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“社会活動すべてを布団に入りながらにして完結”できるVRヘッドセット

 Diver-X株式会社は13日、寝ながらの使用に最適化したVR HMD「HalfDive」を発表した。11月6日からKickstarterで支援者を募集する準備を進めているという。

 3モデルの投入を予定しており、リターンと支援額は、HMD内部で焦点距離を制御し遠近感を把握しやすくする「可変焦点機能」搭載モデルが40万円程度、すべてのフィードバックモジュールを備えたフルセットが12万円程度、一部のフィードバックモジュールを省略したベーシックモデルが8万円程度を見込む。

 PCを用いた作業や他者とのコミュニケーションを含めた社会活動すべてを、「布団に入りながらにして完結させる」ことを目指したVRデバイス。寝ながら使用することを前提とするため既存のVR HMDよりも設計や重量の面で高い自由度が得られるとしている。

非球面を含む合計10枚のレンズからなる光学系

 HMD部分には非球面レンズを含む合計10枚の光学系を搭載。最大視野角は約134度で、解像度は片側1,600×1,440ドット(両目で3,200×1,440ドット)。頭全体を覆う筐体には4基のスピーカーを備える。

 寝ている体勢でも足の動きを表現できる「足コントローラー」も用意する。VR空間におけるアバター使用時などに、左右の足首の傾きに応じた動きを設定して動作を制御できるため、使い方によっては着席/立位よりも多彩な動きを表現できる可能性がある。このほか両手用コントローラについても近日中に動画で紹介する予定としている。

 フィードバックはワイヤーによる力覚フィードバック、2基のファンによる風フィードバック、エキサイター(振動板)による振動フィードバックの3種類。風フィードバック用のファンには静音モードも搭載。ベーシックモデルではこのうち「力覚」と「風」のフィードバックモジュールが省略される。

 そのほかのスペックは、リフレッシュレートが90Hz以上、IPD(瞳孔間距離)調整幅が58~82mm、単一指向性コンデンサーマイク内蔵など。インターフェイスはDisplayPort 1.2、USB 3.0、3.5mmオーディオジャックなど。寝ながら使用する関係で自由度は4.5DoFとなっている。

 Diver-X株式会社ではWebサイトのトップページに掲載している「Our Mission」において「布団の中に居ながらにして学校にいるのと同等の体験、職場にいるのと同等の生産が出来るようになれば人類のQOLは大きく向上するはずである」との考えを表明している。VR空間において得られる体験や価値が現実と同等であるならば、より低いモチベーションでも行動を起こせるはずであり、その考えに則れば、寝ている状態が人間にとって最も行動に適した状態である、とのこと。

 またOur Missionには「布団」という単語が5回出てきており、VR技術を駆使してあらゆることを寝ながらこなしたい気概が見てとれる。

4基のスピーカーを内蔵
寝ながらにして多彩なアバター表現を可能にする「足コントローラー」
ワイヤーによる力覚フィードバック
2基のファンによる風フィードバック
インターフェイス