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ついにAndroid←→iPhoneでAirDropが可能に!実際使えるのか徹底検証した
2025年12月12日 07:52
去る11月、ユーザーに大きな衝撃を与えたのが、AndroidがiPhoneなどでおなじみのAppleのファイル共有機能「AirDrop」に対応したというニュースだ。正確には、スマートフォン「Pixel 10」シリーズを皮切りに、Androidのファイル共有機能「Quick Share」がAirDropと連携できるようになるというもので、すでに機能は実装され、利用可能になっている。
これまでAirDropは、iOS/iPadOS/macOSなどApple製デバイスでのみ利用でき、そのことがユーザーの囲い込みにもつながっていた。たとえばみんなで写真を撮ったとき、iPhoneユーザー同士はAirDropですぐに写真を共有できるのに、Androidユーザーは蚊帳の外、なんてこともあったことだろう。
だが、今回の件でその一角が崩れたことになる。もっともAppleはこの件に関わっておらず、Googleが独自に実装したということで、多少なりとも不安を感じなくもないが、ともあれAndroidユーザーとiPhoneユーザーのどちらにとっても朗報であり、今後さらに対象機種の拡大が期待される。
今回はこのAirDropとQuick Shareのやりとりについて、具体的な利用手順を一通りチェックしつつ、細かい挙動やその疑問点を検証してみた。すでに両機能を使いこなしているユーザーはもちろん、これまで縁がなかったユーザーでも使い方を理解してもらえるはずだ。なお検証にはiPhone 17 Pro Max(以下iPhone)とPixel 10 Pro XL(以下Pixel 10)を主に利用している。
【検証1】iPhone/iPad/Mac→Pixel 10の場合は?
最初は実際の手順の紹介からということで、まずはiPhone→Pixel 10への写真の送信を試してみよう。事前準備として、Pixel 10の側でQuick Shareを開き、「受信」をタップして待受状態にしておく。
ちなみにQuick Shareはどこから開けばよいか分かりにくいが、設定の「接続設定」→「接続の詳細設定」の中にある。
続いてiPhone側で送信したい写真を選択し、共有アイコンをタップ。共有メニューの中から「AirDrop」を選択すると、送信先のデバイスの候補としてPixel 10の名前が表示されるので、アイコンをタップする。表示が「待機中...」となったら、iPhone側の操作はいったんここで完了だ。
この時点でPixel 10の側では、iPhoneからのリクエストを承認するかを問うダイアログが表示されているので「承認する」をタップ。これにより表示が「受信しています...」を経て「受信しました」へと変わり、写真の送信が完了する。この間、進捗はパーセンテージで表示されるので分かりやすい。
送信元がiPhoneではなく、ほかのApple製デバイスの場合はどうだろうか。iPadOSは13インチiPad Pro(iPadOS 26.1)で試したが、まったく変わらない手順でPixel 10への送信が可能。macOSは、MacBook Air(M1、macOS 15.7.2)で試したが、こちらもやはり同じ手順で送信が行なえた。あまりにも違いがなく拍子抜けするほどだ。
【検証2】Pixel 10→iPhone/iPad/Macの場合は?
続いてPixel 10→iPhoneへの送信を試してみよう。準備段階として、iPhoneでAirDropの設定画面を開き、対象を「すべての人(10分間のみ)」に変更しておく。変更したらこの画面は閉じてしまって構わない。
まずPixel 10で送信したい写真を開いて「共有」アイコンをタップし、その中にある「Quick Share」をタップする。Quick Shareが起動して画像のプレビューが表示されるとともに、付近のデバイスが検索され、iPhoneが検出される。アイコンをタップし、表示が「待機しています...」に変わったら、Pixel 10側での操作は終了だ。
この時点でiPhoneでは、Pixel 10からの写真共有を受け入れるか否かを問うダイアログがポップアップしているので「受け入れる」をタップする。これによりダウンロードが実行され、完了すると自動的にプレビューが表示される。Pixel側の表示が「送信しています...」→「送信しました」に変われば完了だ。
また送信先がiPhone以外のApple製デバイスであっても、これらの流れは変わらない。13インチiPad Pro、MacBook Airでそれぞれ試してみたが、いずれも問題なく送信が可能だった。
【検証3】非対応のAndroidデバイスだとどうなる?
