パソコン工房新製品レビュー

GeForce RTX 5060搭載で19万円台はコスパよし!パソコン工房の新ゲーミングノート登場

LEVEL-15FX166-i7-RKPX

 パソコン工房の「LEVEL-15FX166-i7-RKPX」は、144Hz駆動の15.6型フルHD液晶ディスプレイを備えるLEVEL∞ブランドの新作ゲーミングノート。CPUにCore i7-14650HX、GPUにはGeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載している。

 LEVEL-15FX166-i7-RKPXは、最新世代のミドルレンジGPUを搭載しながらも、実売価格を19万9,800円に抑えている。そのパフォーマンスと機能をチェックしてみよう。

GeForce RTX 5060 Laptop GPU搭載のミドルクラスゲーミングノート

 パソコン工房の「LEVEL-15FX166-i7-RKPX」は、ゲーミングブランドであるLEVEL∞に属する15.6型ゲーミングノートで、Intelの16コア/24スレッドCPU「Core i7-14650HX」と、NVIDIAのミドルレンジGPU「GeForce RTX 5060 Laptop GPU」を搭載している。

 ディスプレイに144Hz駆動の15.6型フルHD液晶パネルを採用するほか、メインメモリに16GB(8GB×2)のDDR5メモリ、システムストレージにPCIe 4.0 x4接続の1TB NVMe SSDを採用。Windows 11 Homeをインストールした標準構成の直販価格は19万9,800円に設定されている。

パソコン工房の15.6型ゲーミングノート「LEVEL-15FX166-i7-RKPX」
本体カラーはマットブラック。華美な装飾を控えたシックなデザインを採用している
Intelの16コア/24スレッドCPU「Core i7-14650HX」
NVIDIAのミドルレンジGPU「GeForce RTX 5060 Laptop GPU」。専用VRAMとして8GBのGDDR7メモリを備えている
【表1】LEVEL-15FX166-i7-RKPXの主な仕様
CPUCore i7-14650HX (8P+8Eコア/24スレッド)
dGPUGeForce RTX 5060 Laptop GPU (8GB)
iGPUIntel UHD Graphics (CPU内蔵GPU)
メモリ16GB DDR5 (8GB×2)
SSD1TB NVMe SSD (PCIe 4.0 x4)
ディスプレイ15.6型フルHD液晶パネル (1,920×1,080ドット、144Hz)
有線LAN1GbE
無線機能Wi-Fi 7、Bluetooth 5
USBUSB 3.2 Gen 2 Type-C 2基、USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1
そのほかのインターフェイスヘッドセット端子、HDMI、Webカメラ(100万画素)
バッテリ駆動時間動画再生時=1.2時間、アイドル時=1.7時間(JEITA3.0)
ACアダプタ専用ACアダプタ(180W)
OSWindows 11 Home
本体サイズ/重量約361×248.5×31.9mm/約2.28kg
直販価格19万9,800円~
天板。LEVEL∞ロゴのみのシンプルなデザイン
底面。中央部から背面側に通気口を設けており、前面側の両サイドにスピーカーを配置している
ディスプレイを閉じた状態。筐体サイズは約361×248.5×31.9mm
ディスプレイを最大限に開いた状態

 15.6型の内蔵ディスプレイは非光沢仕様の液晶パネルを採用。画面解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、リフレッシュレートは144Hz。内部的にはCPUの内蔵GPU(iGPU)「Intel UHD Graphics」経由で接続されており、可変リフレッシュレートが有効になっていた。

内蔵ディスプレイは、144Hz駆動に対応する15.6型フルHD液晶パネルを採用
内蔵ディスプレイはIntel UHD Graphics経由で接続されている
iGPUの機能によって可変リフレッシュレートが有効になっていた

 USBポートなどのインターフェイスは本体左右と背面に配置されている。左側面はセキュリティロックスロット、USB 3.2 Gen 1(5Gbps)、ヘッドセット端子。右側面はUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)。背面は有線LAN(1GbE)、HDMI、電源入力、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)。

 背面のHDMIポートはGeForce RTX 5060 Laptop GPUに接続されており、内蔵ディスプレイのようにiGPUを経由することなく外部ディスプレイに映像を出力できる。なお、Type-C形状のUSB 3.2 Gen 2ポート2基はDisplayPort Alt Modeに対応しており、これらはiGPUであるIntel UHD Graphics経由で映像を出力する。

左側面。セキュリティロックスロット、USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps)、ヘッドセット端子
右側面。USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)
背面。有線LAN(1GbE)、HDMI、電源入力、USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)

 キーボードはテンキー付き日本語配列を採用。一部に狭小なキーが配置されているが、主要キーについては約18.5mmのキーピッチが確保されている。各キーのバックライトにはRGB LEDを採用しており、ユーティリティの「Control Center」を利用することで発光色を変更できる。

 キーボード右上には電源スイッチが配置されているほか、パームレスト部にはボタン一体型のタッチパッドを搭載。タッチパッドはマルチタッチに対応しており、ジェスチャー操作が可能。

