2022年12月13日 16:00
AI・ロボットの開発、提供を手掛けるタケロボ株式会社(所在地:東京都品川区)は、京都大学医学研究科医学教育・国際化推進センター(所在地:京都府京都市)のノウハウをもとに「医療面接AIチャットボット」を開発し、京都大学医学部の学生向けに提供を開始しましたので、お知らせいたします。
1. 医療面接AIチャットボット開発の背景
医学部の学生は、臨床医に向けたトレーニングとして、模擬患者役(※1)の方と実際に医療面接練習を行います。昨今のコロナの影響により、医療面接練習をすることが難しい場合がでてきています。その一方、AI・デジタル技術の進化により、人のように対話するAI技術も製品化されつつあります。医療面接練習に関し、「コロナの影響」と「AI・デジタル技術の進化」の両面を踏まえまして、医療面接練習ができるAIシステムを開発することで、医学部学生は(模擬患者役に頼ることなく)、好きなときに、AIと医療面接練習を行うことが可能になります。
タケロボのコミュニケーション型AIシステムは、オリジナル対話データを簡単に登録でき、高性能な受答えを利用者に提供することが可能です。当該AIシステムに京都大学医学研究科が培った医療面接ノウハウ、データを登録、学習することで、医療面接AIチャットボットを開発しました。
また、医療面接AIチャットボットが開発、利用されても、人の模擬患者との練習も行います。本医療面接AIチャットボットは、医学部の学生向けだけでなく、模擬患者役を希望される方の練習用に活用することも可能となっています。
(※1)模擬患者役を希望する方が、各種病状のシナリオを覚え、模擬患者役を演じます。
2. 医療面接AIチャットボットの概要・機能・特徴
医療面接AIチャットボットは、クラウド上に構築されており、スマホやパソコンなどネットワークでクラウドに接続できるデバイスがあれば、いつでも、どこでも好きなときに利用することができます。また、便利な機能や特徴を備えており、医学部の学生や模擬患者を希望される方々の役に立つ、医療面接練習のためのクラウドサービスを提供します。
(1)AIクラウドサービス・全体構成
簡単にオリジナルAIシナリオが登録でき、高性能なAIチャットボットが提供できるタケロボのAIクラウドを利用しています。当該AIクラウドに京都大学医学研究科が有する患者シナリオを登録、学習することで、今回の医療面接AIチャットボットを構築しています。<図1>
(2)患者シナリオ
医学部学生、模擬患者希望者は、つぎの症状のシナリオで練習することができます。
動悸(58歳)、不眠(63歳)、頭痛(40歳)、発熱(45歳)、発熱(68歳)、めまい(41歳)、腰痛(63歳)、胸痛(52歳)、胸部痛(52歳)、腹痛・便秘(75歳)
(3)各種ユーザインタフェース
パソコン、スマホ、タブレット、等のネットに接続できる好きなデバイスで使用でき、入出力も音声対話、キーボード、画面表示があり、利用シーンに合わせて選択することができます。
(4)利用者における評価結果確認
医学部学生用、模擬患者希望者用とも、評価ロジック(※2)を組み込んでおり、終了時に評価結果が提示され、利用者自身で習得度の確認が可能です。
(※2)医学部学生用は、問診事項毎に必須、重要度、共感、等を設定し、評価を実施。模擬患者希望者用は、問診事項毎に正誤確認(誤った場合は模範解答を表示)を実施。
(5)管理者用確認機能
利用状況をリアルタイムで閲覧、Excelダウンロード機能を管理者向けに提供しており、管理者は、医学部学生、模擬患者希望者の利用状況を確認することができます。
<図1>
・京都大学医学研究科 医学教育・国際化推進センター
http://cme.med.kyoto-u.ac.jp/
・タケロボ株式会社
http://www.takerobo.co.jp/