さて本稿執筆時点では、AirDropでのファイルの送受信に対応するAndroid端末はPixel 10シリーズのみとなっている。ここにほかのAndroid端末が参加した場合、どのような挙動になるのだろうか。比較用としてPixel 9 Pro XL(以下Pixel 9)を用意し、前述の2台と並べて送受信を試してみた。
まずiPhoneから送信を行なう場合、送信先として検出できるのはPixel 10だけで、Pixel 9は検出されない。またPixel 9から送信しようとした場合は、送信先に表示されるのはPixel 10だけで、iPhoneは検出されない。いずれも検出はできるものの送信ができないといったレベルではなく、そもそもの検出自体が不可能だ。
一方でPixel 10から送信する場合は、iPhoneとはAirDropで、Pixel 9とはQuick Shareでやりとりが可能なことから、どちらの端末も検出され、送信先に表示される。
もう1つ、Wi-Fiオフの場合はどうだろうか。AirDropはWi-FiとBluetoothを用いて送信を行なう仕組みのため、送信側のiPhoneがWi-Fiオフであっても、問題なく送信が行なえる。試してみたところ、このルールは受信側がiPhoneの場合だけでなく、Pixel 10である場合にも適用された。
一方で送信側がPixel 10である場合は、Wi-Fiをオフにした時点でQuick Shareが付近のデバイスを検出できなくなるので、「Wi-FiをONにする」というボタンが表示され、検出画面にたどり着かない。Quick ShareもWi-Fiに加えてBluetoothを使う仕組みのはずだが、これを見る限り、Wi-Fiへの依存度が高いようだ。
もう1つの組み合わせ、具体的には送信側がPixel 10(Wi-Fiオン)、受信側がiPhone(Wi-Fiオフ)の場合はどうかというと、Pixel 10側からiPhoneを検出でき、送信が行なえる。
つまり、iPhoneについてはWi-Fiのオン/オフは無関係、Pixel 10側は送受信どちらであってもWi-Fiはオンが必須、ということになる。このようにそっくりに見えてちょっとした挙動が違うのも興味深い。
【検証4】デバイスの表示名はどこで設定できる?
実際に使っていて気になったのが、送受信先としてそれぞれの画面に表示されるデバイスの名前だ。識別のために表示されるデバイス名は、iPhoneおよびPixel 10の設定画面のどこで登録および変更できるのだろうか。
まずiPhoneについては、AirDropと同様、設定画面の「一般」→「情報」→「名前」に登録された名前がそのまま用いられる。デフォルトでは「誰々のiPhone」といった具合に、名前+iPhoneというフォーマットになっているので、ほかのユーザーとやりとりする場合も、誰が所有するiPhoneなのか分かりやすい。
ただしPixel 10の画面に送信先としてiPhoneが表示される場合に、時折「iPhone」とだけ表示される場合があった。登録された名前の省略形ではなく、検出された機種名のように見えるのだが、どのようなケースで発生するのかまでは分からなかった。圏内にiPhoneが複数あると見分けがつかなくなるため少々困りもので、発生しないことを祈るしかない。
一方でPixel 10については、Quick Shareのホーム画面における「デバイス名」が識別に用いられる。こちらもデフォルトでは「誰々のPixel 10 Pro XL」といった具合に、名前+機種名というフォーマットになっている。前述のiPhoneの名前がほかの用途でも用いられるのに対し、こちらはQuick Shareでのみ使われる専用の名前を付けられるのが違いだ。
というのも、このAirDropならびにQuick Shareを用いた第三者とのやり取りは、本名を開示していない相手にうっかり本名をバラすきっかけになりやすい。ネット仲間とのオフ会で写真やURLを交換するようなケースでは、自分のデバイスが相手からどのような名前で見えるか、上記を参考に事前に確認しておくことをおすすめする。
またこれとは逆に、端末にハンドル名を登録していて、身内や職場の人に身バレするリスクもある。どちらの可能性も考慮すると、今回の例のようにユーザー名を含めず機種名だけにしておくのが無難、ということになる。だが、これだと多人数でのやりとりの時に誰のデバイスなのか識別しづらいので困ってしまう。これについては解決策はなく、個人で気を付けるしかないというのが現状だ。
【結論】ほぼシームレスに利用可能。だが今後の展開には若干の不安も
以上のように、AirDropとQuick Shareの相互のやりとりを検証してみたが、細かいところまで見ていけば相違点はあるものの、ほぼシームレスに使えるのは秀逸だ。上手くいかないケースが発生しても、相手側で受信の準備ができていない、画面がオフになっている、といったちょっとしたミスが大半を占めると考えられるので、問題解決もしやすいはずだ。
今後期待したいのは、iPhoneのAirDrop設定が「連絡先のみ」となっている場合でも受信可能になることだが、これはApple側の協力が欠かせないと考えられる。今回の一件はAppleの力を借りずにGoogleが独自に実装したと言われており、これについては実現は容易ではなさそうだ。
どちらかというと懸念点としてあるのは、Googleが独自に実装したといわれるこの機能が、将来的にずっと使えるか否か、ということだろう。これだけ話題になってしまうと、Appleが露骨にブロックしてくることは考えにくい。しかし、セキュリティを理由に操作の手順をワンステップ増やしたり、また上位にあたる新規格を投入して互換性を実質なくしてしまうなど、今後何らかの措置を取ってくる可能性はゼロとはいえない。
AirDropの相互運用性の問題を解決するこの機能は、文字通りのゲームチェンジャーになりうる存在だ。中でも取り組みに前向きとされるSnapdragon陣営のスマホが対応機種に加わることがあれば、Androidのシェアにも少なからぬ影響を与えることが考えられる。
Can't wait for people to use this once enabled on Snapdragon in the near future.https://t.co/IUvT23p5pq
— Snapdragon (@Snapdragon)November 21, 2025
それだけにAppleが神経質になってくる可能性も十分にあるわけだが、せっかく取り払われた垣根がまた復活するのは何とか避けてほしいと、いちユーザーとして願うばかりだ。










































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