パソコン工房新製品レビュー

バッテリ駆動14時間超のスタミナ!これがAI時代の新スタンダードノート

~パソコン工房「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」

パソコン工房「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」

 パソコン工房は、165Hzの15.3型WUXGA液晶搭載Copilot+ PC「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」を2025年12月に発売した。

 本製品はAMD製プロセッサ「AMD Ryzen AI 7 350」を採用したCopilot+ PCだ。Ryzen AI 7 350はCPU、GPUに加え、最大50TOPSのNPUを内蔵している。AI処理を高速に実行できるほか、CPUやGPUの処理をNPUにオフロードすることで、バッテリ駆動時間の向上も期待できる。

 今回本製品の実機を借用したので、詳細スペック、ハードウェアデザイン、使い勝手についてレビューする。また、実際のアプリケーションでのテストを含むベンチマークを実施し、どのようなユーザーに適したマシンなのかを確認していこう。

シングルチャネルながら、増設を前提としたメモリ構成を採用

 「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」(以下UCSX)は、プロセッサにRyzen AI 7 350(8コア/16スレッド、最大5GHz、28W[15~54W])を採用する。メモリは16GB(DDR5-5600)、ストレージは500GB(PCIe 4.0 x4接続)を搭載している。

 メモリは16GBの1枚構成となるため、システムとしてはシングルチャネル動作となるが、将来的に32GBへ増設する際に標準搭載ぶんが無駄にならないというメリットがある。ただし、メモリを増設する場合は、可能なかぎり同一製品を用意し、同じ製品を入手できない場合でも容量、規格、電圧を揃えたほうがよいとされている点には注意してほしい。

本体天面。iiyamaロゴなしの天板も選択可能
本体底面。大型の空冷ファンが2つ透けて見える
ディスプレイは15.3型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット、16:10、165Hz、非光沢)
キーボードは103キーの日本語配列

 ディスプレイは15.3型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット)を搭載する。アスペクト比が16:10のため、フルHD液晶と比べて縦方向の表示領域が広く、Webページや書類を表示する際の視認性は良好だ。また、165Hzのリフレッシュレートは、3Dゲームをプレイする際にメリットとなる。

ディスプレイの最大展開角度は実測137度

 インターフェイスはUSB4、USB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.2 Gen 1、HDMI、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5に対応している。

本体背面にはGigabit Ethernet、HDMIを用意
右側面にはUSB 3.1 Type-C、USB4、USB 3.1、左側面にはmicroSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1、3.5mmコンボジャックを配置

 本体サイズは約344×249×28.8mm、重量は約1.89kg。78Whのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は動画再生時約8.1時間、アイドル時約9.8時間(JEITA 3.0)とされている。

 なお本製品は購入時にカスタマイズが可能だ。メモリは16GB(16GB×1)/16GB(8GB×2)/32GB(16GB×2)/64GB(32GB×2)、ストレージは500GB/1TB/2TB/4TBから選択できるほか、セカンドストレージとして同容量のSSDを追加することもできる。

パッケージには本体、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書類、サーマルパッド×2、M.2 SSD固定用ネジ、クリーニングクロスが同梱
ACアダプタのサイズは実測約128×52×30mm。ACアダプタのコード長は実測180cm、電源ケーブルの長さは実測100cm
ACアダプタの型番は「A16-090P1A」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力19V 4.74A、容量90W
サイズ、厚みの異なるサーマルパッドが2枚同梱。M.2 SSD増設の際に使用する
本体の実測重量は1,890g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測437.5g
【表1】「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」のスペック
OSWindows 11 Home
プロセッサRyzen AI 7 350(8コア/16スレッド、最大5GHz、28W[15~54W]、Zen 5)
iGPURadeon 860M(8コア、3,000MHz、RDNA 3.5)
NPURyzen AI(最大50TOPS)
メモリ16GB(DDR5-5600、16GB×1、SO-DIMMスロット×2)
SSD500GB(PCIe 4.0 x4接続)
ディスプレイ15.3型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット、16:10、165Hz、非光沢)
インターフェイスUSB4、USB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.2 Gen 1、HDMI、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャック
無線Wi-Fi 7、Bluetooth 5
Webカメラプライバシーシャッター付き500万画素Webカメラ(Windows Hello対応)
セキュリティTPM2.0
バッテリ78Wh
バッテリ駆動時間動画再生時8.1時間、アイドル時9.8時間(JEITA3.0)
サイズ約344×249×28.8mm
重量約1.89kg

表計算ソフトなどの使用も前提とした幅広いユーザーにとって使いやすいキーボード

 ここからは使い勝手について解説していこう。キーボードは103キーの日本語配列で、キーピッチは実測18.2mm、キーストロークは実測1.6mm前後を確保している。強く打鍵するとキーボードパネルにややたわみは見られるものの、打鍵感としては一定の剛性が確保されている。テンキー付きということで一部キーの間隔は狭められているが、記号キーの一部を除いて文字キーは等幅に揃えられ、Enterキーとテンキーの間には余裕が設けられている。

キーピッチは実測18.2mm前後
キーストロークは実測1.6mm前後

 「Copilotキー」も用意されており、表計算ソフトなどの利用を想定したスタンダードノートPCとして、幅広いユーザーにとって扱いやすいキーボードといえる。

キーボードバックライトは白色LED
ワンタッチで生成AIアシスタントを呼び出せる「Copilotキー」を右手前に配置
タッチパッドは実測121×83mmと広く、3本指でのジェスチャー操作もしやすい

 ディスプレイは前述の通り、15.3型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット)を採用している。実際の画面表示を見たかぎりでは、輝度や色再現に大きな違和感はなかった。

