SNSの利用、ゲームプレイなどを快適にこなすためにも、フルHD程度の解像度が必要となっているからだ。より快適な環境を目指し、4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する液晶ディスプレイを選択する人も増えつつある。
ただ、パネルサイズが同じ場合、表示解像度が高くなればなるほど、表示できる情報量が増える反面、表示される文字サイズが小さくなり、視認性が低下する。そのため、4Kディスプレイで快適な文字の視認性を求めるなら、よほど視力が高くない限り、30型を超える大型のものが必要となってくる(いずれもスケーリングを利用しない場合)。
だが、ディスプレイサイズが30型を超えてくると、設置場所の問題が出てくる。比較的設置の自由度の高い自宅ならともかく、デスクのサイズが決まっているオフィスでは、30型超の大型ディスプレイは設置が難しい。
そういったなか、いま注目を集めつつあるのが、27型前後のWQHD(2,560×1,440ドット)表示に対応する液晶ディスプレイだ。ディスプレイサイズが27型だと、表示解像度がWQHDと高解像度になっても画素ピッチは0.2331×0.2331mmと、23.8型フルHDの0.2745×0.2745mmと大きく変わらず、表示される文字サイズは23.8型フルHD液晶ディスプレイとほぼ同等となる。それでいて、表示できる情報量はフルHDに比べて約1.8倍に増える。
つまり、申し分ない文字の視認性を確保しつつ、情報量を大きく増やせられるわけだ。たとえば、2種類のアプリを横に並べて表示させて利用する場合、文字の視認性を低下させることなく、それぞれのアプリでフルHDの約9割と申し分ない情報量を確保できる計算となる。
実際に、27型WQHD製品として、アイ・オー・データ機器が先日発表した液晶ディスプレイ「LCD-MQ271EPB-F」を使って、そのあたりを検証してみた。まず、WordとExcelを横に並べて表示したところ、それぞれのアプリで表示領域が足りずに扱いづらかったり、文字の視認性が悪く編集作業がやりづらいと感じることもなく、快適な利用が可能だった。もちろんそれが、SNSアプリとWebブラウザの組み合わせといった場合でも同様の印象だ。
本製品のパネル表面は非光沢処理となっているため、外光の映り込みが少なく、オフィスでの文書作成時でも快適な表示環境を実現。発色性能も申し分ないため、写真のレタッチ作業など、画像処理用途にも柔軟に対応できる。輝度は350cd/m2と、このクラスの製品としてはかなり明るく、照明の明るいオフィス空間でも快適に利用できるはずだ。
フレームレス仕様で、オフィスでも2台並べて問題なく利用でき、スタンドも高機能
LCD-MQ271EPB-Fは、27型の大型パネルを採用しているが、上下左右ともにフレームレス仕様となっているため、パネルサイズの割に本体はコンパクトとなっている。付属スタンドを装着した場合のサイズは、約614×245×412~542mm(幅×奥行き×高さ)。一般的な23.8型液晶ディスプレイでは、横幅は550mm前後のことが多く、27型パネルを採用しながら横幅が約614mmというのは、かなりのコンパクトさと言える。奥行きも23.8型液晶ディスプレイとほとんど変わらず、デスク上の設置スペースも余裕で確保できるだろう。
また、このコンパクトさによって、2枚のLCD-MQ271EPB-Fを利用したマルチディスプレイ環境を構築する場合でも、思ったほどスペースを占有しない。2台を真横に並べた場合、横幅は約1,228mmですむため、オフィスで広く利用されている横幅120cmのビジネスデスクで利用する場合でも、横に3cm弱はみ出すだけ。左右のパネル部分を中央からV字になるよう双方をやや斜めに設置すれば、十分にデスクの範囲内に収まる。
