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新世代デスクトップCPU「Core i7-4770K」をベンチマーク

 Intelは6月2日、Haswellの開発コードネームで呼ばれてきた新CPU「第4世代Core プロセッサー・ファミリー」の情報を公開した。デスクトップ向けHaswellは、新チップセット「Intel 8シリーズ・チップセット」と、新ソケット「LGA1150」を採用する新プラットフォームと共に登場する、新たなメインストリーム製品だ。

 今回、デスクトップ向けHaswellの最上位製品として登場する「Core i7-4770K」と、Intel Z87 Express チップセット搭載するIntel純正マザーボード「DZ87KLT-75K」を用意できたので、そのパフォーマンスをベンチマークテストでチェックしてみた。

新プラットフォーム「LGA1150」と共に登場するデスクトップ向けHaswell

 Ivy Bridgeに代わるメインストリーム製品として登場するHaswellは、3次元トライゲートトランジスタを採用した22nmプロセスで製造されたCPUで、デスクトップ向けには、新CPUソケット「LGA1150」を採用する新プラットフォームとともに提供され、LGA1155以前のプラットフォームとは互換性がない。

 Haswellは、CPUパッケージにGPUコアやメモリコントローラ、PCI Express 3.0コントローラを統合しており、CPUダイのレイアウトはIvy Bridge/Sandy Bridgeとよく似ている。新たに追加された機能としては、CPUの新拡張命令セット「AVX2」、「FMA」や、従来よりも細かい電圧制御を可能とする統合電圧レギュレータの採用が挙げられる。

左がHaswell、右はIvy BridgeのCPUダイ。CPUコアやGPU、キャッシュなどの配置はほぼ同じだ
Haswellでは、AVX2とFMAをサポートする。また、L1キャッシュとL2キャッシュのバンド幅も強化された
Haswellでは、外部から供給された電圧(VCCIN)を統合電圧レギュレーター(iVR)が電圧変換して各ユニットへ供給する

 今回テストを行なう「Core i7-4770K」(以下、i7-4770K)は、今回公開されたデスクトップ版Haswellの中で最上位に位置し、Hyper-Threadingに対応した4つのCPUコアを備えた4コア8スレッドCPUだ。8MBのL3キャッシュを備え、定格3.5GHzで動作するCPUコアは、自動オーバークロック機能「Turbo Boost 2.0」によって最大3.9GHzまでクロック上昇する一方、アイドル動作時には800MHzまで降下する。

 「i7-4770K」は、内蔵GPUに最大1.25GHzで動作する「Intel HD Graphics 4600」を備え、メモリコントローラはDDR3-1600およびDDR3-1333のデュアルチャンネル動作をサポートする。TDPは84Wで、プロセッサー・ナンバーの末尾に付与された「K」は、従来のモデル同様CPU倍率の上方変更が解放されたアンロックモデルであることを意味している。

Core i7-4770K(左)とCore i7-3770K(右)。パッケージサイズは同じだが、切欠きの位置が異なる
Core i7-4770K本体
CPU-Z 1.64.2実行画面。CPUクロックは動作状況に応じ、800MHz~3.9GHzの範囲で変化する

 今回、ベンチマークテストで比較するIvy Bridge「Core i7-3770K」(以下、i7-3770K)と、Sandy Bridge「Core i7-2700K」とのスペックを比較したものが以下の表である。

【表1】スペック比較
CPUCore i7-4770KCore i7-3770KCore i7-2700K
製造プロセス22nm22nm32nm
アーキテクチャHaswellIvy BridgeSandy Bridge
コア数444
スレッド数888
CPU動作クロック3.5GHz3.5GHz3.5GHz
Turbo Boost時3.9GHz3.9GHz3.9GHz
L3キャッシュ8MB8MB8MB
内蔵GPUコアIntel HD Graphics 4600Intel HD Graphics 4000Intel HD Graphics 3000
Execution Units20基16基12基
GPUコアクロック(最大)1,250MHz1,150MHz1,350MHz
TDP84W77W95W
対応ソケットLGA 1150LGA 1155LGA 1155