テンキー付きの日本語配列キーボードを採用。右上には電源スイッチ、パームレスト部にはタッチパッドが配置されている
主要なキーのキーピッチは約18.5mm
ボタン一体型のマルチタッチ対応タッチパッド
キーボードの各キーはRGB LEDバックライトを備えている
バックライトのカラーはユーティリティソフト「Control Center」で変更可能

 LEVEL-15FX166-i7-RKPXはリチウムイオンバッテリを内蔵しているが、バッテリ駆動時間はJEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)に準拠すると動画再生時に1.2時間、アイドル時でも1.7時間とされており、基本的にはACアダプタに接続して利用することが想定されているようだ。

 LEVEL-15FX166-i7-RKPX付属のACアダプタは180W対応品。突起部を除くアダプタのサイズは実測で約114×64.7×23.1mmで、出力容量のわりには薄くコンパクトで携帯性に優れている。

LEVEL-15FX166-i7-RKPX付属のACアダプタ。180W(20V/9A)の出力が可能
ACアダプタは薄くコンパクト。基本的には本体と一緒に持ち歩くことになる

 専用ユーティリティソフトのControl Centerには、キーボードのバックライト制御のほかに、バッテリ充電動作のカスタマイズやマクロ機能、システムのモニタリングおよび動作モード設定機能などが用意されている。

 動作モードの設定では、プリセットを切り替えてCPUやGPUのパフォーマンスを調整できるほか、冷却ファンの動作を変更することも可能だ。

Control Centerではバッテリ充電動作をカスタマイズできる
キーボードマクロなどを設定できるFlexikey機能もControl Centerに統合されている
Control Centerの動作設定画面。システムモニターや各種機能の制御、動作モードの変更など多くの機能が集約されている
冷却ファンの動作をカスタマイズすることもできる

LEVEL-15FX166-i7-RKPXのパフォーマンスをチェック

 ここからは、LEVEL-15FX166-i7-RKPXのパフォーマンスをベンチマークテストやゲームを用いて検証する。

 テスト環境は以下の通りで、室温約26℃の室内で計測を行なった。なお、LEVEL-15FX166-i7-RKPXの動作モードは、ユーティリティソフトのControl Centerにて性能重視の「パフォーマンス」に設定している。

【表2】テスト環境
CPUCore i7-14650HX (8P+8Eコア/24スレッド)
動作モードパフォーマンス (Control Center)
CPU動作リミットPL1=135W、PL2=155W、Tau=96秒、TjMax=100℃
dGPUGeForce RTX 5060 8GB (PCIe 5.0 x8)
dGPUドライバGame Ready Driver 580.97 (32.0.15.8097)
iGPUIntel UHD Graphics
iGPUドライバ32.0.101.6737
メモリ16GB DDR5-5600 (8GB×2)
システム用SSD1TB NVMe SSD (PCIe 4.0 x4)
OSWindows 11 Pro 24H2 (build 26100.4946、VBS有効)
電源設定電源モード「バランス」、電源プラン「バランス」
計測HWiNFO64 Pro v8.30、CapFrameX v1.7.6.8
室温約26℃

基本的なベンチマークテストの結果

 まずは、PCの基本的なベンチマークテストの結果をまとめて紹介する。

 いくつか結果をピックアップすると、Cinebench 2024やCinebench R23で計測されたCPU性能はなかなか優秀なものだ。CPUのCore i7-14650HXは、ノートPC向け14世代Coreプロセッサ(Raptor Lake-HX Refresh)がベースの旧世代製品だが、その性能は現代のゲーミングPCとしても十分に通用するものだ。

 また、GPUのGeForce RTX 5060 Laptop GPUは、Blender BenchmarkやUL Procyonの「AI Vision Benchmark」で高いパフォーマンスを発揮している。8GBのVRAM容量で十分な用途であれば、クリエイティブやAIなどゲーム以外の用途でも優れたパフォーマンスが期待できそうだ。

Cinebench 2024
Cinebench R23
3DMark「CPU Profile」
UL Procyon「Office Productivity Benchmark」
Blender Benchmark
HandBrake「動画エンコード」
UL Procyon「Photo Editing Benchmark」
Adobe Camera Raw「RAW現像」
Adobe Camera Raw「AIノイズ除去」
UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」│Windows ML
UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」│OpenVINO/TensorRT

3DMarkのゲーム系ベンチマークテスト

 続いて、3DMarkのゲーム系ベンチマークテストの結果をまとめて紹介する。

 実行したのはSpeed Way、Steel Nomad、Port Royal、Solar Bay、Wild Lifeで、特にGPU負荷の高いSpeed WayやSteel Nomadなどのテストでは、デスクトップ向けミドルレンジGPUに近いスコアを記録している。

 ノートPC向けGPUであるGeForce RTX 5060 Laptop GPUが高い性能を備えていることと、その性能を引き出せる能力がLEVEL-15FX166-i7-RKPXにあることが伺える結果だ。

3DMark「Speed Way」
3DMark「Steel Nomad」
3DMark「Port Royal」
3DMark「Solar Bay」
3DMark「Wild Life」