マルチディスプレイ環境で使ってみて改めて感じたのが、圧倒的なフレーム幅の狭さだ。フレーム幅が広いと、マルチディスプレイ時には中心部分に大きな非表示部分ができてしまう。しかしLCD-MQ271EPB-Fでは、フレームの狭さから非表示部分の幅がかなり狭く、ほとんど気にならなかった。これは、マルチディスプレイ環境を構築するうえで、かなり大きな魅力となるはずだ。
付属スタンドが高機能という点も見逃せない。LCD-MQ271EPB-Fに付属するスタンドでは、上23度、下5度の範囲でのチルト角度調節、左右それぞれ160度と幅の広いスイベル角度、130mmの範囲内での高さ調節が可能となっており、利用する人の環境に応じて、自在にディスプレイ面の位置調節が可能となっている。調整に大きな力は不要で、どの位置に調節してもぐらつきはほとんど感じない。
ディスプレイを右に90度回転させ、縦画面での利用を可能とするピボット機構も備えているのだが、ディスプレイ部にジャイロセンサーを内蔵しており、PC側に専用ユーティリティをインストールしておけば、ピボットで縦画面に回転させると自動的にデスクトップの表示モードが縦画面モードに切り替わるのだ。
スマートフォンと違って、縦画面で利用する場合に、手動で表示モードを縦画面モードに切り替えるのは結構面倒だったりする。それが、センサーを活用して自動的に切り替わるという点は、頻繁に画面の向きを変えて利用することの多いユーザーにとって、なにより嬉しいポイントとなるだろう。
そして、このフレームレス仕様とピボットによる縦画面表示対応によって、店舗に設置して利用するデジタルサイネージとしても非常に扱いやすくなっている。もちろん、27型という大きさは存在感も抜群で、人目を引く必要のあるサイネージ用途としても、申し分ない魅力となるだろう。
応答速度はIPS液晶として標準的で、ゲーミング用途にも十分対応可能
液晶パネルはIPSパネルを採用しており、広視野角で輝度ムラや発色ムラは全く感じない。応答速度は標準で14ms(中間色)とそれほど高速ではないが、オーバードライブ設定を活用すれば、5ms(同)まで高速化できる。
この点は、IPSパネル採用の液晶ディスプレイとしては一般的な性能だ。オーバードライブ設定で5msの応答速度ならば、まずゲームプレイ時に表示画像の残像が気になってプレイに支障を来すことはない。実際に、家庭用ゲーム機を接続してゲームをプレイしてみたが、筆者の個人的な印象では表示に対する不満は全く感じられなかった。
なお、ゲーム向けに表示遅延を抑えるなどした27型WQHD製品としては、同社の「GigaCrysta LCD-GCQ271XDB」がラインナップされている。
WQHDという解像度は、タイトルにもよるが、ゲームでも好適な解像度である場合がある。最新のPCゲームでは、表示クオリティが高まっており、可能な限り高解像度表示環境でプレイしたい。とはいえ、表示解像度が高くなればなるほど、画像処理が重くなり、フレームレートが低下してしまう。もちろんWQHDでの画像処理はフルHDよりも重くなるが、4Kに比べると軽い。そのため、表示品質を高めつつ、ゲームのフレームレートの大幅な低下も抑えられるという意味で、WQHDはイマドキのゲームに好適と言える。
たとえば、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークを、Core i-8700、GeForce GTX 1080 Ti、メモリ16GBというかなりハイエンドな環境で実行した場合、解像度がフルHDだとスコア11,231で「とても快適」(緑色)、WQHDだとスコア8,741で「快適」(緑色)という結果になるが、4Kでは4,702で「やや快適」(黄色)にまで落ち込む。
このほか、ゲームをフルHD解像度でウィンドウ表示させつつ、ブラウザやSNSアプリ、チャットアプリなどを並べて表示する場合でも、それぞれのアプリに十分な領域を確保できるのはもちろん、ブラウザやSNSアプリの文字もはっきり視認できる。友人とコミュニケーションを取りながらゲームをプレイするような場合には、広い表示領域と高い視認性が役立つだろう。