LGA1150をサポートする新チップセット「Intel Z87 Express」

 今回用意したマザーボード「DZ87KLT-75K」は、LGA1150向けの新チップセット「Intel 8 Series チップセット」の「Intel Z87 Express チップセット」を搭載したATXマザーボードだ。

 「Intel Z77 Express チップセット」の後継にあたる「Intel Z87 Express チップセット」では、USB 3.0ポートが4ポートから6ポートへ増加し、6Gbps 2ポートと3Gbps 4ポート構成だったSATAポートが、6ポート全てSATA 6Gbpsに強化された。ストレージデバイスにSATA 6Gbps対応製品が増える中、2ポートのみのサポートに留まっていたSATA 6Gbpsポートの強化は、新プラットフォームの魅力の1つとなりそうだ。

 新ソケットとなるLGA1150は、LGA1155から切欠きの位置が変更されており、従来のCPUとは互換性が無い。ただし、CPUクーラー固定のための穴はLGA1155と同じ位置に設けられており、CPUクーラーはLGA1155対応製品を流用可能できる。

Intel Z87 Expressチップセットのブロックダイアグラム
Intel Z87 Expressチップセット搭載マザーボード「Intel DZ87KLT-75K」
LGA1150ソケット周辺。CPUクーラー固定穴位置はLGA1155と互換性がある
SATA 6Gbpsポートを8基備える。青色のポートがチップセット、灰色のポートは外部チップにより提供される

テスト環境

 それでは、ベンチマークテストの結果紹介に移りたい。

 今回、「i7-4770K」とスコア比較を行なうCPUとして、Ivy BridgeとSandy Bridgeから、それぞれコンシューマ向け最上位製品であった「i7-3770K」と「i7-2700K」を用意した。いずれの製品のCPUクロックも「定格3.5GHz、Turbo Boost時最大3.9GHz」であり、Turbo Boostの効き具合の違いはあるにせよ、動作クロック的には近い条件での比較となる。

 なお、「i7-3770K」と「i7-2700K」のベンチマークテスト実行にあたっては、ASUS製のIntel Z77 Express チップセット搭載マザーボード「P8Z77-V」を利用した。

【表2】テスト環境
APU/CPUi7-4770Ki7-3770Ki7-2700K
マザーボードIntel DZ87LLT-75K
(Intel Z87 Express チップセット)
ASUS P8Z77-V
(Intel Z77 Express チップセット)
メモリDDR3-1600 4GB×4
(9-9-9-24、1.5V)
DDR3-1333 4GB×4
(9-9-9-24、1.5V)
ストレージIntel SSD 510 シリーズ 120GB
ビデオカードNVIDIA GeForce GTX 780
電源Antec HCP-1200
グラフィックスドライバGeForce R320 Game Ready Driver 320.18
OSWindows 8 64bit

CPU処理中心のベンチマークテスト

 まずはCPUやメモリ周りのベンチマークテスト結果から紹介する。実施したテストは「Sandra 2013.SP3a 19.44」(グラフ1/2/10/11/12/13)、「CINEBENCH R10」(グラフ3)、「CINEBENCH R11.5」(グラフ4)、「x264 FHD Benchmark 1.01」(グラフ5)、「Super PI」(グラフ6)、「PiFast 4.3」(グラフ7)、「PCMark Vantage」(グラフ8)、「PCMark 7」(グラフ9)だ。

 「Sandra 2013.SP3a 19.44」の結果を見てみると、CPUの演算性能を測るの「Processor Arithmetic」では「i7-4770K」が最高スコアを記録しているものの、「i7-3770K」に約2%、「i7-2700K」に約6~9%という小差に留まる。一方、新拡張命令セット「AVX2」と「FMA」の効果が顕著な「Processor Multi-Media」では、「i7-4770K」が大きくスコアを伸ばし、浮動小数点演算(Float, Double, Float/Double)で「i7-3770K」に21~23%、「i7-2700K」には21~27%の差をつけ、整数演算(Integer)では比較製品に80%前後もの大差を付けている。

