2022年6月15日 11:00
トライベック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤 洋)の調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、BtoBサイトのビジネス貢献度を評価する「BtoBサイト調査2022」の結果を発表しました。調査手法はインターネット上のアンケート調査、有力企業198サイトについて製品・サービス分野別に抽出したBtoBターゲットユーザーより回答を得ました。
●BtoBサイトランキング1位はオムロン(制御機器)、テルモ(医療関係の皆様向け情報)が5位にランクイン
BtoBサイト調査のランキング指標であるニーズ充足度(ターゲット(該当する製品・サービスの購入関与者)に占めるサイトでのニーズ充足者の割合)は、オムロン(制御機器)が54.8%で16年連続トップとなりました。次いで三菱電機(FA)が53.2%、キーエンスが51.0%とFA(制御機器等)分野のサイトが上位に並びました【表1】。
5位のテルモ(医療関係の皆様向け情報)は、製品・サービスの導入の参考にする目的でのアクセス率が増加し、昨年の16位からのランクアップとなりました。また医療用医薬品の武田薬品工業(医療関係者向け情報 Takeda Medical site)、ファイザー(医療関係者の皆さま Pfizer for Professionals)も順位を伸ばしています。
【表1】ニーズ充足度ランキング<総合ランキング上位20>
ニーズ充足度は「アクセス率×ニーズ充足率」によって算出。アクセス率はターゲットのうち過去1年以内に業務目的でアクセスした人の割合、ニーズ充足率はアクセス者のうちニーズが充足された人の割合である。
●ニーズ充足率1位はTOTO(建築専門家のための情報サイトCOM-ET)、医療用医薬品分野のサイトが大幅ランクアップ
ニーズ充足率(アクセス者に占めるサイトでのニーズ充足者の割合)のランキング【表2】はTOTO(建築専門家のための情報サイトCOM-ET)が85.4%でトップ、ファイザー(医療関係者の皆さま Pfizer for Professionals)、ブラザー工業(ビジネス用複合機・プリンター)がそれに続きました。
上位には医療用医薬品、ドキュメントソリューション、業務用電気設備・機器分野のサイトが多く並び、特に医療用医薬品分野のサイトは前回調査と比べ大幅に順位が向上しています。
【表2】ニーズ充足率ランキング<総合ランキング上位20>
ニーズ充足率は過去1年以内に業務目的でサイトにアクセスした人のうちニーズが充足された人の割合である。
●1位はTOTO(建築専門家のための情報サイトCOM-ET)
TOTO(建築専門家のための情報サイトCOM-ET)は、品番・品名・カテゴリからの商品検索機能や旧製品の代替品提案機能の使いやすさ、CADデータの取得しやすさといった情報取得のしやすさが高く評価されています。また、TOTOはこの1年間でウェビナーを強化しており、水まわりの基礎知識やレイアウトプランニングなど取引先の仕事に役立つ情報をオンライン講義を通じて提供しています。移動時間や場所を気にせず気軽に参加できるウェビナー施策もユーザーに好意的に受け止められた可能性があります。
なお7位のパナソニック(照明器具)は前回調査よりリニューアルし、昨年21位からランクアップしました。リニューアルでは新たに「お役立ちツール」のカテゴリを設け、「商品の詳細や資料を確認したい時」や「空間のイメージを確認したい時」などユーザーの課題に応じて役立つツールを提供しています。
●医療用医薬品分野で加速するDX
今回調査では医療用医薬品分野の躍進も見られています。同分野のサイトでは単に医薬品の情報を提供するだけでなく、診療を成功に導くため役立つ情報が充実していることが特徴のひとつといえます。
前回102位から2位にランクアップしたファイザー(医療関係者の皆さま Pfizer for Professionals)はニーズが高い新型コロナウイルスについて医療従事者専用サイトを立ち上げ、処方者・接種者への説明用文書を多言語で用意するなど、医療の現場で役立つ情報・ツールを提供しています。同様に、4位の大塚製薬(医療関係者向け情報サイト)、7位の武田薬品工業(医療関係者向け情報 Takeda Medical site)でも患者とのコミュニケーションを円滑にする上で役立つ情報を豊富に発信しています。
また、武田薬品工業は2020年8月にエムスリー株式会社が提供するMRと医師とのリモートコミュニケーションプラットフォーム「my MR君」をベースとしたMR発信のリモートディテーリングサービス「T-MR君」の開発・導入を発表、ファイザーは2021年6月に「my MR君」の全社導入を決定するなど、DX推進への積極性がうかがえます。
新型コロナウイルス問題発生以前は全面的にMRが担ってきた情報提供ですが、コロナ後、医療機関への訪問が厳しく制限され、製薬会社は可及的な事業活動の見直しを余儀なくされました。そうした中、アクティブにDXを推し進めた結果がニーズ充足率の向上につながったものと考えられます。
●デジタルチャネルを活用し、顧客とのリレーションを強化
本調査では、BtoBサイトユーザー全回答者のうち75%が「製品・サービスの購入検討や情報収集における今後のコミュニケーション手段として『企業のウェブサイト』を利用したい」と回答しています。対面営業が制限されたコロナ禍にオンラインでの情報収集が定着し、企業ウェブサイトの情報源としての重要性はますます高まっていくでしょう。
今回調査で高評価を得たサイトでは、カタログ的な商品情報の提供にとどまらずユーザーの業務を成功に導くような付加価値情報を拡充させています。加えて、ウェビナーを通じた積極的な情報発信やスムーズなオンライン商談への誘導、あるいは「my MR君」のようなリモートコミュニケーションプラットフォームの活用など、デジタルチャネルの特性を活かした最適なコミュニケーション施策の検討がいっそう求められているものと考えられます。
<調査概要>
調査時期:2022年4月7日~4月27日
調査方法:インターネットを通じたアンケート調査
回答者プロフィール:BtoBの製品・サービス分野(14分野)別に抽出した製品・サービス購入関与者
有効回答数:7,600人
調査対象サイト数:198
詳細: http://brand.tribeck.jp/research_service/websitevalue/bb/bb2022/
<調査結果はこちら>
http://japanbrand.jp/ranking/bb-ranking/bb2022-total.html
トライベック・ブランド戦略研究所について
トライベック株式会社内に設置された調査・分析機関で、ブランドやオウンドメディアの品質・価値向上を実現させるためのリサーチおよびランキング事業を行っている。ブランドや企業のデジタルメディアに関する個別調査を行うほか、国内の主要企業を対象とした大規模調査を定期的に実施し、発表している。主な定期調査には、企業のデジタルメディアの価値を総合的に評価する「Web Equity」、企業情報をユーザーが評価する「企業情報サイト調査」、BtoBサイトのビジネス貢献度を評価する「BtoBサイト調査」、専門家によるウェブサイトの使いやすさを評価する「Webユーザビリティ診断」などがある。
URL: https://brand.tribeck.jp/
【会社概要】
会社名 :トライベック株式会社
所在地 :東京都港区赤坂7丁目1番1号 青山安田ビル3階
代表者 :代表取締役社長 後藤 洋
設立 :2001年9月4日
資本金 :1億5千万円
事業内容:デジタルマーケティング支援事業、DXプラットフォーム事業、エクスペリエンスマネジメント事業、メディア/広告代理事業
URL :https://www.tribeck.jp/
【本調査に関するお客様からのお問い合わせ先】
トライベック株式会社 トライベック・ブランド戦略研究所所長 長谷山
TEL:03-5413-0177 / FAX:03-5413-0178 / E-MAIL:mail@tribeck.jp