実際のゲームを使ってパフォーマンスを計測

 一通りベンチマークテストの結果を紹介したところで、ここからは実際のゲームを使って計測したLEVEL-15FX166-i7-RKPXのパフォーマンスを紹介する。

 テストしたゲームは「VALORANT」「モンスターハンターワイルズ」「オーバーウォッチ 2」「フォートナイト」の4本で、フレームレートの計測には「CapFrameX v1.7.6」を利用した。

VALORANT

 VALORANTでは、グラフィック設定を可能な限り高く設定し、射撃場の全景が見渡せるCPU負荷の高い場所でフレームレートの計測を行なった。

VALORANT

 LEVEL-15FX166-i7-RKPXが記録した平均フレームレートは252.5fpsで、これは内蔵ディスプレイのリフレッシュレートである144Hzを大きく上回るものであり、ディスプレイの表示性能を最大限に発揮してVALORANTを楽しむことができるだろう。

モンスターハンターワイルズ

 モンスターハンターワイルズでは、グラフィックプリセットを「中」、レイトレーシングを「高」、超解像を「DLSS(パフォーマンス)」に設定し、DLSS 4によるフレーム生成を有効にした場合と無効にした場合のフレームレートを計測した。

モンスターハンターワイルズ

 計測された平均フレームレートは、フレーム生成無効時が57.4fps、フレーム生成2xモードで96.4fps、3xモードで134.5fps、4xモードでは168.5fpsだった。フレーム生成なしでも快適にプレイ可能だが、フレーム生成を活用すれば内蔵ディスプレイの表示性能を生かしたなめらかな映像を楽しめる。

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、グラフィックプリセットを最高の「エピック」と、それに準ずる「ウルトラ」に設定し、カスタムマッチ実行中の平均フレームレートを計測した。テスト時のグラフィックスAPIはDirectX 12で、上限フレームレートは600fps。

オーバーウォッチ 2

 計測の結果、ウルトラ設定時の平均フレームレートは213.1fpsで、エピック設定時は143.6fpsだった。いずれもかなり高い平均フレームレートを記録しており、144Hz駆動のディスプレイによる表示性能を生かしたプレイが可能だ。

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、グラフィック設定を出来る限り高く設定し、射撃訓練場でフレームレートを計測した。グラフィックスAPIはDirectX 12で、上限フレームレートは300fps。

エーペックスレジェンズ

 計測された平均フレームレートは181.2fpsで、ほとんどの場面でディスプレイのリフレッシュレートである144Hzを超えるフレームレートで動作していた。

LEVEL-15FX166-i7-RKPXの冷却性能をテスト

 最後に、LEVEL-15FX166-i7-RKPXの冷却性能を高負荷テストの結果から確認してみよう。

 負荷テストとして用いたのはCinebench 2024の「CPU(Multi Core)」と3DMark「Steel Nomad Stress Test」で、計測時の室温は約26℃。テスト実行中のモニタリングデータ取得には「HWiNFO64 Pro」を使用した。

Cinebench 2024実行中のモニタリングデータ

 Cinebench 2024実行中のCPU温度は平均89.2℃(最大98℃)を記録しており、これはTjMaxの100℃を下回っている。ただし、どうやらパフォーマンスモードで動作するLEVEL-15FX166-i7-RKPXでは、サーマルスロットリングが90℃で動作するように調整されているため、この温度はサーマルスロットリングが動作した結果だ。

 とはいえ、Cinebench 2024実行中は電力リミットによるスロットリングのほうがパフォーマンスに大きな影響を与えている様子がみてとれる。

3DMark「Steel Nomad Stress Test」実行中のモニタリングデータ

 一方、3DMark実行中のGPU温度は平均73.8℃(最大76.4℃)となっており、これはGPUの温度リミットである87℃を下回っている。実際、GPUクロックやVRAMクロックは大きく変動することなく推移しており、GPUの動作は電力リミットによる制限を受けているようだ。

 パフォーマンスモードで動作するLEVEL-15FX166-i7-RKPXのファンノイズはかなり大きなものだが、騒音と引き換えにCPUとGPUを強力に冷却している。動作モードや冷却ファンの設定変更で静音性を高めることは可能だが、最大限のパフォーマンスを望むならヘッドセットなどでの騒音対策を講じたい。

コストパフォーマンスの高さに注目の1台

 Core i7-14650HXとGeForce RTX 5060 Laptop GPUを組み合わせたLEVEL-15FX166-i7-RKPXは、約20万円で購入できるミドルクラスのゲーミングノートの中でも、高いコストパフォーマンスを実現した1台だ。特に、CPUとGPUのパフォーマンスは魅力的で、ゲームだけでなくクリエイティブでも通用するポテンシャルを感じられるものだった。

 ただ、今回のテストではパフォーマンスへ大きな影響こそ現れなかったが、ベンチマークテストやゲーム実行中のメインメモリ使用率が80~90%程度になっていることが多かった。せっかくのCPU/GPU性能を生かすためにも、購入時のカスタマイズオプションでメモリ容量のアップグレードをおすすめしたい。