 その他のテストを見ても、CPU処理性能を競うベンチマークテストで「Processor Multi-Media」の整数演算ほど大差がついているテストは無く、比較的差の大きい「CINEBENCH」や「x264 FHD Benchmark」でも、「i7-3770K」比で1割前後、「i7-2700K」比で2割前後のスコア差となっている。

【グラフ1】Sandra 2013.SP3a 19.44(Processor Arithmetic/Processor Multi-Media)
【グラフ2】Sandra 2013.SP3a 19.44(Cryptography)
【グラフ3】CINEBENCH R10
【グラフ4】CINEBENCH R11.5
【グラフ5】x264 FHD Benchmark 1.01
【グラフ6】Super PI
【グラフ7】PiFast 4.3
【グラフ8】PCMark Vantage (Version 1.2.0)
【グラフ9】PCMark 7 (Version 1.4.0)

 メモリ周りのベンチマークテストの結果としては、「Sandra 2013.SP3a 19.44」の「Memory Bandwith」の結果から、同クロックのメモリを搭載した「i7-3770K」と同程度のメモリ帯域幅を実現していることが分かる。デュアルチャンネル動作のDDR3-1600メモリの帯域幅は理論値で25.6GB/secであり、80%を超えるのスコアを出しているIvy BridgeとHaswellのメモリコンローラは共に優秀だ。1つだけ遅れている「i7-2700K」については、メモリクロックがDDR3-1333であるためで、こちらも理論上の帯域幅の80%を超えるスコアを記録している。

 キャッシュの転送速度を測る「Sandra 2013.SP3a 19.44」の「Cache Bandwidth」では、各CPUコアに搭載されたL1キャッシュ領域(32KB×4)の転送速度で、「i7-4770K」が1つだけ飛び抜けて高いスコアを記録している。「i7-4770K」ではL1キャッシュの帯域幅が、Sandy Bridgeの48B/clk(Read 32B/clk、Write 16B/clk)から96B/clk(Read 32B/clk、Write 16B/clk)に増強されており、「i7-3770K」比で約8割、「i7-2700K」比では約9割もの差がついたのはこれによるものだ。

【グラフ10】Sandra 2013.SP3a 19.44(Memory Bandwidth)
【グラフ11】Sandra 2013.SP3a 19.44(Cache Bandwidth)
【グラフ12】Sandra 2013.SP3a 19.44(Cache/Memory Latency - Clock)
【グラフ13】Sandra 2013.SP3a 19.44(Cache/Memory Latency - nsec)

GPU処理中心のベンチマークテスト

 続いて、3D系ベンチマークテストの結果を紹介する。実施したテストは、実施したテストは「3DMark - Fire Strike」(グラフ14)、「3DMark11」(グラフ15/16)、「3DMark - Cloud Gate」(グラフ17)、「3DMark Vantage」(グラフ18/19)、「3DMark - Ice Storm」(グラフ20)、「3DMark06」(グラフ21/22)、「MHFベンチマーク【大討伐】」(グラフ23)、「PSO2ベンチマーク ver.2.0」(グラフ24)、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク」(グラフ25)、だ。

【グラフ14】3DMark - Fire Strike [Default / 1,920×1,080]
【グラフ15】3DMark11 v1.0.5 [Performance / 1,280×720]
【グラフ16】3DMark11 v1.0.5 [Extreme / 1,920×1,080]
【グラフ17】3DMark - Cloud Gate [Default / 1,280×720]
【グラフ18】3DMark Vantage v1.1.2 [Performance / 1,280×1,024]
【グラフ19】3DMark Vantage v1.1.2 [Extreme / 1,920×1,200]
【グラフ20】3DMark - Ice Storm [Default / 1,280×720]
【グラフ21】3DMark06 v1.2.1 [Default]
【グラフ22】3DMark06 v1.2.1 [1,920×1,080 / 8x AA / 16x AF]
【グラフ23】MHFベンチマーク【大討伐】[DX9]
【グラフ24】PSO2ベンチマーク ver.2.0 [DX9]
【グラフ25】ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編 (フルスクリーン)

 ビデオカードにNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce GTX 780」を搭載した際のベンチマークスコアを見てみると、3DMarkのPhysicsテストなど、GPU性能よりCPU性能が反映される項目や、「3DMark - Ice Storm」や「3DMark06」のデフォルト設定などのGPU負荷の低いテストで、「i7-4770K」が最も高いスコアを記録している。CPUテストの結果で、比較製品中最も高いスコアを記録していただけに、CPU性能がボトルネックとなっている条件で順当にスコアを伸ばしたようだ。

 一方で、「3DMark - Fire Strike」をはじめ、GPU負荷の高いテストや、描画クオリティを高めた設定を施した条件では、「i7-4770K」のスコアが「i7-3770K」だけでなく「i7-2700K」を下回るという結果がみられる。この傾向は複数のテストで確認できるものであり、総合スコアでは「i7-4770K」が最も高い「3DMark - Cloud Gate」でも、Graphics Scoreでは比較製品中最も低いスコアとなっている。

 スペック的に、「i7-4770K」がPCI Express 2.0のサポートに留まる「i7-2700K」を下回るのは不可解だが、登場したばかりのプラットフォームと、登場から1年間メインストリーム製品として販売されてきたIntel Z77 Expressチップセット搭載マザーボードでは、BIOSやドライバの成熟度に差があることも考えられる。今後のアップデートで「i7-4770K」のパフォーマンスが改善されることに期待したいところだ。

CPUテスト時のシステム全体の消費電力

 次に、CPUのベンチマークテスト実行時の消費電力を比較する。消費電力は、サンワサプライのワットチェッカー「TAP-TST5」を用いて各テスト実行中の最大消費電力を測定している。

【グラフ26】システム全体の消費電力

 アイドル時の消費電力は48~49Wでほぼ横並びとなった。アイドル時の動作クロックが比較製品中もっとも低い800MHzまで下がる「i7-4770K」だが、消費電力の数値としては比較製品と個体差レベルの差しかつかなかった。

 一方、各ベンチマーク実行中の消費電力については、TDP 84Wの「i7-4770K」が、TDP 77Wの「i7-3770K」より2~21W高く、TDP 95Wの「i7-2700K」より6~10W低い結果となった。各CPUのTDPに準じた順位という順当な結果だ。

CPU内蔵GPUでの3Dベンチマークテスト

 ここまでのテストで利用してきた「GeForce GTX 780」を取り外し、各CPUの内蔵GPU性能を比較してみた。検証機材は以下の通り。

【表3】テスト環境
CPUi7-4770Ki7-3770Ki7-2700K
内蔵GPUIntel HD Graphics 4600Intel HD Graphics 4000Intel HD Graphics 3000
マザーボードIntel DZ87LLT-75K
(Intel Z87 Express チップセット)
ASUS P8Z77-V
(Intel Z77 Express チップセット)
メモリDDR3-1600 4GB×4
(9-9-9-24、1.5V)
DDR3-1333 4GB×4
(9-9-9-24、1.5V)
ストレージIntel SSD 510 シリーズ 120GB
グラフィックスドライバ15.31.3.64.30719.18.10.3071
ディスプレイ解像度1,920×1,080ドット
電源Antec HCP-1200
OSWindows 8 64bit

 内蔵GPUの3D描画性能比較に用いたベンチマークテストは、「3DMark - Fire Strike」(グラフ27)、「3DMark11」(グラフ28/29)、「3DMark - Cloud Gate」(グラフ30)、「3DMark Vantage」(グラフ31/32)、「3DMark - Ice Storm」(グラフ33)、「3DMark06」(グラフ34/35)、「MHFベンチマーク【大討伐】」(グラフ36)、「PSO2ベンチマーク ver.2.0」(グラフ37)、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク」(グラフ38)だ。