ジョイスティック型コントローラの採用でOSD操作も軽快
OSD操作用として、ディスプレイ右下背面にジョイスティックを配置している点も、特徴的な部分の1つ。一般的な液晶ディスプレイのOSD操作は、ディスプレイ側面や下部に横、または縦に一列に並ぶボタンを利用する場合が多数だが、直感的な操作が難しく、誤操作が多発するものもある。
LCD-MQ271EPB-Fのジョイスティック型のコントローラでは、上下左右のカーソル移動を直感的に操作できるため、軽快な設定変更が可能。本製品は、文字入力作業や映像表示、ゲームプレイなど、用途に応じた表示設定が複数用意されているが、このジョイスティック型コントローラなら表示モードの切り替えも軽快に行なえる。カタログだけではわかりづらい部分だが、利用時の快適さに繋がる重要な仕様でもあり、見逃せない特徴だ。
映像入力端子は、HDMI×3系統とDisplayPortが1系統の計4系統と豊富。複数のPCを接続し、切り替えて利用するのはもちろん、家庭でPCに加えてゲーム機を接続して利用するといった用途にも柔軟に対応できる。
スタンド背面に付属のケーブルクリップを装着すれば、電源ケーブルや映像ケーブルをまとめられるので、複数のPCや映像機器を接続したとしても、背面にだらしなくケーブルが垂れ下がることなく、すっきりとした見た目で利用できる。2W+2Wのスピーカーも内蔵しており、映像端子経由で入力されたサウンドを、別途スピーカーを用意することなく簡単に再生できる。
付属品は、電源ケーブル以外にDisplayPortケーブルとHDMIケーブルが1本ずつ付属する。HDMIケーブルが付属する製品は多いが、それに加えてDisplayPortケーブルまでも同梱となる製品は少ない。別途ケーブルを用意することなく利用できるという意味で、大いに歓迎したい。
さまざまな使い方に対応できるLCD-MQ271EPB-F
このように、WQHD対応27型ディスプレイは、高い視認性を備えながら、フルHDの約1.8倍という豊富な情報を一度に表示でき、快適な表示環境が得られる。普段、23.8型のフルHDディスプレイで満足している人でも、一度使ってみると、その快適な表示環境に驚くとともに、もう23.8型フルHDディスプレイには戻れないと感じるはずだ。
加えて、LCD-MQ271EPB-Fはでは、高機能スタンドの採用による高い利便性、圧倒的な4辺フレームレス仕様による省スペース性や表示画像の優れた存在感によって、シングルディスプレイやマルチディスプレイまであらゆる環境での利便性の高さも大きな魅力。ビジネスシーンでの利用はもちろん、ゲームプレイなどのホビー用途、縦画面で利用するデジタルサイネージ用途など、幅広い用途に柔軟に対応できる点は、競合製品に対する大きな利点と言える。
LCD-MQ271EPB-Fのおもな仕様 | |
---|---|
パネルタイプ | 27型IPS |
パネル表面処理 | 非光沢 |
解像度 | 2,560×1,440ドット |
表示色数 | 1,677万色 |
輝度 | 350cd/平方m |
中間色応答速度 | 14ms/5ms(オーバードライブレベル2設定時) |
コントラスト比 | 1,000:1 |
視野角 | 上下/左右とも178度 |
インターフェイス | HDMI×3、DisplayPort |
スピーカー | 2W+2W |
チルト角 | 上23度/下5度 |
スイベル | 左右160度 |
高さ調整 | 130mm |
ピボット | 右90度 |
VESAマウント | 100mm(本製品のスタンドはVESAマウントインターフェイスに取り付けられている) |
盗難防止用ホール | ○ |
本体サイズ | 約614×245×412~542mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約7.4kg |
保証期間 | 5年 |
実売価格 | 49,800円前後 |