ディスプレイの発色はニュートラル
一定の視野角が確保されており、非光沢の表面処理により照明などの映り込みも低減される

 ディスプレイ上部には、プライバシーシャッター付きの500万画素Webカメラ(Windows Hello対応)を搭載する。RGBカメラとIRカメラが独立した構成で、室内灯下でも比較的明るく、色再現も自然だ。全体的に細かな青色ノイズは見られるものの、等倍以上で表示しない限りほとんど目立たない。Web会議やオンラインミーティング用途であれば実用上十分な画質といえる。

プライバシーシャッター付きの500万画素Webカメラは、RGBカメラとIRカメラが独立
「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)
「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

RAW画像現像や4K/30fps動画書き出しを実用的にこなせるパフォーマンスを確認

 最後にパフォーマンスをチェックする。今回の貸出機の構成は、AMD Ryzen AI 7 350、メモリ16GB、ストレージ500GB。ベンチマークは管理ユーティリティ「Control Center」にて、動作モードを「パフォーマンス」、ファンを「最大」に設定して実施した。

AMD製プロセッサ「Ryzen AI 7 350」を搭載
貸出機はメモリ16GB、ストレージ500GBの標準構成
ベンチマークは管理ユーティリティ「Control Center」で、動作モードを「パフォーマンス」、ファンを「最大」に設定して実施

 CPU性能については、CPUベンチマーク「Cinebench 2024」のCPU(Multi Core)が882pts、CPU(Single Core)が116ptsを記録した。これはRyzen AI 7 350搭載機として順当なスコア。RAW画像の現像や4K/30fps動画の編集・書き出しといった処理も実用的な速度でこなせる。

 3Dグラフィックス性能は、3Dベンチマーク「3DMark」のTime Spyが2547。このほかのテスト項目についても、内蔵GPUとしては上位クラスのスコアが安定して出ている。eスポーツ系タイトルであれば60fps前後、重量級のAAAタイトルについても低画質設定とアップスケーリングを前提とすれば30fps前後での動作が見込める。

 今回の貸出機には、PCIe 4.0 x4接続SSD「KINGSTON OM8TAP4512K1-A00」が搭載されており、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 9」では、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が5914.57MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が3654.48MB/sを記録した。PCIe 4.0 x4接続SSDとしては上位クラスの速度だが、出荷時期によって異なるSSDが搭載される可能性があるため、これらの数値は参考値として捉えてほしい。

 総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合スコアは7347、Essentialsは10,109、Productivityは12,007、Digital Content Creationは8,865を記録した。これらの結果から、ビジネスアプリの利用やWeb会議はもちろん、RAW画像の現像や軽めの4K動画編集といった用途も実用的にこなせる性能であることが分かる。

 クリエイティブ系アプリで実際の処理時間を計測したところ、「Adobe Lightroom Classic」による100枚のRAW画像現像(7,952×5,304ドット、カラー: 自然)には2分42秒68、「Adobe Premiere Pro 2025」で実時間5分の4K動画(3,840×2,160ドット、30fps)を書き出すのには2分12秒96を要した。dGPUを搭載したノートPCとの差はあるものの、一般的なデータを用いた比較的シンプルな処理であれば、実用上十分な処理能力と考えられる。

 なお、バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度とボリュームを50%に設定し、YouTube動画を2時間連続再生したところ、バッテリ残量は100%から86%まで減少した。これを単純計算すると、バッテリ残量0%まで動作させた場合の駆動時間は約14時間17分となる。

【表2】検証機の仕様
STYLE-15FHA21-R7A-UCSX
CPURyzen AI 7 350
GPUAMD Radeon 860M
メモリ16GB
ストレージ500GB
ディスプレイ15.3型(1,920×1,200ドット)
TDP28W
OSWindows 11 Home
サイズ344×249×28.8mm
重量約1.89kg
【表3】ベンチマーク結果
Cinebench 2024
CPU(Multi Core)882
CPU(Single Core)116
3DMark
Solar Bay Extreme1346
Time Spy Extreme1265
Fire Strike Extreme3095
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC)6352
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリーン3091
SSDをCrystalDiskMark 9で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード5914.569 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト3654.476 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード4910.088 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト3455.901 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード470.274 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト439.645 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード58.222 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト135.811 MB/s
PCMark 10
PCMark 10 Score7347
Essentials10109
Productivity12007
Digital Content Creation8865
「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラー - 自然2分42秒68
「Adobe Premiere Pro 2025」で実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps2分12秒96
「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像の現像(7,952☓5,304ドット、カラー - 自然)には2分42秒68を要した
「Adobe Premiere Pro 2025」で実時間5分の4K動画(3,840×2,160ドット、30fps)を書き出すのには2分12秒96かかった
ディスプレイ輝度とボリュームを50%に設定し、YouTube動画を2時間連続再生したところ、バッテリ残量は100%から86%まで減少した

AI対応と実用性能、スタミナをバランスよく備えた1台

 「STYLE-15FHA21-R7A-UCSX」は、Ryzen AI 7 350の採用によりCopilot+ PCに準拠し、NPUを含むAI処理性能とCPU、GPU性能をバランスよく備えた15.3型ノートPCだ。ベンチマーク結果からも、オフィス用途に加え、RAW画像の現像や4K/30fps動画の編集・書き出しといった作業を実用的にこなせることが確認できた。

 15.3型ディスプレイを採用し、78Whの大容量バッテリを内蔵しているため、薄型ノートPCとはいえ約1.89kgとやや重めだ。それでも165Hz対応の16:10ディスプレイ、豊富なインターフェイス、実測ベースで約14時間超と見込めるバッテリ駆動時間を考慮すれば納得できる。毎日携帯するならバックパックに入れることが前提となるが、据え置きからモバイルまで幅広い用途をこなせるマシンといえよう。