 なお、各ベンチマークテストで「i7-2700K」のスコアが取得できていない項目は、DirectX 11対応のベンチマークテストだ。DirectX 10までのサポートに留まる「i7-2700K」の内蔵GPUではテストを実行できないため、スコア無しとして表記している。

【グラフ27】3DMark - Fire Strike [Default / 1,920×1,080]
【グラフ28】3DMark11 v1.0.5 [Performance / 1,280×720]
【グラフ29】3DMark11 v1.0.5 [Extreme / 1,920×1,080]
【グラフ30】3DMark - Cloud Gate [Default / 1,280×720]
【グラフ31】3DMark Vantage v1.1.2 [Performance / 1,280×1,024]
【グラフ32】3DMark Vantage v1.1.2 [Extreme / 1,920×1,080]
【グラフ33】3DMark - Ice Storm [Default / 1,280×720]
【グラフ34】3DMark06 v1.2.1 [Default]
【グラフ35】3DMark06 v1.2.1 [1,920×1,080 / 4x AA / 16x AF]
【グラフ36】MHFベンチマーク【大討伐】[DX9]
【グラフ37】PSO2ベンチマーク ver.2.0 [DX9]
【グラフ38】ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編 (フルスクリーン)

 ベンチマークテストによって「i7-4770K」と比較製品のスコア差にはバラつきがあるが、どのテストでも「i7-4770K」が比較製品を大きく引き離しており、Haswellで内蔵GPUのパフォーマンスが大きく向上していることが見て取れる。比較的大きな差がついている「PSO2ベンチマーク」では、「i7-3770K」を70~80%上回り、「i7-2700K」には3~4倍という大差をつけており、スコア的にも描画設定を多少調整すれば十分にプレイできそうな数値である。

【グラフ39】システム全体の消費電力(内蔵GPU利用時)

 内蔵GPU利用時の消費電力を測定した結果が上のグラフである。「GeForce GTX 780」搭載時の測定結果では横並びになっていたアイドル時消費電力だが、内蔵GPU利用時は「i7-4770K」が比較製品より7W低い31Wを記録しており、内蔵GPUを利用時の省電力機能は、Ivy BridgeやSandy Bridgeよりも効果が大きくなっている。

 ベンチマーク実行中の消費電力についても、「i7-4770K」が4項目中3項目で「i7-3770K」を下回っており、TDPの数値順の結果となったビデオカード搭載時の消費電力とは異なる傾向を示した。CPUに内蔵された統合電圧レギュレーターによる各部電圧の最適化をはじめ、従来のCPUよりも進歩した省電力機能が、大幅なグラフィック性能にも関わらず、消費電力の増加を抑制する結果につながっているようだ。

今後の展開に期待できる新メインストリーム向けCPU

 以上、「i7-4700K」のパフォーマンスをベンチマークテストで確認してきた。新たな拡張命令セット「AVX2」と「FMA」が有効な場面でのパフォーマンスと、内蔵GPUのパフォーマンスについては、従来のIvy Bridge/Sandy Bridgeから大きく向上しており、世代の違いを感じる印象的な結果だった。

 拡張命令セットの恩恵が無いCPU系ベンチマークテストや、ビデオカード搭載時の3D系ベンチマークテストの結果は、Ivy BridgeやSandy Bridgeに対して飛躍的なアドバンテージがあるわけではないが、SATAポートが全て6Gbpsに対応した「Intel 8 Series チップセット」と合わせて見れば、メインストリーム向けプラットフォームとして、確実に進歩していると言えよう。

 今後、新拡張命令セットへ最適化されたアプリケーションが増えていけば、従来のメインストリームCPUとのパフォーマンス差は開いていくことになるだろう。ビデオカード利用時のパフォーマンス改善を含め、これからの展開に期待したいプラットフォームである。

(三門 修太)